ある雨の日、太郎は傘を盗まれた。
盗んだのが次郎だということを太郎は悟った。
翌日、太郎は傘から花子の名前の書いてあるシールをあわててはがした。
花子が泣くと、生き地獄に落ちろと太郎はいった。
その後、太郎が生き地獄に落ちることになった。
状況を説明してください。
※この問題は3000才の過去問「傘」http://sui-hei.net/mondai/show/7505をもとに作ったものです。
解説は前作と違いますので、前作を知っている方も是非ご参加ください
14年02月23日 20:31
【ウミガメのスープ】
[3000才]
解説を見る
太郎は捜査一課の警察官だ。
ある雨の日、太郎は、妻の花子の傘を借りて出勤した。
昼に外に出ようとしたところ、太郎は妻の傘が盗まれたことに気が付いた。
犯人は同僚で、太郎の花子の兄の次郎だ。
次郎に問い詰めると、自分のだと思った、ととぼけた。
ちゃんと花子の名前が書いてあるじゃないかと太郎がさらに問い詰めると、次郎は
盗んだんじゃなくて借りたんだ、とか、
たかがビニール傘だからいいじゃないか、とか
大体借りたのは昼だし、もう雨はやんでいるのだからいいじゃないか、
などと警察官らしからぬ、盗人猛々しいことをいった。
しまいには、
ビニール傘に名前を書くなんて貧乏性だ、
昔はそんなことなかったのにお前と結婚したからだ、などという次郎。
太郎はついかっとなって、持っていた傘で次郎を刺してしまった。
運が悪いことに当たり所が良くなかったようで、次郎は死んでしまった。
太郎は慌てて現場から離れた。
翌日、太郎は、自分が犯した殺人事件の現場に、警察官として到着した。
犯人検挙の手がかりや証拠として、現場の遺留品を探す役目を指示された。
そこで花子の傘を見つけた。
昨日、殺人の凶器を忘れたことに気が付いた。
傘には花子の名前が書かれている。
太郎は慌てた。
傘を隠すには、あまりも人の数が多すぎた。
太郎は、こっそり、そして、すばやく、花子の名前の書いてあるシールをはがした。
次郎の葬式が開かれている間、花子はずっと泣いていた。
兄は優しかった、犯人が許せない、と口にする花子。
太郎は、
犯人の野郎、生き地獄に落ちろ、ぜったいに捕まえてやるから待っていやがれ、
と心にもないことをいった。
結局、状況的に犯人は太郎しかありえず、
また、太郎がふだん持っていないビニール傘を持っていたことを覚えている同僚がいたことから、
証拠隠滅の甲斐もなく、あっさり太郎は捕まった。
名前の書かれたシールをはがした行為によりむしろ罪は重くなった。
刑務所で、太郎は生き地獄に落ちた。
元警察官というせいで、気の荒い連中から暴力的ないじめにあった。
気の弱い連中からは陰湿ないじめにあった。
花子とはもちろん離婚した。
傘がないから悪いんだ。貸さないから悪いんだ。
一日に何度もつぶやき続け、最終的に精神が破たんして自殺した。
総合点:1票 物語:1票
物語部門天童 魔子【
投票一覧】
「こちらも納得度が高い問題ですね」
2014年11月28日17時