動画内など、他所でラテシンの問題を扱う(転載など)際について
ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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あつめウミガメ

作成者:SoMR
部屋名:あつめウミガメ
ルームキー:うみがめあつめ
良い問題を鑑賞し、その問題の「良さ」を抽出、つまり言語化することで、良問を作成する技術を集める部屋。
他人に教わった良問作成に関するヒント等も収集する。

なお、この部屋は「一般的にどういう問題が面白いのか」という問題には一切立ち入らず、また主張しない。
SoMRが面白いと思った問題を鑑賞して、
面白いと思った技術を書き連ねるだけである。
そうは言いながらも、元祖「ウミガメのスープ」が絶対的に「面白い問題」として神棚のごとく飾ってあるのは事実。

★一応言っておきたいこと、私が一番好きなタイプの問題は物語としてもステキな問題だと思っているのだが、そういった問題は真似しようにも真似できないので、この部屋ではあまり鑑賞する事ができないかもしれない。
基本的には「良さから勉強しやすそう」なものを取り上げるので、良さが超越的過ぎたり言語化しにくかったりする問題(そしてそれにお気に入りは多い!)は並べ飾りたくなるけど、我慢。
例えば超面白いと思ったとしても、のりっこ。さんの絶対に真似できない異次元的超越天才問題等はここではなく心のショーケースに飾っておく事にする。
また、書く順序も適当、書こうと思った順。

★この部屋はオリンピック選手の凄いプレーを小学生がテレビで見て「ほえ〜すげ〜」と憧れているようなもので、ここで得たワザを実行出来るかどうかはまた別問題なので「全然出題に活かせてないじゃん!バカ!」などと言われてしまうと「うるせ〜キライだバ〜カ」などと言うと思います。

★ラテシンにおける引用ルールがあまり分かってないのですが、一応怖いので資料室にあるものは堂々と使わせて頂くことにして、それ以外はミニメで許可を取れたもののみを扱うことにします。
(参考:チャットルーム「資料室」(ルームキー:資料室))
引用に関して何か問題があれば仰って下さい。

以下テンプレメモ
#【】
-----
『』()
[問題文]
[解説]
-----

現在 しげぽんさん 牛削りさん SoMRさん が入室してます。(3人)
【総発言数:123】
[331193]SoMR[100問出題]
【#27.3の補完】

なささんから許可を頂いたので,下の投稿を補完します.
------
某問題の皿→ある物、にする例が分かりやすいが、
資料室になかったので一旦保留。
------

という部分は,

-----
『なささんのショッキングショッキングの改悪版』
元の素晴らしい問題文は,「ショッキングショッキング」(なささん,http://sui-hei.net/mondai/show/6178)
[問題文]
ある高価なものを盗んでは

それをすぐに捨ててしまう男。

何故そんなことをしているだろうか。
---

と書きたかったのでした.
[17年09月20日 02:10]
[324163]SoMR[100問出題]
【#27.3 あるもの】
自分が登録したての頃に松神さんがさるーんで言っていた事がずっとためになり続けていて、そしてこれからもためになり続けると思うので今一度メモしておこうと思う。

それは
「「ある物」が入っている問題文は、もう一回考え直せって思いますね。」
というもの。
(注意:口調は全くもって正確でないのだが、こんな感じの言い回しだったのが印象的だった。)

どういう文脈で出た話だったか、何となく「ウミガメにおけるもの当て要素について」の話だったような気がする。
当時一瞬何の事か分からなかったのだが。つまりこういう事だろう。

------
某問題の皿→ある物、にする例が分かりやすいが、
資料室になかったので一旦保留。
------

ウミガメは扉と違って基本的に質問を乱射できるので、
“有限回”の質問で看破できる「もの当て」要素はほとんど面白みがない。
「それはコメリに売ってますか?」
「趣味<実用ですか?」
「素材は鉄ですか?」
ウミガメの途中に突然扉が始まるわけだが、扉に質問制限が無ければただの作業である。

ところで、作業で解けるウミガメは面白いものではない。
ここでの作業、という言葉のイメージは
「問題文を見た段階で無意識に思い付く“一応”話の辻褄が合う答え、の可能性を質問により順々に消して行ったら、その何個か目がヒットしてしまった」
みたいな状況の事。
例えば本家のウミガメだったら、
「男はウミガメアレルギーで、ウミガメを食べたら死んでしまいますか?」
で正解だった、みたいな事(これは本来当てに行っている質問ではなくて、とりあえず目障りな絶対違う候補を消すという意味と、解答が並みのものではなく素晴らしいものである事への安心感と,それへの期待を高めるものであるはずだ)。

面白い問題は「数打ちゃ当たる」じゃ絶対解けなくて、何か一回超越的な思考を挟む必要があるようなもの。
雑に浮かぶ候補が例え1000個もあるような問題でも、その中の正解である751番目を当てる操作は,手数はかかったとしても,最早作業であり、面白くない。正解はやはり1001個目であって欲しいものだ。

「あるもの」は、無制限扉であり、作業であるならば、これは1001個目の超越的な答えを求める者にとってはやりたいゲームではなく、ウミガメに求める要素ではない。

しかしこれは問題文を考えていると「入れたくなっちゃう」ワードではある。
「あるもの」を入れれば手っ取り早く“謎”が発生するからだ.とりあえず問題としての見た目は整う.
もし,「あるもの」を入れる理由が、瞬殺されるから,なのだとすれば,それはその問題の純粋なシチュエーションパズルとしての成分は薄いという事である.

もちろんこれは何も形式的に問題文に「あるもの」「ある物」という字句が入っているかどうか,というだけの話ではない.
「それを見た時~」「それを手にしながら~」(問題文の他の部分でそれ、の説明はない。)
意外とこういうのはうっかりすると入れてしまうが,一か所この手のフレーズがあるだけで一気に問題は漠然とし始める.
漠然とした問題文はどこに謎の核があるのか,どこの解明から取り掛かっていけばいいのか,その辺りをまずは手当たり次第に質問して知ろうとする必要がある.
それが悪いとは言わないが,シチュエーションパズルたるシチュエーションパズルというものは,その問題文で切り取っているシチュエーションに明かされてない情報はなくて,「さて,その状況はいかにして起こったのか」という事を問うものであると思う.
ウミガメも,レストラン内での出来事と自殺したところまでの時間の出来事で明かされていないものはなくて,
バーで銃を突きつけられる男や,砂漠でマッチを持って死んでいる男も,葬式の姉妹も,その瞬間の出来事で隠されている事はない.

「馬蹄」という知恵の輪はこのパズルの構造の全情報が見た目から知ることが出来るのに対して,それと正反対に「NEWS」はパズルの構造が八角柱の中に全て隠されていて,見かけはただの八角注.この違いと似ている.
(それぞれ検索してみて下さい.ちなみに自分は「NEWS」が大好きなので,本当はここで例示するのには全く適さないのだが.)

結局,シチュエーションパズルを作るに当たって,
「問題文のシチュエーションを誰かに説明する(パズルとしてではなく)上で普通しない表現はしないようにする事を目指すべきだ」,と自分は思う.
問題文というのは基本的には,解説の一連の出来事の一部を切り取ったものであるが,
「その切り取った部分については,何も隠さずに,そのものを書く」.逆に言えばこういう表現が可能な問題はいい問題である気がする.
昨日のレストランで見たことを友達に話すときに,
「昨日レストランで,ウミガメのスープを注文した男がいたんだけどさ,」
とは言うが,
「昨日レストランで,あるものを注文した男がいたんだけどさ,」
とは言わないだろう.
「昨日レストランで,注文した男がいたんだけどさ,」
これも言わない.

何も隠さない(切り取った部分を)ことによって,不必要に隠しているところが無くなり,その問題の純粋なシチュエーションパズルパートがむき出しになる.
そうするためにはそのシチュエーションが十分パズルとして機能している必要があるため,ごまかしがきかない.
上でも述べたように,結局どこかをぼかす必要があるという事は,純粋なシチュエーションパズル成分が弱いという表れだ.

(補足:ここでは,例えば“「あるもの」を持っている事自体を問題文に全く書かない”事は悪いとは言っていなくて,
“問題を成立させるために,男が「あるもの」を持っている事までも問題文に書くシチュエーションとして切り取る必要があり,そしてその上で問題文に「あるもの」と書くことがよくない”と言っている.
そう考えると,問題文の一つの理想は,「あるもの」を持っている事自体を問題文に全く書かない、事自体も禁止して,
「第三者が“目で見た”,そのシチュエーションを嘘偽りなく書いたもの」であるかもしれない.
これは上で言っている「シチュエーションの切り取り方」を“目で見た”と指定している分強い制限になっている.
上で例示したいくつかの古典問題は全てそうだ.
レストランの男の一挙一動,服装から何まで詳述しても全く謎の牙城は崩れない.
これは実際難しい.自分の問題は残念ながら大体はそうなっていない.)

また,不必要なところをぼかさない問題文は,とても整然としているように見える.
少ない文字数で飾りのない事実だけが淡々と書いてあり,何故だろう?で結ばれる.
こういう問題文は美しい.

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[架空問題文]
レストランに入り,そのメニューのある料理を目にした男は,
この1は2の間違いじゃないのかなあ?と思った.何故だろう?
----

自分はこういう問題はあまり綺麗だと思わない.
上で述べている「ある」がまず使われているし,
何のことか不明な「1」や「2」なる謎概念が登場してくる.
もしこれがメニューの値段の「1000円」,「2000円」の「1」と「2」なのであれば,そう書くべきである.

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[架空問題文']
レストランに入り,そのメニューに書いてある,とある料理を目にした男は,
この料理は1000円ではなく,2000円の間違いじゃないのかなあ?と思った.何故だろう?
----

いやまだまだ.「あるもの」が入っている.

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[架空問題文'']
レストランに入り,そのメニューに書いてある「シェフの気まぐれ地中海風お子様ランチ」を目にした男は,
この料理は1000円ではなく,2000円の間違いじゃないのかなあ?と思った.何故だろう?
----

これでかなり良い.問題文はこうあって欲しい.チャームが何か分からないけれど,自分はこういう問題文にチャームを感じる.
(勿論,''の表現に耐える解答が用意されていなくてはいけないわけだが…)

問題文を洗練するという操作はパズル要素をむき出しにするという作業である.
洗練された問題文と言うのは一回読んだだけで頭に情報がすっと入ってくる.
洗練されていないものは(例えば上の架空問題文),何回も読み直さないと頭に入ってこない.
それはシチュエーションパズル成分の核を自分の中で把握する必要があるからだ.

前もこの部屋に書いたが,昔自分はよくネット大喜利をしていた.
そこで印象的だったのは,
「いかにしてボケの文字数を削るか」
という事に誰もが命をかけていたという所.
大喜利はシビアなもので,回答を一回読んで理解されない場合は,例え本当に面白い事を言っていたとしても「スベった」事になってしまう.
だからとにかくボケの核となるところ以外の余計なパーツを削りに削り,
また特に重要なのは回答のリズムであり,助詞の母音を連続させないだとか,発音したときに心地がいいかだとか,
そういう事を皆真剣に考えているようだった.
多分このあたりの考え方の起源は俳句や短歌だと思っている.

ウミガメの問題文にも同じような所があると思う.
リズミカルに読めて,どういう状況が明かされていて,何を問われているのか?
形式的には頭の中に状況を描くことができ(正解するまでは,それがおかしなものに見えても),
一回読めば見返す二度見返す必要はない.こういう問題文が理想だ.

そのためには,問題文で切り取るシチュエーションを不必要にぼかす事はできない.
「あるもの」は問題文に入れてはいけないのだ.




以上,問題文を洗練させるという話なのに,ダラダラと不必要な事を沢山書いてるのは、つまりこういうのはダメですという事です。

追記:これはシチュエーションパズルの“基本”と“理想”と思っている事を書いたものであって,上で問題があると書いた要素を持つ問題が一律に悪いと言っているわけでは,まさかない.むしろ、「あるもの」を導入した方が良い場合も沢山あるはず。
[17年07月31日 14:17]
[324162]SoMR[100問出題]
🍢
[17年07月31日 14:17]
[323594]SoMR[100問出題]
【#26.3 無いもの】

「無いこと」から「真実」を導く論理はいつだって美しい。

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『毒キノコパラダイス』(牛削りさん、http://sui-hei.net/mondai/show/12755)
[問題文]
梶田は、辺りに毒キノコしかないのを見て安堵した。

何故だろうか?
[解説]
キノコ狩りに来た梶田は、ちょっとした事故のため帰り道がわからなくなり、山の中を彷徨っていた。
幸いキノコの知識はあるので、食料には困らなかった。

遭難5日目。
木々を分けて進んでいた梶田は、辺りのキノコが毒キノコだらけであるのを発見した。
食べられるキノコは既に誰かの手により採集済みだったのだ。

「ああ良かった、この辺りにはキノコ狩りの人が来るんだ」

そこを拠点に根気よく道を探し、無事生きのこることに成功した梶田であった。
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また、次のようなよく知られた古典パズルがある。

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『囚人と帽子』(http://www.imd-g.com/puz02_3_10a.htm より拝借。)
[問題文]
3人の囚人がいる。この囚人たちに赤い帽子3つと青い帽子2つを見せ、この中から3つを選んで3人にかぶせ
ることを伝えた後、囚人たちに目隠しをし、3人のいずれにも赤い帽子をかぶせ青い帽子は隠した。
その後、目隠しを取り、次のように言った。
「自分の帽子の色がわかった者は直ちに、ここを立ち去って良いが、もし間違っていたら一生ここを出ることはできない。他の二人の帽子を見ることはできるが、自分の帽子を見ることはできない」
囚人たちは、自分以外の2人の帽子を見ながら長い間考え込んでいたが、いずれも賢かったので、3人とも自分の帽子の色が赤だとわかり、立ち去って行った。3人はどうして自分の帽子の色がわかったのでしょう。
[解説]
青い帽子は2つしかないことが事前にわかっていますので、目の前の2人が青い帽子をかぶっていたなら、自分の帽子が赤であることが直ちにわかるのは言うまでもありません。
また、青い帽子をかぶっている者が2人いないのは、3人とも認識しています。
3人をA,B,Cとします。Aは次のように考えます。
「自分の帽子の色が青であったなら、Bは『Cが立ち去らないのは自分(B)の色が赤だからだ』と考えてすぐに立ち去るはず。ところがBは立ち去らない。ということは、自分の帽子は赤である」
B,CもAと同じことを考えた。
-----

どちらも「無い」事から、何か新しい情報を引き出しているという所がポイント。
目で見えるものや、実際に聞こえるものを注意深く観察するのは基本だけど、
「あるとしたら」と仮定してみたり、「無い理由」を考えてみるのは少し程度の高い推理である。

これに関して、昔見たテレビ番組のワンシーンが忘れられない。
---
ロザンの宇治原の出ていたクイズ番組にて。
詳細は覚えていないが、番組の終盤、次のような形式のクイズが出題され、正解すれば宇治原チームが優勝というもの。
そのクイズというのは、

「宇治原以外のチームのメンバーが、ある歴史上の人物の名前を教えられる。
その後、その人物にまつわる漢字を一人一文字づつ書いて、宇治原に見せる。
宇治原がその名前を答えられれば正解。」

というものだった。
視聴者も一緒に考えられるように、チームメンバーが答えを聞いても視聴者にそれは伝えられない。
さて、メンバーが漢字を書いていく。
「船」「海」「洋」「船」「海」…
宇治原と一緒に我々も考えるわけだが、何だろう、意外と難しい。
船で歴史と言えば…コロンブス?いや、他にも何人か有名な船乗りがいるぞ?この漢字だけじゃ絞れるわけないじゃん!
宇治原の解答の時間がやってくると、ちょっと考えたあと、彼は
「マゼラン」
と回答。
一瞬自分は「何で?」と思ったのを覚えている。もちろんマゼランも候補なのだが、確定はしないだろうという。
見事、正解のチャイムが。
宇治原は「何故分かったんですか?」という司会者の問いに対して、

「もし答えがコロンブスだったら、『卵』が出るかな~って思って。」

えっ!!!!なんと!!!なるほど!!賢すぎる!!!微塵もそんな推理を思い付かなかった!!!
バスコ・ダ・ガマを候補から弾いたやり方は言ってたのか言ってなかったのか、忘れちゃったけど、
1/3(コロンブス、マゼラン、バスコ・ダ・ガマ)を1/2に高めた、これだけで偉大です。
クイズ番組でこんなに興奮したのはこの一回しか記憶に残っていない。
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どうだろう、実際ヤバくない?笑
勿論、種を明かされれば「確かにそうだね」なんだけど、これを、何の予告もない状態でやらされて、
この論理を組み立てる事のできる人は相当頭の切れる人だと思う。少なくとも自分には無理だ。


