作成者:SoMR
部屋名:あつめウミガメ
ルームキー:うみがめあつめ
部屋名:あつめウミガメ
ルームキー:うみがめあつめ
他人に教わった良問作成に関するヒント等も収集する。
なお、この部屋は「一般的にどういう問題が面白いのか」という問題には一切立ち入らず、また主張しない。
SoMRが面白いと思った問題を鑑賞して、
面白いと思った技術を書き連ねるだけである。
そうは言いながらも、元祖「ウミガメのスープ」が絶対的に「面白い問題」として神棚のごとく飾ってあるのは事実。
★一応言っておきたいこと、私が一番好きなタイプの問題は物語としてもステキな問題だと思っているのだが、そういった問題は真似しようにも真似できないので、この部屋ではあまり鑑賞する事ができないかもしれない。
基本的には「良さから勉強しやすそう」なものを取り上げるので、良さが超越的過ぎたり言語化しにくかったりする問題(そしてそれにお気に入りは多い!)は並べ飾りたくなるけど、我慢。
例えば超面白いと思ったとしても、のりっこ。さんの絶対に真似できない異次元的超越天才問題等はここではなく心のショーケースに飾っておく事にする。
また、書く順序も適当、書こうと思った順。
★この部屋はオリンピック選手の凄いプレーを小学生がテレビで見て「ほえ〜すげ〜」と憧れているようなもので、ここで得たワザを実行出来るかどうかはまた別問題なので「全然出題に活かせてないじゃん!バカ!」などと言われてしまうと「うるせ〜キライだバ〜カ」などと言うと思います。
★ラテシンにおける引用ルールがあまり分かってないのですが、一応怖いので資料室にあるものは堂々と使わせて頂くことにして、それ以外はミニメで許可を取れたもののみを扱うことにします。
(参考:チャットルーム「資料室」(ルームキー:資料室))
引用に関して何か問題があれば仰って下さい。
以下テンプレメモ
#【】
-----
『』()
[問題文]
[解説]
-----
現在 しげぽんさん 牛削りさん SoMRさん が入室してます。(3人)
【総発言数:123】
az[軍曹]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年11月30日 18:34]
[16年11月30日 18:34]
[303098]az[軍曹]
こんにちはー。こっちに入るのは初めてだったかな、面白そうな話なので釣られて。
といっても、私はどちらかというと物語を重視しない派な気がするので、なんとも言えないのですが。
過去問読んでたらこんなの見つけました。ご存じでしょうか。
http://sui-hei.net/mondai/show/1649
ラテシン黎明期の問題らしく、ベール厚めクルー少なめ、いわゆる「探索型」というやつでしょうか。
なんというか、凄いですよね。鮮やかなトリックとはまた違った衝撃があります(あと質疑がカオス)。
単純に問題と解説を照らし合わせて、「これしかない!」と言えるかというと、それは違うなーという気はしそうです。でもじゃあ納得できないかというと、そんなことはない(と、私は思います)。
これが"真相のインパクト"ってことなんでしょうか。この手の探索型は最近は避けられがちな印象がありますが、ベール厚め、手探りで進むからこそのインパクトというのもあるのかもしれません。
私自身は、"問題の面白さ"と"読み物としての面白さ"は分けて考えるべきという考えだったんですが、一概に言えなくなってきたなーと感じます。
敢えて乱暴に言うなら、「面白ければなんでもいい」なのかもしれません。私はそこまでは思わないけどw
「男は死んだ。何故?」の解説が「バナナの皮で滑って豆腐の角で頭をぶつけたから」だったら納得できないけど、もし解説がひとりの男の一生を追った壮大な戦記ものだったら? 余命幾ばくかの男と女の感動のラブストーリーだったら? 果たしてそのとき、どんな反応になるのでしょうか。
正解のある話でもないでしょうが、考えれば考えるほど分からなくなり、分からないからこそ面白いですね。
[16年11月30日 18:14]
こんにちはー。こっちに入るのは初めてだったかな、面白そうな話なので釣られて。
といっても、私はどちらかというと物語を重視しない派な気がするので、なんとも言えないのですが。
過去問読んでたらこんなの見つけました。ご存じでしょうか。
http://sui-hei.net/mondai/show/1649
ラテシン黎明期の問題らしく、ベール厚めクルー少なめ、いわゆる「探索型」というやつでしょうか。
なんというか、凄いですよね。鮮やかなトリックとはまた違った衝撃があります(あと質疑がカオス)。
単純に問題と解説を照らし合わせて、「これしかない!」と言えるかというと、それは違うなーという気はしそうです。でもじゃあ納得できないかというと、そんなことはない(と、私は思います)。
これが"真相のインパクト"ってことなんでしょうか。この手の探索型は最近は避けられがちな印象がありますが、ベール厚め、手探りで進むからこそのインパクトというのもあるのかもしれません。
私自身は、"問題の面白さ"と"読み物としての面白さ"は分けて考えるべきという考えだったんですが、一概に言えなくなってきたなーと感じます。
敢えて乱暴に言うなら、「面白ければなんでもいい」なのかもしれません。私はそこまでは思わないけどw
「男は死んだ。何故?」の解説が「バナナの皮で滑って豆腐の角で頭をぶつけたから」だったら納得できないけど、もし解説がひとりの男の一生を追った壮大な戦記ものだったら? 余命幾ばくかの男と女の感動のラブストーリーだったら? 果たしてそのとき、どんな反応になるのでしょうか。
正解のある話でもないでしょうが、考えれば考えるほど分からなくなり、分からないからこそ面白いですね。
[16年11月30日 18:14]
az[軍曹]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年11月30日 18:13]
ウミガメのスープを一つください。[16年11月30日 18:13]
[303087]SoMR[100問出題]
おお〜!低空飛行便さんようこそいらっしゃいまし。書き込み、嬉しいです。
面白い観点ですね。
死亡フラグとウミガメとを絡めて考えた事はありませんでした。死亡フラグは反面教師にせよという事ですね。
「すぐには思いつかない&きちんとした因果関係を設定した上で、「因」の部分をベールで隠したもの」
がウミガメらしい因果関係
というのは実に正しい主張だと思います。
ある意味では元祖ウミガメの設定も“ぶっ飛んでるストーリー”ではあると思いますが、それと「因果関係の明晰さ」は無関係であり、尚かつ「きちんとした因果関係」のあるストーリーであると思います。
なるほど、面白い問題の構成要素に関する非常に良い表現だと思いました。
低空飛行さんの論から発展させて「では“納得感の高い”因果関係とは何か」という事も考えたくなります。
物理法則に則った物理的な因果(重力が働いているので、ボールが落下した、等)が最も万人にとって“納得感の高い”とすれば、“納得感が高い”と“低い”因果関係の境目が知りたいですね。これはもっと大きな問題になってしまいそうですが。
[16年11月30日 00:13]
おお〜!低空飛行便さんようこそいらっしゃいまし。書き込み、嬉しいです。
面白い観点ですね。
死亡フラグとウミガメとを絡めて考えた事はありませんでした。死亡フラグは反面教師にせよという事ですね。
「すぐには思いつかない&きちんとした因果関係を設定した上で、「因」の部分をベールで隠したもの」
がウミガメらしい因果関係
というのは実に正しい主張だと思います。
ある意味では元祖ウミガメの設定も“ぶっ飛んでるストーリー”ではあると思いますが、それと「因果関係の明晰さ」は無関係であり、尚かつ「きちんとした因果関係」のあるストーリーであると思います。
なるほど、面白い問題の構成要素に関する非常に良い表現だと思いました。
低空飛行さんの論から発展させて「では“納得感の高い”因果関係とは何か」という事も考えたくなります。
物理法則に則った物理的な因果(重力が働いているので、ボールが落下した、等)が最も万人にとって“納得感の高い”とすれば、“納得感が高い”と“低い”因果関係の境目が知りたいですね。これはもっと大きな問題になってしまいそうですが。
[16年11月30日 00:13]
低空飛行便[☆ラテペディア]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年11月29日 01:02]
[16年11月29日 01:02]
[303035]低空飛行便[☆ラテペディア]
こんにちは。#14のことで、思いついたことがあるので、少し書かせてください。
死亡フラグのことです。
・この戦争が終わったら結婚すること
・戦死すること
これらには、本来何の因果関係もないのに、何故か結びついてしまっています。
個人的には、こういう伏線の張り方はしたくないです。
(といいますか、これを伏線と呼びたくはありません)
結婚という幸せな出来事が待っている登場人物が戦死することは、そのギャップから、読者や視聴者に衝撃を与えます。
衝撃はしばしば感動へとつながります。
死亡フラグは読者や視聴者に感動してもらうための手法だと思っています。
でも、きちんとした因果関係の末に戦死したほうが、読者や視聴者の納得感は高いはずです。
(あえて何の脈絡もなく戦死することで、死のあっけなさを演出する方法もありますが、それはまた別の話)
とはいえ、きちんとした因果関係を設定するのは、そう簡単ではありません。
特に商業ベースの場合、締切と予算がありますので、その制限の中で読者や視聴者に感動をしてもらうために(感動してもらわないと売り物にならない)、「死亡フラグ」のような手っ取り早い手法が重宝されるのだと思います。
ウミガメらしい因果関係とは、すぐには思いつかない&きちんとした因果関係を設定した上で、「因」の部分をベールで隠したものなのでは? と思いました。
ベールを剥がした時に、意外さと納得感が同時に襲ってくるような「因」。
SoMRさんが例題としてあげた問題は、いずれも納得感の高い因果関係が設定されていると感じます。
因果関係が物語の面白さを決める唯一の要素であるとはもちろん言いませんが、重要な要素ではあると思っています。
[16年11月29日 01:00]
こんにちは。#14のことで、思いついたことがあるので、少し書かせてください。
死亡フラグのことです。
・この戦争が終わったら結婚すること
・戦死すること
これらには、本来何の因果関係もないのに、何故か結びついてしまっています。
個人的には、こういう伏線の張り方はしたくないです。
(といいますか、これを伏線と呼びたくはありません)
結婚という幸せな出来事が待っている登場人物が戦死することは、そのギャップから、読者や視聴者に衝撃を与えます。
衝撃はしばしば感動へとつながります。
死亡フラグは読者や視聴者に感動してもらうための手法だと思っています。
でも、きちんとした因果関係の末に戦死したほうが、読者や視聴者の納得感は高いはずです。
(あえて何の脈絡もなく戦死することで、死のあっけなさを演出する方法もありますが、それはまた別の話)
とはいえ、きちんとした因果関係を設定するのは、そう簡単ではありません。
特に商業ベースの場合、締切と予算がありますので、その制限の中で読者や視聴者に感動をしてもらうために(感動してもらわないと売り物にならない)、「死亡フラグ」のような手っ取り早い手法が重宝されるのだと思います。
ウミガメらしい因果関係とは、すぐには思いつかない&きちんとした因果関係を設定した上で、「因」の部分をベールで隠したものなのでは? と思いました。
ベールを剥がした時に、意外さと納得感が同時に襲ってくるような「因」。
SoMRさんが例題としてあげた問題は、いずれも納得感の高い因果関係が設定されていると感じます。
因果関係が物語の面白さを決める唯一の要素であるとはもちろん言いませんが、重要な要素ではあると思っています。
[16年11月29日 01:00]
低空飛行便[☆ラテペディア]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年11月29日 00:36]
ウミガメのスープを一つください。[16年11月29日 00:36]
[302674]SoMR[100問出題]
おお~すいまさん、ようこそいらっしゃいまし。読んで頂きありがとうございます!m(__)m
そうなんですよね~でも、自分で作るとなるとここまでパワーのある物語が作れないから、やっぱり掘り下げる系は作るのが難しいし盛り上げる技術が必要だと思います。難しくっても目指しはしたいですよね!
