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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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項目についての説明はラテシンwiki

年上彼氏の作り方(問題ページ

はカメコという女性に
「私の恋人のフリをしてほしい」とお願いされた。
大病を患い、生きる希望を失ったカメオを励ますためだという。
しかし私とカメコは20歳以上、年齢が離れている。

カメコはなぜ私に恋人役を依頼したのだろう?


※この問題は3000才さんにSPしていただきました!
ありがとうございました(*‘ ∇ ‘*)
15年10月31日 18:44
【ウミガメのスープ】 [221aの住人]



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メコ「私の恋人のフリをしてくれませんか?」

テレビ局で小道具担当をしている友達に作ってもらったという、いかにも近未来的な小物を広げながら、
切実に事情を話し懇願してくるカメコを私は断ることなどできなかった。
カメコの恋人であるカメオはタイムマシンの開発に人生を捧げていたという。
何度も失敗し、利き腕に怪我をしてもあきらめず研究を続けていた。
しかし半年ほど前から治療困難な病気にかかり、入院生活を余儀なくされたらしい。
完治する可能性の低さにカメオは自暴自棄になり、治療もまともに受けないようだ。
そこでカメコは、顔・体格・声が20年後のカメオのイメージにぴったりな私を
「タイムマシンを完成させて、やってきた未来のカメオ」役に仕立て、カメオを励まそうと考えたのだ。

病室につくとカメオはいかにも自暴自棄な様子でベットに転がっていた。

カメオ「…で、会わせたいって言ってた人って何?そのオッサンなわけ?」
カメコ「そうよ。」
カメオ「訳分かんねぇな…。誰だよそのオッサン。」
カメコ「この人は……未来から来たあなたよ…!
あなたは病気を克服してタイムマシンを完成させたのよ…!」

カメコは緊張のためか少しかすれた声でそう言った。
カメオは一瞬驚いた顔をしたが、私を一瞥すると笑い出した。

カメオ「あははっ!なるほどね!よく似てる人を見つけてきたもんだなぁ!
お前の気持ちは嬉しいけどさ、そのよく分からない機械の小物とか作り物だよね」
カメコ「……!そ、そんなことないわ!この人は…本当に…!」
カメオ「うん。お前が俺を励まそうとしてくれてるのは分かるけどさ、
もう、ダメなんだよ俺。治らないんだよ、この病気…。
中途半端な励ましが、かえって俺を苦しめてるってお前気づいてる?」
カメコ「…わ、わたしは…そんな…」

泣き出しそうなカメコを見て私は『やはりダメだったか』と思った。そして

私「いい加減、やつあたりはやめろよな。見苦しい。我ながらイライラする。」
カメオ「何だよ、オッサン。芝居はもういいんだよ!」
私「こうしてお前がふてくされてる間にも、仲間は研究進めてんだぞ。
お前が入院する前にはじき出した理論、不完全なとこがあったろ?
そこをみんながフォローしてくれてるんだ。もうすぐ実験段階に入るんだぞ。」
カメオ「カメコの入れ知恵かよ。もっともらしいこと言ってんじゃねぇよ!」
カメコ「え…私は何も…」

私は服の袖をめくり、右腕を見せた。
カメオは大きく目を見開いた。
カメオの右腕の傷跡と全く同じものがあったからだ。

私「感謝しろよ。未来の医療技術では簡単に消せる傷跡なんだ。
今日まで残しといてやったんだからな。お前もその傷、ちゃんと残しておけよ」

呆然とする二人にそう言い残し、私は病室を後にした。

カメコ「ま…待ってください!あなたは…本当に…!」
私「ありがとう、カメコ。じゃ、また未来でな。」

走って追いかけてきたカメコに私は別れを告げ
大きな傷跡が残る右手で手を振った。



【要約】
カメオはカメコの恋人。
カメオは研究者でタイムマシンの開発に人生を捧げようとしていた。
しかし病気にかかりその夢をあきらめかけていた。カメコはカメオを励ますため
「タイムマシンを完成させて未来からやってきたカメオ」の役を私に依頼した。
総合点:10票  納得感:1票  トリック:1票  伏線・洗練さ:1票  物語:7票  


最初最後
納得感部門tsuna
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「やさしいウソなのです」
2016年03月04日00時
トリック部門牛削り
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「問題文で丁寧に状況を構築しているからこそ、ある言い回しに仕掛けられたトリックが魔力的に効いている。このトリックは、解説を読むまで絶対に解けることはないでしょう。解説を読んで初めて、なるほどあれがトリックだったのかと気付くのです。」
2015年11月03日12時
伏線・洗練さ部門エリム
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「この題材を、少し視点をずらすことで非常に問題として、物語としての完成度を高めています。視点主を誰にするかということの重要性がわかる1作。」
2015年11月03日14時
物語部門上3
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「素敵です。」
2017年08月14日02時
物語部門蓮華
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「ハッピーエンドで良かったです。ループ物としても綺麗にまとまっていると思いました。」
2016年05月14日12時
物語部門tsuna
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「FAが物語の途中なので、その後は普通に楽しめました」
2016年03月04日00時
物語部門からてちょっぷ
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「謎は謎として成立しています。しかしこの問題は、それだけでは終わらせずもう一ひねりした解説が待っています。二度美味しい!」
2016年01月13日21時
物語部門とかげ
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「20歳以上歳が離れた人に、恋人のふりをお願いするその意図は? 物語の核となる部分が見事に問題となっている上、真相がわかったあとも更に衝撃が待っている、贅沢なスープです。」
2015年11月20日17時
物語部門牛削り
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「物語部門での投票にふさわしい作品である。物語がしっかりしているからといって、本分であるウミガメのスープらしさは微塵も犠牲にしていない。というより、解き応えのある素晴らしい謎を解明したあと、ご褒美としてさらに素晴らしい物語を味わえる、という印象。問いと答えだけでも成立するのに、そこに一手間も二手間も加えられている。最後の最後まで参加者を楽しませようという出題者の愛情が伝わってくる、そんな作品だった。」
2015年11月03日12時
物語部門エリム
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「題材はそれなりによく見かける問題。ですが、切り口を変えることで魅力的な問題に仕上げています。そして真相の物語と合わせ、大きな感動を呼び起こしている効果的な1問です」
2015年11月01日14時

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