3つ例を挙げたけど、このタイプの推理はかなり高級なことをしていると思う。
なんつうか、他の動物にできなそうって思って、「うわ~人間やってる~」って思う。
まず、「もし~だったら○○」という背理法みたいなことをやるのがそもそも難しいし、
○○の部分を豊かに想像するためには色々な「経験」というものが必要である。
「無い」ところからその推論を始めようとすること自体普通思い浮かばない。

キマッたらかっこいい推理。
日常でもこういう思考をすることに憧れるし、毒キノコパラダイスのような、このタイプの推理をする問題も作りたい。
[17年07月28日 13:07]
[323593]SoMR[100問出題]
🍢
[17年07月28日 13:07]
[322343]SoMR[100問出題]
【#25.3 パントマイミスト】
この部屋の基本に戻って、最近のヒットを貼ってみる。

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『最後のパントマイム』(牛削りさん、http://sui-hei.net/mvs/show/33212)

[問題文]
野山エンジがパントマイミストとしての生涯最後の仕事に選んだのは、実際には存在しないボロボロの板切れを存在するかのように見せるというものだった。
彼はいったいどのような心持ちでこの仕事に臨んだのだろうか。状況を明らかにしつつ、推測せよ。

[解説](要約)
恋人と一緒に海に投げ出された野山エンジの目の前に、一人分の身体しか支えられなそうな板切れが流れてきた。
彼はそれを恋人に譲り、恋人が遠慮なく受け取れるよう、得意のパントマイムで自分にも板切れがあるように振る舞った。
この最後の仕事に臨む彼は、「自分が死んでも相手を助けたい」というような心持ちだったと推測できよう。
----

問題を読むのをサボっているので、正直久しく忘れていた「…っ!!」って感覚。
答えを見たとき、この感じの、感覚が起こったのは久しぶり。
勿論名作は日々生まれているけど、作者とのりっこさんの問題でしか味わえない衝撃というのがある。

投票コメントにも書いたけれど、この二人の作者の問題には(意識的なのか無意識なのかは分からないが)、露骨な水平思考要素が入っていると思っている。
水平思考ってめいめいの感覚で適当な使い方をされている言葉で未だによく分からないけれど、
これは、水平思考したって言いたくなる。
どんなシチュエーションパズルも、水平思考要素はあると思うが、
どこにですか?と言われてはっきりしている問題をそう多くない。水平思考をタイトルに冠したサイトにも関わらず。
自分の問題を見返しても、胸を張って水平思考問題です、と言える問題は全然ないと思う。

二人の問題は、シチュエーションありきの水平思考というより、
水平思考要素がベースのシチュエーションパズル問題というか…
シチュエーションパズルの名作は古今東西星の数ほどあれど、
水平思考問題というのは意外と少ないような。
ラテシンの発明品だと思うが、代表的なものはみんなこの二人の問題だ。

そういえば、のりっこ。さんのMVS投票コメントで「素晴らしい水平思考問題ですね」のようなワードがよく出てくる。
「ウミガメのスープ」でも「シチュエーションパズル」でもなく、「水平思考問題」。

水平が至高とはこれいかに。(←本日のオチです)

追記:あと、フィーカスさんの問題も水平思考問題って感じがするものが多い。
[17年07月20日 21:32]
[322342]SoMR[100問出題]
🍢
[17年07月20日 21:29]
[321855]SoMR[100問出題]
なるほど。うーんなんだろう、リアルだと自分はガンガンヒントを出しまくっていくからかもしれません。ショッキングショッキングの場合、滞ってきたら「とにかく店を、もの当てすればいい」という方向に持って行けばじきに回転寿司は特定されるので、停滞し続けることがないという意味でリアル向けだと思いますね。ラテシンだと皆優秀すぎてヒントの必要があまりないことが多い&自分で全て明かしたい人が多いと思いますが、リアルだとずっとヒントが重要な気がします。結構自分は本質をバラしすぎない良いヒントを気持ちよく決める事も快感のひとつだったりします笑
ラテシンにいると「明かしすぎる」事は楽しみを奪う事のように思えてしまうのですが、チャームを持続させるというのは対ラテシンフリーク以外には、楽しみを奪わない事に気を使う以上に大事だと思います。
[17年07月05日 00:38]
ゴトーレーベル[軍曹]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年07月04日 22:22]
[321850]ゴトーレーベル[軍曹]
『ショッキングショッキング』は、難しい問題として例示したのではなく、リストの中では平均的な難しさの問題と思って挙げたのですが……
そうですか、解けますか、うーん。
私はリアルやSNSとかで、3,4回ウミガメ(私から見て簡単なもの)を出したことがあるのですが、正解されたことがないのです……
うーん。なんなのでしょうか。
[17年07月04日 22:21]
ゴトーレーベル[軍曹]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[17年07月04日 22:21]
[321771]SoMR[100問出題]
書き込みありがとうございます。なるほど、確かに、僕の回りは結構訓練されたウミガメ質問者がいるので(一時仲間内で流行した関係で)、下のリストは「問題としてそこまで難しくない」ことはあまり考慮にいれてないような気がします(「出しやすい」≠「簡単」だと思っています。極端な話、僕は「ウミガメのスープ」こそ初心者に出すべきだと思っている。)。だから「初心者に出しやすいリスト」では決してないですね。確かに、そのあたりがごちゃ混ぜになっているのは実用性を損なったリストになっているかもしれません。

あとは、ウミガメ問題をリアルで出すときに、「状況を想像したときに面白いか」が相当重要だと思っている、というのがあります。我々ウミガメジャンキーはパズルをしに自主的に来ている以上「パズルとして面白いもの」を面白いと感じますが、一般人はパズルを解きたい気分になる時はなかなかないわけで、そうなるとパズルとして技巧的なだけの問題だと答えを聞いた時に「だから何ですか」になりがちです。そもそもパズルを出すことって“非日常”ですからね笑 でも、“人から聞いた面白い話”は日常的に友達同士でする。その“延長”という意味で、ストーリーとしてアクの強い「ウミガメのスープ」「葬式の姉妹」等が友達に出すのに最強だと思うのはそんな理由ですね(無論、これは僕のまわりのコミニュティに限った傾向の話です)。多分下のリストは中途半端にその感覚が反映されているので、多少歪になっているんだと思います笑

ショッキングショッキングはリアルで結構出していますが、僕の中では「リアルで出しやすさ」トップ5に入ります。これは、初心者上級者関係なくです。普通に皆さん正解まで辿り着きますね。逆に今までまわりの反応が良いものばかりだったので、なにも考えずに真っ先にリスト入りしていますが、意外と難しい問題でしょうか?
[17年07月03日 19:40]
SoMR[100問出題]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[17年07月03日 19:31]
SoMR[100問出題]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年07月03日 19:30]
ゴトーレーベル[軍曹]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年07月03日 02:36]
[321761]ゴトーレーベル[軍曹]
労作ですね~ お疲れさまです!

でもちょっと不思議に思うのは、SoMRさんの周りにはウミガメ中級者が多いのかな?というところですね。
ウミガメを知らない人にはハードルが高かろう、というのもリストにたくさんあるから。

個人的には、ウミガメを知らない人に出すのなら、
・ひとつのキーワードの気付きで正解が判明する。
・それほど鋭くない人でも、質疑応答をしているうちにキーワードがひらめく。
くらいの条件が付くのかな、と思っておりまして。
今までリアルで出したのは『タバコ・タイ焼き・共同募金』の元ネタである、「天丼屋のテイクアウト率が急に増えたのはなぜ?」くらいです。
それ以上難しいのを理解できそうな人なら、ラテシンに引っ張ってきたほうがいいと思ってますw

その意味で言えば、【友達に出しやすいウミガメ】の中で出そうと思うのは
・バーで銃を突き付けられる男 (古典)
・盗作疑惑
・名画
・持ってるけど貸して
・エレベーターの姿煮
くらいかなあ。クールガイカメオや可愛いむすめや海辺の悲劇とかはハードルが高すぎる気が。

『ショッキングショッキング』を出して、正解が出た(あるいは、正解が出るよううまく誘導できた)事例があるのであれば、ぜひ教えてほしいです。布教wにとても有益な情報だと思いますから。
[17年07月03日 02:35]
ゴトーレーベル[軍曹]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[17年07月03日 02:23]
[320057]SoMR[100問出題]
【#24.3 友達に出しやすいウミガメ(フレウミ)】

その名の通り、
「友達や家族に口頭で出題しやすいウミガメ」
である。
これをリスト化しておきたい。
(注意:フレウミ⇒名作,だが逆は成り立っていない.大好きだけどリストに入れないものも多い。)

その、ある程度の基準としては
①面白い
②問題文、解説共に簡潔で、何も見ずに口頭で出題可能(≠難易度。多少複雑で読み上げが必要だが口頭で出題したいものは番外的にリストアップする。)
③面白さが問題文のしゃべり方にあまり依存していない
④出身、年齢を問わず通用する
⑤答えを聞いたあとも状況・オチを想像して面白い
(⑥“口頭で出しやすい”←突然漠然とした項目で何なのか分からないけれど、なんかそういう感じのする問題とそうでない問題がある)

⑤は自分の趣味な気がするけど、対人で出題するときはその後も会話が続くわけで、“余韻が良い”事は重要だと思っている…。

【友達に出しやすいウミガメ】(暫定版・随時更新)
~どんな友達にでも出題できるウミガメ~
・ウミガメのスープ (古典)
・砂漠でマッチを握って死んでいる男 (古典)
・バーで銃を突き付けられる男 (古典)
・葬式の姉妹 (古典)
・タバコに火をつける男 (古典)
・狸寝入りを言い当てる父 (古典)
・エレベーターで帰宅する少年 (古典)
・ショッキングショッキング (なささん,http://sui-hei.net/mondai/show/6178)
・盗作疑惑 (azさん,http://sui-hei.net/mondai/show/25304)
・名画 (華さん,http://sui-hei.net/mondai/show/16231)
・持ってるけど貸して (神田さん,http://sui-hei.net/mondai/show/21698)
・◎ (さるぼぼさん,http://sui-hei.net/mondai/show/13303)
・エレベーターの姿煮 (入れ子さん,http://sui-hei.net/mondai/show/26916)
・未完の泥棒 (甘木さん,http://sui-hei.net/mondai/show/28334)
・失敗は成功の… (ゴトーレーベルさん,http://sui-hei.net/mondai/show/18691)
・濡れて参ろう (tsunaさん,http://sui-hei.net/mondai/show/24269)
・ご近所には秘密 (春雨さん,http://sui-hei.net/mondai/show/21909)
・クールガイカメオ (letitiaさん,http://sui-hei.net/mondai/show/22641)
・この映画を作ったのは誰だ!? (松神さん,http://sui-hei.net/mondai/show/24675)
・あすとぴぃで (みんさん,http://sui-hei.net/mondai/show/30792)
・みしよ天童 (にゃうささん,http://sui-hei.net/mondai/show/18727)
・ミゴ箱 (入れ子さん,http://sui-hei.net/mondai/show/26149)
・海辺の悲劇 (+チックさん,http://sui-hei.net/mondai/show/18308)
・可愛いむすめ(天童魔子さん,http://sui-hei.net/mondai/show/17300)
・ルビンの骨壺 (オリオンさん,http://sui-hei.net/mondai/show/32428)

~日本人向けまたは外国語での出題が不可能だけど友人に出したいウミガメ~
・肉々そして肉 (azさん,http://sui-hei.net/mondai/show/25566)
・雑誌の付録 (yanさん,http://sui-hei.net/mondai/show/5378)
・優れたる貴社にお祈りを! (風木守人さん,http://sui-hei.net/mondai/show/31059)
・その問題を解いたなら (牛削りさん,http://sui-hei.net/mondai/show/22138)
・不吉なプレゼント (すいまさん,http://sui-hei.net/mondai/show/27990)
・【解説は五文字】(のりっこさん,http://sui-hei.net/mondai/show/12801)

~口頭で出題するには多少複雑で短い版の問題文を考案するか原案を全て読み上げる必要があるが、口頭で出題したいウミガメ~
・割りに合わない正解率 (甘木さん,http://sui-hei.net/mondai/show/20373)
・正しい時刻 (牛削りさん,http://sui-hei.net/mondai/show/12226)
・毒殺と冤罪 (azさん,http://sui-hei.net/mondai/show/26503)
・失踪 (華さん,http://sui-hei.net/mondai/show/24536)
・壺 (ゴトーレーベルさん,http://sui-hei.net/mondai/show/18911)
・メモリーカード(ALTOさん,http://www.nicovideo.jp/watch/sm25182238(ニコニコ動画))
・名前を失った鳥たち(牛削りさん,http://sui-hei.net/mondai/show/23171)
・サイコパス(toshさん、http://sui-hei.net/mondai/show/25365)

~人を選ぶかもしれないけれど友達に出題したいウミガメ~
・杖の傍で自殺している男(古典)

まだ適切なものが沢山ある気がするけど,一旦ストップ.
良いものがあれば教えて下さい。

追記(気になっている事):
大仏男とか,宇宙の神秘とか,このタイプのを現実で出題したらどんな感じになるだろうか?
やった事もないし,こういう系式はラテシン以外で見たことがない(冷静に考えて,それってすごいよね)から,とても気になっている.
受け入れられるのかどうなんだろう.
[17年06月01日 21:55]
SoMR[100問出題]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年06月01日 21:42]
az[軍曹]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年05月06日 16:33]
[318500]az[軍曹]
もうめちゃくちゃ楽しいです。
[17年05月06日 16:33]
az[軍曹]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[17年05月06日 16:33]
[318314]SoMR[100問出題]
ゴトーさん、独裁者のスイッチにお褒めの言葉、ありがとうございます笑
そうなんですよー、問題を一緒に作るというのは素晴らしく面白いと気付き、最近はまっております。
いつかゴトーさんも一緒に、GaS問題を作ったら楽しそうなので、是非笑(←G…ゴトー、a…az、S…サマンサタバサ)
[17年05月03日 16:45]
ゴトーレーベル[軍曹]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年05月02日 23:35]
[318283]ゴトーレーベル[軍曹]
あと「独裁者がスイッチ押すと床がパカって開くやつをやられても大丈夫」にはほとほと感心いたしました。SoMRさんの真髄を見た思いです。
[17年05月02日 23:35]
[318282]ゴトーレーベル[軍曹]
なにより二人ともこの上なく楽しそうなのです!
[17年05月02日 23:34]
ゴトーレーベル[軍曹]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[17年05月02日 23:33]
[317463]SoMR[100問出題]
#23.3【「思考実験1」のSPについて】

先日出題した『思考実験1』(http://sui-hei.net/mondai/show/31183)は、azさんにSPをお願いして議論しながら作ったものだが、
いつにも増してSPが強力すぎたので、どんな流れで出来たのかまとめておく。

まず、始まりは「AとZの狭間」の04月05日12時48分の書き込み。
『歯車』(http://sui-hei.net/mondai/show/30785)の振り返りと古典シチュエーションパズルについての考察が書かれている。
これを読んで、歯車みたいな問題が作りたいと思い、
シンプルにシチュエーションをパズルする王道問題を考えてみようと、電車の中で考えたのが、こんな原案。

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『原案1』
[問題文]
麻薬中毒の浪川純が発砲した銃弾が、プロボクサー山下健太郎の拳の10cm上を通過した。
以下、発砲した時刻の三秒前をt_0、銃弾が拳の上を通過した時刻の三秒後をt_1とする。
【問題】仮に、時刻tに山下健太郎が小学生のあなたを殴ったとする。より痛いのは、t=t_0の場合、t=t_1の場合のどちらでしょう?
[解説]
二人はバスに乗っており、浪川はバスジャックしようとしている。
山下健太郎はつり輪を持って立っており、
t=t_1の方は、つり革のベルトが切れたことによりつり輪がメリケンサックみたいになっているので、
あなたはそれで殴られることになる。
t=t_0なら素手で殴られることになるので、それよりメリケンサックを装備しているt=t_1の時の方が痛い。
----

王道から出発した結果がこれである。

azさんにテストプレイしてしてもらうと、
・「つり革で殴られた方が痛い」というところにどれだけ解答者がどれだけ共感できるか?
・「つり革で殴られる」という経験をした方はいないと思うので、実感が伴いづらい分、解説の共感度、納得感はいくらか下がるかも
という指摘を受けた。
確かにとしか。
これはもう根幹を変えないといけない。

azさんが方向性としてこんな問題を提案してくれた。
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麻薬中毒の浪川純が発砲した銃弾が、山下健太郎の拳の10cm上を通過した。その三秒後、浪川の顔面を直撃したものは何か?
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つまり、「つり輪のベルトが切れる前と後との差異」をメリケンサック以外の方法で表すと言うことだ。
残念ながらつり輪を投げる案は『結局ミカン3つリンゴ1つ買った』でもうリンゴを投げてしまったので、断念。

とはいえ、「つり輪のベルトが切れる前と後との差」で他の何かを探すのは良さそうな方向性。

色々考える。「殴るのが間接的になっている」ことに注目。
・返り血が手にかかる
・浪川がトゲトゲの服を着ていても痛くない
・そもそも「浪川の体に直接触れずに倒したのはどっち?」とかにする

どれもあまりパッとしないところに、azさんに神の啓示が降りる。

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http://sui-hei.net/mondai/show/26539

この形式、参考にできないかなー
-----

urlの先はみんさんの『異次元ヨーグルト』である。
こっ、これだー!!