知人さん、ほほう、なんだかとてもディープな質問ですね笑
[16年11月26日 20:15]
おお~すいまさん、ようこそいらっしゃいまし。読んで頂きありがとうございます!m(__)m
そうなんですよね~でも、自分で作るとなるとここまでパワーのある物語が作れないから、やっぱり掘り下げる系は作るのが難しいし盛り上げる技術が必要だと思います。難しくっても目指しはしたいですよね!
知人さん、ほほう、なんだかとてもディープな質問ですね笑
[16年11月26日 20:15]
すいまさんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年11月26日 18:29]
[16年11月26日 18:29]
[302604]すいま
こんにちは。
このチャットルームはちょくちょく拝見していたのですが、とても勉強になります。
特に#14の主張は、ウミガメらしさ、というものの本質をついていると思います。質問をして掘り下げる楽しみがある問題の方が、参加した際にコミュニケーションとして面白い、と少ない経験ながら感じていました。
私もパワーのある物語が作れるようになりたいなー
限りなく余談ですが、知人に元祖ウミガメを出した際質問一発目が「もしかして主人公はウミガメ?」だったのにはビックリしました。いきなり本質を突かれたというか…
[16年11月26日 08:42]
こんにちは。
このチャットルームはちょくちょく拝見していたのですが、とても勉強になります。
特に#14の主張は、ウミガメらしさ、というものの本質をついていると思います。質問をして掘り下げる楽しみがある問題の方が、参加した際にコミュニケーションとして面白い、と少ない経験ながら感じていました。
私もパワーのある物語が作れるようになりたいなー
限りなく余談ですが、知人に元祖ウミガメを出した際質問一発目が「もしかして主人公はウミガメ?」だったのにはビックリしました。いきなり本質を突かれたというか…
[16年11月26日 08:42]
すいまさんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年11月26日 08:42]
ウミガメのスープを一つください。[16年11月26日 08:42]
[302535]SoMR[100問出題]
ゴトーさん
嬉しい反応ですね~。ありがとうございます。そもそも、下記の論調はゴトーさんが以前言われていた「真相のインパクト」という言葉に多分に影響を受けた考え方になっています。
余談ですがこういう主張をしたいときに元祖ウミガメのスープが“物語的”であることは虎の威を借る的ありがたみを感じます笑
[16年11月23日 12:28]
ゴトーさん
嬉しい反応ですね~。ありがとうございます。そもそも、下記の論調はゴトーさんが以前言われていた「真相のインパクト」という言葉に多分に影響を受けた考え方になっています。
余談ですがこういう主張をしたいときに元祖ウミガメのスープが“物語的”であることは虎の威を借る的ありがたみを感じます笑
[16年11月23日 12:28]
ゴトーレーベル[軍曹]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年11月22日 00:28]
[16年11月22日 00:28]
[302453]ゴトーレーベル[軍曹]
さすがですねー。
反論・補足の有無は別として、これに共感できる人が真の物語派だと言いたいです。
さて、どれくらい共感してくれる人がいるんだろう。
私はもちろん共感しました。
[16年11月22日 00:27]
さすがですねー。
反論・補足の有無は別として、これに共感できる人が真の物語派だと言いたいです。
さて、どれくらい共感してくれる人がいるんだろう。
私はもちろん共感しました。
[16年11月22日 00:27]
ゴトーレーベル[軍曹]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年11月22日 00:26]
ウミガメのスープを一つください。[16年11月22日 00:26]
[302352]SoMR[100問出題]
#14【伏線無しで「これしかない」】
改めて元祖ウミガメの問題文を見てみよう.
----
ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました。
しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼びました。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」
男は勘定を済ませ、帰宅した後、自殺をしました。
何故でしょう?
----
面白いなあと常々思うのは,「男に遭難したという過去がある」伏線が一切ない所.
この問題を誰に出しても「いや問題文でそんなの一切言ってないじゃん!」と文句を言われたことは無い.
つまり解説は「これしかな」く,伏線無しにして納得感は抜群なのだ.
この事実は面白いし,実に不思議である!
他にも核心に迫る伏線が少ない(く見える)問題もある.
---
『恋に朽ちなむ』(牛削りさん)
http://sui-hei.net/mvs/show/18216
[問題文]
ボクシング部のゴウキ先輩と両想いであることを知ったモエは、それゆえ急に、
明日の試合でゴウキ先輩が負けてしまうのではないかと不安になった。
どういうことだろう?
[解説(抜粋)]
【要約解説】
明日の試合で勝てるよう、手作りの御守りをプレゼントしたモエ。
中には愛のメッセージを入れておいたのだが、ゴウキ先輩はそれを試合前に開けて見てしまった。
御守りは開けてしまうとバチが当たるとよく言うので、モエは不安になった。
---
---
『失敗は成功の……』(ゴトーレーベルさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/18691
[問題文]
仕事で失敗続きのカメコ(23歳)。
それでも今日も自分の机に向かって仕事を開始!
さて、仕事が終わって、できた文書を隅から隅まで確認……
うん、まちがいない!今日の仕事はうまくいった!
そして、カメコは号泣した。
なぜ?
[解説]
カメコは若き霊媒師。
結婚したばかりの夫が戦地に赴き、そのまま行方不明となる。
生死不明の状態にある夫のことを心配するカメコは一計を案じる。
「自分が呼び出して、応えなければ夫はまだ生きている」
それから毎日夫を呼び出し、失敗したことで安堵する。
しかしある日。
霊媒から我に帰ったカメコは、机の上にある手紙を発見する。
それは降霊した夫が、自分の体を使って書いたもの。
戦地で隊からはぐれたこと。
これまで木の根を食べ、泥水をすすってなんとか生きてきたが、
ついに力尽きたこと。
それらが懐かしい筆跡で書いてあった。
「呼び出してくれてありがとう。
愛しています、私の分も幸せに。」
で締めくくられた手紙を読んで、ついに霊媒が成功してしまったカメコは
号泣したのだった。
---
どうだろう.この二つとも問題の核心への伏線が非常に少なく見えないだろうか?
それでいて二つの解説とも「これしかない!」である.
これは不思議だ.どういうことだろう?(問題スタートじゃないよ笑)
こう問題を並べてみると「伏線」はむしろ「納得感を高めるための言い訳」のような気もしてきてしまう.
(もちろん、極端な言い方をしている)
酷く粗い仮説だが,一つの問題文に対して色々な解説が考えられるが,
「解説を聞いた時,他に考えられる解説よりも図抜けて“面白い”」場合に「納得感が高くなる」という説はどうだろう?
「面白さ」はある種「納得感」と関係無い気がしてしまうが,3つの問題に関してはどうも関係あるような.
う~む,なんだろう.
これらは小手先の伏線に頼るのではなく,物語のパワーそのもので納得感と面白さを向上しているところは他の問題と一線を画していると思う.
むしろこのレベルの問題の場合は質問して掘り下げる楽しみが生まれて下手に伏線を入れない方が面白くなっているのではないか。
上述の問題の作者がどれだけ意識したかは分からないが,これらの場合は,入れないことで面白くなっているように思う.
言うまでもないがすべての問題にこのレベルの物語は無いわけで,そういう場合は「これしかない」にするように伏線を入れる必要がある.
というか小説,漫画,映画とかでは「質問」が無いために多分それがしにくいから,この「あえて伏線を入れない」楽しみ方ができるのはウミガメならではなのかもしれない.
ところで,最近のディズニーピクサーの作品は伏線が過激だと思っている.
物語前半で非常に細かい伏線をよく分かるように配備して,後半ちょっとづつ回収していく.
昔からこんなだっただろうか,と首をかしげるくらい最近は妙に多いと思う(というか間違いなく意識的に増やしている).
もちろん単純に面白いし良いんだけれど,
大げさに言えば自ら土器を埋めて自ら掘り当てているというか,小手先でやっているというか何というかな….
「話のあらすじだけで面白い」話か,というとそうでなくなっていると思うんです.
上述の三つの例を見ると,これは,間違いなく「話のあらすじだけで面白い」んです.
「あらすじだけで面白い」から,伏線なんていらないのだ.
逆に言えば伏線無しでが納得感が高いことがこれら物語の面白さを保証する役目を果たしていると言える。
しかも、ウミガメの場合は伏線を入れないことがゲーム性を増すこともある.
ウミガメはこの手の物語を語るに適した媒体なのかもしれない.
