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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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項目についての説明はラテシンwiki

夜のように黒く、恋のように甘いコーヒー(問題ページ

の中にひっそりとたたずむ洋館があった。

その室内には、高価そうな壺、まばゆい輝きを放つシャンデリア、虎の毛皮の絨毯、鹿の首の剥製、整った顔立ちの石膏像、気品を漂わせた肖像画、……と豪奢な調度品がそろっている。

館の主は、この館で何不自由ない暮らしを送っていた。そして、鳥の狩猟や、ポーカーやルーレットで客人と勝負することを趣味にしている。

さて、この館主、夏でもホットコーヒーを飲む。そのコーヒーは、備長炭で焙煎したハウスブレンドで、コクがありながらもすっきりとした風味。館に住み込みのメイドが、冷めないうちに注いでくれる。

――ある暑い夏の夜、道に迷って、この館の門を叩いた者がいた。その者には、アイスコーヒーが出されたが、やはり主はホットコーヒーを飲んでいる。

主のコーヒーへのこだわりは、どのような理由からか、説明せよ。
11年02月18日 19:40
【ウミガメのスープ】 [しろうと]



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の主は、道に迷って訪れた者のうち、好みに合う若い女性を監禁、殺害していた。

館の石膏像の中には、過去の被害者が塗り込められている。また、肖像画には、その被害者の面影が残っている。さらには、剥製もあるとか……。

女性を監禁する際には、メイドに指示して、睡眠薬を入れされている。

なぜ、館主はホットなのか。メイドが過去に、薬入りのコーヒーを間違えて出し、
気に入った獲物を逃してしまった苦い経験があるため。

なぜ、客人はアイスなのか。氷に薬を入れているため。

主は、狙ったものが必ず手に入るのでは、賭けの要素がなく面白くないという。
その理由で、氷が溶けるまでの間、飲むのを忘れるくらい、
自分の話に聞き入らせることを勝負にしている。

つまり、コーヒーを飲んで眠らなかったら、そのまま返すと自分で決めている。
すぐ眠るのでは、必ず主人の勝ちで、そもそも勝負にはならない。

メイドのミスで取り逃がすのでは我慢ならないが、
自ら獲物との狩りを楽しんだ結果逃がすのなら許せるのだという。

そういう主の犯罪美学から、自分はホット、
気に入った客にはアイスのコーヒーを飲ませているのだ。

問題文にある、館への来訪客は女性。
アイスコーヒーを飲まされて――。
総合点:12票  チャーム:3票  伏線・洗練さ:7票  物語:2票  


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チャーム部門上3
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「館の主のこだわりっぷりを散々見せられた上で、ではホットコーヒーのこだわりは?と聞かれると想像を膨らませずにはいられません。」
2017年08月19日17時
チャーム部門うい
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「タイトル、問題文、解説、何もかもが妖しくロマンティックです」
2017年02月06日14時
チャーム部門弐閃
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「タイトル、文章の雰囲気、「コーヒーへのこだわり」を問う締め、非常に素晴らしいです」
2016年01月10日16時
伏線・洗練さ部門からす山
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「長いのによく練られた問題文と解説の、高い洗練度合い。しろうとさんの美学を感じます。」
2017年09月30日19時
伏線・洗練さ部門弐閃
投票一覧
「長い文章ですが全てに意味が有り、チャームや物語を損なわない洗練さがあります」
2016年01月10日16時
伏線・洗練さ部門からてちょっぷ
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「長文が醸し出すエレガントな雰囲気。解説でもそれは失われておらず、むしろ解説で美しさ、納得感を増して襲ってくる。」
2015年11月14日08時
伏線・洗練さ部門フィーカス
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「これだけの文章量がありながら、解説を読めば「過不足がない」と思える問題も無いと思います。洗練さとは文章を端的に表すということだけではないことを学ばせてくれる問題でもあります。」
2015年06月13日16時
伏線・洗練さ部門甘木
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「色々な意味で「ウミガメのスープらしい美しさ」がある問題です。解説を読んでから問題文を読み直したくなるのは良問題ゆえ。」
2015年05月09日13時
伏線・洗練さ部門なさ
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「これぞ元祖殿堂入り。雰囲気の良さはもちろん、雰囲気全体がクルーにもなっている面白さ。初めて見たときは震えた記憶があります。」
2015年03月12日12時
伏線・洗練さ部門天童 魔子
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「読んでいてすごく美しさがあるのです」
2014年11月28日15時
物語部門からす山
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「妖しい妖しい夜の物語。」
2017年09月30日19時
物語部門弐閃
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「独自の設定なのに主のこだわりに引き込まれます」
2016年01月10日16時

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