他にも、
『赤玉』http://sui-hei.net/mvs/show/20806、
『福田』http://sui-hei.net/mondai/show/26536、
『何枚?』http://sui-hei.net/mondai/show/26604、
『あて●●たもの』http://sui-hei.net/mondai/show/25659、
等々…自分は大好き!
極端に人工的に…思考実験みたいにすると、奇妙な面白味が出たりするのではないか!

これしかない。
という事で、問題の構成はこの感じでいく、つまり、「何でそんな事をするのか」は無視して、
「つり輪のベルトが切れる前と後との違い」を考えてみる…。

~しばし書き込みコピペ~a--がaz発言、s--がSoMR発言

s---
【つり輪を持っているから○○を列挙する】
瓦割りしても痛くない
壁を殴っても痛くない
剣山を殴っても痛くない
トゲトゲの服を殴っても痛くない
バトルカウンターが効かない
長方形の粘土を殴ったときにめり込む面積が小さくなる
----

s---
いやまて、そもそも殴る、から離れてみるか
----

s---
┻←こういうのが側にあったら輪投げができる
シルエットが食いしん坊みたいになる
メリケンサックみたいでかっこいい
「メリケンサック的なものを装備しているのはどっち?」
やっぱりわっかを生かしたいよなあ
「健太郎の攻撃の及ぶ範囲が広いのはどっち?」
わっかってなんだ。
ドーナッツ
触れているかいないか
「その一瞬をフィギュア化した時にキーホルダーにしやすい方はどっち?」(わっかに紐を通して)
剣山にパンチしても痛くない方
だめだなんも浮かばん
「天使が挨拶してるみたいになってる」←頭の上のわっかを帽子みたいにして挨拶。なんかこれ大喜利の答えみたい。
やっぱり投げる使うか。
「気円斬を撃てるのはどっち?」
-----

s---
分かった!この問題、別につり輪にこだわらず、つり革につかまってるに注目しても面白いかも
---
↑これが、マイルストーン。

s----
つり革につかまってることに注目案
つかまっていると…
独裁者がスイッチ押すと床がパカって開くやつをやられても大丈夫
膝カックンは…たぶん普通に効いてしまうな
突然床を底無し沼にしても大丈夫
大外刈をかけて転ばすならいつ?
あ、こっちのほうが場合によってはシンプルになって分かりやすいかも
ラオウのモノマネに近いのはどっち?
----

a---
山下健太郎の足元に体重計があったとして、体重がより重く表示されるのは発砲前後のどちらか?
---

このあたりでazさんに
a---
でも「つり革に捕まっている」に注目するっていうのがすごく水平思考的ですね。またまた余談になるけど、問題ってむしろ作る過程にこそ水平思考を要してる気がしますw
---
と誉められて気を良くする。

a---
つり革を失ってよろめく、という状況で何か作れないかなー。

偶然再会した元カノの宮村千恵にしがみついたのは何故?
そばにいた老婆に体当たりする可能性があるのはどちらか?
----

これには自分も同意。
分かりやすいつり輪切れ前後の違いはこれ。

s---
よろめくは一番あり得ますね。うーん、「常にタックルしたいラグビー部の赤城鉄丸のタックルに吹っ飛ばされない可能性が高いのはどっち?」
---

s---
またカレーの時のクソガキ召喚するかあ。クソガキに激突されても吹っ飛ばされない可能性が高いのは
---

ということでためしに一個作ってみたのがこれ。
---
『案その2』
麻薬中毒の浪川純が発砲した銃弾が、プロボクサー山下健太郎の拳の10cm上を通過した。
以下、発砲した時刻の三秒前をt_0、銃弾が拳の上を通過した時刻の三秒後をt_1とする。
-----
【問題】
時刻tにクソガキ・シンタが健太郎にタックルしたとする。
タックルが見事に決まって、健太郎が転ぶ可能性が高いのは、t=t_0の場合、t=t_1の場合のどちらと言えるでしょう?
--

これは結構すっきりしていて、いいのでは、という話に。

ここで、azさんの指摘が入る。

a----
別解の余地はどうだろう……例えば「発砲にビビッて腰を抜かしていたt_1の方が転ぶ可能性が高い」というのは別解として成立するでしょうか。
---

a----
この問題がというわけでなく、一般論としてなのですが、別解の余地自体が悪いわけではなく、解説よりも妥当性の高い別解があるのが良くない、というのが私の考えです。

その意味では、「発砲にビビった」というのは直ちに妥当性が高いとまでは言えないものの、パッと思いつくという点では無理のある解でもない……といったところでしょうか。
---

確かに(何回自分確かにって言ってるんだろう)。

ここから結構難航し始める。
この発砲にビビるを消せない。
うーん困った困った…
とそこへうまい具合に降りてきた。

s---
お得意の「木を隠すなら森のなか作戦」
浪川が銃を乱射していることにして、「その一発」はたまたま10cm上を通過したことにする。わかった!!!!!!azさんの案と混ぜよう!!つまり銃は二発発車したことにして、一回目拳の10cm右、二発目は拳の10cm上にすることで、二回目の特別感を無くす!
つまり、t_0を一発目が拳の右通過時刻、t_1を二発目が拳の上通過時刻!
---

つまり今までは
「銃を一発発砲、その一発が拳の上を通過後通過前」の差を調べるものだったのだが、
「銃を二発発砲して、その二発のうち一発が拳の上を通過」させればいいのでは?
これはよさそう。
ということで、試しに作ったのがこれ。

----
『案その3』
麻薬中毒の浪川純が二発の銃弾を発射した。
一発目の銃弾は、時刻t_1に山下健太郎の頭の10cm上を通過し、
その後発射された二発目の銃弾は、時刻t_2に健太郎の右の拳の10cm上を通過した。
-----
【問題】
時刻tにクソガキ・シンタが健太郎にタックルしたとする。
タックルが見事に決まって、健太郎が転ぶ可能性が高いのは、t=t_1の場合、t=t_2の場合のどちらと言えるでしょう?
----

これに対して、まず簡単に改善すべき点は、
「言えるでしょう?」→「言えるだろうか?」のようにすべし。
簡単でない改善すべき点はazさんの以下の指摘。

a----
最終的な位置関係で言えば拳の上も頭上と言えば頭上になるかな? もっと別の箇所にした方が無難かもです。
---

おお、そう言われてみると、分かりづらいかもしれない。OK~と軽くうなずいたが、
この一見何てことない指摘が我々をダークサイドに誘くことになったのだ。

【一発目をどこに通過させたらいいのか分からない!!!!】

これは実は難問である。
上述したように、問題の整合性、別解を潰すためのものなので、気を引いてはいけない。
→つまり“意味ありげな表現”はNGなわけだ。
これは実は大変難しいと悟る。
ある意味チャーム等の概念の逆操作であり、石ころぼうしを被らせるような…これは重要ではなさそう、と瞬間的に認識させるのは、意外と難しい!

ということで何日も「一発目の銃弾をどこに通過させるか」でまさかの難航。

s---
向きが決まってるやつがいいな。おへその10cm先、鼻の10cm先。いや、それだと乗客だれか死ぬな。頭頂の10cm上で死なないか?
----

a---
バスはガラガラだったということでいいのでは……と書きかけたけど、立ってる以上は混んでるはずでしたね。足付近なら人には当たらないかな? でも足だと「タックルでよろめく」に影響するか…
---

s---
足付近でも良さげだが、何を表現したらしいかなあ。意外に難問だ。

健太郎のイケメンフェイスの10cm前
---

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『案その4』

麻薬中毒の浪川純が二発の銃弾を発射した。
一発目の銃弾は、時刻t_1に山下健太郎の足元から10cm離れた床に着弾し、
その後発射された二発目の銃弾は、時刻t_2に健太郎の右の拳の10cm上を通過した。
-----
【問題】
時刻tにクソガキ・シンタが健太郎にタックルしたとする。
タックルが見事に決まって、健太郎が転ぶ可能性が高いのは、t=t_1の場合、t=t_2の場合のどちらと言えるだろうか?
----

a----
床は過ぎたクルーになるおそれがある気がしますね。初見の時点で「場所」に注目させてしまいそうです。しかし"地面"はアンフェアだし……確かに言い回しに迷いますね
----

s---
『案その5』
麻薬中毒の浪川純が二発の銃弾を発射した。
一発目の銃弾は、時刻t_1に山下健太郎の右膝の10cm後方にある地点Aを通過し、
その後発射された二発目の銃弾は、時刻t_2に健太郎の右の拳の10cm上方にある地点Bを通過した。
-----
【問題】
時刻tにクソガキ・シンタが健太郎にタックルしたとする。
タックルが見事に決まって、健太郎が転ぶ可能性が高いのは、t=t_1の場合、t=t_2の場合のどちらと言えるだろうか?
---

a---
右膝の後方なら足を貫通したという風にも読める……かな? ちょっと位置関係が掴みづらいかもしれないです。
---

s---
あ、むしろ「頭の上すれすれ」だとつり革に当たらないか。健太郎に変な髪型をさせて、そこをかすめさせるとか。モヒカンヘアーの先端をかすめるようにして通過し。いや、やっぱりこれもつり革に当たったかもしれないじゃんと言われるな。
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a----
やっぱり足近辺が適当だと思うのですが、表現が難しいですね。
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s---
「山下健太郎の右足のポインテッドトゥの先端をかすめ」
「山下健太郎が右足に履いているポインテッドトゥの先端をかすめ」
「山下健太郎の右足のトンガリシューズの先端をかすめ」
「山下健太郎が右足に履いているトンガリシューズの先端をかすめ、」
悪かないな
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----
『案その6』
麻薬中毒の浪川純が二発の銃弾を発射した。
一発目の銃弾は、時刻t_1に山下健太郎の足元付近に着弾し、
その後発射された二発目の銃弾は、時刻t_2に健太郎の右の拳の10cm上を通過した。
-----
【問題】
時刻tにクソガキ・シンタが健太郎にタックルしたとする。
タックルが見事に決まって、健太郎が転ぶ可能性が高いのは、t=t_1の場合、t=t_2の場合のどちらと言えるだろうか?
---

s---
ダメだしっくり来ない
---

a----
「右の拳」と対句っぽくする意味で、「左足」「左の膝」とかを使うとそこそこ綺麗にまとまるでしょうか? 「左足の20㎝横に着弾」など。
---

s---
なるほど。「横」は大丈夫ですかね?
---

a---
「左足の横」とすることで考えられる難点は、左足の「右横」である右足に当たった……という風に考えられる可能性がある点ですかね。うまくかわせないかな。
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s----
左足の10cm後ろ
----

a---
思い付きメモ

いっそ「右手」と「左手」にしてみる。もちろん健太郎がどちらの手でつり革を握っているかは等しく可能性があるのでこのままでは問題にならない……が、例えば一発目が「右手の10cm上」、二発目が「左手の10cm下」とすると、つり革が手の下に来ることはないから、つり革を持っているのは右手と特定できる……のか? 思い付きなので本当に論理が通ってるかはわからない。
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s---
右の拳の10cm前とか案外自然かもしれぬ。「前」は健太郎が向いている方向と思ってくれるかな、
あ、「右肘の10cm下」はどうだろう?
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a---
なんだろう、後に完成形を見た人が、そこで悩んだとは思わない箇所でぐるぐるしてる感じですねw でも、二拓形式である以上確実に答えが決まる形にするのは絶対重要。
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この時点で4月14日。銃弾を二発発射する案は12日に出たので、一発目をどこに打たせるかでもう3日悩んでいることになる。

s----
そう考えると、使うべき表現は、「右肘の10cm下」。これで「腕を曲げてつり輪を掴んでいる示唆」ができます。
--
これは、

a---
体の横でつり革持ってるイメージで考えてました。
---

によりボツ。


a---
テストプレイした感じで言うと、「場所が重要」→「バス」→「つり革」って流れでいけたので、つり革に対してクルーがそこまで必要とは思わないかなー、とも。(しつこく余談ですが、クルーって手がかりというより解説の唯一性を高めるためのある種の予防線なのではと思うこの頃。)
---

a---
「拳の10cm上」は、健太郎が進行方向を向きながらつり革を持っていても、変わらず「10cm上」なんですよね。理想を言うと、もうひとつの方も体の向きに限らず言えるところが良いのかなと。
---

s---
本当にそうですね〜。その意味だと、脇腹の10cm近くとかはどうでしょう。右膝の10cm近く。「10cm近く」という表現は使わないか。
いずれにせよ「脇腹」は回転させても問題がなさそうでいい!
腰より下だと着弾させないといけないから、難しくなる。
----

a---
脇腹、良いですね。「脇腹の横」とするだけで当たったことにはならなくなるし、良いと思います。
---

キタ。これや。

---
『案その7』
麻薬中毒の浪川純が二発の銃弾を発射した。
一発目の銃弾は、時刻t_1に山下健太郎の脇腹の横を通過し、
その後発射された二発目の銃弾は、時刻t_2に健太郎の右の拳の10cm上を通過した。
-----
【問題】
時刻tにクソガキ・シンタが健太郎にタックルしたとする。
タックルが見事に決まって、健太郎が転ぶ可能性が高いのは、t=t_1の場合、t=t_2の場合のどちらと言えるだろうか?
----

----
『案その8』
思考実験1

[問題文]
麻薬中毒の浪川純が二発の銃弾を発射した。
一発目の銃弾は、時刻t_1に山下健太郎の脇腹の横を通過し、
その後発射された二発目の銃弾は、時刻t_2に健太郎の右の拳の10cm上を通過した。
-----
【問題】
時刻tにクソガキ・シンタが健太郎にタックルしたとする。
タックルが見事に決まり健太郎が転ぶ可能性が高いのは、t=t_1の場合、t=t_2の場合のどちらと言えるだろうか?
----

やっと魔の一発目銃弾ゾーンを抜けたっ!!!
そして、議論は最終調整に入る。

a---
「右の拳」でなく「拳」だけで十分かも? 細かいっちゃあ細かいことですが、「健太郎の右の拳の上」は"の"が続き過ぎなのが少々気にはなりますね。
---

----
『案その9』
思考実験1

[問題文]
麻薬中毒の浪川純が二発の銃弾を発射した。
一発目の銃弾は、時刻t_1に山下健太郎の脇腹の横を通過し、
その後発射された二発目の銃弾は、時刻t_2に健太郎の拳の10cm上を通過した。
-----
【問題】
時刻tにクソガキ・シンタが健太郎にタックルしたとする。
タックルが見事に決まり健太郎が転ぶ可能性が高いのは、t=t_1の場合、t=t_2の場合のどちらと言えるだろうか?
----

s---
一晩寝かせて見ましょう。いやはや、お金が発生するレベルで頼りきっちゃいました‥。いつかジュースをおごります。
-----

s---
解説はなるたけ無機質な方が面白そう。
あと、調べたらつり革のつり輪の直径は11cm程度らしいので、15cm上方の方がよいでしょうか?

