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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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白い鹿(問題ページ

る日、猟師のカメオは、森で 白い鹿を発見する。

その白い鹿は森の主で、傷つけたものには、必ず祟りがおとずれるらしい…。

カメオは、白い鹿に向かって、銃を放った。

数日後、同じ場所で、カメオは死んでいた。なぜ?


(このクイズは、柳田国男「遠野物語」の一説を原案に、創作しました。)
16年04月21日 23:45
【ウミガメのスープ】 [はやおき]



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メオは何十年も狩りを続けるベテランの老猟師。

ある日、弟子たちを引き連れて、森で狩りをしている最中、
カメオは遠くに白い鹿を見つける。

「ふむ、白い鹿とは珍しいな…」

興味津々のカメオは、その鹿に向けて、銃で狙いを定める。

その様子を見ていた周りの弟子たちは、青ざめる。

カメオが狙っていたのは、鹿によく似た形の、ただの白い岩だったのだ。

カメオは、最近老眼で、視力が落ちてきており、遠方がはっきり見えなくなって
きていたのだった。

しかし、カメオはプライドの高いベテランの猟師。
本当のことを言うと、猟師の師匠としての面子は丸つぶれだろう。
師匠の顔をたてるためにも、弟子たちはやんわりと、こう言った。

「師匠、あれはこの森の主である白鹿です。あの鹿を傷つけたものは、
必ず祟りがあると言われています…。大人しく帰った方が…。」

「なに、森の主?ははは、面白い。俺も名誉の猟師となれば、
ここで退けば世間の嘲笑だろう。きっと仕留めてやろう。」

そして、その鹿に発砲する。
しかし、鹿はびくともしない・・・。
続け様に何発も撃つが鹿は、平然と立っている。
異様な光景に不思議がるカメオ。
もっと傍に近づこうとする。

それ以上近づくと、ただの岩だとばれてしまうと、
慌てた弟子たちはますます青ざめ、

「師匠、いけません。白鹿に銃は聞きません。さあ、これ以上
怒りを買う前に逃げましょう。」
急いで師匠を引き離して、さっさと森の外へと連れて帰ってしまう。
何とか、師匠にバレずにプライドを保つことができたと一安心する弟子たち。

しかし、数日後、白鹿を仕留められなかったことに納得いかなかったカメオは、
再び森の中へ。例の鹿を目撃した場所へと訪れる。
そこには、まだあの鹿の姿が。

興奮した猟師は今度こそ仕留めようと意気込んで、近寄っていく。
だが、近くでよく見てみると、それはただの白い岩。

その時、カメオは全てを察した。

年々、自分の視力が落ちていたが、もう遠くの獲物と岩との区別も
つかない状態になっていること。
そして、そのことで、弟子たちから、やんわりと気遣われていたこと。

今まで、猟師一筋として生きてきたカメオにとって
悲しすぎる現実を突きつけられる…。

もう、これ以上猟師を続けることも、人前で威厳を保っていくことも
できないと悟ったカメオ。

衝動的に、自分の頭に銃口を突きつけ、ゆっくりと…。
総合点:2票  伏線・洗練さ:1票  物語:1票  


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伏線・洗練さ部門春雨
投票一覧
「言い伝えと現実の交差が美しいです」
2016年07月26日20時
物語部門エリム
投票一覧
ネタバレコメントを見る
「高すぎるプライドは、時に周囲の優しさすら拒む。そんな誇りはあってしかるべきなのか。考えさせられる1問です。」
2016年05月10日01時

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