私はトイレにオフダを貼った。
お化けが出たわけでもないのだが…
なぜだろう?
16年08月03日 19:07
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[SoMR]
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私は彼女の浮気を疑っていた。
彼女は私と相手の男を天秤にかけているようであった。
そんな時、彼女の家で突然、別れを切り出された。
ついに来たか……と半ば覚悟の上だったが、やはり悔しい。
彼女は相手の男を選んだのだ。
しかし、来るこの日のために
私は前から復讐策を準備していた。
トイレの便座の裏は、男の聖域である。
普通、女性は掃除をする時以外は便座を上げることは無いだろう。
その聖域、彼女の家の便座の裏に、「悪霊退散」というでかでかとした文字のまわりにおまじないの文言がびっしり書いてある本式の除霊用のオフダを貼り付け、そのまま便座を下げておく。
だらしない彼女はろくに掃除をしないだろうから、便座を上げてバレるてしまうこともないだろう。
次にこれを上げるのは浮気相手の男のはずだ。
浮気相手は便座を上げてまずギョッとするだろう。
霊を信じて彼女の家を気持ち悪がり、気持ちが離れていけばよし、
もし彼女に「これは何?」と聞いたとしても、彼女はすぐに私がやったという事に気付くだろうが、
私という二股相手の存在を話さなくてはならなくなる。
話さなかったとしても便座の裏にこの様な事をするのは男の仕業とすぐに相手の男も感づくだろう。
私の存在を男に知らしめることができる。
いずれにせよ、2人の平穏な関係は壊せるはずだ。
要約:彼女は二股をかけており、彼女にバレずに相手の男に私の存在を知らしめ、男と彼女との関係にヒビを入れるために
彼女の家のトイレの便座の裏に除霊用のオフダを貼り付けた。
総合点:1票 伏線・洗練さ:1票
伏線・洗練さ部門エリム【
投票一覧】
「さらりとした問題文の向こうに、登場人物に関する緻密な設定がなされています。それを踏まえてもなお、主人公の意図に辿り着くまでには二重三重の関門が待っています。そこから導き出される最終的な答えに、緻密に練り上げられた主人公の思考そのものが問題の持ち味になっていたと気付かされるのです」
2016年08月03日22時