「つり革の輪とつり革の柄が分離」のところの表現が難しいw
「つり革の輪とつり革の付け根が分離」は「付け根」が正しい表現なのか分からぬ…
---

そして、細かいところを微調整。
ようやくできた完成品がコチラ。

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『完成版』
【タイトル】
思考実験1
----
【問題文】
麻薬中毒の浪川純が二発の銃弾を発射した。
一発目の銃弾は、時刻t_1に山下健太郎の脇腹の横を通過し、
その後発射された二発目の銃弾は、時刻t_2に健太郎の拳の15cm上を通過した。
-----
【問題】
時刻tにクソガキ・シンタが健太郎にタックルしたとする。
タックルが見事に決まり健太郎が転ぶ可能性が高いのは、t=t_1の場合、t=t_2の場合のどちらだと言えるだろうか?
----
【解説】

[解答] t=t_2の場合

[解説]
健太郎と浪川はバスに乗っている。
健太郎はバスの中程でつり革を掴んで立っており、
浪川は運転席の傍に立ち、バスジャックをするためにバス後方に向かってピストルを構え乗客を威嚇している。

浪川が時刻t_1にピストルを撃つと、
銃弾は健太郎の脇腹近くを通り、バス後方の座席に当たった。

続けて、浪川が時刻t_2にピストル撃つと、
銃弾は健太郎のつり革を掴んでいる拳の15cm上方を、
つり革のベルトの部分を破壊しながら通過した。
これにより、健太郎が握っているつり革の輪と、つり革のベルトは断絶された。

この観察を利用して、
時刻tにクソガキ・シンタが健太郎にタックルしたと仮定し、その時の様子を推論する。

仮に時刻t_1にクソガキ・シンタが健太郎にタックルしたとする。
この場合、つり革を掴んでいる健太郎は、つり革に体重をかけてバランスを取ることができる。
従って、健太郎を転ばせるのは難しいだろう。

他方、仮に時刻t_2にクソガキ・シンタが健太郎にタックルしたとする。
この場合、時刻t_2は丁度つり革の輪とつり革のベルトが分離した瞬間であり、
以後健太郎はつり革に体重をかけることが不可能となる
従って、健太郎はバランスを維持することが難しくなると考えられる。

以上の議論から、t=t_2の場合の方が、t=t_1の場合よりも、健太郎はシンタのタックルで転びやすいと言えるだろう。

従って解答は、
t=t_2の場合
となる。
---

わーい完成だ~い。
とまあこんな感じ。

どうでしょう、この洗練されてく感じ。
問題の総合的な良し悪しは置いておいて、初期案と比較するという意味でSPが有効すぎた例だと思っている。
やはり一人じゃ絶対気付けないところを指摘してくれたり、アイディアを頂戴したりできるし、何より楽しいものです。
いやはや、凄腕(←サソリのタトゥー等は入っていません)を見せ付けられました。

SPをお願いすると、こんなにブラッシュアップされる、という記録でした。
[17年04月22日 14:30]
SoMR[100問出題]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年04月22日 14:28]
[316534]SoMR[100問出題]
わー、書き込み、ありがとうございます。
僭越ながら、牛削りさんの問題を教材として使用させて頂きましたm(__)m
この話は、皮肉にも“出題者のチャーム”のためにかなり見えづらくなっている要素だと思いますが、進行中に面白い問題、面白くない問題という二種類は絶対にあって、牛削りさんの問題は前者のものばかりだと思っています。
無意識にそういう構成にされているのでしょう。
牛削りさん問題に関して、その一つの要因は下で述べたように「スナイプできそうという感覚を参加者に抱かせ続けている」(≠スナイプ可能)だと個人的に思っていますが、まだ、他に何か秘密はありそうです。
[17年04月15日 23:20]
[315937]牛削り[★曹長➕]
SoMRさん、僕の問題に対する論評をいただきありがとうございました。僕自身気付いていなかった自作の良いところを教えていただき、本当に勉強になりました。
問題文で明かすわけにいかないワードを進行中に明かしていき、徐々に解説への期待を高めていく、というのは、意識はしていませんでしたが言われてみればなるほどという感じです。素晴らしい着眼点だと思いました。

[17年04月13日 22:24]
牛削り[★曹長➕]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[17年04月13日 22:23]
松神[軍曹]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年04月13日 01:21]
[315830]SoMR[100問出題]
取り急ぎ、下記の松神さんのとかげさん問題のMVSコメントを拝見しましたが、大変面白い着眼点ですね!

うおーー、↓の本家ウミガメと親知らず問題の中途チャームの考察、オモロイですねー。
とてもためになりました。
RPGのチュートリアルからの広大なマップの感動は分かりますね。
まさに「過去関係有看破」はあんなイメージです。
そして、「想像の範囲に制限が掛かっている」は非常に重要な指摘だと思います。
僕が下で述べたところの「スナイプ出来そうな感じがする」と心は同じような気がしますね〜。
こう松神さんの考察を見て考えると、「出題前に流れを考えておく」は重要で、しかもそれは「可能である」ような気持ちになってきます。
ここをまず掘り進めてもらって、この重要要素は問題文で明かしていないから、有能な人が誰かそこを聞いてきて、そこから一気に質問は加速し…みたいなシミュレーション…。
「飽きさせない工夫」は案外そこまで議論されてない感じがあるので、やっていきたいですね。
是非、何か気付いたら教えて下さい!
[17年04月13日 01:20]
[315825]松神[軍曹]
なるほど。例題としては挙げているわけではありませんが、中途のチャームの話の際に僕は「元祖ウミガメのスープ」についても触れています。

で、それに沿って説明するならば
まず問題文でスープの男が何故スープを飲んだ直後に自殺したのか?
その理由はきっと直前にスープを飲んだからだ→つまりスープが一体どういう存在なのかを突き止めればわかるはず
といった具合に攻め始めます。

こうやって攻めやすいところが初めからあるのは普通のチャームの部分に当たりますね。

次のステップに進みます。


何処から始めるかはなかなか人それぞれですがやっているうちにわかるのは、未来・現在において手がかりになるものはない、という点です。
(これは大体「他に重要な人物はいますか?」などの基礎的な質問が出尽くして参加者が若干飽き始めてくると分かる場合が多いと思います。)

ここで参加者は一気に男の過去という一点にグッと引き寄せられ、質問意欲を取り戻します。
ただの理想ですが、それ故にこの理想の流れはとても美しいです。
単純な理想というだけでもありませんし。

つまり、ここで中途のチャームが適用されているわけですが……
ここで重要なのは
「問題文から想像できる状況が一気に広がる」という点ですね。
ゲームで言えばチュートリアルと最初のダンジョンを終え、さあここからが本番だ、と言わんばかりにそれまでの過程を遥かに凌ぐほどの広大なマップをプレイヤーに叩きつけるところです。

実はこれは牛削りさんの親知らずの問題と相違する点でもあり、似通った点でもあります。

牛削りさんの問題は「小さな発見の連続」によって問題を解き進められるように構成されています。

「親知らず」→「麻酔」→「夢」(何かここ少し飛んでますけど。)

連想ゲームと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、この流れにとって重要なのは
「想像力に制限がかかっている」ことです。

元祖ウミガメのスープであれば、男が自殺をした理由として過去を問い詰めるまでの間の想像力は著しく現在に留められていますし、牛削りさんの問題であれば親知らずから夢まで行く過程において飛ぶことが出来る場所は存在していません。

ここがこの2つの似通っている点です。

見た目や規模という相違があっても、この2つの本質的な部分は一緒なわけです。(一つの面から見ればですけどね。)


一度思考の制限領域を乗り越えれば後は何度もそれを繰り返すだけ、構造自体は聞くだけならば非常に単純ですね。

ですが、作るとなると話は別で難しくなってしまうのはSoMRさんのおっしゃるとおりです。

そういったことに関してはまだまだノウハウも未完成で、手探りでやっていくしか無いと思います。

お互い頑張りましょう。


因みにhttp://sui-hei.net/mvs/show/10908の僕のmvsコメントにてこういった流れの素晴らしさの部分を褒めています。
チャーム部門には入れてませんが、参考にしてくださると嬉しいです。
なお、コメントはあくまで「僕から見て」なので悪しからず。
[17年04月13日 00:52]
松神[軍曹]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[17年04月13日 00:51]
[315823]SoMR[100問出題]
おや、例題として挙げれらているのが分かりやすく回答方法が普通でないものだったので、勘違いしました。もっと広い意味だったのですね。

ちなみに、これは神様のチャットルームに反論するわけでは決してなく、むしろ蛇足なのですが、僕としては例えば「素朴YESNO回答」だけでも中途のチャームがある‥何だったらむしろ誘導を全く工夫しなくても、面白い、そういう問題があると思ってます。でもそれはどうやったらそうなるのか、まだ分かっていません。
[17年04月13日 00:27]
松神[軍曹]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年04月12日 23:30]
[315794]松神[軍曹]
いえ、メインは誘導です。
正確には回答方法の工夫ではなく、問題文から得られる情報から解説までに辿り着く過程の工夫です。
だからこその中途のチャームで、この「工夫」にはベールを剥がす過程をいかに魅力的に見せるか、とかも勿論含まれます。
回答方法の工夫は小手先の技術でまた別ですが、一応二つを同系列として扱っています。
あの説明だとわかりにくかったかもしれません。すみません。
[17年04月12日 23:23]
松神[軍曹]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[17年04月12日 23:22]
[315766]SoMR[100問出題]
なるほどっ!これは大変不勉強でしたっ!!!では尊敬の念を込めて今後は「中途のチャーム」と呼ばせて頂きます。
ただ、若干スポットを当てているものが違うかもしれませんね。松神さんの論では「回答方法(YESNO)に工夫を入れる」というものがメインのようでしたが、下で考えているものはもっとフワッとしたものですね。
[17年04月12日 21:52]
松神[軍曹]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年04月12日 16:59]
[315693]松神[軍曹]
実はチャームの権威こと松神氏がそれを「中途のチャーム」と名付けて親しんでいるようです。真似しましょう。
詳しくは語ろうのコーナーの【チャーム特別講座】にて。
[17年04月12日 16:59]
松神[軍曹]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[17年04月12日 16:55]
[314449]SoMR[100問出題]
#22.3【チャームの定義を拡張したい】

これまでこの部屋では殆ど問題文と解説のみに着目してきたが、初めて“問題文と解説の間の部分”に注目してみる。

『蛮勇親知らず』(牛削りさん、http://sui-hei.net/mondai/show/30981)
は、面白い問題である。
大変幸運な事に自分はこの問題に参加する事が出来たのだが、参加している時に、他の牛削りさん問題にも共通するある種類の面白さがある、と思った。

忘れないうちにそれは何であるか、どうして面白いのかを考えてみよう。

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『蛮勇親知らず』
(牛削りさん、http://sui-hei.net/mondai/show/30981)
[問題文]
銀行強盗の人質の一人・神原が、脅しのためのモデルガンに屈せず反撃に出ることができたのは、彼が直前に親知らずを抜いていたおかげだという。
いったいどういうことだろう?
[解説(一部抜粋)]
【要約解説】
銀行強盗に巻き込まれた神原は、夢かどうか確かめるため頬をつねった。
その頬は直前の抜歯の際の麻酔の影響で麻痺しており、痛みは全く無かった。
痛みを感じなかったため夢であると誤解し、無茶な行動を取ることができたのである。
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この問題は“参加中のチャーム”とでも言うべきものがとても高いと思った。というのが今回話したい話。
質問側であるSoMR視点で実際の進行の流れを思い出してみる。

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問題文を見て、「銀行強盗に銃を突きつけられている男」の姿を想像。「親知らずを抜いていたお陰で反撃できた」これの理由を解明する問題だと把握。

みんさんが質問3で「麻酔」のワードを出す。

一応「麻酔が効いたままでしたか?」と質問(→YES)

みんさんの質問13「麻酔が効いていて判断能力が鈍っていたためか?」(→微妙なYES)

「はて、親知らずを抜くときの麻酔って、眠くなるくらい頭全体にかかるのだろうか?」と思う。謎が深まる。

この時点で自分も含め、恐らく多くの人がモヤモヤが残りつついちにさんの質問15「銃を奥歯の辺りに突きつけられているが、麻酔のせいで気付いていないのか?」のような事を考える。(→当然NO)

「どこに突きつけられているかは重要?」「強盗と主人公の位置関係は重要?」「目隠しはされている?」「縛られていたり動けない状況にあるか?」→重要そうな要素が軒並みどれもNO、または重要でない。

要素は殆ど出揃ってそうで、“あと一歩で思いつきそう”状態に。
めいめい、スナイプを狙いつつチキンレース的に回りを固める質問を考える。

みんさんの質問27「麻酔が効いているので見た夢の中で強盗にあったので反撃できたのか?」(→NO良)
ここにきて新要素「夢」が登場。
“ああー思いつきそうなのに!”状態に拍車がかかり、コイン落としなら台を叩きたくなるくらいコインが崖から背競り出ているような状態。

letitiaさんの質問30でFA。

SoMR「ああああーー」と雑談欄に書き込む。
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とこんな感じ。
どうだろう、ハテナ?から始まって徐々に様々な要素が明かされていき、
その度にスナイプに向けたボルテージがFAに至るまで上がり続けていったのが伝わるだろうか。

振り返ってみて、この問題が何故面白く感じたかという事を考えると、
「あっ、分かりそう!えーっと…えーっと…」という度合いが初めから終わりまで上昇し続けている、
という所が大きなポイントのような気がする。
(昔聞いた音楽が突然頭の中に流れて、でもタイトルは思い出せなくて、何だっけ…!喉元まで出てるのに!という感覚と似ている。)

そもそもこの問題、問題文の段階から「何か思いつきそう」である。
「状況設定」と「やるべき事」がハッキリしているのだ。
状況設定として、「神原が、銀行強盗の人質にとられており、強盗は脅しのためのモデルガンを持っている」。
そして、謎は、「直前に親知らずを抜いていたので、脅しに屈せず反撃することが出来た」であり、その理由を答えることがやるべき事、ということになる。

脳の中の真っ暗な空間に離れて位置する「銀行強盗」と「奥歯の抜歯」とネームプレートがついたオブジェの先端に豆電球が灯っている。初めは、二つの光に交わりはない。双方から光の中にぼんやり見える、「ピストル」「人質を縛る」「麻酔を打つ」等々、他の名を冠したオブジェについた豆電球の光をつけると、光の範囲がすこしづつ拡大される。やがてお互いの光はだんだんと近づいていき、はじめの二つのオブジェの丁度中心にある、「夢かどうか確かめるためにほっぺをつねる」を発見し、これの電球も灯すと二つの光は一本の線で結ばれる。

随分抽象的な説明かもしれないけれど、流れとしてはこういうイメージ。何が言いたいのかというと、
「問題がスタートした時、当然まだ答えは分からないけれど、問題の構造自体は、こういう感じに進んで行くのだろう」と分かるということ。
二つの交わらない光を、他の光を灯しつつ、最終的には一本の光の線で交わらせる、こういう問題である事がなんとなく感じられる。

その事はオブジェ「麻酔」の光をつけ、逆に灯していた「銃を突きつける」「目隠し」「縄で拘束」のスイッチをオフにし…進行していくうちに確かなものになっていく。
最終的に「夢」が出たときに、ついに二つに別れている光のエリアは、最早接する、その境界にいるギリギリまだネームプレートの見えないこのオブジェの名は何だ?ああー、もう見えそう…見える…このオブジェの名前は…!
となったところでletitiaさんが電球のスイッチを入れ、ついに二つの光が結ばれる…。

こういう構成だと、「常にスナイプできそう」と思い続けさせられる。
光を繋ぐという目的がハッキリしているので、開始時から「何か思いつきそう」である。
参加者は常にライフル銃を構えながら、我先にターゲットを撃ち抜きたい、しかし、いかんせん遠すぎる為に、少しづつ塹壕を進み、手榴弾で牽制しつつ、ターゲットに迫っていく。
目標までの距離が100mからスタートし、質問によって80m、60m…と距離を詰めていく。
ターゲットは見えないけれど、「そこにいる」事が分かるから、銃は構えたままだ。
逆に、霧の中に放り投げられて、質問20くらいまで四方に向かって石を投げ、物音を感じた方向にようやく進んで行く、こういう問題もある。
この問題はそうではない。
これは完全に「状況設定」と「謎」が「分かりやすい」事が要因で、
例えターゲットが全然見えなくてもそちらに進めば何か進展はあるという事が分かって、安心感がある。
そういうのは、参加したさに繋がる。

問題文を見て、そして質問が進行するにつれて「この問題はそういう問題だ」という期待がどんどん確かなものになる。
そして最後までそれは裏切られない。

勿論、問題文を見て、そう期待したとしても、実は「神原はハイパーゴリラ人間Gだったのだ」という回答があるかもしれない。
でも、それは質問に対する回答の仕方や良質の付き方で、そういう事ではないことが分かってくる。
つまり、先程の「銀行強盗と抜歯を結びつける」という目標は合っていそうだ、ということになる。

「やるべき事」がハッキリしていると、人間やる気になるものだ。「銀行強盗」「抜歯」を結びつけたい、そしてだんだん状況が明らかになるにつれ、「なんかできそう」という気持ちが強くなり続ける。
この「常に上がり続けるスナイプへの欲とそれができそう感」が、この問題が面白いと思わせる大きな要因ではないか。


さて、「チャーム」という言葉はかなり曖昧に定められた言葉のようだが(それが、悪いとは思わない)、
自分としては、既に何人かの方が論じられているように、「問題文を見たときの」「結末に対する期待」を「チャーム」と呼ぶべきと思っていた(ちなみにこの考え方だと、奇抜な問題文はむしろチャームが低くなる事が多いと言える。チャームに対して、期待、という言葉を用いたのは牛削りさんが最初なのかな?正確なところは分からない)。
これは確かに正しい気がするが、自分の気持ちとしてはもう少し広いところを評価する言葉にしたいと漠然と長らく思っていた。
この問題に参加して、いざMVSを投票しようと思ったとき、「チャーム部門」にしようとして迷った。従来の「チャーム」では足りない、何か、評価したい要素があると思ったからだ。

「結末に対する期待」これは確かにこの問題の問題文からだけでも、ある。
だけど、それ以上に上述した「進行していくにつれ高まり続ける問題構成と結末への期待」のようなものが非常に大きい魅力だと思った。
途中の「麻酔」「夢」に点数を入れたいのだ。
これは当然問題文を見た段階でははかることができない要素であり、そうなるとこの「チャーム」という言葉の及ぶ範囲を越えている。
“参加中のチャーム”とでも言ったものか。