(いずれにせよ、この題材に関しては、まだまだよく分からないところばかりなので、研究途中。)
[16年11月19日 06:23]
#14【伏線無しで「これしかない」】
改めて元祖ウミガメの問題文を見てみよう.
----
ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました。
しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼びました。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」
男は勘定を済ませ、帰宅した後、自殺をしました。
何故でしょう?
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面白いなあと常々思うのは,「男に遭難したという過去がある」伏線が一切ない所.
この問題を誰に出しても「いや問題文でそんなの一切言ってないじゃん!」と文句を言われたことは無い.
つまり解説は「これしかな」く,伏線無しにして納得感は抜群なのだ.
この事実は面白いし,実に不思議である!
他にも核心に迫る伏線が少ない(く見える)問題もある.
---
『恋に朽ちなむ』(牛削りさん)
http://sui-hei.net/mvs/show/18216
[問題文]
ボクシング部のゴウキ先輩と両想いであることを知ったモエは、それゆえ急に、
明日の試合でゴウキ先輩が負けてしまうのではないかと不安になった。
どういうことだろう?
[解説(抜粋)]
【要約解説】
明日の試合で勝てるよう、手作りの御守りをプレゼントしたモエ。
中には愛のメッセージを入れておいたのだが、ゴウキ先輩はそれを試合前に開けて見てしまった。
御守りは開けてしまうとバチが当たるとよく言うので、モエは不安になった。
---
---
『失敗は成功の……』(ゴトーレーベルさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/18691
[問題文]
仕事で失敗続きのカメコ(23歳)。
それでも今日も自分の机に向かって仕事を開始!
さて、仕事が終わって、できた文書を隅から隅まで確認……
うん、まちがいない!今日の仕事はうまくいった!
そして、カメコは号泣した。
なぜ?
[解説]
カメコは若き霊媒師。
結婚したばかりの夫が戦地に赴き、そのまま行方不明となる。
生死不明の状態にある夫のことを心配するカメコは一計を案じる。
「自分が呼び出して、応えなければ夫はまだ生きている」
それから毎日夫を呼び出し、失敗したことで安堵する。
しかしある日。
霊媒から我に帰ったカメコは、机の上にある手紙を発見する。
それは降霊した夫が、自分の体を使って書いたもの。
戦地で隊からはぐれたこと。
これまで木の根を食べ、泥水をすすってなんとか生きてきたが、
ついに力尽きたこと。
それらが懐かしい筆跡で書いてあった。
「呼び出してくれてありがとう。
愛しています、私の分も幸せに。」
で締めくくられた手紙を読んで、ついに霊媒が成功してしまったカメコは
号泣したのだった。
---
どうだろう.この二つとも問題の核心への伏線が非常に少なく見えないだろうか?
それでいて二つの解説とも「これしかない!」である.
これは不思議だ.どういうことだろう?(問題スタートじゃないよ笑)
こう問題を並べてみると「伏線」はむしろ「納得感を高めるための言い訳」のような気もしてきてしまう.
(もちろん、極端な言い方をしている)
酷く粗い仮説だが,一つの問題文に対して色々な解説が考えられるが,
「解説を聞いた時,他に考えられる解説よりも図抜けて“面白い”」場合に「納得感が高くなる」という説はどうだろう?
「面白さ」はある種「納得感」と関係無い気がしてしまうが,3つの問題に関してはどうも関係あるような.
う~む,なんだろう.
これらは小手先の伏線に頼るのではなく,物語のパワーそのもので納得感と面白さを向上しているところは他の問題と一線を画していると思う.
むしろこのレベルの問題の場合は質問して掘り下げる楽しみが生まれて下手に伏線を入れない方が面白くなっているのではないか。
上述の問題の作者がどれだけ意識したかは分からないが,これらの場合は,入れないことで面白くなっているように思う.
言うまでもないがすべての問題にこのレベルの物語は無いわけで,そういう場合は「これしかない」にするように伏線を入れる必要がある.
というか小説,漫画,映画とかでは「質問」が無いために多分それがしにくいから,この「あえて伏線を入れない」楽しみ方ができるのはウミガメならではなのかもしれない.
ところで,最近のディズニーピクサーの作品は伏線が過激だと思っている.
物語前半で非常に細かい伏線をよく分かるように配備して,後半ちょっとづつ回収していく.
昔からこんなだっただろうか,と首をかしげるくらい最近は妙に多いと思う(というか間違いなく意識的に増やしている).
もちろん単純に面白いし良いんだけれど,
大げさに言えば自ら土器を埋めて自ら掘り当てているというか,小手先でやっているというか何というかな….
「話のあらすじだけで面白い」話か,というとそうでなくなっていると思うんです.
上述の三つの例を見ると,これは,間違いなく「話のあらすじだけで面白い」んです.
「あらすじだけで面白い」から,伏線なんていらないのだ.
逆に言えば伏線無しでが納得感が高いことがこれら物語の面白さを保証する役目を果たしていると言える。
しかも、ウミガメの場合は伏線を入れないことがゲーム性を増すこともある.
ウミガメはこの手の物語を語るに適した媒体なのかもしれない.
(いずれにせよ、この題材に関しては、まだまだよく分からないところばかりなので、研究途中。)
[16年11月19日 06:23]
[301062]SoMR[100問出題]
#13【憧れ(SPの記録)】
『憧れ』http://sui-hei.net/mondai/show/27653 は、牛削りさんにSPをやって頂いたもの。(ルームキー「牛削りさんとSoMR」)
もともと牛削りさんの「魔法の言葉」http://sui-hei.net/mondai/show/11942 が面白いと思っていたので、問題の構造をマネしてみようと考えたのが発端。
せっかくなので是非とも魔法の言葉作者本人にチェックして頂きたい,と牛削りさんにSPをお願いしたという形.
魔法の言葉に関して僕が面白く感じているところというのは,#8に書いたように
「子供のあるあるA」「大人のあるあるB」という二つのあるあるA,Bをかけ合わせて,
「あるあるB」のシーンを「あるあるA」のように見せかけているという仕掛け.
魔法の言葉の場合,それは「子供はニンジンが苦手」「レストランで自習中,席確保のためにニンジンを最後まで食べずに取っておく」にそれぞれ対応している.
あるあるAと見せかける事でそもそも登場人物の年齢設定をミスリードできるし,
文章上同じに見える状況でも年齢を変えただけでガラッと変わるシチュエーション自体が鑑賞してて楽しい.
ということでじゃあ二つあるあるを選ぼう,と,
「あるあるA」として「子供が行き先を考慮しないでカッコイイ電車に乗りたがる」,
「あるあるB」として「一人暮らしの男が実家方向の電車に乗りたいと思う」を持ってくる事にした.
僕はこの時点で書きようによっては互いに別な行動に見えるこのA,Bを出せば殆ど完成と勘違いをしていたので,
今思えば強引に組み合わせてできたのが次の問題文.
---
[問題文]
ラテ駅のホームに最新型急行電車『LT-5000系』と、
ごく普通の鈍行電車『ら-3000系』が同時に入ってくる。
亀田カメオはカッコイイLT-5000に大はしゃぎで乗り込む男の子を見て、
「いいなあ、僕も乗りたいなあ」
と思ったが、
ハンバーグの材料が入ったスーパーの袋を両手に下げているお母さんが
「あなたの家はそっちじゃないでしょ」
と言う。
泣く泣く我慢して、ら-3000に乗ったので、
カメオの晩御飯はカップラーメンになった。
何故だろう?
[解説]
【要約】カメオは数年前に実家を離れ、一人暮らしをしている。
会社近くのラテ駅のホームでは片側が実家の方面行き、逆側が一人暮らしの家の方面行きである。
会社で上司に怒られた帰り、ラテ駅のホームに実家方面に向かう最新型電車と、一人暮らしの家の方面に向かう電車が同時に入ってきた。
ふと実家が恋しくなったカメオは実家方面に向かう電車に乗りたい気持ちが高まるも、
自分を励ます母親の顔と声が脳裏に浮かんだ。
実家に帰って親に心配をかけてはいけないと思うと同時に、しっかりせねば、と一人暮らしの家の方面行きの電車に乗って帰った。
誘惑に負けて実家に変えれば母親のハンバーグが食べれたかもしれないが、
料理の出来ないカメオは一人家でカップラーメンをすするのである。
---
これは欲張って「夕飯の買い物にお母さんと一緒に来ていて,帰り道でワガママを言っている」というシチュエーションのミスリードを盛り込んでいる.
牛削りさんに指摘されたように「母親が言っていない」のに,「母親が言っている」と記述しているところが明らかに問題.
僕はドラマ等の演出でよく見るからいいや~と雑に考えていたのだが,これは×.
この時に牛削りさんに言われた言葉を引用しておく.
--<引用始まり>--
「問題文で嘘をついてはいけない」は厳密には嘘で、嘘をついていい場合があると思っています。
「その嘘がつかれた状況が一般的」であり、「その嘘が一般的な比喩表現などである場合」です。
--<引用終わり>--
この時に,入れ子さんの『降雪魔法「トビラツケカエ」』(http://sui-hei.net/mondai/show/26295)をアリの例として出されていた.
許可を頂いたので引用しておこう.
--<引用始まり>--
『降雪魔法「トビラツケカエ」』(入れ子さん)(http://sui-hei.net/mondai/show/26295)
[問題文]
Aさんが家の左開きの玄関扉を右開きにしてまた左開きに戻すと
雪が降った。
一体どういうこと?
[解説]
Aさんはスノードームで遊んでいたのだ。
スノードームをひっくり返して元に戻すと舞い上がった白い粒がゆっくり落ちて雪が降っているように見える。
このときスノードーム内の飾りとして置いてある家の扉は挿絵の通りに左右が反転して開く側が逆になるので問題文のような状況が起こるのだ。
--<引用終わり>--
で,これに対する牛削りさんの解説が,
--<引用始まり>--
この問題では、問題文にある「雪が降った」は厳密には嘘です。本当は、「雪を模した紙切れが降った」です。
しかしスノードームの中で紙切れが舞うというのはスノードームの定義の一部といっていい特徴であり、
この現象は一般的といっていいでしょう。
かつ、その紙切れを雪と表現するのも、そもそもスノードームという名称に「スノー」が使われているということもあり、
一般的といえます。よってこの嘘は許容されていいでしょう。
--<引用終わり>--
おおなるほど,スノードームの雪は一般的に多くの人が「雪が降る」という表現するから,OK,
なるほど.これはいい判断基準.
