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ジョーカーあがり(問題ページ

A氏がトランプの大富豪をしているのを後ろから見ている。
ゲームは進み、A氏の手札は残り2枚となり、1枚はジョーカーであった。
次の手番はA氏。
ジョーカーを出して、次にもう一枚を出せば上がれる盤面であり、
悩むような状況でなかったのだがA氏は長考。
やっとの事でジョーカーを出して手番を獲得、もう一枚を出してA氏はあがることができた。

一体何故長考したのだろう?
16年06月12日 19:37
【ウミガメのスープ】【批評OK】 [SoMR]



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番が来たとき、A氏は数年前に死んだ嫁とあの日の事を手札に重ね、思いをめぐらせていた。

数年前にA氏はある女性と婚約し、婚姻届を一緒に書き、さあ明日提出だというところで女性は交通事故にあい、死んでしまった。
A氏は翌日、婚姻届と死亡届を両方持ち、
役所にやってきた。
死亡届を出してからでは婚姻届は出せない。
まず婚姻届を出して、それから死亡届を出さなければならなかった。

A氏の二枚の手札はハートのカードとジョーカー。
それぞれ婚姻届と死亡届と重なってしまい、その時の記憶がフラッシュバックしてしまった。
今の状況ではジョーカー、ハートの順、すなわち死亡届、婚姻届の順に出さねばならないのだ。

あの時は「ジョーカーあがり」をする必要があったが、
今は「ジョーカーあがり」をしてはいけないとは皮肉なものだな…A氏はあの日を思い出し、しばし手を止め、そして溢れ出す悲しみを押し堪えながらジョーカーを出した。
総合点:4票  納得感:1票  物語:3票  

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ジャンル名前表示コメント日付
納得感部門az
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「理屈では測れない、深い深い納得感。」2017年03月19日00時
物語部門キュアピース
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「本家『ウミガメのスープ』を彷彿とさせる、ベール型問題の傑作。100番の質問に対する回答で鳥肌立ちました。」2016年10月22日23時
物語部門ゴトーレーベル
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「素晴らしい!この問題に気づかせてくれたエリムさんにも最大の感謝を捧げたい作品。二つの情景を発想する能力、結びつける感性は非凡の一言。この比喩に納得感を感じない人も多々あろうし、それは納得感というものの本質上仕方がないことでもあるが、作者にはまたこの方向性で作題してほしい。私は全面的に支持する。新しい物語派出題者の誕生を心から喜びたい。」2016年06月17日00時
物語部門エリム
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「一言でまとめてしまえば比喩表現なのですが、人間の心の繊細さが二重に描かれており、また主人公の思考・行動が一貫して理論的であるため説得力が高い1作です。」2016年06月16日23時

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