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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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新講義:問題文の構成要素

作成者:牛削り
部屋名:新講義:問題文の構成要素
ルームキー:牛を削る
講義まとめ(2016.8.3更新)

☆0[講義の目的]
従来、チャーム、トリック、クルー、ベールが問題の四大要素と言われてきた。
これは問題作成をする際の指標にはなるかもしれないが、「要素」という呼び名には不整合である。
クルーは問題文の中の一単語だったりひとつのまとまりだったり、とにかくある部分を表している。
ベールは定義上、問題文には現れていない部分を表す。
これらに対し、チャームは問題文全体で実現される魅力のことであり、どこか一部分を指すわけではない。
トリックも、この部分がトリックだと指し示せるものではない。
このように、チャーム、トリック、クルー、ベールは、そもそも同格の存在ではないのである。
また、問題文の一部分を指す「クルー」という概念があるのに、クルー以外の部分を表す概念が存在しないのも、非常に中途半端である。
そして「要素」という概念は、それらを集めると全体が完成するという性質を持つはずである。
以上より、当講義は、存在レベルを「クルー」と同格のものに限定し、問題文の要素を過不足なく再定義するものである。

☆1[問題文の構成単位]
問題文は、単語ではなく意味を単位として構成されている。
単語とは、文の単位としての文字からなる単語である。
意味とは、単語の構成要素である。

☆1-1[構成単位を意味とする理由]
例えば「外国人」という単語は、「外国の」と「人」という2つ以上の意味に分割できる。
そして「外国の」と「人」とを、問題文の中で別々の種類の構成要素に分類すべき場合がある。
単語を単位とした場合、問題文に「外国人」と書かれていた場合と「外国の人」と書かれていた場合とで扱いが異なってしまうため、意味を単位とするのである。

☆2[問題文の構成要素]
問題文は、以下の4つの要素で構成されている。
①エレメント
 解説に不可欠な部分
②クルー
 解説に不可欠ではないが、解決までに必要な質問の数を減らすことが期待できる部分
③ノイズ
 解説に不可欠ではなく、解決までに必要な質問の数を減らすことが期待できない部分のうち、文体にあたるものを除いた部分
④文体
 要素の集合を文章として成り立たせるための構文的部分

☆2-1[エレメントについて]
エレメントとは、「解説に不可欠な部分」である。
問題文と解説とに共通して存在する部分のうち、解説で置き換えたり除外したりしたら問題として成り立たなくなるものをいう。

☆2-1-1[「解説に不可欠」であるか否かの基準]
ある部分が解説に不可欠か否かは、究極的には出題者の主観による。

☆2-1-1-1[「解説に不可欠」についての出題者の主観]
とはいえ、出題者が「解説に不可欠」の意味を誤解してしまうことは容易に予想される。
「出題者がその問題を通して実現したいこと」を実現させるのに最低限必要な部分かどうか、ということを基準にして、「解説に不可欠」か否かを判断すべきであろう。

☆2-1-2[エレメントの役割]
問題文の構成要素のうち、最も基礎的な部分である。
エレメントは、出題者と参加者とが同じ土俵に立つための設定部分であると言ってよいだろう。
これが存在しない問題は、ほとんどないはずだ。少なくとも当講義の執筆者は、エレメントが存在しない問題の実例を知らないし、想像できない。

☆2-1-3[ベールの位置付け]
解説に不可欠な要素を全て問題文に盛り込んだ場合、ベールはゼロとなる。
これはエレメントが飽和している状態と表現してもいいだろう。
エレメント飽和状態からはじめて、エレメントを少しずつ削っていくことが「ベールを掛ける」ことの意味である。
クルーやノイズを削ってもベールにはならず、削られたエレメントのみがベールとなる。