それに比べて上述の初期案の「母親が言った」はこの基準だとアウトになりそう.
このシーンを小説にしたとしてもせいぜい「母親が言っていたような気がした」だろうか.
小説に「母親が言った」を使ってしまったらまさにそれこそミスリードを生んでしまう.
もちろんそういう書き方もできるだろうが,それはむしろミスリードが絶対生まれない状況でしか用いられないはず.
ということでここは直す必要がある.
非常に雑に「言った」を直した問題文がコチラ
----
[問題文]
ラテ駅のホームに最新型急行電車『LT-5000系』と、
ごく普通の鈍行電車『ら-3000系』が同時に入ってくる。
亀田カメオはカッコイイ『LT-5000系』に大はしゃぎで乗り込む男の子を見て、
「いいなあ、僕も乗りたいなあ」
と思ったが、
夕食のハンバーグを作っているであろうお母さんの事を思い出すと、泣く泣く我慢し『ら-3000系』に乗った。
カメオの晩御飯はカップラーメンになった。
何故だろう?
----
「言った」→「思い出した」と取って付けたような修正.
すると,
「夕食のハンバーグを作っているであろうお母さんの事を思い出すと、泣く泣く我慢し『ら-3000系』に乗った。
カメオの晩御飯はカップラーメンになった。」
↑ココを,「仕事に疲れたサラリーマンが実家に帰りたいと思うが、やはり考え直す」というシチュエーションとして、
もっと頑張ればより一般的かつ面白い事象が生み出せるのではないか,
と提案される.
確かに,「言った」も「思い出した」も結局心理当て.
「納得感」を向上させるには「一般的な事象」というものが重要とのこと.
なるほど,つまり
「この物語のカメオがたまたまこういう性質を持っているから(親,を思い出して「実家に帰るなんて,弱い心じゃダメだ」と思い直るという性格を持っている)
成立する物語,ではなくて,
『誰がカメオの立場であっても』成り立つ解説」
でないと納得感は生まれない,という事だと僕は解釈.
ああ,そうだ,これは#1にも通じるところがある.ゴトーさんとのSPの反省を生かせてなかった….
だから「心理当て」と言われる問題は難しいし,納得感が出にくいんだ.
ということで,「一般的」をキーワードに「カメオが帰らざるを得なかったシチュエーション」を考えていく.
心理的な理由でないもので….
意外とそれは苦しくて、思いつくままに候補を書いていったらワケワカラン案が大量にできるだけ。
(チャットルーム参照)
うーん、困った、家に帰らなければいけない…という状況って何…?
家族がいればいくらでも理由はあろうが、
僕自身一人暮らしだけど全くといって家にいなければいけない状況が思い付かない。
数日頭を抱えてふと思い返すと唯一あった。
宅配便だ。
自分はAmazon→不在通知ポストへ→電話して都合のいい時間連絡
というのをよくやる。
あーこれしかない!
(というより他に思い付かない)
という事でじゃあ誰からの宅配便…というのは、
フレイバー的に母親の仕送りしかないだろう、
では時間指定便で今日家に帰って受け取らねばならないだろう、
という感じの流れで出来たのがコレ
---
ラテ駅のホームに最新型急行電車『LT-5000系』と、
ごく普通の鈍行電車『ら-3000系』が同時に入ってくる。
亀田カメオはカッコイイ『LT-5000系』に大はしゃぎで乗り込む男の子を見て、
「いいなあ、僕も乗りたいなあ」
と思ったが、
母親が数日前に高級レトルトカレーを沢山購入した事を思い出したので、泣く泣く我慢して『ら-3000系』に乗り帰宅した。
『LT-5000系』に乗って家に帰る事も出来たのだが、その場合母親はカメオにレトルトカレーを食べさせなかっただろう。
一体どうして?
---
最後の「食べさせなかった」はちょっと技巧を凝らそうと調子に乗っていて、
もし実家に帰ってたら「レトルトカレー」じゃなくて「普通の手作りカレー」が出てきただろう、という意味。
さすがにちょっとぎこちない…
という事で牛削りさんに修正してもらった完成版がコレ。
タイトルも、当初はシブい感じがカッチョイイ、と「その電車に乗りたい」にしていたのだが、
騙そうとする感がビンビン、との事で「憧れ」というものを提案して頂く。
--完成版ココから--
タイトル:憧れ
[問題文]
ラテ駅のホームに最新型急行電車『LT-5000系』と、
ごく普通の鈍行電車『ら-3000系』が同時に入ってくる。
亀田カメオはカッコイイ『LT-5000系』に大はしゃぎで乗り込む男の子を見て、
「いいなあ、僕も乗りたいなあ」
と思った。
『LT-5000系』に乗って家に帰る事も出来たのだが、
結局彼が『ら-3000系』で帰宅することにしたのは、
母親が数日前に高級レトルトカレーを沢山購入した事を思い出したからだという。
いったいどういうことだろう?
[解説]
カメオは就職以来実家を離れ、都会で一人暮らしをしている。
「ウミ駅(カメオの実家がある)」--(数時間)--「ラテ駅(会社がある)」--「シン駅(一人暮らしのカメオの家がある)」
という具合に、ウミ駅とシン駅は長距離ながらラテ駅を挟んで一本の路線で繋がっている位置関係であり、
普段カメオはラテ駅とシン駅を往復している。
カメオは最近、上司に怒られてばかり。
何をやってもうまくいかない。
おまけに友達付き合いも恋愛もうまくいかない。
会社帰り、肩を落としてとぼとぼラテ駅の改札を抜けるカメオ。
ラテ駅のホームは一つ、片側が一人暮らしの自分の家があるシン駅方面行き、もう片側が逆方面行きである。
電光掲示板を見上げる。
(次のシン駅行きの電車は…5分後か…)
ふとその隣の表示が目に入る。
同じく5分後に「ウミ駅行き」の表示。
(帰りてぇなあ…)
カメオは最近のうまくいかない自分を考えてため息をついた。
「電車が参ります…黄色い線の内側まで…」
シン駅方面の電車『ら-3000系』とウミ駅方面の電車『LT-5000系』が同時に入ってくる。
ウミ駅行きの電車『LT-5000系』にはしゃぎながら両親の手を引き乗り込む子供を見て自分の幼い頃を思い出す。
自分も小さな頃、お父さんの大きい手、お母さんのやさしい手を両手に掴んで…。
(羨ましい…僕もこれに乗ってウミ駅に帰りたい…
慣れ親しんだ実家…
家に帰ればお母さんの温かい料理が食べられる…
あったかい布団で寝て…
幸せだ…
そうだ、今乗ればギリギリまだ間に合う。
それに、明日朝一番でウミ駅を出れば会社には間に合う。
ちょっと帰って…英気を養って…)
プルルルルルルル…
電車の発射ベルが鳴る。
カメオはウミ駅行きの車両に足を一歩進める。
その時、ふと数日前の母親からの連絡を思い出す。
#b#「ちゃんとご飯食べてる?あんたの好きだった高級レトルトカレーを沢山買ったから送るよ。いつなら受け取れる?」#/b#
それは自分を心配している母親からの仕送りを送るという連絡であった。
結局それは時間指定便で今晩、一人暮らしの家に届く手はずになっていた。
#b#(…今日は真っ直ぐ家に帰って宅配便を受け取ってサインをしなければならない…)#/b#
カメオは唇をかみ涙を堪えながらくるっと踵を返し、
ウミ駅行きの電車『LT-5000系』に背中を向け、“自分の家”行きの電車『ら-3000系』に向かって行った。
その夜、カメオは母親の送ってくれたレトルトカレーを食べていた。
レトルトながらそれは奇妙にも「母の味」であった。
故郷を懐かしむと同時に、都会に憧れていたあの頃の気持ちを思い出す。
カメオは明日も頑張らねばと思った。
----
【要約】カメオは数年前に実家を離れ、一人暮らしをしている。
会社近くのラテ駅のホームは、片側が実家の方面行き、逆側が一人暮らしの家の方面行きとなっている。
会社で上司に怒られた帰り、ラテ駅のホームに実家方面に向かう最新型電車『LT-5000系』と、一人暮らしの家の方面に向かう電車『ら-3000系』が同時に入ってきた。
ふと実家が恋しくなったカメオは実家方面に向かう電車に乗りたい気持ちが高まるも、
先日母親から
#b#「ちゃんとご飯食べてる?あんたの好きだった高級レトルトカレーを沢山買ったから送るよ。いつなら受け取れる?」#/b#
という連絡があった事を思い出した。
結局その仕送りは時間指定便で今晩届く事になっていたので、
#b#今日はまっすぐ一人暮らしの家に帰って、宅配にサインをしなければならない。#/b#
カメオは実家へ進んでいく『LT-5000系』に後ろ髪を惹かれながら『ら-3000系』に乗り込み、自分の家に帰っていった。
--完成版ココまで--
うおー、一個手前と比較してとてもスッキリまとまっている!わーい完成だー!
そして、無事出題も終え、それなりに謎に感じて欲しいところは謎に感じてもらえた(たぶん)ので、
ウッシッシ、
…とまあこんな感じでした。
全体的に、物語要素と問題要素がバランス良く出来上がって非常に満足。(ほとんど、牛削りさんのお陰ですが。)
本気で作っただけあってこれまで出題した問題の中では一番上等なものになったはず。
なんと言っても物語的に一番やりたいものが出せた。
とても勉強になったし、いい物も作れて、実に素晴らしい作問期間でした。
今回の最も強い教訓を忘れないように改めて書いておこう。
( 'ω'o[「一般的」かどうかを考えよ!]o←墨で習字している。
[16年10月31日 18:10]
#13【憧れ(SPの記録)】
『憧れ』http://sui-hei.net/mondai/show/27653 は、牛削りさんにSPをやって頂いたもの。(ルームキー「牛削りさんとSoMR」)
もともと牛削りさんの「魔法の言葉」http://sui-hei.net/mondai/show/11942 が面白いと思っていたので、問題の構造をマネしてみようと考えたのが発端。
せっかくなので是非とも魔法の言葉作者本人にチェックして頂きたい,と牛削りさんにSPをお願いしたという形.
