僕には大好きなお姉ちゃんがいた。
暇なときはよく一緒に遊んでくれて、本当に大好きだった。
だけどある日、お姉ちゃんはお母さんを殺してしまった。
厳しくて、怒ると怖かったけど、優しかったお母さん。
なんで……なんでそんなことをしたの?
そういえば前に、お姉ちゃんとお母さんが言い争いしていたような……
でも、なんでそんなことを……!!
僕はお姉ちゃんを恨んだ。
お姉ちゃんは逮捕され、僕は独りぼっちになってしまった。
だけどそれから何年も経って、僕はお姉ちゃんの真意を知って、もうお姉ちゃんとは呼びたくないと思った。
一体どうして?
13年07月13日 00:26
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[ノックスR]
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私があの子と一番最初に出会ったのは、あの子の家族が私たちの家の隣に引っ越した日だった。
周りに彼ぐらいの歳の子は住んでおらず、私はよく彼と遊んであげていた。
そのうちに私はお姉ちゃんと呼ばれて慕われるようになった。
だがそんなある日。
彼の父親が、交通事故で亡くなってしまったらしい。
だけど、とても私が口を出せることではないので、私はそれには触れずに、今までどおり彼に接していた。
だがそれから少しして。
私はとある異常に気付いた。
彼の腕に、小さなアザがいくつもある。
「ねえ、これ。どうしたの?」
私がそう聞くと、彼は少し寂しそうな表情を浮かべて、
「僕……悪い子だから、お母さんに怒られたの」
「お母さんにやられたの!?」
「うん……」
そう言って俯く彼に、私はなにか、ただならないものを感じた。
そういえば、最近。隣からこの子の泣声がよく聞こえていた。
もう一回よく見ると、気付かなかったり服で隠れていただけで、アザは体のいたるところにあった。
これは、間違いない……
この子は、虐待を受けている……!
私が彼にそのことを言っても、この子は「違う! 僕が悪いだけだから……」と言って、私の言葉を受け入れようとしなかった。
そうであれば、と私はこの子の母親と話し合うことにしたが結局最後は言い合いみたいな感じで終わってしまった。
児童相談所に相談しても本人が虐待でないと言っているのなら強制的なことはできないと言って後日調査ということで終わってしまった。
後日調査……!?
冗談じゃない。こうしている間にもあの子にもしものことがあったらどうするんだ……!!?
そうは思っても、もう私ではどうすることも出来なかった。
だがそんなある日、あの子の家からあの子の母親の悲鳴が。
ただならぬ予感がして家の中へ押し入って声のしたほうへと向かうと───
「な……!」
母親があの声の首を締め付けているのだ。
「あんたさえいなければあんたさえいなければ……」
「ちょ、ちょっと! 止めなさい……」
「うるさいっ!!」
「っ!」
押さえつけようとしても、ものすごい力で弾き飛ばされる。
このままじゃあの子は殺されてしまう……!
だけど、どうしたら……!?
その時、私の目の前に、一つの花瓶が転がっていた。
~~~~
───私は、殺人罪で逮捕された。
どうやら未成年でも、殺人罪は懲役刑になるらしい。
あの子は何とか無事だった。
だが、その去り際……あの子に、「どうして?」と言われた。
私は、あの信じられないような、非難するような、あの子のあの目が頭から離れなかった。
独房の中で一人想う。
私の選択は、正しかったのか、と。
では、あの時。一体どうすればよかったのか、と。
もう、何がなんだか分からなくなった。
あの子を助けたつもりだった。
でも結果的に、あの子の母を……
「っ!!」
あの子の、あの目がちらつく。
「…………ゴメンね」
~~~
数十年経って、釈放された私の前に、どこか面影のある青年が現れた。
「お姉ちゃん……」
そう呼ぶ彼は、間違いなくあの子だ。
手紙でやり取りしていたが、ずいぶん大きくなったと本当に驚いた。
「お姉ちゃん……本当に、ゴメン! あの頃の俺は、自分がどういう立場か分かってなかった。ただ、全部自分が悪いと思っていた……」
「ううん、悪いのは、私だよ……結局、私はあなたから大切なものを奪ってしまった……」
「違う!」
彼は声を張り上げた。昔の彼にはなかったところだ。
「お姉ちゃんは……僕の命を救ってくれた……!」
「……」
「ほんとうに、ありがとう。……ねえ、お姉ちゃん」
「何?」
「これからは、お姉ちゃん、って呼ばなくていい?」
「?」
「いや、名前で呼びたいなーと……」
そう言って赤くなって俯く彼。
その姿を見ると、自然と笑みがこぼれた。
「……」
「……どう?」
「成長、したね……」
「え!? じゃあ……」
「でもまだあと十年早いかなー」
「え~!? そしたら俺、もうおっさんだって! いや、そしたらお姉ちゃんはもうオバサンに……」
「おい、ちょっと便所こい(´・_・`)」
~最後に、不適切な解説文が混じったことをお詫び申し上げます~
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