☆2-1-4[解説の省略についての注釈]
解説は、しばしば省略される。問題文の後日談のみが語られる場合や、理由のみが説明される場合などである。例として、「私が大根を買ったのは何故?」という問題文に対し、解説が「安かったから」となっているような場合が挙げられる。
問題文にあって解説に存在しない部分であっても、それが解説から省略されているだけの前提事項であるような場合には、その部分をエレメントだと判断してよい。
先の例であれば、「安かったから」という解説は、「安かったから大根を買った」という記述の省略であると見なせるため、問題文の「買った」をエレメントと判断することができる。

☆2-2[クルーについて]
クルーとは、「解説に不可欠ではないが、解決までに必要な質問の数を減らすことが期待できる部分」である。

☆2-2-1[クルーの役割]
クルーは、出題者からのヒントとして機能する。
別解を制限したり、質問のとっかかりとなったりする。

☆2-2-2[トリックの位置付け(クルー)]
トリックとは参加者を騙すことであり、結果として解決までに必要な質問の数を増やす性質がある。
そのため、クルーでありトリックの核となるような要素は存在しない。
ある単語がクルーでありながらトリックの中核であるように見える場合があるが、当講義の前提に従い、その単語を意味によって分析すれば、クルーに当たる意味とトリックの中核に当たる意味とに分けることができるはずである。

☆2-3[ノイズについて]
ノイズとは、「解説に不可欠ではなく、解決までに必要な質問の数を減らすことが期待できない部分のうち、文体にあたるものを除いた部分」である。

☆2-3-1[ノイズの分類]
ノイズは、以下の2種類に分類される。
①善玉ノイズ
 参加者を騙すために盛り込まれるノイズ
②悪玉ノイズ
 善玉ノイズ以外のノイズ

☆2-3-1-1[善玉ノイズについて]
善玉ノイズとは、「参加者を騙すために盛り込まれるノイズ」である。

☆2-3-1-1-1[善玉ノイズの役割]
善玉ノイズは、解決までに必要な質問の数を増やす機能を果たす。

☆2-3-1-1-2[トリックの位置付け(善玉ノイズ)]
善玉ノイズは、従来の分類でいうところのトリックをなす中心要素となる。

☆2-3-1-2[悪玉ノイズについて]
悪玉ノイズとは、「善玉ノイズ以外のノイズ」である。

☆2-3-1-2-1[悪玉ノイズの役割]
悪玉ノイズは、問題文の中で特に役割を持たない。

☆2-3-1-2-2[悪玉ノイズの例外的機能]
悪玉ノイズが問題文の雰囲気を醸成し、結果としてチャームが高まることがある。

☆2-4[文体について]
文体とは、「要素の集合を文章として成り立たせるための構文的部分」である。
助詞や助動詞や接続詞などの補助的な単語や、単語の配置の仕方、その意味を表す語の選択の仕方などがこれに含まれる。

☆2-4-1[文体の役割]
エレメントやクルーやノイズを単純に集めても、問題文にはならない。
それらに語を当てはめ、配置し、補助的な言葉で間を繋ぎ、文章として成立させることで初めて、問題文となる。
このように、文体は各要素を問題文としてまとめ上げる役割を持つ。

☆2-4-2[文体を要素のひとつとした理由]
ノイズを文体を除かない定義にすれば、エレメント、クルー、ノイズの3要素で、論理的には隙のない分類にすることができる。
それにもかかわらず文体という要素を考えるのは、チャームやトリックを問題文の構成要素によって説明するためである。

☆2-5[構成要素の分析]
実際に出題された問題を用いて、構成要素の分析の例を以下に示す。
分析において、便宜上、問題文からの単純な抜き出しの場合は「」を、意味の抽出の場合は〔〕を用いることとする。

☆2-5-1[蓮華さん「秘密の暴露」]
蓮華さんの「秘密の暴露」
http://sui-hei.net/mondai/show/23139

<問題文>
カメオはここ最近で頻繁に発生している連続強盗事件の犯人です。
ある日、ブログで犯人しか知りえない情報をうっかり漏らしてしまいました。
当然、そのブログを見て警察がカメオのもとへやってきます。
しかしながら、警察はカメオを逮捕するために来たのではないのです。

一体どういうこと?