魔法の言葉に関して僕が面白く感じているところというのは,#8に書いたように
「子供のあるあるA」「大人のあるあるB」という二つのあるあるA,Bをかけ合わせて,
「あるあるB」のシーンを「あるあるA」のように見せかけているという仕掛け.
魔法の言葉の場合,それは「子供はニンジンが苦手」「レストランで自習中,席確保のためにニンジンを最後まで食べずに取っておく」にそれぞれ対応している.
あるあるAと見せかける事でそもそも登場人物の年齢設定をミスリードできるし,
文章上同じに見える状況でも年齢を変えただけでガラッと変わるシチュエーション自体が鑑賞してて楽しい.
ということでじゃあ二つあるあるを選ぼう,と,
「あるあるA」として「子供が行き先を考慮しないでカッコイイ電車に乗りたがる」,
「あるあるB」として「一人暮らしの男が実家方向の電車に乗りたいと思う」を持ってくる事にした.
僕はこの時点で書きようによっては互いに別な行動に見えるこのA,Bを出せば殆ど完成と勘違いをしていたので,
今思えば強引に組み合わせてできたのが次の問題文.
---
[問題文]
ラテ駅のホームに最新型急行電車『LT-5000系』と、
ごく普通の鈍行電車『ら-3000系』が同時に入ってくる。
亀田カメオはカッコイイLT-5000に大はしゃぎで乗り込む男の子を見て、
「いいなあ、僕も乗りたいなあ」
と思ったが、
ハンバーグの材料が入ったスーパーの袋を両手に下げているお母さんが
「あなたの家はそっちじゃないでしょ」
と言う。
泣く泣く我慢して、ら-3000に乗ったので、
カメオの晩御飯はカップラーメンになった。
何故だろう?
[解説]
【要約】カメオは数年前に実家を離れ、一人暮らしをしている。
会社近くのラテ駅のホームでは片側が実家の方面行き、逆側が一人暮らしの家の方面行きである。
会社で上司に怒られた帰り、ラテ駅のホームに実家方面に向かう最新型電車と、一人暮らしの家の方面に向かう電車が同時に入ってきた。
ふと実家が恋しくなったカメオは実家方面に向かう電車に乗りたい気持ちが高まるも、
自分を励ます母親の顔と声が脳裏に浮かんだ。
実家に帰って親に心配をかけてはいけないと思うと同時に、しっかりせねば、と一人暮らしの家の方面行きの電車に乗って帰った。
誘惑に負けて実家に変えれば母親のハンバーグが食べれたかもしれないが、
料理の出来ないカメオは一人家でカップラーメンをすするのである。
---
これは欲張って「夕飯の買い物にお母さんと一緒に来ていて,帰り道でワガママを言っている」というシチュエーションのミスリードを盛り込んでいる.
牛削りさんに指摘されたように「母親が言っていない」のに,「母親が言っている」と記述しているところが明らかに問題.
僕はドラマ等の演出でよく見るからいいや~と雑に考えていたのだが,これは×.
この時に牛削りさんに言われた言葉を引用しておく.
--<引用始まり>--
「問題文で嘘をついてはいけない」は厳密には嘘で、嘘をついていい場合があると思っています。
「その嘘がつかれた状況が一般的」であり、「その嘘が一般的な比喩表現などである場合」です。
--<引用終わり>--
この時に,入れ子さんの『降雪魔法「トビラツケカエ」』(http://sui-hei.net/mondai/show/26295)をアリの例として出されていた.
許可を頂いたので引用しておこう.
--<引用始まり>--
『降雪魔法「トビラツケカエ」』(入れ子さん)(http://sui-hei.net/mondai/show/26295)
[問題文]
Aさんが家の左開きの玄関扉を右開きにしてまた左開きに戻すと
雪が降った。
一体どういうこと?
[解説]
Aさんはスノードームで遊んでいたのだ。
スノードームをひっくり返して元に戻すと舞い上がった白い粒がゆっくり落ちて雪が降っているように見える。
このときスノードーム内の飾りとして置いてある家の扉は挿絵の通りに左右が反転して開く側が逆になるので問題文のような状況が起こるのだ。
--<引用終わり>--
で,これに対する牛削りさんの解説が,
--<引用始まり>--
この問題では、問題文にある「雪が降った」は厳密には嘘です。本当は、「雪を模した紙切れが降った」です。
しかしスノードームの中で紙切れが舞うというのはスノードームの定義の一部といっていい特徴であり、
この現象は一般的といっていいでしょう。
かつ、その紙切れを雪と表現するのも、そもそもスノードームという名称に「スノー」が使われているということもあり、
一般的といえます。よってこの嘘は許容されていいでしょう。
--<引用終わり>--
おおなるほど,スノードームの雪は一般的に多くの人が「雪が降る」という表現するから,OK,
なるほど.これはいい判断基準.
それに比べて上述の初期案の「母親が言った」はこの基準だとアウトになりそう.
このシーンを小説にしたとしてもせいぜい「母親が言っていたような気がした」だろうか.
小説に「母親が言った」を使ってしまったらまさにそれこそミスリードを生んでしまう.
もちろんそういう書き方もできるだろうが,それはむしろミスリードが絶対生まれない状況でしか用いられないはず.
ということでここは直す必要がある.
非常に雑に「言った」を直した問題文がコチラ
----
[問題文]
ラテ駅のホームに最新型急行電車『LT-5000系』と、
ごく普通の鈍行電車『ら-3000系』が同時に入ってくる。
亀田カメオはカッコイイ『LT-5000系』に大はしゃぎで乗り込む男の子を見て、
「いいなあ、僕も乗りたいなあ」
と思ったが、
夕食のハンバーグを作っているであろうお母さんの事を思い出すと、泣く泣く我慢し『ら-3000系』に乗った。
カメオの晩御飯はカップラーメンになった。
何故だろう?
----
「言った」→「思い出した」と取って付けたような修正.
すると,
「夕食のハンバーグを作っているであろうお母さんの事を思い出すと、泣く泣く我慢し『ら-3000系』に乗った。
カメオの晩御飯はカップラーメンになった。」
↑ココを,「仕事に疲れたサラリーマンが実家に帰りたいと思うが、やはり考え直す」というシチュエーションとして、
もっと頑張ればより一般的かつ面白い事象が生み出せるのではないか,
と提案される.
確かに,「言った」も「思い出した」も結局心理当て.
「納得感」を向上させるには「一般的な事象」というものが重要とのこと.
なるほど,つまり
「この物語のカメオがたまたまこういう性質を持っているから(親,を思い出して「実家に帰るなんて,弱い心じゃダメだ」と思い直るという性格を持っている)
成立する物語,ではなくて,
『誰がカメオの立場であっても』成り立つ解説」
でないと納得感は生まれない,という事だと僕は解釈.
ああ,そうだ,これは#1にも通じるところがある.ゴトーさんとのSPの反省を生かせてなかった….
だから「心理当て」と言われる問題は難しいし,納得感が出にくいんだ.
ということで,「一般的」をキーワードに「カメオが帰らざるを得なかったシチュエーション」を考えていく.
心理的な理由でないもので….
意外とそれは苦しくて、思いつくままに候補を書いていったらワケワカラン案が大量にできるだけ。
(チャットルーム参照)
うーん、困った、家に帰らなければいけない…という状況って何…?
家族がいればいくらでも理由はあろうが、
僕自身一人暮らしだけど全くといって家にいなければいけない状況が思い付かない。
数日頭を抱えてふと思い返すと唯一あった。
宅配便だ。
自分はAmazon→不在通知ポストへ→電話して都合のいい時間連絡
というのをよくやる。
あーこれしかない!
(というより他に思い付かない)
という事でじゃあ誰からの宅配便…というのは、
フレイバー的に母親の仕送りしかないだろう、
では時間指定便で今日家に帰って受け取らねばならないだろう、
という感じの流れで出来たのがコレ
---
ラテ駅のホームに最新型急行電車『LT-5000系』と、
ごく普通の鈍行電車『ら-3000系』が同時に入ってくる。
亀田カメオはカッコイイ『LT-5000系』に大はしゃぎで乗り込む男の子を見て、
「いいなあ、僕も乗りたいなあ」
と思ったが、
母親が数日前に高級レトルトカレーを沢山購入した事を思い出したので、泣く泣く我慢して『ら-3000系』に乗り帰宅した。
『LT-5000系』に乗って家に帰る事も出来たのだが、その場合母親はカメオにレトルトカレーを食べさせなかっただろう。
一体どうして?
---
最後の「食べさせなかった」はちょっと技巧を凝らそうと調子に乗っていて、
もし実家に帰ってたら「レトルトカレー」じゃなくて「普通の手作りカレー」が出てきただろう、という意味。
さすがにちょっとぎこちない…
という事で牛削りさんに修正してもらった完成版がコレ。
タイトルも、当初はシブい感じがカッチョイイ、と「その電車に乗りたい」にしていたのだが、
騙そうとする感がビンビン、との事で「憧れ」というものを提案して頂く。
--完成版ココから--
タイトル:憧れ
[問題文]
ラテ駅のホームに最新型急行電車『LT-5000系』と、
ごく普通の鈍行電車『ら-3000系』が同時に入ってくる。
亀田カメオはカッコイイ『LT-5000系』に大はしゃぎで乗り込む男の子を見て、
「いいなあ、僕も乗りたいなあ」
と思った。
『LT-5000系』に乗って家に帰る事も出来たのだが、
結局彼が『ら-3000系』で帰宅することにしたのは、
母親が数日前に高級レトルトカレーを沢山購入した事を思い出したからだという。
いったいどういうことだろう?