「スナイプ可能度、期待度」が目に見えてずっと高まり続ける、というのはウミガメ問題だからこそありうる魅力だと思っている。
当たり前だけどそれは公然と「質問によってヒントをもらう行為」が許されているから。
「論理パズル」だとなかなかそうはいかない。
どちらかというと、時が経つにつれ、足取りは重くなっていき、解ける直前で突然スピードが一気に上がるイメージ。

例えばこの問題の問題文で始めから「奥歯の抜歯をしたため麻酔が効いていて」「神原はいつも、これが夢かどうか確かめてから夜中トイレに行く」を入れて全ての要素を晒しておき、射的場的にすることも可能である。
だけど、それは面白くない。
さらに反対に、「抜歯」を弱めて「虫歯になった神原」「うまい棒が大好きな神原」「モテすぎてチョコレートを大量に食った神原」とすることも出来るが、“思いつきそう感”が減りすぎる。
やはり、オリジナル版のように100m離れたところから、「こちらに進めばターゲットがいる」と分かっていながら闇に向かって発砲しながら進むのが参加していて楽しい。

ウミガメは元々家族や友達に出したときに面白いものが一番だと思っている。
その意味で、“参加していて面白い問題”にこそ拍手をしたい時がある。
だから、自分としてはそれに対して、従来問題文のみから判断している「チャーム」という言葉を拡大解釈し、「問題文を見た瞬間及び、参加中に上昇する問題構造と結末への期待」(上で“参加中のチャーム”と言っているものも含む)も「チャーム」と呼んで良いことにしたい気がする。(本気で主張し始めるにはもっと整理する必要があるが。)
ウミガメはコミュニケーションをするゲームなので、問題文と解説の間こそがむしろ本質なのかもしれないと、たまに思うというのもある。

「問題文と解説の間」は参加者にも依存するものだから、出題者はどうしようもないじゃん、と言われるかもしれないが、そんな事はない。
実際、コンスタントにたくさん評価されている人達は「どうやって進行する問題にしようか」というのは無意識だとしても考慮していると思われる。
(想定質問への準備、というのとはちょっと違う。)
例えばまさにこの問題の「銀行強盗」「抜歯」を結びつけさせる構成、は誰が参加しても「銀行強盗」「抜歯」から連想するワードを「関係ありますか?」(麻酔、目隠し、銃つきつけ等)と問い、徐々に二つの離れたワードを結びつけていくという進行になるはず。
「何を看破して、どの要素を見つけてもらい、それはこの問題文に示唆されていて…それらを集めると、答えになる」こういうイメージは出題前になんとなくだとしてもあると思われる。
これはあまり言及されないけれど、重要なところで、参加者に依存せず、工夫できる所だと思う。

ところで、この問題のように、「どういう状況で」「何が不思議で」「何をすべき問題なのか」が進行中にくっきりする問題は、つまり「何をすべき」に従って参加者は動くわけで、進行はスムーズになる。出題者としても「聞かれたいところ」(それは意図的なミスリードにせよ)を聞かれ続けるような進行になるはずだ。
これは、結末への期待とは別の要因で“チャームが高く”なっている例であり、こういうのにこそ“チャームが高い”と言いたくなる。
加えて、直感的に「結末が面白そう」なら尚更。
勿論これはある種類の“チャーム”の高い問題の特徴である。(牛削りさん、toshさん、azさん等の問題に共通する魅力は結構ここのところが大きいと思っている。この三者共通の何かついても一回分考察すると良い気がしている。)


ここまで書いて、上述した要素に対する投票は「伏線、洗練さ部門」が今は担当しているのでは…げげっ…と思ったが…ウ~ム、けれど、自分としてはやはり、チャームが高い、と呼ぶのが一番しっくりくるかなあ。
(参考虎の威:盟友であり宿敵であるaz氏が、この問題、チャーム部門に投票している。)

自分でも理解できていない漠然と頭にあるものを言葉にしたので、抽象表現や曖昧な事ばかり長々述べてしまった気がするが、とりあえず今はこんな気持ち。

本当の事を言うと、チャームの定義なんてある意味どうでもよくて、こういう、問題が整頓されていて、流れるような進行をする問題が増えればいいなあという事。

その魅力がうまく表現できないので、それをどうにか表現したいがための、チャームのお話でした。
[17年04月06日 03:35]
SoMR[100問出題]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年04月06日 03:33]
[313215]SoMR[100問出題]
タイムリーに『あぴとすぃで』(みんさん、http://sui-hei.net/mondai/show/30792)が出たね。
これぞ#21.3の子供の心理当てだけど、これは「子供の異常思考」というよりもむしろ「大人になってしまったから分からなくなる事」がテーマな気がするから、これはもう、納得感の塊ですわな。
なるほど、こんな感じで社会的に矯正された思考を突く問題にはまだ金脈があるかも。
だけど、結局大人になってしまったら気付けないことは、大人は気付けないので、どうやって気付けば良いんだろう。

そう、この問題で思い出したけど、
『月月火水木金金』(胡麻みそさん、http://sui-hei.net/mondai/show/29483)もこのジャンルだね。
思い付き次第#21.3のとこにこれ系を追加していくつもり。
[17年03月30日 17:42]
SoMR[100問出題]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年03月30日 17:33]
[312450]SoMR[100問出題]
おおっいらっしゃいませ!
(早速コッソリ下の投稿にletitiaさんの二作品を追加させて頂きました笑)
「問題作りやすいけど良問作りにくい」ジャンル←いやーこれはめっちゃ分かりますw
「寄行系なので、通常の意味での“納得感”がない事を忘れがち」「スナイプされづらい」…これらの要素によってついつい「簡単に問題が作れそう」と錯覚してしまうわけですね。
結構センスが必要な感じがしますね。このジャンルで成功させるには。
確かに、考えてみると水平思考を地で行く子供の思考は、ネタの宝庫ですね~。問題に昇華するのは難しい、という事でしょうか。
letitiaさんのその2つはどちらも十分面白いと思います(笑)
[17年03月22日 23:54]
letitiaさんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年03月21日 03:33]
[312298]letitia
おじゃまします。いつもこっそりのぞいているのですが、興味のあるテーマなので入っちゃいました。
子どもの心理当て、難しいからダメだってわかってるのに作ってしまうタイプです。
あんまりうまくいってない問題
美味しんボーイ http://sui-hei.net/mondai/show/29763
愛しTEL http://sui-hei.net/mondai/show/20649
「普通の問題以上に“真相のおもしろさ”が必要」というのにハッとしました。自分の問題も、真相の魅力に欠けるなあ、と。
子どもの行動はそれだけで"奇行系の問題"になるし、スナイプされにくいし、登場人物が子どもであることを隠すだけで簡単にベールで覆うことができます。だからこそ、安易に出してしまいがちなのかも。
私の中で「子どもの心理当て」と「実話」は二大「問題作りやすいけど良問作りにくい」ジャンルです。出す前によく考えなくちゃいけませんね。
でも、柔軟な水平思考的発想という意味では、子どもの言動はネタの宝庫でもあるんですよね〜。
[17年03月21日 03:33]
letitiaさんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[17年03月21日 03:22]
[311747]SoMR[100問出題]
#21.3【子供の心理当て】

これは結構難しいジャンルだと思う。
時空を越えた共感がなされれば、名作に。

---
『叱らなくていいんですか?』(低空飛行便さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/13087
[問題文]
ビリッ!

カメオくんは絵本を破ってしまいました。

カメオくんのお母さんがカメオくんと絵本を見ました。
そして、
「がんばったのね」
と言い、カメオくんの頭をなでました。


どういうことなのでしょう?

[解説]
メオくんが読んでいた絵本は『おおきなかぶ』。

カメオくんはかぶを抜くお手伝いをしようと、
おじいさんたちの列の一番後ろのところ、
つまりは、絵本のはしっこを引っ張ったのでした。

すると、ビリッ!
絵本を破ってしまい、おまけにかぶも抜けなくて、
切れ端にはネズミさんの体の一部が。
カメオくんはちょっと泣きそうです。


「がんばったのね」
全てを察したカメオくんのお母さんは、
カメオくんの行いを許し、優しく頭をなでたのでした。
---

---
『私の‼』(天童 魔子さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/25716
[問題文]
娘の筆箱に他人の名前が書かれた蛍光ペンが大量に出て来たので笑顔になりました。

一体なぜ?

[解説]
あのなカメコ・・・・ペンの名前の欄は自分の名前を書くところでペンに名前をつける場所じゃないんだぞっと微笑んだのです
----

他にもこのタイプの問題として、
『よーいドン!』(えぜりんさん、http://sui-hei.net/mondai/show/27683)、
『美味しんボーイ』(letitiaさん http://sui-hei.net/mondai/show/29763)、
『愛しTEL』(letitiaさん http://sui-hei.net/mondai/show/20649
『あぴすとぃで』(みんさん、http://sui-hei.net/mondai/show/30792)
『月月火水木金金』(胡麻みそさん、http://sui-hei.net/mondai/show/29483)
等がある。

どちらも子供の思考を特定することが答えの条件になっている。
自分が下でさんざん言っている「あるある」とはある意味では対極にあって、言うなれば“異常思考当て”。
むしろサイコパス診断の近くに位置していると思う。

両者とも、過去このような思考をはたらかせた人は殆どいないだろう。
なのに、不思議なことにどこか“あるある”な感じがしてしまう。
子供には子供の理屈があって、そこを子供の気持ちになって、それが理解できたとき、「(子供なら)やりそう」と納得するのだろうか。
誰もが、昔は子供だったから、子供の気持ちになるのは、出来るのかもしれない。
(一方、男は女であったことがないし、女は男であったときはないから、互いの気持ちになるのは難しい。)

理屈が普通の理屈でないぶん、このタイプは普通の問題以上に“真相のおもしろさ”が必要だと思う。
だから、作るのは難しい気がする。

豆知識:「私の‼」の魔子さんは、「叱らなくていいんですか?」をオブザイヤーに推薦している。

真似したけどあんまりうまくいかなかった問題→
『燃え上がれギンジ』(SoMR, http://sui-hei.net/mondai/show/30386)
[17年03月16日 21:25]
SoMR[100問出題]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年03月16日 21:25]
[309283]SoMR[100問出題]
#20.3【自然な導入】

自分の問題の中で実験的に入れてみた要素を、後でまた使えるかもしれないから良し悪しは問わずここに書いておこうと思ったのだが、このルームの説明に「SoMRが面白いと思った問題を扱う」みたいなことを書いてしまったので、自分の問題を貼ることは出来ないなあと、困った笑(既に何度かやってるけど) でも、メモしておきたいことはメモしておきたいので、そのような場合は通し番号を+1じゃなくて+0.3することにして精神的解決をはかることにします(3は三流の意味です)。

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『結局ミカン3つリンゴ1つ買った』(SoMR)
http://sui-hei.net/mondai/show/29947
[問題文]
ラーメン屋で昼食を取った竹松タケシゲがデザートにミカンを食べようと向かいの果物屋に入るも、リンゴを買う事になった理由は次の二つである:
①松宮ミナが●●●●●●。
②ミカン●●リンゴ●●●●●。

●を埋めよ。

[解説]
解答:
①食い逃げした
②より/の方が硬い

解説:
ラーメン屋店主コジロウ「食い逃げだ~!!誰か捕まえて~!!」
ミナ「ホホホッ 貴方の店のような醜悪な味のラーメンに一銭も払う価値ないですわ!!」スタコラサッサ
タケシゲ「なんだと!旨いだろ!よし、オッチャン、このリンゴのお代は後で払うぜ!この高校野球県大会入賞の右肩よ唸れ!!うおおお!!」
ドヒューーーーーー(←140キロ)
ガン!
ミナ「うげーっ!」
コジロウ「コラッ」
ミナ「スイマセン…」
オッチャン「コラッ」
タケシゲ「スイマセン…」
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これ結構人工的に作った(フランケンシュタイン問題、あるいはキメラ問題と呼ぼう)。

出発点は、あつうみ20の電線で綱渡りする女のところで言ったように、物を普通と違う使い方をすると特殊なシチュエーションができる、というもの。
で、リンゴを投げることにしよう、商店街の果物屋で悪人がいて、そいつに投げよう、という大枠が決定。
問題文で見せる謎はどうするか。
幾分人工的だが、「ミカンを買おうと思って入ったのに、リンゴを買った」という謎にする。
そして、形式は最近はまっている●●を埋める扉にすることに。

だけど、ここで少し困る。商店街にいる悪人て何でもよくなるなあと。
逆に松宮ミナが「ひったくりをした」←これを埋めることにするなら、問題文で悪人の悪行をひったくり、にしなくてはいけない。
何でもかんでも当てはまってしまうのは終わったときの快感ポイントが-40点されてしまう…
じゃあ悪行は一つだ。ひったくり、と言ったらもうあの名作がちらついてしまうので(笑)、食い逃げに決定。

でも、意外に問題文で「悪行が食い逃げしかない」にするのは難しかった。
卑怯な方法かもしれないが、「基本的に、ウミガメ問題は問題文の要素は全て使う」というメタを利用して、ラーメン屋、のワードを自然に出せば案外それでそれなりの納得感が出るのではないか。
そういう考え方で、はじめ、「ラーメン屋の向かいの果物屋にて。」とかの一文を加えようと思ったけれど、人工感がすごい。
なので、タケシゲに昼ラーメンを食ってもらい、自然にラーメン屋のワードを出してみる。
こういう入れ方はアリなのか分からない(今でもあんまり良くはないと思っている)。
けど、試みとして一文目は決定。

で、●は「松宮ミナが食い逃げした」を埋めてもらうだけだと、「ミカンでなくリンゴを買った」ところがハテナのままFAの可能性があったので、少しテコ入れ。
「ミカンよりリンゴの方が硬い」も埋めてもらうことに。
でも「ミカン●●リンゴ」の●●は普通に考えたら「より」くらいしか無い気が。
という事で鼻血トーマスの時に少し使ったやり方を。タイトルに「ミカン三つリンゴ一つ」と●●の埋めかたの例を見せることで先に刷り込ませるようにする。
たいして防御力は無いが、まあ、②はすぐに割れてもいいだろう。

完成形は上の通り。
派手さはないけど、出題していて楽しい問題だった。
穴埋めウミガメは、元々のりっこ。さんのなんかすごい穴埋めパズルのやつを見かけだけ真似して中身は全然パズルでないから真似になってないものなのだけど、
●の部分を作るのが楽しいので、また作ると思う。
[17年02月18日 12:11]
SoMR[100問出題]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年02月18日 12:11]
[308655]SoMR[100問出題]
#20【音楽が止まったら、彼女は死んだ。何故?】

いつの時代に誰が作ったのか分からないけれど、こういう問題がある。
---
[問題文]
音楽が止まったら、彼女は死んだ。何故?
(The music stopped, she died.)
---

この投稿の一番下のurlから行ける海外のラテシン的なサイトでは、
This puzzle has had the most variations of answer with the same statement than any other puzzle in history.
(このパズルは過去のパズルの中でもずぬけて別解多いクールなパズルだぜ。)
と紹介されている。

ということで、僕が好きな三つの解答を紹介する。
(以下がっつりネタバレをするので、ご注意を。)

一番好きなのが、この前てがうみでも出題したこれ。
----
[解説その①]
盲目のスイマーである彼女は、毎日ボートで沖に出て泳ぐ事を日課としていた。
ボート上でラジオをつけておき、泳ぎ終わった時はその音を頼りにボートに戻るのだった。
ある日、ラジオが壊れ、鳴っていた音楽が止まってしまった。
女はボートに戻れず、死んだ。
---
突っ込みどころだらけだけれど、もう、スゴくいい。
危険だけど、それでも泳ぎたいという彼女。
死を当たり前のように真横に置いて、それを日課とする風景…
うーん、なんとも美しい。
良い.

次もてがうみで出題したもの。
----
[解説その②]
サーカスの女は目隠し綱渡りショーをしている.
女が綱渡りを始めると,バンドは演奏をスタートし,女が渡り終えたタイミングで,バンド演奏はストップ.
そのタイミングで女は渡り切ったと判断し,綱から足場に移るのだった.
ところが,今日は正規の指揮者が病気で休み,代わりの指揮者が指揮を行った.
不慣れな指揮者は女が渡り切る前に,指揮を止めてしまった.
音楽が止まり,女は綱から落下した.
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海外産感がすごいこの解説.
渡り切ったところが足の感覚で分からないようなシチュエーションじゃないと成立しないので,色々想像力を豊かにしないといけない笑

最後はこれ.
----
[解説③]
女はラジオを流しながら,ビルとビルの間にまたがる電線をつたって綱渡りをしていた.
途中で電線が切れてしまい,ラジオから流れる音楽が止まってしまった.
音楽が止まり,女は落下した.
----
これは知り合いから聞いた問題なのだが,検索しても見つからない.
(自分の「音楽が止まったら~」の初めて聞いた解説はこれだったというレアケース.)
その知り合いの創作では無いと思うが,多分口頭で伝わっていくうち色々変形していってしまったのだろう.
この「音楽が止まったら~」の知られた解答の中で一番ヘンテコでまとまりもない気がするが,初めて聞いた時はなかなか感心した記憶がある.
確か,「その物体を普通の使用方法と全く別な使い道をするのは面白い」と思ったんだと思う.
実は,『実は常習犯』(http://sui-hei.net/mondai/show/28027)はこれに触発されて作ったもの.