<解説>
カメオはその事件の犯人であり、なおかつ捜査関係者だったのです。
「おい、捜査情報を許可なく漏らすな」
「すみません…」
「まったく、犯人が見つかった時に特定する秘密の情報として使えなくなるかもしれないんだぞ。記事消して、始末書書いておけ」
「すみません…」

<構成要素の分析>
「カメオは……連続強盗事件の犯人です。」……エレメント
〔「犯人」が捜査関係者をも兼ねることは少ないという観念〕……善玉ノイズ
「ここ最近で頻繁に発生している」……悪玉ノイズ
「ブログで……情報をうっかり漏らしてしまいました。」……エレメント
〔「犯人しか知りえない」という文言の「犯人が知っている」という意味〕……善玉ノイズ
〔「犯人しか知りえない」という文言の「犯人と捜査側だけが知っている」という意味〕……エレメント
「そのブログを見て警察がカメオのもとへやってきます。」……エレメント
〔「警察が……やってきます」の「警察は通常、逮捕するために来る」という観念〕……善玉ノイズ
「警察はカメオを逮捕するために来たのではないのです。」……クルー

☆2-5-1-1[蓮華さん「秘密の暴露」の分析についての注釈]
2-5-1で行った分析は、一例にすぎない。
例えば、「カメオ」という単語を「カメオという名の」「人」という意味に分解し、「カメオという名の」を悪玉ノイズ、「人」をエレメントと分析することは可能である。
同じく、「連続強盗事件」を「何らかの刑事事件」であり、「連続して強盗が犯された事案」という意味に分解し、「何らかの刑事事件」をエレメント、「連続して強盗が犯された事案」を悪玉ノイズと分析することもできる。
このように、意味の分け方の細かさに応じて、要素の割り当ての仕方は多様でありうる。

☆3[従来の四大要素の位置付け]
従来の四大要素のうち、チャームとトリックは、問題文によって実現される効果や価値であるから、本講義で定義した構成要素によっては説明し尽くすことができない。
一方、"クルー"(本項では、従来の四大要素のクルーを区別のためにクォーテーションマーク付きで示すこととする)とベールは、問題文の構成要素によって語り尽くすことができる。

☆3-1[チャームについて]
チャームとは、問題文の魅力である。
チャームは問題文の各要素の組み合わせによって実現される効果あるいは価値であり、問題文の要素そのものではない。したがって、新しい要素のどれとどれがチャームに該当する、チャームを構成する、などという言い方は不可能である。
とはいえ、当項目を設けたからには、何かしらのチャーム分析の指針を示さなければならないだろう。

☆3-1-1[チャーム分析]
もっとも簡素な問題文は、エレメントのみの場合だろう。
そこに、クルーやノイズを肉付けしていくのである。クルーやノイズの肉付けの動機の一つが、チャームを高めることだといえよう。もちろん、エレメントのみの問題文が高いチャームを持つことは十分に考えられる。
チャームに関する詳細な論述は別の機会に行うが、大雑把に言えば、チャームは「参加容易性(参加を躊躇させないか)」「好奇心(解説を見たいと思わせるか)」「安心感(解説が満足のいくものであると期待させるか)」の三要素で構成されている。
親切なクルーを盛り込むことは、主に「参加容易性」と「安心感」を高めることにつながるだろう。
ノイズにより雰囲気を醸成することが「好奇心」に繋がる場合もあるだろう。
また、文体(新要素の一つ)は、チャームのすべてに積極的に関わってくる。誤字脱字や言い回しの不統一は「参加容易性」や「安心感」を低めるだろうし、同じ意味あっても「好奇心」をより惹起する単語とそうでない単語とがありうる。

☆3-2[トリックについて]
トリックとは、参加者を騙すことである。
チャームと同じく、各要素の組み合わせにより実現される効果であるため、問題文の要素そのものとはいえない。
とはいえその性質上、解決に必要な質問数を増やす機能を持つ善玉ノイズと相性が良い。

