「花嫁の手紙」「1ブックマーク」
結婚式の会場。
今日16歳の誕生日を迎える花嫁は、父親に手紙を読んだ。
『お父さんへ
男手一つで育ててくれてありがとう。今日という幸せな日を迎えることができたのはお父さんのおかげです。
お父さんは結構ズボラなところがあるので、私は少し不安です。私がいなくても、きちんと三食食べて、いつまでも元気でいてください。
私はお父さんの娘に生まれて幸せです。あまり親孝行じゃない娘でごめんなさい。
もう一度言います。今日まで私を育ててくれてありがとうございました。』
拍手に包まれる中、父親が流す涙は嬉し涙ではなく、胸中を占めるのは後悔の念ばかりであった。
どうしてだろうか。
今日16歳の誕生日を迎える花嫁は、父親に手紙を読んだ。
『お父さんへ
男手一つで育ててくれてありがとう。今日という幸せな日を迎えることができたのはお父さんのおかげです。
お父さんは結構ズボラなところがあるので、私は少し不安です。私がいなくても、きちんと三食食べて、いつまでも元気でいてください。
私はお父さんの娘に生まれて幸せです。あまり親孝行じゃない娘でごめんなさい。
もう一度言います。今日まで私を育ててくれてありがとうございました。』
拍手に包まれる中、父親が流す涙は嬉し涙ではなく、胸中を占めるのは後悔の念ばかりであった。
どうしてだろうか。
15年04月03日 21:32
【ウミガメのスープ】 [立山アスカ]
【ウミガメのスープ】 [立山アスカ]
本日最後の出題です。
解説を見る
恭一郎が妻の晴子を亡くしたのは今からちょうど10年、娘の美晴がまだランドセルを背負う前のことだった。
死因は癌。ようやく三十路になったところだった晴子は若すぎた。癌という病気は若い方が進行が早い。気付いた時にはもう手遅れ、というありきたりな悲劇だった。
娘に苦労はさせまい。恭一郎はとにかく我武者羅に働いた。
幼い娘は少し寂しそうな顔することもあったが、自身のためだと理解していた。美晴は我侭を言わない手のかからない子に育った。
美晴が母と同じ病に罹ったとわかったのは1年前。その日も恭一郎は残業して帰った。
美晴から告げられた事実を受け止めきれなかった恭一郎は最初、寂しがった娘が父の気を引くために嘘をついているのだと思った。というより、ただそう思いたかっただけかもしれない。
しかし美晴は嘘などついていなかった。
「私、結婚する」
唐突な発言に、恭一郎は水を替えようとした花瓶を落としかけた。
相手は他の入院患者の見舞いに来ていた男だそうだ。挨拶に来た男の顔に恭一郎は見覚えがあった。
恭一郎の息子となる男は慎一郎と名乗った。
「まるで本当にお父さんの息子みたいな名前でしょ?」
そう言って笑う美晴に、恭一郎は泣きそうになった。
式は美晴の16歳の誕生日に、病院で行われることになった。
「君はそれでいいのか?」
恭一郎の色んな言葉を省略した問いに、慎一郎は飲んでいたビール缶を空にしてから答えた。
「"せめて花嫁姿を見せてあげたい"と美晴は言いました。けど、僕たちが結婚する理由はそれだけじゃありません」
慎一郎はぽつぽつと美晴との出会いと、結婚に至るまでの経緯を語った。
両親を亡くしたこと。同時期に友人関係や仕事も上手く行かず、精神的に追い詰められていたこと。
自殺を考えて上った屋上で美晴に出会ったこと。
「僕の心は美晴さんに救われました」
「美晴がなぁ……」
とても穏やかに笑う慎一郎のきれいな横顔に、恭一郎は娘の顔を思い返してみる。しかし、仕事に明け暮れていたせいで思い出せることが意外なほど少ないことに気付いた。
「すいません、結婚できる歳になった途端攫うなんて、父親の敵ですよね」
「…………そうだな」
それだけ絞り出すのがやっとだった。
あっという間に式の当日になった。
お互い身内も少ないし、場所も狭い。参加者は30人に満たなかった。
ドレスはある程度体型を誤魔化せるデザインのものにしたが、それでもやせ細った腕を隠せはしない。
「えへへ、綺麗?」
照れたように笑う美晴に、恭一郎と慎一郎は揃って肯いた。