他にもスローンの解説等,いくつか知られた解説があるみたいだ.


どれも,とても面白い.
ラテシンで言う四大要素をガン無視しているので,多分昔この問題を考えた人が今ラテシンでこれらを出題してもあまりウケはよろしくないと思われるが笑
(すろ~ん 音楽が止まったら...[ご参加ありがとうございましたm(__)m]1ブクマ 128)
問題文は不親切極まりないのだけど,これらの問題は脳内当てと揶揄される問題とは全く違うと思っている.
「そのシチュエーションが決定されれば,あとは必然的にその結末になる」ならば,そのシチュエーションが異常なものでも納得感が出るのだろうか.ちょっとこの辺りはまだよく分からない.

そもそも自分はウミガメに対して,パズル要素も勿論だけど,「非自明で面白いシチュエーション」との出会いをも求めているところがある.
ラテシンを発見した日の記憶は結構覚えているけど,確か,「ウミガメパズルをやりたい」じゃなくて,
「ウミガメのスープや葬式の姉妹みたいな面白奇妙なシチュエーションを知りたい」という気持ちで髪切った後南大沢のラーメン屋でとんこつラーメン食いながら検索していた記憶がある.
そして,「規則正しいゴミ」と出会ったのだ.
(なんとなく,解説①の空気感と規則正しいゴミの空気感は似ていると思う.)
そのあと,ラテシンのパズル的超絶技巧問題陣に魅せられて,パズルとしてのウミガメの魅力も知ることになったのだが,
やっぱり,変わってて面白いシチュエーションと,それによって生まれる“物語性”がある問題は好き.
(“物語性”は小説みたいな解説,というような意味ではなく,物語性という意味です.)



参考:海外のラテシン的なサイト(略して洋ラテ)の中で、クラシカルなシチュエーションパズルを紹介しているページ。
http://www.lateralpuzzles.com/discus/messages/14243/4284.html
【注意.上のurlのページは問題文一覧が載っているだけで,解答は見えないので,安心してご覧ください.問題文をクリックすると,解説ページに移るのでご注意を.なんだそりゃ,な問題も多いですが,結構結構知られてなさそうな激ヤバ古典問題があるので,知らない場合は一度プレーした方が幸せです.連絡して頂ければ,てがうみで出題します.→折角なのでプロフィールページに書いた。】

ラテシンでも↑のurlみたいな感じで古典ウミガメを紹介するページを作っても面白いかもね。
(チャットルームで作ればいいのか。でも、公式でそういうページがあっても、なんかいいなあと妄想。)
[17年02月07日 18:17]
SoMR[100問出題]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年02月07日 18:16]
[307310]SoMR[100問出題]
ディダムズさんこんばんは!

読んで頂けたとの事、大変ありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいのですが、引用している問題が凄いのであって、添えてある僕の文章は大したこと言ってないので心苦しいです笑

おお~「気づかせる」の話はゴトーさんから教わったものですね。実際自分は始めたての頃、全くもって両者の区別がついておらず、ゴトーさんに指摘されたとき、自分にとってそれは非常にセンセーショナルな考え方でした。
今も、意識して作問しています。

是非是非、この部屋はサインペンで柱に落書きして大丈夫な部屋なので、落書きしに来て下さいm(__)m
(例:○○参上!←○に自分の名前を入れる)
[17年01月24日 18:47]
ディダムズ[★★幾星霜]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年01月23日 22:09]
[307052]ディダムズ[★★幾星霜]
こんばんは。どなたかから紹介されて参りましたので、御挨拶させていただきます。

非常に楽しく読ませていただきました。素晴らしいお部屋ですね。
具体的な問題例から抽象的な鍵要素を抽出する、帰納的な良問アプローチの場という感じでしょうか。

まだざっとしか拝見していませんが、中でも「良いウミガメ問題は『思い付かなかった!』ではなく、『気付けなかった!』という感想を抱かせる」という辺りに興味を持ちました。是非今度ご教示お願いしたいです。

今後も、ちょくちょく拝見させていただきたいと思います。
それでは、失礼します。
[17年01月23日 22:08]
ディダムズ[★★幾星霜]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[17年01月23日 22:03]
[306440]SoMR[100問出題]
#19【大喜利とウミガメその2】

数年ぶりに件の大喜利のページを見に行って、
僕に大喜利を教えてくれたその、「凄い人」、との会話ログを見返したら教えが崇高すぎて自分が教えを全然理解してないと分かった笑
(その1は結構嘘をついているし、無駄なことをだらだら書いている気がしてきたので薄目でご覧下さい。)
まあ、あくまでウミガメでの応用をもくろむ場所なので深入りはやめておこう。でもちょっとだけ。

【ここからちょっと】
大喜利の基本は「あるある」と下で書いたが、
それではまだ甘くて、より強く、
基本は「あるあるを崩す」だそうだ。
その人の素晴らしい言葉のログが残っていたので引用する。

「…この「気づいた瞬間」に笑いが生まれるんです。ボケる側はあるあるを崩す。読み手は崩したものからあるあるを連想する。そして笑う。これが大喜利です。」

これは凄い。この言葉は絶対正しいものとして仏壇にお供えしておこう。
なんとなく思い出してきたぞ。
「あるあるを崩す」が本当の“基本の考え”、
「二つのあるあるを組み合わせる」はその一つの手段に過ぎないと考えれば整理がつくのか。
それだ。
単発のキーワードが入ったお題に対しては、
「別なキーワードを勝手に取ってきて組み合わせる」というのは手段のひとつなのか。
なるほどね。

あ~例えばどこかで見たことがあるこのネタも「崩し」と見れるね:

お題:こんな遊園地は嫌だ
→あるある:キャラクター達と写真を撮る
→「崩したもの」:ミッキーに写真を撮らせる

なるほど。試しにやってみるか。

お題:こんな遊園地は嫌だ
とりあえずあるあるを出す。
・ジェットコースターでバンザイ
・パレードでキャラクターが練り歩く
・キャラクターの耳つきカチューシャつける
これを「崩す」と…。
・ジェットコースターに乗ってる衆議院議員がバンザイしてる
・パレードの先頭がハーメルンの笛吹き
・ミッキーを倒すと耳がもらえる
こんな感じかな。

でも「二つのあるあるを組み合わせる」で雑に足しあわせても割と面白い感じがするな…。
「気付き」を生ませるあるあるの復元作業を二つもやるのはそれだけで面白く感じるレベルの「気付き」が得られるのだろうか。
その1の「ワンテンポ遅らせて気づかせる」というのは「崩した『結果』そうなる」と捉えるのが正しそう(ワンテンポ遅らせる事が根幹ではないという認識)。

(というか崩し、が本質ならばその1の牛さんの指摘はとても芯をとらえていたから、追記した補足は堂々たるペテンだったかもしれない。
「理解させないと0点だから」も正しいとは思うけど、本質的ではない。強調すべしはそこではなさそう。
なんというか考えが一次元的でした。
「ぼかした表現←→明らかな表現」の直線で考えるのではなく、「崩して」、↑↓方向にずらし、“伝わりづらくなる”のはあくまでその「結果」という感じの認識が正しい気がしてきた。

なんだか思い付いた事を思い付いた順に書いてるからぐちゃぐちゃになってきたし、言ってることも一貫してないけど、この部屋はそんな感じでいきますよ笑)
【ちょっとはここまで】
----

ウミガメや扉にも、大喜利の回答みたいな感じがする問題がある。
例えばちょっと前の…
(以下、スペース節約のため、引用元の空白行は全て消しています)
---
『【問い掛け無き扉】『解説を本来より1文字多い7文字で述べよ』』
(のりっこ。さん http://sui-hei.net/mondai/show/29075)
[問題文]
自分が乱雑に扱ったせいで大切なレコードに傷が入りおだやかにこのまでが聴けなくなってしまった。
[解説]
身から出たサビ
----
これは完全に“うまいことを言ってる”系。
謎かけに近い。

↑は言葉遊びだけど、そうでないものとしては、
------
『ふしぎなポケット』
(のりっこ。さん http://sui-hei.net/mondai/show/9983)
[問題文]
ポケットを叩く度にビスケットが増える。
一体どういう状況!?
[解説(一部分だけ引用)]
息子『い…1枚だけ…(´・_・`)』
母『嘘おっしゃいって言ってるでしょっ!!!!!』
ペーン!!! ペーン!!!
息子『ヒイイイイッ!!!
にっ、2枚ですっ!!!!!(´;Д;`)』
---
なんだろう、非常に大喜利の回答っぽい。
「具体的にどこの部分が?」と聞かれると結構困るんだけど、確かに、「ぽい」。これこそ上の「あるあるを崩す」が当てはまりそう。
誰でも知ってる「ポケットを叩くとビスケットがひとつ…」の歌を崩す。
そして「おしりのポケットを叩かれてビスケットのカウントが増える」が出来上がり、問題としてまとめると上述のようになる。

同じ毛色のものとして、
----
『【ダーーーイーーーエーーーッーーートーーー】』
のりっこ。さん
http://sui-hei.net/mondai/show/11803
[問題文]
夜中に家族の前で
『ダーーーイーーーエーーーッーーートーーー』
と言う男。
発音を伸ばす事に一体何の意味があるのだろう?
[解説](一部分のみ引用)
『ダーーーイーーーエーーーッーーートーーー
(日付が変わる)
ーーーはーーーあーーーしーーーたーーーかーーーらーーー』
---
大喜利感がする。
この問題もあるあるが崩れている形をしている(注 のりっこ。さんが実際にどう作ったかはまた別な話)。
「ダイエットは明日から宣言」というあるあるを、
「日付を越えるため一文字一文字伸ばしてダイエット宣言する」と崩す。

次はあるあるを崩しているわけではないけれど、
なにがしかのうまさめいたものがあるもの。
----
『【のりっこ。からの挑戦状 3】『書き順の違う1文字』』
(のりっこ。さん http://sui-hei.net/mondai/show/10413)
[問題文(一部のみ引用)]
そんなやり取りの中で、女が
“カメオと仲良し”だと書いたので、
“どの人がカメオさん?”と訊ねてみた。
すると女は【書き順の違う1文字】を書いた。
[解説(一部のみ引用)]
少女は『夫』と書いたのではない。
“カメオは人じゃないよ”
という意味で、
最初に『人』と書き、
『二重線で消した』のだ。
-----
お題「こんな嫁は嫌だ」
「人に二重線引いて夫と書く」。みたいな。

次の二つは子供に勘違いさせる系。
----
『速い車』
(のりっこ。さん http://sui-hei.net/mondai/show/23084)
[問題文]
娘を車の助手席に乗せ、遠いウミガメシティへ向かう父親。
あとどれ位でウミガメシティに着くのかと娘に訊ねられた父親が2時間位だと答えてからほんの数分後、
特に車を飛ばしていた訳でもないのに、娘が突然
『パパの車、速いね!』
と言った。
この原因は、“ 父親と田中の目的地が同じだったから ” である。
これは一体どういう事だろうか?
[解説]
ッチハイクでウミガメシティを目指す田中が道端で
【ウミガメシティ】
と書いたボードを掲げていたので、
ヒッチハイクを知らない娘は車内からそれを見て
もうウミガメシティに入ったのだと勘違いしたのである。
-----
「少なくともここは、あそこでヒッチハイクのボードに書かれている場所ではない」というのは面白い事実。

---
『【失敗の日曜大工】』
(のりっこ。さん http://sui-hei.net/mondai/show/21159)
[問題文]
いつもの様に黒く汚れて帰宅した太郎がTVを見ながら
『花子お姉ちゃんの上の階段、上手じゃなかったの?』
と言ったので、台所にいた母の足は床から離れた。
一体なぜ?
[解説]
行きつけの習字教室から帰宅した幼い太郎がTVをつけると
柔道のトーナメント制大会の生中継が映し出され、ちょうど
そこに出場している姉の花子が見事な一本背負いで1回戦突破を決めた場面だった。
トーナメント表に記載されている花子の名前の上部に書かれている黒線は係員により赤くなぞられ、
その光景を見ていた太郎の一言により、
生中継がなされる娘の試合時刻をうっかり忘れて家事をしていた母は娘の1回戦突破を知ると舞い上がったのである。
---
お題「こんなトーナメント表は嫌だ」→「決勝進出と思ったら習字の先生がトーナメント表の階段を朱で修正してただけだった」みたいな。

キワモノ系。
----
『●●』
(のりっこ。さん http://-hei.net/mondai/show/12425)
----
お題「こんな犬は嫌だ」→「ハッハッハッ言ってるから犬かと思ったら笑いダケ食った田中だった」

最後に“うまいこと言ってる”系を二つ。
-----
・【要知識問題】『チェックメイトへの回答はダブルミーニング』
(のりっこ。さん http://sui-hei.net/mondai/show/21177)
[問題文]
最短
[解説]
エベネザー・プレイス
----
『【エビフライ】』
(のりっこ。さん http://sui-hei.net/mondai/show/22506)
[問題文]
その日の夕食がエビフライだったので、
上手い洒落を言った母は娘に注意された。
一体なぜ?
[解説]
父『一本とられた!(笑)』
娘『ママ、パパの分まで取ったの!?
  ダメだよっ!!!』
----


大喜利とウミガメ、両者の共通部分の重要なエリアを占めているものの一つとして「気付き」があるのではないか…。
「崩したあるあるを復元した時の気付きや、“かかり方”を理解したとき」と
「質問を詰めていってこれまでの謎シチュエーションや伏線が一本の線で繋がったとき」…。
そのとき両者とも脳内に電流が走って、それは「快感」をもたらす。
ウミガメの場合「笑う」というより、「おおおお」であって、そこのところは違うのだけれど、上記の問題たちはどれもその電流の走り方が大喜利の答えを聞いたときのそれと似ている気がする。

それは,両者があるある…もっと広い言い方をすれば,「各々の脳に既にあるもの」を利用して,
普段ならわざわざ取り出すこともないその「既にあるもの」を「非自明な方法」(上で言う所の“崩し”やその1で述べた二つのあるある組み合わせ,に相当する)
で問題文や回答と結び付ける,
それが結びついた時に「笑い」や「おおおお」を生む,という手法を取っているからではないか.
なんだか,これは上でディダムズさんが言及された「気づき」と「思いつき」の話と結びつきそう.
「各々の脳に既にある」というのは素晴らしいアドバンテージで,それがあるから,真意が分かったとき,「思いつく」ではなく「気付く」になるのではないだろうか.


という事で,“大喜利とウミガメはなんとなく似ているところがある”.
(もちろん,上述したタイプの問題はあくまで八兆問あるウミガメ問題のごく一部に限った話である.
超越激ヤバ天才問題はきっと,こういう手法で作った,などという型にはめることができないやり方で作られるのだろう.)
上述の例達のような“大喜利的なウミガメ”というのはなかなか面白いやり方だと思う.
一言で言うなら,やはり「例の凄い人」の言葉が最も相応しくて分かりやすい.つまり,

『あるあるを考えて,それを“崩す”』

そして,
「あるあるの復元を容易にする」と,「大喜利回答」ぽくなって,
「あるあるの復元を難解にする」と,「ウミガメ問題」ぽくなる.
無から何かを生み出すのはなかなか難しいので,これを作問のための種火にするのがいい.

一つ注意を.上述の事は別に新しい考え方でなくて,
ラテシン内でこのタイプやこれに似た作問方法をしている人は結構いるみたいだ.
公言している人もいるし,多分そうやって作ったんだろうな,という問題も沢山ある.

最後に蛇足を言うと,“崩す”と,必然的に非自明なシチュエーションが誕生し,そこに“物語性”が出てくる.
こういうのは,話単体で見た時にも想像力が掻き立てられて,その周辺の状況を思い浮かべた時,楽しい.
[17年01月19日 00:53]
SoMR[100問出題]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年01月19日 00:52]
[305948]SoMR[100問出題]
#18【大喜利とウミガメその1】

「あるあるからダシをとる」(ルームキー:あるダシ)は,元々大喜利の技術がウミガメに応用できるのではないかと考えてつくったページ.
大喜利とウミガメ作問は通じる部分があると思っていて,それについて考えてみる.