[解説]
カメオは就職以来実家を離れ、都会で一人暮らしをしている。
「ウミ駅(カメオの実家がある)」--(数時間)--「ラテ駅(会社がある)」--「シン駅(一人暮らしのカメオの家がある)」
という具合に、ウミ駅とシン駅は長距離ながらラテ駅を挟んで一本の路線で繋がっている位置関係であり、
普段カメオはラテ駅とシン駅を往復している。
カメオは最近、上司に怒られてばかり。
何をやってもうまくいかない。
おまけに友達付き合いも恋愛もうまくいかない。
会社帰り、肩を落としてとぼとぼラテ駅の改札を抜けるカメオ。
ラテ駅のホームは一つ、片側が一人暮らしの自分の家があるシン駅方面行き、もう片側が逆方面行きである。
電光掲示板を見上げる。
(次のシン駅行きの電車は…5分後か…)
ふとその隣の表示が目に入る。
同じく5分後に「ウミ駅行き」の表示。
(帰りてぇなあ…)
カメオは最近のうまくいかない自分を考えてため息をついた。
「電車が参ります…黄色い線の内側まで…」
シン駅方面の電車『ら-3000系』とウミ駅方面の電車『LT-5000系』が同時に入ってくる。
ウミ駅行きの電車『LT-5000系』にはしゃぎながら両親の手を引き乗り込む子供を見て自分の幼い頃を思い出す。
自分も小さな頃、お父さんの大きい手、お母さんのやさしい手を両手に掴んで…。
(羨ましい…僕もこれに乗ってウミ駅に帰りたい…
慣れ親しんだ実家…
家に帰ればお母さんの温かい料理が食べられる…
あったかい布団で寝て…
幸せだ…
そうだ、今乗ればギリギリまだ間に合う。
それに、明日朝一番でウミ駅を出れば会社には間に合う。
ちょっと帰って…英気を養って…)
プルルルルルルル…
電車の発射ベルが鳴る。
カメオはウミ駅行きの車両に足を一歩進める。
その時、ふと数日前の母親からの連絡を思い出す。
#b#「ちゃんとご飯食べてる?あんたの好きだった高級レトルトカレーを沢山買ったから送るよ。いつなら受け取れる?」#/b#
それは自分を心配している母親からの仕送りを送るという連絡であった。
結局それは時間指定便で今晩、一人暮らしの家に届く手はずになっていた。
#b#(…今日は真っ直ぐ家に帰って宅配便を受け取ってサインをしなければならない…)#/b#
カメオは唇をかみ涙を堪えながらくるっと踵を返し、
ウミ駅行きの電車『LT-5000系』に背中を向け、“自分の家”行きの電車『ら-3000系』に向かって行った。
その夜、カメオは母親の送ってくれたレトルトカレーを食べていた。
レトルトながらそれは奇妙にも「母の味」であった。
故郷を懐かしむと同時に、都会に憧れていたあの頃の気持ちを思い出す。
カメオは明日も頑張らねばと思った。
----
【要約】カメオは数年前に実家を離れ、一人暮らしをしている。
会社近くのラテ駅のホームは、片側が実家の方面行き、逆側が一人暮らしの家の方面行きとなっている。
会社で上司に怒られた帰り、ラテ駅のホームに実家方面に向かう最新型電車『LT-5000系』と、一人暮らしの家の方面に向かう電車『ら-3000系』が同時に入ってきた。
ふと実家が恋しくなったカメオは実家方面に向かう電車に乗りたい気持ちが高まるも、
先日母親から
#b#「ちゃんとご飯食べてる?あんたの好きだった高級レトルトカレーを沢山買ったから送るよ。いつなら受け取れる?」#/b#
という連絡があった事を思い出した。
結局その仕送りは時間指定便で今晩届く事になっていたので、
#b#今日はまっすぐ一人暮らしの家に帰って、宅配にサインをしなければならない。#/b#
カメオは実家へ進んでいく『LT-5000系』に後ろ髪を惹かれながら『ら-3000系』に乗り込み、自分の家に帰っていった。
--完成版ココまで--
うおー、一個手前と比較してとてもスッキリまとまっている!わーい完成だー!
そして、無事出題も終え、それなりに謎に感じて欲しいところは謎に感じてもらえた(たぶん)ので、
ウッシッシ、
…とまあこんな感じでした。
全体的に、物語要素と問題要素がバランス良く出来上がって非常に満足。(ほとんど、牛削りさんのお陰ですが。)
本気で作っただけあってこれまで出題した問題の中では一番上等なものになったはず。
なんと言っても物語的に一番やりたいものが出せた。
とても勉強になったし、いい物も作れて、実に素晴らしい作問期間でした。
今回の最も強い教訓を忘れないように改めて書いておこう。
( 'ω'o[「一般的」かどうかを考えよ!]o←墨で習字している。
[16年10月31日 18:10]
[300723]SoMR[100問出題]
#12【カイジの沼で学ぶ伏線隠し】
物凄くファンというわけでもないのだが、ギャンブル漫画「カイジ」シリーズは一通り読んだことがある。心理戦描写がメインの漫画であるが、その中の「沼」編は他の話と一線を画しており、ちょっと違う作られ方をしていて僕は結構好き。
---以下漫画のネタバレを含みます---
一条聖也の経営する裏カジノの極悪非道パチンコ「沼」に挑む事になったカイジ。
「沼」編はおおまかに
①坂崎というオッサンがカイジに沼攻略のイカサマ協力を要請
→②坂崎,沼挑戦.カイジもイカサマ加担,が,うまく行かず大失敗(沼の攻略不可能さを説明、またその仕掛け、一条側のイカサマについて明らかにする)
→③そこで知った一条のイカサマ攻略のために事前に策を巡らす
→④いざ、決戦,勝利.
という筋書き。
題材はパチンコという邪道なものだが、
ストーリー展開は物語を作る上での演出のお手本にすべき王道そのもの。
恐らくは物語開始時から全てのストーリーを決定していて、序盤から細かい伏線を張り巡らせまくって、ゴールに向かってゆっくりと進行していく構成が読んでて非常に爽快感がある。
そんな「沼」の中で登場した職人芸的な「伏線の隠し方」を紹介。
「沼」は羽物といわれるパチンコの形式で,玉が「大当たり」の穴に一球でも入れば何億もの大金が手に入るというモノ.
ところが上記②の時にそれが普通にやっては物理的に不可能な作りをしていることが次々と明るみに出る.
その一つが,「沼の設置してある床が少し傾いていて,玉が重力に逆らいでもしない限り,坂の上にある大当たりの穴には入らない」
というもの.
カイジはそれに目ざとく気づき,最終的にはなんと裏カジノがあるビルごと床の傾きと逆方向に傾けるという大技を使い,これを攻略する事になる.
何故カイジはそれに気づいたかというと,
②で坂崎が大負けしたとき,倒れたはずみにパチンコ玉(ちなみに1玉4000円!)がドル箱からこぼれ落ち,床を転がった.
そこへ支配人・一条が登場,その玉を拾い,「まだ負けではないですよ,諦めず頑張ってください」(もちろんこれは偽りの応援なわけだが)
と言いながら坂崎のドル箱にこぼれた玉を戻すというシーンがあったのだが,
これを③の頃にカイジは思い出したのだ.
「転がり方も不自然だったし,一条ほどのプライドの高い男がわざわざ玉を拾うのはおかしい.そんなものは部下に任せるはずだ.」と.
カイジはそんな床の傾き疑念を確信に変えるべく一計を案じる.
坂崎が負けた時の残っていた玉の中で換金し損ねていた1玉をカジノ事務所に持っていき,
「換金してくれ」と言いながら一条や部下の前で床に落とした.
一条は玉を目で追うだけで動こうとはしない.
「換金してやれ」と部下に命じ,部下にその玉を拾わせたのだ.
これを見てカイジは,
「一条があの時玉を拾ったのは,床の傾きがバレぬように素早く拾わねばならなかったからだ」
と床の傾きトリックを確信.
このような具合でカイジはビルを傾けることに策をめぐらすことになる…
この上述の、カイジが「坂崎が負けた時,パチンコ玉がドル箱からこぼれ落ち,床を転がり,一条がそれを拾った」事を思い出すシーン、というのはもちろん,
何話も前の「坂崎が負けた時,パチンコ玉がドル箱からこぼれ落ち,床を転がり,一条がそれを拾った」シーンが回想として再掲されているのであるが,
その時よく見ると確かに「床の傾きによって玉が転がっている」事が強調して表現されていた事に気づく.
なんと3コマにも渡って「玉が転がっている」という状況が描かれているのだ.
「あ~気づいてなかった!」となるわけだが,何故読者は一回目のそのシーンの時に玉の転がりの違和感に気づけないのか?
玉の転がりを3コマで表現なんて,ある種不自然極まりない描写なはずだが…
その「伏線の匂い」を見事に消しているのが以下のような「一条の登場演出」である.
パチンコ玉コロコロ1コマ→コロコロ1コマ→コロコロ1コマ
→パチンコ玉が転がった先に一条の足が見切れる1コマ
→パチンコ玉は足下へ、一条、しゃがんでパチンコ玉を拾う。(顔より下のみ見えている)
→次のページ一面一条全身のカット。(初登場シーン)
そう!この床傾き玉コロコロ伏線は、映画的悪役登場演出に吸収させてしまっているのだ!
映画やドラマでカメラの目線の動きを、何か別な物体の動きに合わせて動かす手法はしばしば見られる(飛び行く昆虫、散った花や帽子が風に乗って飛んで行く、などなど)。
モデルやスターが足から徐々に上半身へ画面が移動→全身のカットというカメラワークも一般的だ。
飼い慣らされた我々はこの一条登場シーンを単なるこれらの演出の組み合わせと無意識に思い込んでしまうのだ。
伏線を意図的に入れる、というのはどうしても不自然を生んでしまうが、この例ではさもそれが伏線でないような顔をしながら別の役割を与える事で、不自然さを消して伏線の匂いを消すことに成功している。
ウミガメでも絶対に使える技だと思う。
しかもウミガメの場合は短い問題文が良しとされているから、余計な要素を入れるとすぐに不自然が生じてしまう。
そこでこの演出吸収手法である。
#7の例にも通じるところがあるかもね。
うむ、問題、演出に必要な要素、と見せながら伏線を張ってみよう。
[16年10月27日 12:26]
#12【カイジの沼で学ぶ伏線隠し】
物凄くファンというわけでもないのだが、ギャンブル漫画「カイジ」シリーズは一通り読んだことがある。心理戦描写がメインの漫画であるが、その中の「沼」編は他の話と一線を画しており、ちょっと違う作られ方をしていて僕は結構好き。
---以下漫画のネタバレを含みます---
一条聖也の経営する裏カジノの極悪非道パチンコ「沼」に挑む事になったカイジ。
「沼」編はおおまかに
①坂崎というオッサンがカイジに沼攻略のイカサマ協力を要請
→②坂崎,沼挑戦.カイジもイカサマ加担,が,うまく行かず大失敗(沼の攻略不可能さを説明、またその仕掛け、一条側のイカサマについて明らかにする)
→③そこで知った一条のイカサマ攻略のために事前に策を巡らす
→④いざ、決戦,勝利.
