【いつまで鳴らしてんの!うるさいわね!早く起きなさい!!!】(問題ページ)
毎朝、口煩い母親に怒鳴られる前に目覚まし時計のアラームを止めて起きている太郎だが、
その日の朝は何か言われてからアラームを止めようと思った。
一体なぜ?
16年10月24日 20:37
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[のりっこ。]
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その日になりたての深夜だっただろうか、
それとも朝方だっただろうか…
誰しもが未だ眠っている様な時間帯に、
突如として、太郎が住んでいる地域全域を
とてつもない大地震が襲った。
太郎の自宅は殆どが崩壊し、太郎は瓦礫の中に生き埋め状態となった。
……………家族は………皆は………無事だろうか……………
真っ暗な絶望の中、全身に怪我を負い、更に瓦礫の中で殆ど身動きの取れない太郎には、
………誰でもいい………
ただ救助を待つしかなかった。
辛うじて少しだけ動かせた手元には、
就寝時、枕元に置いていた目覚まし時計が転がっていた。
とても寒く狭い暗闇、そして首もろくに動かせない太郎には、
今の時間を知る事も出来ない。
ただ、必死に呼吸をしながら意識を保つ事が精一杯だった。
太郎が家族の事をあれこれ考えていた時、
手元から大きなうるさい音が鳴り響いた。
毎朝聴き慣れた機械音。
目覚まし時計のアラームが正常に作動している。
……………そうか、今は朝の6時なのか……………
今の時間を知った太郎には、止めようと思えばいつでも手元にある目覚まし時計のアラームを止める事は可能であり、簡単だった。
しかし今は、瓦礫の外にまで響いてくれている筈のとてもうるさいアラームを、
すぐに止めてしまう理由などない。
そう、 “ 誰かに何かを言われる ” その時までは。
総合点:2票 納得感:1票 物語:1票
納得感部門しおまる【
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「この時計のアラームは、誰も止めようとは思わない。納得です」
2016年11月29日10時
物語部門az【
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「タイトルや問題文からイメージされる日常の風景と、解説の非日常とのギャップが鮮烈な印象を残します。いずれまた、タイトルのような日常が戻ってくるよう、祈らずにはいられません。」
2016年10月24日21時