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とある野口英世のより道(問題ページ



交番に、落し物として千円札が1枚届けられた。

しばらくして、千円札を1枚落としたという男が現れたので、
警官は、落とした時の状況を男に確認した。

「市立図書館前の自動販売機で飲み物を買おうとしたんです。
財布から千円札を出した時に、こういう風に飛ばされてしまって……
すぐ辺りを探したんですが、見つけることができませんでした」

交番に届けられた千円札に、所有者を特定できるような特徴はないが、
市立図書館から1m先の信号横の植え込みの陰に落ちていたものなので、
状況的には、男の落としたという千円札だったとしてもおかしくない。

しかし警官は、届けられた千円札は男のものではないと断定した。
一体なぜ?
16年11月07日 21:08
【ウミガメのスープ】 [みん]



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信号待ちをしていた男。
千円札を拾ったと言いながら交番に届ける親子連れを見て、
男は、落とし主のふりをして千円を手に入れようとした。

交番を訪れた男は、実際に財布から千円を取り出して、
落とした時の状況を詳しく説明した。

「市立図書館前の自動販売機で飲み物を買おうとしたんです。
財布から千円札を出した時に、こういう風に飛ばされてしまって……
すぐ辺りを探したんですが、見つけることができませんでした」

その時男が手に持っていた財布は、二つ折りの財布。
落し物の千円札は、真っ直ぐなピン札だった。

二つ折り財布から取り出した千円札であれば、少しは曲がっているはずである。
よって、男が落としたという千円札と落とし物の千円札は別のものである。

落し物の千円がピン札だという事までは把握していなかった男。
警官から事情を聞いた男は、詳しく説明した事を後悔して、すごすごと帰って行った。







【要約】
交番に届いた千円札は、少しも曲がっていない真っ直ぐなピン札だった。
男の二つ折り財布から出した千円札なら、曲がった跡が残っているはずなので、
届いた千円札は、男の落としたという千円札ではないと断定した。
総合点:4票  納得感:1票  トリック:2票  伏線・洗練さ:1票  

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ジャンル名前表示コメント日付
納得感部門ディダムズ
投票一覧
「非常に現実的な問題で、商業作品に出ていてもおかしくないクオリティだと思います。」2016年12月30日21時
トリック部門甘木
投票一覧
「日常にある水平思考。「意外性のある当たり前」とも言える発想に拍手!」2017年09月25日01時
トリック部門あたりめ屋
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「問題を解こうとすると、文章中の『男の説明』にどうしても目が行ってしまう。しかし、謎の核は文章の中には存在しない。謎の焦点をずらす典型的で綺麗なトリックです。」
2017年09月09日21時
伏線・洗練さ部門QQS
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【ネタバレ】コメントを見る

「男の具体的な供述の中に差し挟まれた「こういう風に」という曖昧な言葉。当然この部分に着目したくなるし、実際にそこがヒントになっているのですが、「どんな風に」なのかは重要ではなく、「こういう風に」と男が実演している状況がポイントになっています。「こういう風に」が無くても問題としては成立しますが、ヒントであると同時に読者の視点を微妙にずらすギミックの役割をも担うこの表現により、問題の完成度が格段に上がっています。」
2017年03月06日21時

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