私達の村の近くにある、『出る』と噂の不気味な林道。
そこにはある一つのルールが存在する。
その林道で、
『もし一人ぼっちで歌う少女を見かけたら、絶対に関わってはいけない』
というものだ。
なぜそんなルールが存在するのだろう?
14年08月22日 21:37
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[ruxyo]
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私達の村に住む一人の少女。
病気の母のために、毎日朝早くに街に働きに出て、夜遅くに帰ってくる。
その不気味な林道は、街に続く唯一の道だが、
近くには墓もあり、死んだ村人達の幽霊が出るともっぱらの噂だった。
幼い少女が夜遅くに一人でその林道を通るのは、相当な勇気がいることだろう。
だから、少女は怖さを紛らわすために陽気な歌を歌う。泣きそうになりながら歌う。
あまりにも健気でかわいそうなので、その林道に出る『村人の幽霊』である私達は、
少女を怖がらせないために、彼女が通る間は視界の届かない場所に隠れることに決めたのだった。
おかげで少女は幽霊を見たことはなく、仕事に支障をきたしたこともない。
お母ちゃん、早く良くなるといいね。
総合点:33票 チャーム:4票 納得感:5票 トリック:9票 伏線・洗練さ:7票 物語:8票
伏線・洗練さ部門弐閃【
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「一つ一つの要素が納得感や物語性を強くしています」
2016年01月10日02時
伏線・洗練さ部門フィーカス【
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「問題文の書き方が絶妙。解説を読めば、何故こんな問題文なのかがはっきりわかる。この問題構成力、見習いたいものです。」
2016年01月05日03時
伏線・洗練さ部門エリム【
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「ある逆転の発想、それによりもたらされる心にしみる展開。物語とトリックを両立した1作で、この双方を評価するのに最もふさわしいのは、やはり洗練された問題であるという一言。」
2015年08月13日23時
伏線・洗練さ部門牛削り【
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「非現実問題でありながら、必要な設定は問題文に尽くされており、また問われているルールの理由は非常に人間的な内容。独自の設定を、その枠組みから逸脱することなく、最大限に活かし切った名作。」
2015年08月13日17時
伏線・洗練さ部門なさ【
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「叙述トリックの極み。それだけでなく物語背景を解き明かす必要もあり、文句のつけどころがないくらい完璧な問題。」
2015年01月20日02時
物語部門ゴトーレーベル【
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「優しい物語。物語性が真によくできている問題は、ウミガメ問題としてもよくできているということを思う。」
2017年10月22日01時
物語部門からす山【
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「おとぎ話のように慈愛と優しさに満ちた、非常に完成された物語です。絵本に出来そう。」
2017年10月03日21時
物語部門上3【
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「絵本のような優しいお話でした。」
2017年08月22日17時
物語部門kinnsada【
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「後味の良い物語でトリックの良さがより引き立ってますね。」
2016年04月27日12時
物語部門弐閃【
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「仮にトリックを除いたとしてもひとつの読み物として成立します」
2016年01月10日02時
物語部門フィーカス【
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「問題文が先か、物語が先か。それは分かりませんが、この問題は物語があってこそできる問題だと思いました。」
2016年01月05日03時
物語部門ツォン【
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「後の後まで優しさに包まれた世界でした。」
2015年10月15日21時
物語部門牛削り【
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「ウミガメのスープではなく、物語単体で提出されたとしても高い評価を得るだろう。単なるトリックに終わらず、それが読むものの心に深い感動をもたらす、味わい深い作品。」
2015年08月13日17時