という筋書き。
題材はパチンコという邪道なものだが、
ストーリー展開は物語を作る上での演出のお手本にすべき王道そのもの。
恐らくは物語開始時から全てのストーリーを決定していて、序盤から細かい伏線を張り巡らせまくって、ゴールに向かってゆっくりと進行していく構成が読んでて非常に爽快感がある。
そんな「沼」の中で登場した職人芸的な「伏線の隠し方」を紹介。
「沼」は羽物といわれるパチンコの形式で,玉が「大当たり」の穴に一球でも入れば何億もの大金が手に入るというモノ.
ところが上記②の時にそれが普通にやっては物理的に不可能な作りをしていることが次々と明るみに出る.
その一つが,「沼の設置してある床が少し傾いていて,玉が重力に逆らいでもしない限り,坂の上にある大当たりの穴には入らない」
というもの.
カイジはそれに目ざとく気づき,最終的にはなんと裏カジノがあるビルごと床の傾きと逆方向に傾けるという大技を使い,これを攻略する事になる.
何故カイジはそれに気づいたかというと,
②で坂崎が大負けしたとき,倒れたはずみにパチンコ玉(ちなみに1玉4000円!)がドル箱からこぼれ落ち,床を転がった.
そこへ支配人・一条が登場,その玉を拾い,「まだ負けではないですよ,諦めず頑張ってください」(もちろんこれは偽りの応援なわけだが)
と言いながら坂崎のドル箱にこぼれた玉を戻すというシーンがあったのだが,
これを③の頃にカイジは思い出したのだ.
「転がり方も不自然だったし,一条ほどのプライドの高い男がわざわざ玉を拾うのはおかしい.そんなものは部下に任せるはずだ.」と.
カイジはそんな床の傾き疑念を確信に変えるべく一計を案じる.
坂崎が負けた時の残っていた玉の中で換金し損ねていた1玉をカジノ事務所に持っていき,
「換金してくれ」と言いながら一条や部下の前で床に落とした.
一条は玉を目で追うだけで動こうとはしない.
「換金してやれ」と部下に命じ,部下にその玉を拾わせたのだ.
これを見てカイジは,
「一条があの時玉を拾ったのは,床の傾きがバレぬように素早く拾わねばならなかったからだ」
と床の傾きトリックを確信.
このような具合でカイジはビルを傾けることに策をめぐらすことになる…
この上述の、カイジが「坂崎が負けた時,パチンコ玉がドル箱からこぼれ落ち,床を転がり,一条がそれを拾った」事を思い出すシーン、というのはもちろん,
何話も前の「坂崎が負けた時,パチンコ玉がドル箱からこぼれ落ち,床を転がり,一条がそれを拾った」シーンが回想として再掲されているのであるが,
その時よく見ると確かに「床の傾きによって玉が転がっている」事が強調して表現されていた事に気づく.
なんと3コマにも渡って「玉が転がっている」という状況が描かれているのだ.
「あ~気づいてなかった!」となるわけだが,何故読者は一回目のそのシーンの時に玉の転がりの違和感に気づけないのか?
玉の転がりを3コマで表現なんて,ある種不自然極まりない描写なはずだが…
その「伏線の匂い」を見事に消しているのが以下のような「一条の登場演出」である.
パチンコ玉コロコロ1コマ→コロコロ1コマ→コロコロ1コマ
→パチンコ玉が転がった先に一条の足が見切れる1コマ
→パチンコ玉は足下へ、一条、しゃがんでパチンコ玉を拾う。(顔より下のみ見えている)
→次のページ一面一条全身のカット。(初登場シーン)
そう!この床傾き玉コロコロ伏線は、映画的悪役登場演出に吸収させてしまっているのだ!
映画やドラマでカメラの目線の動きを、何か別な物体の動きに合わせて動かす手法はしばしば見られる(飛び行く昆虫、散った花や帽子が風に乗って飛んで行く、などなど)。
モデルやスターが足から徐々に上半身へ画面が移動→全身のカットというカメラワークも一般的だ。
飼い慣らされた我々はこの一条登場シーンを単なるこれらの演出の組み合わせと無意識に思い込んでしまうのだ。
伏線を意図的に入れる、というのはどうしても不自然を生んでしまうが、この例ではさもそれが伏線でないような顔をしながら別の役割を与える事で、不自然さを消して伏線の匂いを消すことに成功している。
ウミガメでも絶対に使える技だと思う。
しかもウミガメの場合は短い問題文が良しとされているから、余計な要素を入れるとすぐに不自然が生じてしまう。
そこでこの演出吸収手法である。
#7の例にも通じるところがあるかもね。
うむ、問題、演出に必要な要素、と見せながら伏線を張ってみよう。
[16年10月27日 12:26]
[298965]SoMR[100問出題]
わざわざコメントありがとうございますm(_ _)m そうだったのですね!下ではタイトルを強調した書き方をしましたが(思い起こした時、僕がそこにまんまと引っ掛かったという個人的理由です。)、とにかく「頼んだ」を軸とした問題文の全体的なラーメン屋的空気作りが上手いなあと思ったという具合です。この空気感は真似できるものではなく、みんさんのセンス的なものに依るのでしょうか。いずれにせよ、40超えまで騙せているのは事実な訳で、ウーム、スゴイです。同じ題材でも僕が作ったらスナイプされてしまいそうです。
意識カニバリに対するコメントどうもありがとうございます。今気づくと奇しくもこれはみんさんFAでしたね笑
[16年10月10日 23:58]
わざわざコメントありがとうございますm(_ _)m そうだったのですね!下ではタイトルを強調した書き方をしましたが(思い起こした時、僕がそこにまんまと引っ掛かったという個人的理由です。)、とにかく「頼んだ」を軸とした問題文の全体的なラーメン屋的空気作りが上手いなあと思ったという具合です。この空気感は真似できるものではなく、みんさんのセンス的なものに依るのでしょうか。いずれにせよ、40超えまで騙せているのは事実な訳で、ウーム、スゴイです。同じ題材でも僕が作ったらスナイプされてしまいそうです。
意識カニバリに対するコメントどうもありがとうございます。今気づくと奇しくもこれはみんさんFAでしたね笑
[16年10月10日 23:58]
みん[★デザイナー]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年10月10日 23:28]
[16年10月10日 23:28]
[298963]みん[★デザイナー]
こんばんは。
おっしゃる通り、「頼む」という部分はラーメン屋へのミスリードの意図がありましたが、
タイトルは、背脂から連想して何気なくつけただけだったりします。
確かにラーメン屋の印象が強いワードですよね。
ほとんどベールはなく、カップラーメンだと判明すれば一気に解ける、
シンプルな問題のつもりだったのですが、実際は、思ったより長引いてしまった印象でした。
恥ずかしながら、タイトルで先入観を強めてしまった事に気づいてなかったので、
そこが計算違いだったようで、なるほどと思いました。
そこに気づいて誘導していれば、もう少しスムーズに進行できたような気がします。
この反省を次に活かしていきたいですو(・ ̫ ・)٩
自分では気づけなかった部分なので、とても勉強になりました。
ありがとうございました!
意識高い系カニバリストは、確かにもう少し問題文が読みやすい方が素敵だと思いましたが、
答えがわかった時に爽快感のある面白い問題でした。
これからもソミュラさんの問題楽しみにしています(๑・ ̫ ・๑)
[16年10月10日 23:28]
こんばんは。
おっしゃる通り、「頼む」という部分はラーメン屋へのミスリードの意図がありましたが、
タイトルは、背脂から連想して何気なくつけただけだったりします。
確かにラーメン屋の印象が強いワードですよね。
ほとんどベールはなく、カップラーメンだと判明すれば一気に解ける、
シンプルな問題のつもりだったのですが、実際は、思ったより長引いてしまった印象でした。
恥ずかしながら、タイトルで先入観を強めてしまった事に気づいてなかったので、
そこが計算違いだったようで、なるほどと思いました。
そこに気づいて誘導していれば、もう少しスムーズに進行できたような気がします。
この反省を次に活かしていきたいですو(・ ̫ ・)٩
自分では気づけなかった部分なので、とても勉強になりました。
ありがとうございました!
意識高い系カニバリストは、確かにもう少し問題文が読みやすい方が素敵だと思いましたが、
答えがわかった時に爽快感のある面白い問題でした。
これからもソミュラさんの問題楽しみにしています(๑・ ̫ ・๑)
[16年10月10日 23:28]
みん[★デザイナー]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年10月10日 23:28]
ウミガメのスープを一つください。[16年10月10日 23:28]
[298901]SoMR[100問出題]
#11【タイトルで想像させる】
タイトルで間違った情景を刷り込ませるテクニック。
-------
『ヤサイマシマシアブラカラメ』(みんさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/23575
[問題文]
*
大好きな、背脂たっぷりぎとぎとラーメンを頼んだ男は、
食べる前に、ラーメンに浮かぶ背脂を取り除いた。
その背脂を口にしたくなかった訳ではないのに、なぜ?