それにはまず、大喜利について考えなくてはならない。もっと言うとネット大喜利。
自分は以前とあるサイトでのネット大喜利にどハマりしていた時期があって、制限時間数日でじっくり答えを考えて、対戦相手一人と同時公開、みんなで投票、勝った方にポイントが入る‥ポイントは年間通して貯めていくので、上位ランクを目指してせっせと投稿したものだった。

そもそも“ネット大喜利”というコミニュティが存在すること自体驚く人もいるかもしれないが、
ちゃんとある種のネットワークのようなものがあって、「サイトAで有名な○○さん」「現役の芸人疑惑のある○○さん」のような大喜利界で有名な人、という概念もあったりする。

僕の通っていたサイトにも有名な人がいて、NHKの「ケータイ大喜利」採用の常連、というスゴイ人がいた。その人の大喜利回答は、たかが大喜利というレベルのものではなく、日本語を繊細に巧みに操って構築された、作品、と呼ぶべきだと思わされるくらい、何やら凄いものだった。始めたての頃、全然ウケる回答が作れない僕を見かねて直々にレクチャーして頂いた事がある。その人曰く、「大喜利には定石のようなものがあって、上手な人は皆それを基本の考えにしている」らしい。もう随分時間が経ってしまったのでその人の正確な教えをだいぶ忘れてしまったが、その教わった定石と、自分の中でそれを解釈した混合物を思い出して書いてみる。

★基本は「あるある」!
★笑いがいつ発生するかというと、「気付いた時」である。
★これを踏まえた大喜利の回答の定石は次のようなものである:
「キーワードが2つ入ったお題に対して」
①A,Bというキーワードが入ったお題(例:「私立超セレブ小学校に入学して困った事とは?」→Aが「セレブ」Bが「小学校」になる。)に対して、「Aあるある」と「Bあるある」を沢山考える。
②そのAあるあるXとBあるあるYを“組み合わせ”て一つの文章Zを作る。ある意味X、Yの性質の“共通部分”を見つけると言ってもよい。

この時、Zには素材である、AあるあるXとBあるあるYは表面上は部分的にしか見えてない。
しかし、これが聞いた人の脳内で、「ああ、AあるあるXと、BあるあるYの事か」と「気付いた」時、
これまで脳内で繋がりを持たなかったAあるあるXとBあるあるYの間に電流が走る。
この「一見関係なさそうに見える二つのX、Yに関係性を見出だした気付きの電流」こそが、笑いの正体である…らしい。
X、Yの距離が近いと電流も小さいものになり、
しかし、X、Yの距離が遠いと今度は電流が流れないかもしれない。
できるだけ遠いX、Yに(これは、①のあるあるを見つける作業に相当)に見事に電流を流す(②の事)事が出来れば、それが面白さになるという事のようだ。

上記の手法は色々応用が効く。
例えば「こんな小学校は嫌だ」「こんなラテシンは嫌だ」のように、「キーワードが一つしかないお題」のときは、勝手に別なあるあるを持ってくればよい。
その場合キーワードAを中心に考えるので
①Aあるあるを沢山考える。
②それぞれのあるあるに対して、全然関係ないあるあるを組み合わせる。
という風にやる。

これ、まさしく「謎かけ」のメカニズムそのもの。
「Aとかけまして…」に対して、Aあるあるを沢山考える、そのAに別のあるあるを組み合わせる…。
一見関係なさそうな二つのものに共通部分を見出だしたとき、笑いが発生する…。

肝心なところは「気付き」である。(注:ここの段落、多少強すぎる主張をしているかもしれない。下記『追記』参照。)
だから、AとBの距離はある程度遠くないといけないし、もっと面白いのは「“0秒”で気付かせてはいけない」という所。
つまり、「ZはAあるあるXとBあるあるYから構成されているのだ」という事をワンテンポ遅らせて理解させないといけない。当たり前のようだが、「当たり前に理解」できるものに対して「気付き」と言う概念は無くて、
だからAあるあるとしてAに近すぎる自明なもの(小学生は、人間である、など)を持ってくる、ということは出来ない。何秒以上、というものではなくて、感覚的なものである。そのために説明し過ぎてもいけないし、あくまで聞き手の脳内で電流を走らせる必要があるのだ。大喜利の上手い人の回答が、文字を極限まで削ぎ落としているのは、その「気付き」の余地を最大限拡大するという目的もあったりする。
(この辺の考え方はのりっこさんの一言解説にも通じるところがあるかもしれない。)


抽象的な説明ばかりだったので、このやり方で作った大喜利回答を紹介しよう。
自分の大喜利回答を晒すことほど恥ずかしいものはないけれど、あくまで教材としてという事で…笑
丁度いいのがあった。
アザゼルさんの『携帯電話の便利機能』(http://sui-hei.net/mondai/show/27735)の問題文が大喜利みたいな言い方だったので、自分は初めの3回答ほどボケている。
大喜利風に言い換えると、
「外人が驚いた、日本人の携帯の便利機能とは?」
というお題。
これはまさに上述した「キーワード二つ」のお題であり、Aが「日本人」、Bが「携帯の機能」である。
そこで①として日本人あるある、携帯の機能あるあるを考えていく。
神社にお参りする、忍者が暗躍してる、侍が切腹する…
カメラ機能がある、10連ガチャ、スワイプする…
これらを組み合わせるのだ。

出来上がった回答がコチラ。

「賽銭箱にかざすと電子マネーでお賽銭ができる」
「タップするだけで藁人形に釘が打てる」
「回ってるSUSHIをブレずに撮影できる」

一つ目は日本人あるあるが「賽銭箱にお賽銭」。携帯あるあるが「電子マネーでお会計する」。これらの組み合わせとして構成されている。
二つ目は「藁人形に釘を打って呪う」「クッキークリッカー的なアプリ」を、
三つ目は「回転寿司」「最近の携帯のカメラは手ぶれ補正もついていたりする」をそれぞれ組み合わせて作られた。
ちなみに、二つ目はアザゼルさんにウケたから良かった笑


気が付いたら長くなってしまったから2回に分割しよう。ウミガメを無視して大喜利の話のみになってしまったが…笑
#19ではこの大喜利メソッドとウミガメ作問について考えます。
上記みたいな大喜利の考え方が分かると大喜利の回答を考える事も面白く思えてくるので、
ラテシンで新ジャンルとして出題される大喜利問題が出たときは是非是非この方法をお試し下さい笑


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~読者からのお葉書コーナー~
追記:牛削りさんに見事にツッコまれたので、追記。
ズバリ、上で「Zは構成している元々のあるあるXとYをワンテンポ遅らせて理解させないといけない」とか言ってる癖に、『三つの例でそうしてない!!』
これはごもっともです笑
三つの例は2つのあるあるを並べただけのものに近いですね。

これは、書き方が物凄く悪かったと思うので、少し補足をします。
というより、ここの部分は自分の中でもちゃんと理解できてない所だと思われる。

ウミガメ作問と大きく異なる、大喜利回答をする上で気を遣わなければならない重要なポイントとして「絶対に伝わる回答をしなければならない」がある。
当たり前だが、ウミガメのような「質問」は大喜利にはないし、理解されなかった場合にまさか「ええと、この回答の意味はね…」と説明する事は許されない。
従って、そのXYが伝わらなかった場合のその回答の“得点”は0点である。
「だから安全策をとって、クオリティより伝わることを優先しても良い」というのが僕の言い訳笑

上述の「肝心なところは「気付き」である。」から始まる段落は、ちょっと何と言ったら正しい表現になるのかが難しいですね~。まだまだ議論の余地がありますな。
「ワンテンポ遅らせて理解させる」は何だか少し言い過ぎてる気もするし、
でも、「説明し過ぎてはいけない」は絶対に正しい。
恐らく「「ZはAあるあるXとBあるあるYから構成されているのだ」という事をワンテンポ遅らせて理解させないといけない」はちょっと理想過ぎる。
もし、「伝わる」ならそうするのが一番良い回答になるはずだが、大喜利の場合優先させるべきは「伝わらせる」事。
だから「確実に伝わる表現」から「伝わる」を維持した状態でX、Yを削っていく感じになる。
三つの例はその「確実に伝わる表現」のまま削り作業をサボったわけですね笑
0点か100点より、確実に取れる60点を取りに行く…。
でも、大喜利回答としてはその思考は無しではないと思われます。
もちろん、「ギリギリ伝わる」というのが一番破壊力がある回答になるはずですが。

牛削りさんにが「ZからX、Yを隠しすぎると問題みたいになりますね」と言っておられたが、
本当にそう見えますね(下記コーナー参照)。
ただX、Yを並べた文章を考えて、
そこからちょっとづつX、Yをぼかしていく。
「伝わるギリギリ」がZとして取るべきもので「大喜利回答」になる、そのラインを超えると「ウミガメ問題」ぽくなる(一般には、問題として成立するかは分からないが)。
このイメージはなんだか面白い。
そして、このあたりを上手く遂行する技術が、その2で述べるような「あるあるからウミガメを作る技術」なのだろうか。

~牛削りさんが挙げていた三つの例のX、Yをぼかしたものを観賞するコーナー~
(注:これはX、YからZを作る過程でX、Yを見えなくするという部分を強調した極端な例を作られたものであって、氏の大喜利回答というわけではありません。)
「ガラガラと鐘を鳴らした後、境内に向かってスマホをかざす人が増えた」
「人差し指で人を呪い殺す人が増えた」
「インスタに活きのいいスシの写真がアップされるようになった」。
どれも完全にウミガメ風なのが、さすが牛削りさんという感じがしますね笑
これを見ると、なんとなく、大喜利スキルとウミガメ作問スキルに共通部分があるような気がしてきませんか?
[17年01月13日 23:21]
SoMR[100問出題]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年01月13日 23:17]
[305700]SoMR[100問出題]
おや,しげぽんさんいらっしゃいませ!初めまして.折角なので落書きしてってください.
[17年01月08日 18:52]
しげぽん[良い質問です]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[17年01月08日 04:34]
[305651]SoMR[100問出題]
#17【敵が違った!】

#15の続きとして“敵が違った!”系問題を眺めてみよう。

“敵が違った!”というのは、問題文で問われている謎を解明するためにAというモノを詳しく掘り下げれば良いんだ、とAに注目したAを掘りさげる質問を繰り返すが、実は重要なのはAではなく、真相はAとは全然違うBというモノにあった、みたいなもの。
アホウドリの卵をかえそうと温めに温めていたら、実は大事に温めていたのはゴルフボールだった、みたいな。
要は「着目する場所が全然違っていた」という問題。

このタイプに属する問題、意外と多いわけではない。
例えば本家ウミガメは全然このタイプじゃない。
“敵と思ってたやつが敵”のタイプ。
「男が自殺した理由」を探っていった先に、納得のいく「男が自殺した理由」が待っている。

“敵が違った!”タイプの問題はそうではない。
xy-平面を考えよう。
【コーヒーブレイク】
ところで、実数全体の集合は普通Rと書かれる(本当は格好つけてRの左端のたて線Ⅰを二重の線Ⅱにするのだ)。
xy平面というのは、二つの実数の組の集まり。これを表現してxy平面はR^2(←Rの2乗)と書かれる。急にお兄さんになったような気持ちになれる上、いかにもかしこそうに見えるので、R^2という記号を使ってみよう。
【コーヒーブレイク終わり】
R^2の点(0,0),(0,1),(0,2),(1,2)をそれぞれO,A,B,Cと書く。
点Oに我々がいるとしよう。
我々は問題文を見たとき、点Bこそが問題文で問われている謎であり、宝物があるであろう、ここに辿り着きたいと思っている。
点Aにはドア付きの壁があって、錠に合う鍵を探すなり(←垂直思考)、乗り越えるなり壊すなり迂回するなり(←水平思考)しなければならない。そうして、Bに辿り着くために点Aの情報を詳しく知るための質問に時間を費やすわけだ。
ところがどっこい、実はBには何にもない。
本当は、宝物は点Cにはじめからあったのだ。
でも、スタート地点のOからじゃ、不思議なことにCに宝物があるとは思えない。光の屈折のせいなのか、何なのか、誰もが何もないBに向かってAの壁に突進していく。

これまでの問題の中でも随一の“敵が違う!”問題は文句なしにこれだろう。

----

『【猛者のスープ】断片推理』(猛者チーム「近所の公園」チーム:まきやさん、牛削りさん、沢子さん、あっと!さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/26677
(貼っていいのかしら。問題がありそうだったら消します。)

[問題文]
ベンは、

①発砲された銃弾には、その銃特有の旋条痕が残るはずであること、
②手で絞め殺した場合、普通なら絞殺ではなく扼殺と表現されるはずであること、
③ウラジオストクからシベリア鉄道に7日間乗車し続けたのであれば、到着するのはモスクワのはずであること、

以上の3点から、街中を震撼させた連続殺人事件の犯人はジャックであると推理した。

彼の推理過程をシミュレートせよ。

[解説]
小宮山勉(こみやまべん)は眠れぬ夜の徒然に、クロスワードパズルを解いていた。

「えーっと、付け合せに使われる緑色の野菜っていうのは、パセリかな? 十は英語で、ワンツースリーフォー……ああテンだ」

順調に解き進めていた勉の手が止まった。ヨコ7である。
「19世紀ロンドンを震撼させた連続殺人事件の犯人? むむむ」

とりあえずそこは空欄にしておき、タテから攻めることにした。

「銃弾には発砲した銃特有の……ああこれは旋条痕だ(タテ2)。手で絞め殺すのは……扼殺っと(タテ8)。それから、シベリア鉄道の終点はモスクワだね(タテ3)。○○は熱いうちに打てっていうのがよくわからないなー(タテ6)」

ともあれ、ヨコ7の4マスのうち、3マスを埋めることに成功した。

セ?■モ
ン■?ス
ジヤ○ク
ヨク■ワ
ウサ?■
■ツ??

これが人名だということを考え合わせれば、「ジヤ○ク」の○にツが入ることは容易に想像がつく。

「そうか、ロンドンを震撼させた犯人は、切り裂きジャック、お前だったのか……!」
勉が探偵の才能に目覚めた瞬間であった。

(後略)
----

これ。これはもう純然たる“敵が違った!”。
誰もが一見したときに、「ジャックが犯人である事を与えられた条件から論理的に推理する論理パズル」と思っただろう。「もちろん水平思考要素はどこかにあるのだろうが、この大枠は疑いようがない…さて…」等と考えながら。
問題文だけに着目すると、
「推理・論理パズルとしてありそうな問題文の形式をそのまま使用している」という点がやっぱり面白スゴい。勿論それを意識して作ったのだと考えられるが、何と言ったら良いか、開口一番堂々と「この問題は論理パズルです!」と宣言しているような。

(論理パズルスタイルの問題文から出発して断片推理とは別方向に発展させた問題が最近みんさんから出題されましたね。『【 闇スープの扉 】名前当てクイズ』(みんさん、http://sui-hei.net/mvs/show/28798))

物体として“敵が違った!”という問題もある。

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『不吉なプレゼント』(すいまさん、http://sui-hei.net/mondai/show/27990)

[問題文]
お歳暮に去年と同じタオルをもらったのでゾッとした。
なんで?

[解説]
年もらったタオルは一年使って随分色が黄色味がかってきているのに気付き、「これで体ふいてたんだー…」と気持ち悪く思ったからでした。
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これは物理的にも“敵が違った!”問題。
問題文を見るとやっぱり注目してしまうのは「今年もらったタオル」。同じとは言われていも、今年の方の貰い方や状態にどうしても着目してしまう。
2つ揃って、はじめて片方の異常さが分かるというのは面白い。とても、水平思考的な問題だと思う。
さっき確認したら意外にブクマが伸びてないのが意外。
もっと評価されるべきな気がする一問。

似た作りの問題として次の問題を紹介。

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『みっともない』(shinshinさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/24790

[問題文]
デートでのこと

カメオが忘れ物をしてしまってだらしなかったのでカメコは恥ずかしくなった

なんで?

[解説]
「ハッ寝てた!急がないとっ」

カメオは急いで仕度をしてカメコとのデートに出かけた


「カメオ君 こっちだよー」

「あっいたいた」 (危ない危ない間に合った)

「じゃっ行こっか」


(やばいベルトしてくるの忘れた・・・)

(あれカメオ君なんか歩きづらそう・・・)

(どうしよう かっこわるいな・・・)

(ずるずる落ちてくなあ それにひきかえ私は・・・)

(恥ずかしい・・・)

(恥ずかしい・・・)



カメオがベルトをし忘れたことでズボンがズルズルと下がっていった

その様子を見ていたカメコが自分のお腹まわりなどを見て比較し気にしてしまったから
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面白いでしょ。
問題文の作りからどうしてもカメオに注目してしまうし、
カメオに謎の核があると思ってしまう。
そもそも忘れ物をしたカメオは「みっともない」し「恥ずかしい」とも言えるので、問題文は「カメオのことですよ~」みたいな事を嘘なく堂々と言ってるとも言える。
シンプルだけどかなり悪辣な罠で思わずニヤリ。

ところで、実はshinshinさん問題に、結構この“敵が違った!”問題が多い。
↑の問題を出題した頃、shinshinさんは毎日出題を狙われていたので、毎日氏の問題を目にしながら「shinshinさんの問題の特徴は何て表現したら良いんだろう」とうまい言葉が見つからずもどかしい思いをしていたんだけれど、
今になってみると、“敵が違った!”という言葉がなかなかぴったりだと思っている。

色々オススメを紹介したいけど、
とりあえずコレを。

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『しょうがないなあ』(shinshinさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/24387

[問題文]
私は彼にヒントを出した

正解は? 正解は?