震える手と声で読まれた娘の手紙に涙を堪えきれなかった恭一郎は、後悔の念に苛まれていた。
どうして、もう少し娘を省みなかったのか。どうして、娘の異変に気付いてやれなかったのか。どうして、妻の時と同じ過ちを繰り返してしまったのか。どうして、妻の「美晴をお願いね」という簡単な言葉すら守れないのか。
どうして、娘の晴れ舞台で素直に祝ってやれないのか。
「も〜、お父さん泣きすぎー」
言いながら自分も泣いている美晴は、母の面影を残す顔で微笑んだ。
誰がなんと言おうと、少なくとも今この時の美晴は、世界一幸せな花嫁だ。
解説文がどれだけ長くても大丈夫か挑戦したのでした(爆)
死因は癌。ようやく三十路になったところだった晴子は若すぎた。癌という病気は若い方が進行が早い。気付いた時にはもう手遅れ、というありきたりな悲劇だった。
娘に苦労はさせまい。恭一郎はとにかく我武者羅に働いた。
幼い娘は少し寂しそうな顔することもあったが、自身のためだと理解していた。美晴は我侭を言わない手のかからない子に育った。
美晴が母と同じ病に罹ったとわかったのは1年前。その日も恭一郎は残業して帰った。
美晴から告げられた事実を受け止めきれなかった恭一郎は最初、寂しがった娘が父の気を引くために嘘をついているのだと思った。というより、ただそう思いたかっただけかもしれない。
しかし美晴は嘘などついていなかった。
「私、結婚する」
唐突な発言に、恭一郎は水を替えようとした花瓶を落としかけた。
相手は他の入院患者の見舞いに来ていた男だそうだ。挨拶に来た男の顔に恭一郎は見覚えがあった。
恭一郎の息子となる男は慎一郎と名乗った。
「まるで本当にお父さんの息子みたいな名前でしょ?」
そう言って笑う美晴に、恭一郎は泣きそうになった。
式は美晴の16歳の誕生日に、病院で行われることになった。
「君はそれでいいのか?」
恭一郎の色んな言葉を省略した問いに、慎一郎は飲んでいたビール缶を空にしてから答えた。
「"せめて花嫁姿を見せてあげたい"と美晴は言いました。けど、僕たちが結婚する理由はそれだけじゃありません」
慎一郎はぽつぽつと美晴との出会いと、結婚に至るまでの経緯を語った。
両親を亡くしたこと。同時期に友人関係や仕事も上手く行かず、精神的に追い詰められていたこと。
自殺を考えて上った屋上で美晴に出会ったこと。
「僕の心は美晴さんに救われました」
「美晴がなぁ……」
とても穏やかに笑う慎一郎のきれいな横顔に、恭一郎は娘の顔を思い返してみる。しかし、仕事に明け暮れていたせいで思い出せることが意外なほど少ないことに気付いた。
「すいません、結婚できる歳になった途端攫うなんて、父親の敵ですよね」
「…………そうだな」
それだけ絞り出すのがやっとだった。
あっという間に式の当日になった。
お互い身内も少ないし、場所も狭い。参加者は30人に満たなかった。
ドレスはある程度体型を誤魔化せるデザインのものにしたが、それでもやせ細った腕を隠せはしない。
「えへへ、綺麗?」
照れたように笑う美晴に、恭一郎と慎一郎は揃って肯いた。
震える手と声で読まれた娘の手紙に涙を堪えきれなかった恭一郎は、後悔の念に苛まれていた。
どうして、もう少し娘を省みなかったのか。どうして、娘の異変に気付いてやれなかったのか。どうして、妻の時と同じ過ちを繰り返してしまったのか。どうして、妻の「美晴をお願いね」という簡単な言葉すら守れないのか。
どうして、娘の晴れ舞台で素直に祝ってやれないのか。
「も〜、お父さん泣きすぎー」
言いながら自分も泣いている美晴は、母の面影を残す顔で微笑んだ。
誰がなんと言おうと、少なくとも今この時の美晴は、世界一幸せな花嫁だ。
解説文がどれだけ長くても大丈夫か挑戦したのでした(爆)
「カウントダウン あと一つ」「1ブックマーク」
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こげおは次に出題予定の問題を~部分より上に書き残した。
けれども1つ弱いから問題が見られないのだという。
1の部分にあとひとつ補えば問題が見られない原因が判明するというのだが、
その原因とは?
