歴史の先生が「ここテストに出るぞ」と言ったのを藤堂君があまり気にしていない様子だったので、成瀬は彼にバスケのシュートのコツを尋ねた。
一体何故?
17年10月05日 22:31
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[牛削り]
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バスケ部エースの藤堂君は背が高い。190センチくらいある。
成瀬の席は藤堂君のすぐ後ろである。当然、黒板は全然見えない。
黒板を書き写そうと藤堂君が身を屈めた時に、成瀬も一気に書き写してしまうことにしている。
ところがその日の歴史の授業中、先生が「ここテストに出るぞ」と言ったのに彼は書き写そうとしなかった。
よほどその分野に自信があるのか、あるいはぼけっとしていて気付かなかったのか。
いずれにしろ、このままでは重要事項が書き写せない。
「ちょっと頭下げて」と言って気を使わせてしまうのも憚られたので、一計を案じた成瀬は、ちぎったノートにこう書いた。
「バスケのシュートって、どうやったら上手くなる?」
それをたたんで前の席に放り投げる。
藤堂君は紙を開いて、ちょっと考える仕草をした後、自分もノートをちぎって何かを書き始めた。
藤堂君が身を屈めてくれたので、ようやく黒板が見えた。
黒板には「試験範囲全部」と書かれていた。
【要約解説】
成瀬は、前の席の藤堂君の背が高いせいで、彼が黒板を書き写しているときしか黒板が見えない。
歴史の授業では藤堂君が黒板を書き写そうとしなかったので、返答を求める手紙を渡すことで、身を屈めさせようとした。
総合点:2票 伏線・洗練さ:2票
伏線・洗練さ部門からす山【
投票一覧】
「綿密に組み立てられた状況。かなり洗練されています。相当な水平思考を経ないと正解にはたどり着けません。」
2017年10月06日19時
伏線・洗練さ部門SoMR【
投票一覧】
「この問題については、トリックの面白さ以上に、“丁寧さ”に一票入れたいと思う。「バスケ」は勿論必須要素では無いが、問題の組み立てが分かった後は何故「バスケ」にしたかが分かる。トリックと分離したところにヒントを置くのは誰にでもできるが、「シュートのコツを聞く」というようにトリック部とヒントを交わらせるのは難しい。まだ読んでない方への問題:「成瀬君と藤堂君は、何故この名前なのでしょう?」これが分かったとき、問題の丁寧さに驚くと思います。」
2017年10月06日12時