とある島の船着場で一艘の船が出航しようとしている。
その船で都会に向かう人々を見送りに島民達が船着場に集まった。
船が出発のために動き出すと船上にいる人々に向かって一斉に島民達が手を振り始めた。
その中で先輩を見送りにきた田中だけは船に乗っている先輩に背を向けて手を振っている。
いったい何故?
17年05月19日 23:54
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[水上]
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この島にある唯一の学校で吹奏楽部の部長をしている田中。
お世話になったOBのさしゃこ先輩が上京するという話を聞き、
吹奏楽部のみんなで先輩を見送りに行こうと提案。
船着場でさしゃこ先輩との思い出の曲を演奏するのだ。
当日はさしゃこ先輩の門出を祝うような晴天。
田中率いる吹奏楽部は演奏の準備を始める。
船の汽笛と同時に田中が指揮棒を高く掲げた。
動き出す船に背を向けて、田中は一生懸命指揮棒を振る。
それに呼応して吹奏楽部が奏でる思い出の曲。お料理行進曲。
その演奏を聴き、船上で涙を堪えるさしゃこ先輩。
「た、玉ねぎが目に染みただけよ!」
そんなさしゃこのツンデレを背に受け止めて
田中は指揮棒を操り、さしゃこを乗せた船が水平線に消えるまで演奏を続けた。お料理行進曲。
総合点:4票 チャーム:1票 納得感:2票 物語:1票
チャーム部門ホルス【
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「「指揮」と「バイバイ」から共通する「手を振る」という要素を抽出することで、普通の行動を奇行たらしめています。」
2017年10月29日14時
納得感部門からす山【
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「納得です。田中は背中で語るのです。ほかの誰よりも強い思いをその身に宿しながら。」
2017年10月02日18時
納得感部門SoMR【
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「問題設定がシンプルで色々面白案が考えられるが、解答はそれら“別解”を全て凌駕する、これだっ!というもの。分かりやすくて楽しい問題。」
2017年05月20日00時
物語部門からす山【
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「ただの悲しい別れではなく、前向きで勢いのある、絆の炸裂する大いなる船出の物語です。(けど曲が……。お料理行進曲ってキテレ〇大百科でしたっけ?玉ねぎが目にしみそうですね。)」
2017年10月02日18時