17年01月05日 00:13
【20の扉】 [滝杉こげお]
【20の扉】 [滝杉こげお]
制限なし扉
解説を見る
1つ弱いからの『1』部分を
『あ』と『ひ』と『つ』で補うと
#b#ひつあつ#/b#【筆圧】弱いから
『あ』と『ひ』と『つ』で補うと
#b#ひつあつ#/b#【筆圧】弱いから
「おいしい……って、おい!!」「1ブックマーク」
今日はカメオの入学試験の日。
母カメコはカメオのために早起きして弁当を作っていた。
ポトフのキャラ弁に『#b#落ちついて!!#/b#』と応援メッセージを乗せる。
出来栄えは思わず写真に取るほど。
けれども弁当を見たカメオは激怒したと言う。
妹ツルミがツイートしたり、父ウミオがイイネ! と言わなければカメオは
怒ることはなかったというのだが、
なぜ?
母カメコはカメオのために早起きして弁当を作っていた。
ポトフのキャラ弁に『#b#落ちついて!!#/b#』と応援メッセージを乗せる。
出来栄えは思わず写真に取るほど。
けれども弁当を見たカメオは激怒したと言う。
妹ツルミがツイートしたり、父ウミオがイイネ! と言わなければカメオは
怒ることはなかったというのだが、
なぜ?
16年12月26日 23:11
【ウミガメのスープ】 [滝杉こげお]
【ウミガメのスープ】 [滝杉こげお]
解説を見る
解説
『#b#落ちついて!!#/b#』
いろいろな食材で作った母カメコからの応援メッセージ。
「あっ、うまそうじゃん!!」
『ツ』イート、つまり『#b#つ#/b#』をつまみ食いした妹ツルミ
「カメオって、キュウリ嫌いじゃなかったっけ」
『イ』去ね!、つまり『#b#い#/b#』の部分を取り払うよう言った父ウミオ
結果……
『#b#落ちて!!#/b#』
「#big5#なんでやねん!!#/big5#」
家族の見事な連携プレーで作られたメッセージを見たカメオは当然激怒したのだ。
『#b#落ちついて!!#/b#』
いろいろな食材で作った母カメコからの応援メッセージ。
「あっ、うまそうじゃん!!」
『ツ』イート、つまり『#b#つ#/b#』をつまみ食いした妹ツルミ
「カメオって、キュウリ嫌いじゃなかったっけ」
『イ』去ね!、つまり『#b#い#/b#』の部分を取り払うよう言った父ウミオ
結果……
『#b#落ちて!!#/b#』
「#big5#なんでやねん!!#/big5#」
家族の見事な連携プレーで作られたメッセージを見たカメオは当然激怒したのだ。
「ちょっと!!」「1ブックマーク」
男はコップ満杯の麦茶を女に渡した。すると女は「えっ、そんなにいりません…」と言ったので、男が自ら飲み干すと女はとても驚いた。
一体なぜ?
一体なぜ?
