太郎は花子とデートするとき、必ず5分前には待ち合わせ場所に行くようにしている。
ところがある日に限っては、わざと20分くら遅れて待ち合わせ場所に行った。
いったいどうしてだろう?
15年12月29日 19:29
【ウミガメのスープ】
[3000才]
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太郎は、そんなに心が広くない。
だから、花子が、前の夫の次郎のことをちょっぴり忘れないでいることを、あんまり快く思ってない。
太郎は、そんなに心が広くない。
花子が前の夫との子供の三郎に会いたいと思っていることをうすうす気づいていたけれど、
積極的にサポートしようとは思ってない。
花子と次郎が別れ、花子に非はなかったけれど、親権は次郎にとられた。
別れた後も花子はしばらくは三郎に会えていたけれど、
次郎が引っ越しをしたあたりから、連絡が取れなくなった。
太郎はそんなに心が広くないので、
これは次郎がわざとしたことだろうと思ったし、
次郎を悪く思わない花子のこともどうかと思っていた。
そんな折、太郎は、偶然、三郎があるバーで働いていることを知った。
太郎はそんなに心が広くないけれど、花子に三郎に会わせてあげようとは思った。
自分がいると話が弾まないだろうと思ったので、
待ち合わせ場所に三郎が働いている店を指定して、遅刻することで
20分くらい二人だけの時間を作ってあげようと思った。
太郎はそんなに心が広くないので、20分したら店に着くようにしようと思った。
三郎に、花子には自分がいるんだよ、と知らせることができるだろうと思った。
君の母親は独りじゃないから心配しなくていいよ、と伝えることができるだろうと思った。
総合点:3票 物語:2票 その他:1票
物語部門すいま【
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「渋いです。心が狭い人には狭い人なりの矜持があるのです」
2016年10月29日23時
物語部門エリム【
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「タイトル通り、解説では主人公の「心が広くない」ことが繰り返し語られます。それゆえの精一杯の行動が人間的で心に沁みます。」
2016年01月07日01時
その他部門ゴトーレーベル【
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「「心がせまい人」……それはそうなのですけど、それは逆説でもあります。ラテシンでは珍しい、アダルトな雰囲気のある作品。たまにはこういう問題があってもいい。この読後感に一票。」
2016年08月28日20時