私はうずうずしている

いったいなぜ?

[解説]
「ねー あれなんて言うんだっけ?」

「あれって?」

「ほらー ○○が▽▽▽になってる感じのー」

「ああ もしかして◇◇◇◇◇?」

「ああ それそれー スッキリしたー ありがとねー」



名前を忘れたアレを思い出したくてうずうずしている
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「ヒントを出した」「正解は?」の時点で、
私、が回答を知らないとはなかなか思わない。
問題があるのはヒントを出された側と思わせて、
問題があるのは私なのだ。
質問100超えるまで、皆キレイに騙されている様がとても興味深い。


という事で、“敵が違った”問題は面白いので、注目していきましょうw
でも、どうやって作ればいいのかはあんまりよく分からない。
[17年01月07日 02:40]
SoMR[100問出題]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[17年01月07日 02:40]
[304704]SoMR[100問出題]
azさん
書き込みありがとうございます.
僕も「Eyeの過ち」はお気に入りです.
>>納得感と被弾リスクがトレードオフ 分かりますw リアルで出題するときはこのくらいの方が丁度いい事もある気もしますし,納得感と被弾リスクなら被弾リスクを取るべきなのかなあ.
眼鏡を外す,家に帰るなり,の改良は…そうですね,ゲーム性が向上するかもしれませんが…原案がスタイリッシュなだけになかなか難しそうです.
美を犠牲にするよりはこのままがベストかもしれませんねぇ.悩ましい.
[16年12月29日 19:43]
az[軍曹]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年12月25日 16:09]
[304419]az[軍曹]
そもそもはウミガメで出すつもりだったのが、"何を解かせたいのか"が微妙な問題文になりそうだったんですよね。メモに残ってる最初の原案は、「眼鏡が曇ったのでカメオはミスに気づいた。何故?」でしたw スナイプ必至も何も、「眼鏡が曇ったから」でFAにせざるを得ない呆れた問題文です(メモ同然の原案なので、さすがにそれで出す気はなかったですけどね)。
で、「暖房の消し忘れ」が答えになる問題を考えた結果、扉になったってわけでした。

眼鏡を外す、あたりは確かに工夫の余地があったところだとは思います。ただ、いろいろ試しはしたものの、どうにもしっくり来なかった感じですね。「眼鏡を外す」以前からミスに気づいている状況なので、なかなか難しかったです(で、結局は被弾リスクを引き受けてもシンプルな納得感を取った)。ベターな選択ではあったとは思うものの、ベストにするならどうすれば良かったのかなぁ。

時系列を誤魔化すなら、むしろ「家に帰るなり」に改良の余地があった気がしてきました。でもどうすればいいかはやっぱりわからないw
[16年12月25日 15:59]
[304415]az[軍曹]
「Eyeの過ち」は個人的にはお気に入りのやつですねー。まぁ綺麗に撃ち抜かれましたがw なんというか、納得感と被弾リスクがトレードオフになりがちなのが最近の悩みです。
[16年12月25日 15:50]
az[軍曹]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年12月25日 15:41]
[304375]SoMR[100問出題]
#16【タイムライン誤認・因果錯誤トリック】
予定を変更して最近のトレンド(SoMRの中で)であるタイムライン誤認・因果錯誤トリックについてもう少し考察してみよう。
#15で『可愛いむすめ』(天童 魔子さん、http://sui-hei.net/mondai/show/17300)を鑑賞したが、
そこで面白さとして提案していたのが
「問題は既に起こっていて、娘が女の子らしい格好をしたので、それが発覚した」という時間経過順序になっているところ。
「AなのでBという問題が起こった」
という問題文の場合、
普通はまず、Aが直接の原因となっているBを探すという人が大半だろう。
この例なら例えば「女の子らしい格好をしたので、変な男どもにナンパされるようになった」とか。
AはBが明るみに出るトリガーに過ぎない、というのが
なかなかに水平思考的で面白い。

最近、azさんが出題した問題にこのタイプの技術が見られたので見てみる。

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『Eyeの過ち』(azさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/28712
[問題文]
家に帰るなり眼鏡を外したカメオの犯したミスは何?
[解説]
暖房の消し忘れ

外出先から帰ってきたカメオが自宅に入ると、突然眼鏡が曇った。カメオは眼鏡を外して服の裾で拭いながら、部屋の異様な暖かさに、暖房をつけっぱなしで出掛けていたことに気づいた。
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「犯したミス」が「メガネを外した事」よりもずっと前、というところが面白ポイント。
あくまでメガネ外しはミスに気づくきっかけというだけ、ということである。
ただ「メガネを外した事」→「何かミスを犯した」という時系列でなさそうな事はすぐにバレてしまった模様。
ワードのチョイスでもっと強くメガネを外した事=ミス、と誤認させる事は出来たかも知れないけれど、
被スナイプにこだわらなければこれが最良か。

この点で筆が滑ったのが下掲の自分の問題。

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『Death&I Love You』(SoMR)
http://sui-hei.net/mondai/show/28780

[問題文]
健康なカメオは、
伝説のロックバンド「ザ・ビョウキズ」が数十年ぶりに来日したので病院に行くことになった。
何故だろう?

[解説]
~少し前~
娘のカメコ「おじいちゃん、人間ドック行った方がいいよ」
カメオ「もうトシじゃし行った方がいいかものう。うう~ん、でもワシの青春のバンド、ビョウキズの来日前に病気が発覚して入院する事になったらイヤじゃのう。来日してライブを一目見てから行くとするかの。」

~ビョウキズ来日~
カメオ「ウオオオオオ!1234ビョ、ウ、キ!1234ビョ、ウ、キ!かっ…感動じゃ…」

~ライブ後~
カメオ「生きてて良かった…さて、これでもういつ病気になっても思いっきり入院できるんじゃな!人間ドック行こっと。」

~そして~
病院での検査の結果、めでたくカメオは超健康でした。
カメオ「イェーイ」

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「来日してライブに行った事で、怪我や病気になって病院に行くのではなくて、
あくまで元からライブに行ったら病院に行くつもりで、来日してライブに行けたから病院に行った」
という事。
予定通りタイムライン誤認は成功したんだけれど、
そこに焦点を当てすぎて「病院に行くことになった。」という言葉を選んでしまった。
もちろんライブに原因のあるように見せたかったための事なんだけど、ちょっとこれはやり過ぎた。指摘された通り若干アンフェア表現で結果納得感を失った挙句100越え。
えぜりんさんの言うとおり「行った」で結ぶべきだった。

雑誌のカッコいいイケメンモデルのコーディネートを真似してそれと同じ上着だけ買ったところでお金が尽きてズボンはユニクロみたいな。


可愛いむすめは、
明記はしていないけれど「therefore,hence,thus」が入ってるような印象。
Eyeの悲しみは、もし本当にメガネ外しとミスが直接の繋がりがあるのなら、この系列の文言が入ってるはず。
「メガネを外したことで~」「メガネを外したために~」「メガネを外さなかったら~」的な。
長持ちさせる改編をするなら、この辺りにテコ入れするのだろうけど…ちょっと自然な入れ方が思い付かない。
可愛いむすめは堂々と「可愛い服を着た『ので』」を入れられる(※入れられる、の意味で、問題文にこのような「ので」は入っていない)のが強い。
Death&は、人工的に「ので」を入れてみたけれどやっぱりちょっと違和感。

という事で、「堂々と『ので』が入るA→B因果錯誤トリック」が綺麗にできたら面白いと思うので誰か作ってください笑

役立ちメモ:こういうコラムタイプのチャットルームで投稿と投稿の間に入退室をすると二枠使ってしまう。
しかし入室したままデスパワーオブインジャードドラゴンを使用することで一枠分だけのスペースを空けて次の投稿が書ける。
[16年12月25日 02:00]
SoMR[100問出題]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年12月24日 14:23]
[303784]SoMR[100問出題]
#15【可愛いむすめ】

新しい油そば屋に並びがてら、最近お気に入りのこの問題を。
MVSコメントで書こうとしたけど絶対まとまらんと思ったから断念した感想を書いてみる。

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『可愛いむすめ』(天童魔子さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/17300

[問題文]
カメコの趣味はサッカーに釣りに昆虫採集などアウトドアばかりだったので

父はカメコにもう少し女の子らしいことをしてほしいと思っていたら

ある日カメコはお洒落に目覚めて可愛らしい服を好むようになった。

しかし父は悲しみカメコにやめるように言った。

一体なぜ?

[解説]
カメコの趣味は

好きになった男性と同じ趣味を持とうとしているからなのです。

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春雨さんのMVSコメントが実に的確。
?→!→!w
の解説を一読しただけでは一瞬何の事やら分からない、
次の瞬間理解して思わず笑ってしまう。
こんなの、理想だよね。

これを引き起こすメカニズムは以下の通りである。
(と僕は思っている。)

参加者が問題文を読んだ段階では、父親目線で
「むすめが可愛らしい服を着たことにより、起こってしまう問題」を考えるのだが、
事の真相はそうではない。

実は「既に問題は起こっていて(=彼氏が女装癖を持っている)、むすめが可愛らしい服を着たことにより、
その隠れていた問題が浮上しただけ」
というのが真相である!

この二つの違いは表面上明確ではないもののとんでもない差があって、
時系列が違うというか、
「娘が女の子らしい服を着る」をA、
「父が悲しむような問題」をBとするとき、
A→Bが前者、B→Aが後者である。

Aが起きた「から」起こるtroubleを時系列的にAの次に置いてしまい、そこを掘ろうとするのはいかにも垂直思考だ。
タイムラインの原点に置かれたAに対して負の方向を掘っていくのはいかにも水平思考。
この感覚は元祖ウミガメにも通じるところがあるかもしれない。

その意味で、僕としてはこの問題は「隠れ, 敵が違った系問題」だと思っている。
Aの先にあるBではなくて前にあるB、
そして娘自体に問題があると思わせてtroubleの本質は 彼氏にある…
この二つの「想定していた敵が本当の敵じゃなくて別な人だった」という要素がこの問題の魅力と思う。

この「敵が違った」タイプの問題はウミガメの中でもかなり高級な部類に属していると思っていて、
まさしく水平思考問題と呼ぶに相応しいと考えている。
作りたいけど少なくとも僕の問題の殆どはそうはなってない。
「敵が違った」問題は「断片推理」「不吉なプレゼント」等知られた名作が沢山あるので、#16で鑑賞してみよう。
[16年12月17日 12:46]
[303432]SoMR[100問出題]
#14【非現実×きちんとした因果関係】

下の低空飛行さんの「因果関係」の話を受けて。

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『 Bullet or Bread?』(黒井由紀さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/27701

[問題文]
今日は楽しいハロウィン。
仲の良い友達と自宅でパーティをしているカメオは、チャイムが鳴ったので、玄関に行ってドアを開けました。
「Trick or Treat!」
ドアの前で、ジャックオランタンのバスケットを提げた、ゾンビ姿の男の子がそう言いました。
するとカメオは、迷わずその男の子を猟銃で撃ちました。銃弾を受け、男の子は玄関前に倒れます。
ところが次の瞬間、倒れたはずの男の子は起き上がり、カメオに飛びかかりました!
そう、男の子は本物のゾンビだったのです!
……ところで、もし男の子が本物のゾンビではなく、ただ仮装をしただけの子供だった場合、猟銃で撃たれたら死んでしまうでしょう。それなのに、カメオは何のためらいもなく男の子を撃ちました。
一体何故、カメオはそんなことをしたのでしょうか

[解説]
易解説:カメオはヴァンパイアで、アンデッドの友人を招いてパーティをしていた。やって来た人物が招待客のアンデッドか、仮装した人間か、必ず銃で撃って確認することにしていたから。

カメオに飛びかかったゾンビの男の子は、楽しげに言いました。
「カメオおじちゃん、こんばんは! ねえねえ脳味噌パイある?」
「あるよ。他にも、眼球ロリポップや腐肉のグラッセもあるぞ。お前、好きだったろう?」
「うん! 大好きー! あ、キョンシーちゃん来てる?」
「キョンシーちゃんだけじゃない、ワイトにリッチ、グールおばさんとミイラおじさんも来てるぞ」
「わーい、楽しみー!」
ゾンビの男の子は、そう言うと広間の方へ走っていきました。
ヴァンパイアのカメオは、男の子を見送ると、庭用ホースで玄関に付いた血を洗い流しながら独りごちます。
「ハロウィンに集まるのは失敗だったかな。街中皆仮装してるから、招待客のアンデッドなのか単なる仮装した人間なのか分かりゃしない。もし仮装した聖職者だの魔物払いだのを間違えて入れようものなら、大惨事になるから、やっぱ逐一玄関で撃って死なないかどうか確かめなきゃだよなあ」

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設定がここまでキテレツなのにも関わらず、
妙に理屈っぽく論理的なヴァンパイア・カメオに否応なしに納得させられる。

これは非常に面白い例で、一見「きちんとした因果関係」に「設定の一般性」が必要かのように思われるが、
問題の設定を極限まで非自明なものにすることで、必ずしもそれは正しくない事を主張している。

むしろ、設定のぶっ飛び方(ゾンビ→理屈を越えた存在)と筋の通った理屈の共存がこれまでにはないおかしみを生んでいて、楽しい。

この問題や、#14で引用したゴトーさんの『失敗は成功の…』のように、非現実×理屈、はうまく使いこなせれば強烈なインパクトと爆発力のある面白い問題が出来ると思う。
ゴトーさんが自身のチャットルームで言っていた言葉を借りれば「非現実問題は、大きな可能性のあるブルーオーシャン」。
[16年12月06日 01:39]
[303149]SoMR[100問出題]
お、azさんいらっしゃいませ!
藤井さんの作品ですね!(ところで僕は藤井さんの「規則正しいゴミ」からラテシンに入ったので、ファンなんです。)
これは黎明期という感じが凄いですね〜。元祖ウミガメの流れの自然な延長、という印象です。「何というか、凄い」←分かりますw

僕もこの問題に関しては「これしか無い!」では無いと思います。ひょっとしたら同じレベルのインパクトのある回答が問題文完全に同じであるかもしれないと思ってしまいます(もちろん、これは素人が野球中継を見て監督の采配にああだこうだ言っているようなものですが、それは一旦忘れて。)。
もちろん、ストーリー単体では面白いんですが、ウミガメ問題として万人に面白いと思わせられる&納得させられるかというと何となく微妙な感じがしますね。

「面白ければ何でも良い」は意外と当たってるんじゃないですかねw ただ、「面白い」を実現するのが「単純にストーリーが面白ければ、ウミガメとして面白い」かというとそうでは無いところがウミガメの難しいし面白い所だと思います。

何だろうな〜 「真相のインパクト」の概念は次のようなものかなあ、なんて最近勝手に思っています。
「ある有名漫画が来週で終わり。全国の少年少女読者が各々独自の結末を予想。ネットでは予想スレが乱立し、自称内部の人間が嘘か真かのリーク情報を流す‥
そんな中で満を持して掲載される最終回。
それは全ての読者の予想を完全に上回り、かつ全ての読者が“納得”するような結末であった!」

もっと面倒な言葉で言うと、
ストーリーの結末全ての集合を考えて(これは、このような集合の存在を脳内で仮定している)、各結末ごとに“面白さポイント”のようなものを対応させる関数がその集合上に定義されているとする。
ある問題文に対して考えられる結末a,b,c,d...に対応して80,68,75,79...という“面白さポイント”が対応しているとき、
解説の結末zだけ128ポイント。
(元祖ウミガメは特にこんなイメージ)
こういう時、多くの参加者は「論理的納得感」に加えて強い「物語的納得感」とでも言い表すべきものを感じるのかなあ、なんて思います。
この二つの“納得感”は全然違う意味だと思っていて、
前者は「確かに膝の辺りを叩くと足がぴょこんと勝手に上がるね」、
後者は「ああ〜この炊飯器店員さんに言われた通り炊き上がりふっくら、保温もバッチリで、本当に買ってよかった〜」の意味です。
「満足感」というと変ですが、後者はそれが混じっているような。

※この辺りの話は僕自身論が固まっている訳ではないので、明日には別な説を唱えていても温かい目で見て下さいねw
[16年12月01日 02:15]