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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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その問題を解いたなら(問題ページ

ABC高校の、織田先生が顧問を務める数学同好会では、
去り行く三年生が最後に必ず解かされる問題があるという。
その問題の答えは何だろうか?
16年03月15日 23:49
【20の扉】【批評OK】 [牛削り]



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月の終わり。

桜の咲き始めた校舎への道を、織田先生は複雑な気持ちで歩いていた。
今日は大好きな教え子たちの旅立ちの日であり、お別れの日だ。
彼らの新しい人生を喜ばなければならないのに、別れの悲しさだけが募っていく。

毎年思うことだ。
どうせすぐに別れなければならないのだから、好きにならなければいい。
教える人と教わる人。ビジネスライクな関係でいればいい。
しかし織田先生は、いつもその自戒を破ってしまうのだった。

自分が顧問を務めている数学同好会での活動を振り返る。
駒野は数字を偏執的に愛していて、五桁未満の素数には全てニックネームをつけている。
菅原は大学受験の武器にしたいという動機で入部したくせに、すでに大学院レベルの問題にまで手を伸ばしている。
反町はイケメンだ。
鵜飼は数学で世界を救えると本気で信じている。
米澤の実家では、それは見事なホルスタインを飼っている。

彼らはみな、希望の大学への入学を決めている。
明日になれば、もうしばらくは、会うこともないだろう。

卒業式を終えて、三年生が玄関から出てきた。
織田先生は彼らに一列に並ぶよう指示し、鞄からカメラを取り出した。

駒野、菅原、反町、鵜飼、米澤。
素晴らしい生徒達だった。

込み上げてくる涙をこらえて、織田先生は彼らに、最後の問題を出した。

「いちたすいちはー?」


織田先生の目の前に、希望に満ちた五つの笑顔が並んだ。




【解答】
織田先生が最後に出す問題とは、写真撮影の際の合図である、
「1+1は?」という計算問題である。
したがって当問題の答えは、1+1の計算結果である「2」となる。
総合点:19票  総合点:1票  20の扉部門18票  


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ゴトーレーベル
投票一覧
「今の今、自分が投票していないことに気がついて愕然とした。オブザイヤー2017で激賞したので勘違いしていたらしい。数学同好会という味付けがすばらしい。織田先生の人生も垣間見させる物語扉の傑作。投票漏れという過ちをそそぐ機会に感謝。」
2019年02月13日02時
20の扉部門
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「短い問題文に納得の回答そして素敵な物語!ぜひとも皆さまに見てもらいたい問題です。」
2017年10月28日08時
20の扉部門上3
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「一行目がなくても答えは導けますが、この一行がトリックになっていると同時に、解説で織り成される物語の始まりを予感させます。」
2017年09月08日14時
20の扉部門からす山
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「最後に待っているのは、涙なしには解けない、感動的な問題でした。ただの物当てではなく、凝縮された物語があります。」
2017年09月01日22時
20の扉部門ナ。ビスコ
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「はひょぉー。泣けますね。ストーリー性にびっくりです。」
2017年06月02日19時
20の扉部門甘木
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「「もの当て」という設定の中でで、非常に高い納得感&洗練さがある完成度の高い問題です!」
2017年04月04日23時
20の扉部門letitia
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「基本的に参加者は「解く」ために参加しているのであって、「騙される」ためではない。だから、情報を隠したり言い換えたりするのではなく、「騙すために余計な要素(出題者の言葉を借りれば、善玉ノイズ)を付け加えること」は、ときに参加者にアンフェアだと感じさせるリスクがある。しかし、この問題は誰が見ても「ベストな善玉ノイズ」を用いることと、用意されている真相の爽やかな読後感で、参加者に「気持ちよく騙された」という満足感を与えてくれます。」
2017年02月11日16時
20の扉部門蓮華
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「非常に高度な数学を使います。要知識です。嘘です。この問題を解いた後は、難しい数学の問題が綺麗に解けた時と同じスッキリした感覚が味わえると思います。」
2016年06月06日19時
20の扉部門Period
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「綺麗ですね」
2016年06月01日17時
20の扉部門kiraku
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「「高校」「数学同好会」といった単語から難解な要知識問題とすら思えてくる問題文。その分、解説に度肝を抜かれます。爽快感さえ感じる納得感のある問題です。」
2016年05月30日10時
20の扉部門手弁当
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「状況を隙無く設定して、記述を刈り込んだ、綺麗な問題。解説に涙ぐむこともできる。」
2016年03月20日17時
20の扉部門弐閃
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「数学・問題、美しいです。」
2016年03月19日20時
20の扉部門好太郎
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「この問題の“メインテーマ”が成立するシチュエーションが非常に幅広く、出題者次第で三者三様の問題文ができるでしょう(即興案として、「遊園地に行ったら、出題することになった」)。そのため、問題づくりはかなり悩んだのではないかと思います。その結果、参加者としても出題者としても、1行目、2行目、3行目。どの行も無視できない作りだと感じました。」
2016年03月19日13時
20の扉部門エリム
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「数学同好会というのが絶妙のトリックです、見事なクルー兼チャームです。そしてこの問題は扉ならではこそですね。」
2016年03月19日00時
20の扉部門ひゅー
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「スープならば物語部門に投票したいところです。身近な題材を丁寧に調理していると思います。」
2016年03月18日11時
20の扉部門ツォン
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「素晴らしいの一言に尽きる。」
2016年03月16日11時
20の扉部門桜小春
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「これはうまいなぁと思いました!」
2016年03月16日00時
20の扉部門かもめの水平さん
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「数学同好会に騙されちゃいけません。こういう材料を当てがって先入観を生み出す……牛削り氏特有の取り合わせにによる先入観トリックには目を見張ります」
2016年03月16日00時
20の扉部門tsuna
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「非常にレベル高い問題です」
2016年03月16日00時

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