最大手企業の一つであるカメムラ・コーポレーションは
このたび新商品をたくさん用意した。
しかし、その商品を出し惜しみし、少ししか売らないとのこと。
たくさん売れば大きな売上をあげられ、大儲けなのに……。
出し惜しみの理由を聞いてみると、「犯罪を防止するため」だという。
どういうことなのだろうか?
15年02月22日 22:22
【ウミガメのスープ】
[低空飛行便]
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カメムラ・コーポレーションがこのたび用意した新商品とは、
海の見える街に建設された分譲型のマンション。
つまり、カメムラ・コーポレーションは不動産の会社である。
しかし、出来た部屋を全て売り切ることはしない。
なぜか?
仮に全ての部屋をいちどきに分譲した場合を想像してみて欲しい。
マンションには多くの住人が住み、街は活気であふれるだろう。
しかし、40年後、50年後。
その街の平均寿命は高齢化し、
住人たちがいちどきに死亡することで人口密度は急激に下がる。
そして、街から住人はいなくなり、街はゴーストタウンと化す。
ゴーストタウンと化した街に犯罪がはびこることは想像にかたくない。
そうならないようにするため、
一度に分譲する部屋を少しずつにし、
数十年かけて入居者を少しずつ増やしていくのが
カメムラ・コーポレーションの販売方針である。
そうすることで、街に様々な世代の住人がいる状態となり、
街がゴーストタウンとなることを防ぐことができる。
ところでこれは余談だが、
カメムラ・コーポレーションの社名にあるカメムラとは
創業者の名前ではない。
亀のように長生きする村をつくりたいという思いから
命名したとのこと。
良く分かる要約:
新商品=分譲マンション
出し惜しみの理由=ゴーストタウン化防止
総合点:2票 納得感:2票
納得感部門たんぽぽ【
投票一覧】
「これだけ商品のことを考えられるのがすばらしいです。こうあって欲しいと思わされる解説でした。」
2015年07月26日08時
納得感部門ディダムズ【
投票一覧】
「実際にこのようなことが懸念されているというように納得感の高い解説。【ネタバレ防止】な視点と想像力が要求される良問だと思います。」
2015年03月01日19時