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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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神様の四割引(問題ページ

の日、カメオがおつかいに行ったらいつもの洗剤が広告の品で四割引きだったことを、カメオは十年後に奇跡だと感じ、一生感謝することになった。なぜ?
15年06月28日 23:43
【ウミガメのスープ】 [芳香]



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体が悪くなってまともに家事ができない、どころかまともに生活していけない。単身赴任した夫は忙しく、相談すらできない。

そんな状況に耐えかねて、カメオの母は死のうとしていた。

その日、カメオが本来「おつかい」で頼まれていたのは、いつものものではない洗剤だった。
家にあるいつものお風呂用『アルカリ性』洗剤と、カメオが買ってくるはずの「『酸性』洗剤」とを混ぜて有毒ガスを発生させ、母は自殺しようと考えていたのだ。

だが、幼いカメオが買ってきたのはいつもどおりの洗剤だった。
間違えてしまったのだろうか、と母が失望しながら理由を訊くと、カメオは言った。

「だってね、すごいんだよ! このいつものやつ、『4わりびき』だったんだ! すごいでしょ! やすかったからこっちにしちゃった! おかあさん、うれしい?」

まだ子供ながらに母を喜ばせようと、褒めてもらおうと嬉しげなカメオを見て、母は我に返り、涙した。
自分はなんてことをしようとしていたのだろう。こんなに幼い、いい子の、かわいいカメオに自分の親が死ぬための道具を買わせようとするなんて。

「ごめんね、ごめんねカメオ、ありがとう。……きっと神様が、まだ死ぬなって言ってくれてるのね」

当時のカメオには意味がわからなかったが、十年後、化学の授業を受けていたときに理解した。
あのとき、いつもの洗剤が四割引ではなかったら、カメオは母に頼まれた通りのものを買ってきていただろう。家にある洗剤と混ぜれば毒ガスの発生してしまう洗剤を。

カメオは十年前の真実に気付いて恐怖し、それから深く感謝をした。他でもないあの日に、自分にいつもどおりの洗剤を選ばせてくれた「神様」の奇跡に。


要約解説
いつもの洗剤が通常価格の四割引で売られていたことで、幼いカメオはそれに惹かれ、母から頼まれた違うタイプの「いつものものと混ぜると毒ガスの出る」洗剤を買わずに済んだ。そのため母は希望を取り戻し、当時はなにがなんだかわからなかったカメオは、十年後、化学の授業ですべてに気が付き感謝した。


ざっくり言うと、母の「死」を免れたのだ。「四」割引だけに。(重要ではありません)
総合点:20票  チャーム:11票  納得感:1票  トリック:1票  伏線・洗練さ:1票  物語:6票  


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チャーム部門とかげ
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「いつもの洗剤が四割引きだったことを、十年後に奇跡だと感じるカメオ。日常的な一場面が、十年経って意味を持つという不可思議さに、心惹かれずにはいられない。この短文でこのチャームの高さ、さすがです。」
2017年10月25日08時
チャーム部門からす山
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「どうでもよさそうなことを、十年の年月をまたいで奇跡と感じて感謝。このミスマッチと、妙な状況が起こすチャームは、そうそう出せるものではありません。」
2017年10月08日11時
チャーム部門ゴトーレーベル
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「「タイトルを見ただけで良問を強く予感する」という経験を、ラテシンで初めて味わった作品。「十年後に感謝した四割引の洗剤」。この不可思議さ、まさに最強チャームのひとつでしょう。きっちり納得感のある結末に導いた手腕、お見事です!!」
2017年06月11日03時
チャーム部門letitia
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「「四割引」「十年後」「一生」という数字の統一感とギャップが、大きなチャームを生んでいるのはもちろんのこと、それぞれが解説のストーリーへのクルーの役割も担う。矛盾がある問題文はチャームを生みやすいが、そうでなくてもこのように壮大なチャームを生めるというお手本。そして、タイトルはラテシン史上最高の一つだと思う。」
2017年02月28日03時
チャーム部門なさ
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「タイトルだけでごはん10杯食えます.」
2016年01月18日18時
チャーム部門シトウ
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「問題はまずタイトルから始まる。何度見ても開きたくなる素敵なタイトルです。 問題文も、要素が過不足なく用意されているのに、十年後や一生などの規模の大きさに不気味な魅力を感じさせます。」
2016年01月08日12時
チャーム部門春雨
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「フィーカスさんに全面追従。解説読まなくとも「つい」入れたくなります」
2016年01月04日03時
チャーム部門かもめの水平さん
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「タイトルに興味を惹かれ問題を読めば、日常良くある風景に謎を与えられる。そしてそれを紐解けば納得のある物語。シチュエーションパズルとしてとても【魅力】ある作品です」
2015年10月15日19時
チャーム部門フィーカス
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「「チャーム」が「ジャケット買いのようなもの」と言われるなら、まず惹かれる「タイトル」。解説に合わせたよく考えられたタイトルだと思います。問題文も「解きたい!」と思わせるような選び抜かれた言葉の使い方。「チャーム」を知るためのお手本のような問題だと思います。」
2015年08月07日21時
チャーム部門牛削り
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「洗剤が4割引になっていたという日常的なことを『奇跡』と表現するばかりでなく、それが10年前の出来事だと? 出来事の小ささとそれに対する感想の大きさとがうまくギャップを生み出しています。あと、タイトルもチャームが高い。」
2015年07月07日13時
チャーム部門bears
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「「いつもの洗剤が4割引」という、なんでもないような出来事がなぜ奇跡!?それを納得させる物語性の高い解説も魅力です。」
2015年07月01日15時
納得感部門からす山
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「確かにこれは奇跡。何気ないことが、思いがけないところで状況を大きくひっくり返すことはありうることです。それをこのような問題にするとは。全体に納得するしかないです。」
2017年10月21日21時
トリック部門SoMR
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「トリックと物語が絶妙に絡み合う天才問題。」
2017年01月01日10時
伏線・洗練さ部門春雨
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「「十年」という言葉がチャームでありクルーであり物語であり、上手です」
2016年01月04日03時
物語部門からす山
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「奇跡の物語。この世には、本当に神様がいるのかもしれません。神物語。ただ最後の一行……。」
2017年10月21日21時
物語部門SoMR
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「このトリックありきの物語であり、逆もまた然り。こういうぴったりとそれらがハマり合った問題というのは奇跡のようなもので、なかなかお目にかかれるものでない。(何で今までこの問題に気付いていなかったんだろう?ゴメンなさい。)」
2017年01月01日10時
物語部門春雨
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「一切の誇張なく奇跡の物語でした」
2016年01月04日03時
物語部門フィーカス
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「まさに「奇跡」ですよね。これだけの物語から選び抜かれた言葉を使った問題文も秀逸。」
2015年07月16日02時
物語部門牛削り
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「短い解説の中に詰め込まれた、登場人物たちの喜怒哀楽。洗剤というアイテムから紡がれた壮大なストーリーは圧巻。」
2015年07月07日13時
物語部門のりっこ。
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「チャームの高い水平思考問題。素晴らしいストーリーです。」
2015年06月29日15時

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