3年2組の担任の徳川先生が、受け持ちの生徒たちを大切に思うあまり、
校舎の時計に穴が開いた。
どういうことだろうか?
15年03月24日 19:53
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[牛削り]
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3年2組は本当にいいクラスだった。
徳川先生はそう1年を振り返った。
イジメ問題に対し、全員が真摯に考え、立ち向かった。
文化祭では、それぞれのアイディアを生かした企画が賞をとった。
合唱コンクールでは、男女はどちらがより頑張るかで対立した。
高校受験に向けて、誰からともなくファイトの声が上がった。
わからないところを教え合い、互いの合格を願った。
いろんなことがあった。
その中で生徒たちはどんどん成長し、そして徳川先生自身も、多くのことを学んだ。
いいクラスだった。誰一人忘れたくない、素晴らしいクラスだった。
あいつらが、もう卒業か……。
卒業式の日、校舎前で撮った、最後の集合写真。
それを彼はしみじみと見つめ、そして、絶対に忘れないようにと、壁に画鋲で留めた。
画鋲はちょうど写真の上辺の中央、校舎の時計のあたりに穴を開けた。
──いつかもっと立派になったお前たちに、また会えるよな。
【要約解説】
校舎を背景にしたクラスの集合写真を、画鋲で壁に留めた。
留めた位置がちょうど校舎の時計のあたりだった。
総合点:7票 チャーム:2票 トリック:2票 伏線・洗練さ:2票 物語:1票
チャーム部門からす山【
投票一覧】
「いきなり時計に穴が!何事だ!ビックリしました。かなりのチャーム。」
2017年10月22日19時
チャーム部門にゃうさ【
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「壮大なドラマが隠されていそうな問題文です。」
2016年01月21日18時
トリック部門フィーカス【
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「これは思わず「あーなるほどー」と声を挙げてしまいました。物語や納得感も半端ないですが、やはりトリックが素晴らしいと思いました。」
2015年05月21日15時
トリック部門とかげ【
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「牛削りさんお得意の叙述トリックが炸裂しています。何一つ嘘を吐いていないからこそ、なんだか悔しくなる問題です。」
2015年05月11日19時
伏線・洗練さ部門からす山【
投票一覧】
「チャーム、納得感、トリック、物語、いろんな面で完成されています。さすがの構成力。バランスがいい上に高次元です。」
2017年10月22日19時
伏線・洗練さ部門にゃうさ【
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「読み返すほどに、表現の一つ一つが素晴らしく思えます」
2016年01月21日18時
物語部門からす山【
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「なんて素敵な物語。生徒を思う気持ちがあれば、校舎に穴を開けることすら可能なのです。不可能なんてないのです。」
2017年10月22日19時