☆3-2-1[トリック分析]
善玉ノイズはトリックを実現するための要素である。善玉ノイズを盛り込むことがトリックの一つだといってよい。
それ以外に、トリックは文体によっても実現される。単語の選び方を変えたり、文の順番を工夫したり、あるいは接続詞や助詞によっても、参加者を騙しうる。
クルーはその定義上、単体でトリックを実現することはない。
エレメントがトリックを実現するのは、問題文の物語内でトリックが使われている場合であろう。叙述トリックではなく、例えば、殺人事件の密室トリックなどが考えられる。
もちろん、各要素単体ではなく、要素同士の結びつきによってトリックが実現される場合も多い。むしろ、多くの場合はそのトリックを実現させている要素を特別に取り出すことは難しいだろう。

☆3-3["クルー"について]
従来の"クルー"は、「解決への糸口」と表現されることが多い。また、ラテシンwikiには、
>ベールを薄くしてもクルーにはなりません、クルーは答えに行き着くための「誘導」です。
とあり、これは当講義の定義する新しいクルーの説明とも整合する。
とはいえ、本家ウミガメのスープについて、「自殺」を"クルー"とする(当講義に従えばエレメントに該当するし、従来の四大要素に従うとしても、「男は死んだ」を「男は自殺した」に変更することは、ベールを薄くすることであり、上の説明と矛盾している)など混乱が見られる。

☆3-3-1["クルー"分析]
エレメントの一部とクルーとが"クルー"と呼ばれていたようである。
確かに解決への糸口という機能だけを見れば、解説に不可欠な要素であるエレメントにも当然、糸口を名乗る権利がある。
この考え方を認めるとすると、問題文のうち、意味をなさない部分や騙すためだけの部分を除くすべてが"クルー"ということになってしまう。それこそ「男は死んだ」という問題文なら問題文丸ごと"クルー"である。
しかし多くの人が"クルー"に求めるのは、このような性質ではないだろう。問題作成において、「糸口の量をどう調整するか」という考慮と、「解説の内容をどれだけ明かすか」という考慮とは、別物であることが期待されているように感じられる。またそうでなければ、ベールという概念が不要になってしまう。
したがって、当講義では、従来の"クルー"からエレメントを分離させたものを、新しくクルーと定義しているのである。

☆3-4[ベールについて]
ラテシンwikiには、次のような記述がある。
>問題文から情報を抜いていくことを「ベールをかぶせる」と言います。
>解説文から情報を抜いていくと、最終的に「男は死んだ、なぜ?」といったものになります。
これらは、当講義2-1-2で語ったベールの概念と合致する。

☆3-4-1[ベール分析]
当講義では、問題が次のような手順で作成されていると擬制している。
①過不足のない解説を作る。
②解説から適当に情報を抜く。
③そこに手がかりとなる情報や騙すための情報、雰囲気を作るための情報を付け足す。
もちろんこれは擬制であって、実際にはこのような方法で作られた問題は多くないだろう。しかし提出された問題に作成過程を限定するような要素が残されているわけではなく、それがどのように作られたかをいかように想像することも可能である。そこで当講義では便宜のため上記のようにみなすのである。
さて、すると、ベールを掛けるというのは、②の過程そのものである。①によってできたものは最もシンプルな解説であり、これをそのまま問題文にした場合、エレメントのみの問題文となる。そこからエレメントを削っていくことが、ベールを掛けることに他ならない。
③はクルーやノイズを付け足す過程であるが、これはベールを掛けることとは無関係である。

☆4[]
当講義の内容を受け入れたとしても、従来の四大要素の各概念を捨てる必要はない。
クルーは、当講義により従来よりも明確に定義づけられる。
ベールは、エレメントにより完全に説明することが可能である。
トリックとチャームは、問題の要素というカテゴリから外し、問題の評価項目として存続させればよい。

☆5[]
当講義は単なる言葉の戯れであり、問題作成や問題批評においては何の役にも立たない。

☆6[豆大福]
豆大福食べたい。

現在 牛削りさん ディダムズさん が入室してます。(2人)
【総発言数:161】
牛削り[★曹長➕]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年04月30日 16:44]