16年08月29日 13:54
【ウミガメのスープ】 [ホルス]
【ウミガメのスープ】 [ホルス]
ブラックジョークです
解説を見る
男は健康診断を受けにとある病院に行った。だが、今回はそれが本当の目的ではなかった…
「まずはこちらのコップで検尿をして来て下さい。」
男は待ってましたとばかりに、トイレに行くと検尿コップに用意した麦茶をなみなみと注ぎ、それをさっきの看護師に渡した。
「えっ、そんなにいりません…」
ものすごく引いている看護師を尻目に男はコップを手にして思い切り麦茶を飲んだ。
「えっ、ちょ…ちょっと何を……」
男は飲みながら女の顔をチラリと見てうまくいったと喜んだ。そしてこう言ってやった。
「どうかしました?これは麦茶ですよ。あっそうそう、もう一つコップくれませんか?これは濡れちゃったから検尿に使えないでしょ?」
「まずはこちらのコップで検尿をして来て下さい。」
男は待ってましたとばかりに、トイレに行くと検尿コップに用意した麦茶をなみなみと注ぎ、それをさっきの看護師に渡した。
「えっ、そんなにいりません…」
ものすごく引いている看護師を尻目に男はコップを手にして思い切り麦茶を飲んだ。
「えっ、ちょ…ちょっと何を……」
男は飲みながら女の顔をチラリと見てうまくいったと喜んだ。そしてこう言ってやった。
「どうかしました?これは麦茶ですよ。あっそうそう、もう一つコップくれませんか?これは濡れちゃったから検尿に使えないでしょ?」
「才能がない」「1ブックマーク」
娘の美しいバイオリンの音色を聴いたカメコは、娘にバイオリンを習わせるべきではなかったと後悔した。
一体どういうことだろう?
一体どういうことだろう?
17年01月20日 17:43
【ウミガメのスープ】 [からしんぐ]
【ウミガメのスープ】 [からしんぐ]
お手柔らかによろしくお願いします!
解説を見る
「火事だー!」
買い物から戻ったカメコが見たのは隣の家が大きな炎をあげて燃えているところだった。
あっというまに炎は激しさを増し、隣のカメコの家にまで広がった。
呆然とその様子を眺めていたカメコは、娘のキリコがまだ家にいることに気づいた。
「キリコ!!!」
慌てて家に入ろうとしたが、周りに制止され、前に進むことができない。
轟々と音を立て燃える炎に混じって、美しいバイオリンの音色が聴こえてきた。
キリコが弾いている。
3歳からバイオリンを始めたキリコはバイオリニストになることを夢見て日々練習に明け暮れていたのだ。
そんなキリコには悪い癖がある。
バイオリンを弾いている間は周りの音がまるで耳に入らないのだ。
早く、逃げて。
「やめてーーーーー!!!!」
憎らしいまでに美しいそのバイオリンの音色は家全体を炎が包むまで、無情に鳴り続けていた。
(簡易解説)
娘は、バイオリンを弾いていて、火災が発生したことに気づかず、逃げ遅れてしまったから。
買い物から戻ったカメコが見たのは隣の家が大きな炎をあげて燃えているところだった。
あっというまに炎は激しさを増し、隣のカメコの家にまで広がった。
呆然とその様子を眺めていたカメコは、娘のキリコがまだ家にいることに気づいた。
「キリコ!!!」
慌てて家に入ろうとしたが、周りに制止され、前に進むことができない。
轟々と音を立て燃える炎に混じって、美しいバイオリンの音色が聴こえてきた。
キリコが弾いている。
3歳からバイオリンを始めたキリコはバイオリニストになることを夢見て日々練習に明け暮れていたのだ。
そんなキリコには悪い癖がある。
バイオリンを弾いている間は周りの音がまるで耳に入らないのだ。
早く、逃げて。
「やめてーーーーー!!!!」
憎らしいまでに美しいそのバイオリンの音色は家全体を炎が包むまで、無情に鳴り続けていた。
(簡易解説)
娘は、バイオリンを弾いていて、火災が発生したことに気づかず、逃げ遅れてしまったから。