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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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写生日和(問題ページ

亀小学校2年生の児童が写生大会で描いた絵が多くの人の目に触れることとなったのは、その日の空に雲ひとつなかったからだという。いったいどういうことだろう?
16年09月13日 23:50
【ウミガメのスープ】【批評OK】 [az]



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生を終えた子どもたちが提出した絵を見て、担任教師は思わず呻き声を漏らした。子どもたちの描いた絵は、どれも空が灰色で塗られていたからだ。
写生大会の日、天気予報は晴れ。本来ならば雲ひとつない快晴になるはずだった。それが何故こうも皆、灰色の空を描いたのか。担任教師はわかっている。子どもたちが描いた灰色の正体は雲などではない……すべて工場からの排煙やスモッグなのだ。

海亀小学校のある街では最近、大気汚染が急激に悪化している。工場が次々吐き出す煙のせいで、晴れているのにまともに見通しのきかない日も多い。工場のお陰で街の経済が発展したのは否めないところもあり、悪化する大気汚染に気付かぬふりをする住民も少なくなかった。
しかし、だからと言って、幼い子どもにこんな絵を描かせるようなことがあっていいはずはない。教師は決意を固めると、事情を説明する手紙と共に、子どもたちの絵の写真をマスコミ各社に送った。
マスコミはこれに反応し、子どもたちの描いた灰色の空の絵は、大気汚染の深刻化を示す資料として大々的に報道された。雲がなくても青空を描けないほどの大気汚染は社会の関心を呼び、子どもたちの絵は人々の注目を集めたのだった。

【要約】
雲ひとつないにも関わらず、子どもたちは絵の空を灰色で塗った。空が排煙で覆われていたからだ。その絵は大気汚染の深刻化を示す資料としてマスコミに取り上げられ、多くの人の目に触れることとなった。
総合点:4票  納得感:1票  物語:3票  


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納得感部門とかげ
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「空に雲一つなかったからこそ、児童が写生大会で描いた絵が多くの人の目に触れた。問題文で多くの人がイメージする情景とは180度違う真相。短い問題文ゆえ別解はいろいろ思いつくが、これほど納得感の高い解説には勝てそうもない。」
2016年11月26日21時
物語部門上3
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「不都合な真実は子供の純粋な目を通して暴かれる。風刺の効いたストーリーです。」
2017年10月12日19時
物語部門フィーカス
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「考えさせられる一作。将来考えられる出来事を切り取ったような、そんな解説です。」
2016年09月28日11時
物語部門まきや
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「「雲ひとつない空」。ありがちな情景が実は……」
2016年09月14日01時

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