[解説]
*
男の大好きなカップラーメン『背脂たっぷりぎとぎとラーメン』。
男は、妻のカメコが作ったカップラーメンの蓋を開けた。
スープの中に袋が浮いている。後入れの背脂の袋だ。
「カメコ、背脂の袋出すの忘れてただろ!」
「えーうそ!? 中に袋が残ってるなんて気付かなかったんだものー。
かやくに粉末スープに液体スープに背脂って、袋多すぎじゃない?」
「まったく…ちゃんと見たらわかるだろ」
ぶつぶつぼやきながら、熱々ベタベタの袋を取り出した男だが、
背脂を入りラーメンを一口すすると、すぐ機嫌が直るので問題ない。
【要約】
カップラーメンの背脂の袋を出し忘れたまま、お湯を注いでいたから。
----
この問題の肝(の一つ)は「ラーメン屋で食べていると見事に誤認させている所」である。
実際、オリオンさんの43までは「ラーメン屋で注文していない」ことが全くバレていなかった。
これはスゴイ。
もちろん、問題文でさらりと入れている「頼んだ」等のパワーで騙されるわけだが、個人的には地味にこのタイトルもかなり効いているのではないかと思う。
「ヤサイマシマシアブラカラメ」と聞けばラーメン二郎を想像する人は多いだろう。
下の方で書いているようにどうも人間は「自分で気づいた事」への執着は強いらしく、問題文を読む前からラーメン二郎を想像してしまった我々はなかなかそこに疑いをかけられない。
加えて、この問題で第一に連想するのは、「背脂が健康に悪いから取り除く」という事であろうが、これもラーメン二郎の常識外れの背脂やニンニク…の量と見事に噛み合っている。したがって、基本的にはもちろん問題文の時点でNOなのにも関わらず、「健康に悪いから背脂を取り除く」という所から出発して我々は捜査を進めていく事になる。(答えが分かるまでそれが遠回りである事も知らずに。)
自分の問題でこれを応用するとしたら「意識高い系カニバリスト」(http://sui-hei.net/mondai/show/26446)かな〜。
意識高いを強調するために無駄なカニバリ要素を入れて果てしなくエレファントで残念な問題になってしまったけど、これを真似すれば余計な要素を入れずにもっとスマートに出来たかもね。タイトルは「バナジウム100μg/ℓ」とかにして。
[16年10月10日 01:55]
#11【タイトルで想像させる】
タイトルで間違った情景を刷り込ませるテクニック。
-------
『ヤサイマシマシアブラカラメ』(みんさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/23575
[問題文]
*
大好きな、背脂たっぷりぎとぎとラーメンを頼んだ男は、
食べる前に、ラーメンに浮かぶ背脂を取り除いた。
その背脂を口にしたくなかった訳ではないのに、なぜ?
[解説]
*
男の大好きなカップラーメン『背脂たっぷりぎとぎとラーメン』。
男は、妻のカメコが作ったカップラーメンの蓋を開けた。
スープの中に袋が浮いている。後入れの背脂の袋だ。
「カメコ、背脂の袋出すの忘れてただろ!」
「えーうそ!? 中に袋が残ってるなんて気付かなかったんだものー。
かやくに粉末スープに液体スープに背脂って、袋多すぎじゃない?」
「まったく…ちゃんと見たらわかるだろ」
ぶつぶつぼやきながら、熱々ベタベタの袋を取り出した男だが、
背脂を入りラーメンを一口すすると、すぐ機嫌が直るので問題ない。
【要約】
カップラーメンの背脂の袋を出し忘れたまま、お湯を注いでいたから。
----
この問題の肝(の一つ)は「ラーメン屋で食べていると見事に誤認させている所」である。
実際、オリオンさんの43までは「ラーメン屋で注文していない」ことが全くバレていなかった。
これはスゴイ。
もちろん、問題文でさらりと入れている「頼んだ」等のパワーで騙されるわけだが、個人的には地味にこのタイトルもかなり効いているのではないかと思う。
「ヤサイマシマシアブラカラメ」と聞けばラーメン二郎を想像する人は多いだろう。
下の方で書いているようにどうも人間は「自分で気づいた事」への執着は強いらしく、問題文を読む前からラーメン二郎を想像してしまった我々はなかなかそこに疑いをかけられない。
加えて、この問題で第一に連想するのは、「背脂が健康に悪いから取り除く」という事であろうが、これもラーメン二郎の常識外れの背脂やニンニク…の量と見事に噛み合っている。したがって、基本的にはもちろん問題文の時点でNOなのにも関わらず、「健康に悪いから背脂を取り除く」という所から出発して我々は捜査を進めていく事になる。(答えが分かるまでそれが遠回りである事も知らずに。)
自分の問題でこれを応用するとしたら「意識高い系カニバリスト」(http://sui-hei.net/mondai/show/26446)かな〜。
意識高いを強調するために無駄なカニバリ要素を入れて果てしなくエレファントで残念な問題になってしまったけど、これを真似すれば余計な要素を入れずにもっとスマートに出来たかもね。タイトルは「バナジウム100μg/ℓ」とかにして。
[16年10月10日 01:55]
[297738]SoMR[100問出題]
#10【物は同じだけど】
---
『【フン、小汚いアンタにはそれ位の服がお似合いだわよ。】』(のりっこ。さん)
[問題文]
我先にと争奪戦が巻き起こっているバーゲンセール会場。
さしゃこがお目当ての青い服を思いっきり引っ張ったので、
青い服を買うつもりなど毛頭ないオリオンは安堵した。
一体なぜ?
[解説]
バーゲンセール会場の人混みに飲まれ、
母オリオンと引き離されてしまった幼いさしゃこ。
『マッ、ママぁ!!! ママぁどこぉぉぉっ!?涙』
母オリオンもまた、窮屈な人混みの中で
愛する娘の姿を必死に探していた。
泣きじゃくりながら母を求めるさしゃこ。
母は今日、青い服を着ていた。
とにかく青い服を、ママの姿を探さなきゃ!
凄い数の人混みに押され続ける恐怖と不安の中、
まだ小さな体のさしゃこは遂に “お目当て” の青い服を見つけだした。 ママだ!!!
娘の姿を見つけられず、途方に暮れていた母オリオン。
その時、着ていた服が誰かにグイグイと引っ張られた。
『ママぁ!!! ママぁ!!! さしゃこだよ、ここだよっ!!!!!涙』
『さしゃこ!!!!! さしゃこっ!!!!!
良かった、無事だったのね!!!!!
ごめんね、本当にごめんね………怖かったよね………
もう絶対に離さないからねっ!!!!!涙』
『うんっ! ママぁっ!!!涙』
---
問題構造としては「引っ張っている服」が「バーゲンセールの服」と錯覚させるというもの。
抽象化すると、「ある状況」→「その状況で出てくる物体」→「物体としては同じ種類のものでもその状況下一般的に想像されるものではない」
似た構造の問題は結構ありそう。
長く騙すのは工夫が必要そうだけど。
よく考えたらこの問題もスナイプされていたのか。難しいな〜
[16年10月02日 13:10]
#10【物は同じだけど】
---
『【フン、小汚いアンタにはそれ位の服がお似合いだわよ。】』(のりっこ。さん)
[問題文]
我先にと争奪戦が巻き起こっているバーゲンセール会場。
さしゃこがお目当ての青い服を思いっきり引っ張ったので、
青い服を買うつもりなど毛頭ないオリオンは安堵した。
一体なぜ?
[解説]
バーゲンセール会場の人混みに飲まれ、
母オリオンと引き離されてしまった幼いさしゃこ。
『マッ、ママぁ!!! ママぁどこぉぉぉっ!?涙』
母オリオンもまた、窮屈な人混みの中で
愛する娘の姿を必死に探していた。
泣きじゃくりながら母を求めるさしゃこ。
母は今日、青い服を着ていた。
とにかく青い服を、ママの姿を探さなきゃ!
凄い数の人混みに押され続ける恐怖と不安の中、
まだ小さな体のさしゃこは遂に “お目当て” の青い服を見つけだした。 ママだ!!!
娘の姿を見つけられず、途方に暮れていた母オリオン。
その時、着ていた服が誰かにグイグイと引っ張られた。
『ママぁ!!! ママぁ!!! さしゃこだよ、ここだよっ!!!!!涙』
『さしゃこ!!!!! さしゃこっ!!!!!
良かった、無事だったのね!!!!!
ごめんね、本当にごめんね………怖かったよね………
もう絶対に離さないからねっ!!!!!涙』
『うんっ! ママぁっ!!!涙』
---
問題構造としては「引っ張っている服」が「バーゲンセールの服」と錯覚させるというもの。
抽象化すると、「ある状況」→「その状況で出てくる物体」→「物体としては同じ種類のものでもその状況下一般的に想像されるものではない」
似た構造の問題は結構ありそう。
長く騙すのは工夫が必要そうだけど。
よく考えたらこの問題もスナイプされていたのか。難しいな〜
[16年10月02日 13:10]
[295638]SoMR[100問出題]
#9【ポテチ】
---
『ポテチ水上の後悔』(のりっこ。さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/22563
[問題文]
ポテトチップスを使った一発ギャグが大ヒットし、一世を風靡したコメディアン・ポテチ水上。
ある日、ポテチを食べ過ぎた水上は男を笑わせた事を後悔した。
一体なぜ?
[解説]
喉が渇いて自動販売機でジュースを買おうとしたのに、
さっき折り畳み遊びをして野口英世を笑わせた千円札しか持っておらず、
お札投入口に受け入れて貰えずに何度も戻ってきたからだ。
-----
一つ一つの要素の絡み方が凄いを通り越して美しいレベル。
騙しの基本構造としては「ポテトチップスを使った一発ギャグが大ヒット」を「問題設定の基本要素」と思わせて、これを、「ポテチを食べ過ぎた水上は男を笑わせた」のベールに使っている。
面白いのは
『一発ギャグが大ヒットし、一世を風靡したコメディアン・水上。
ある日、水上は男を笑わせた事を後悔した。
一体なぜ?』
で問題が成立するところである。
ここに、トリックの「自販機でジュースを買おうとしている」から、「ジュースを飲みたい」→「喉が乾いてる」→「ポテトチップを食った」の連想で、
「ポテトチップを使った一発ギャグ」「ポテチを食べ過ぎた水上」を状況問題文に同時にはめ込む事で、
チャームと納得感の倍増に成功している。
思うにこの操作は「正方形のピースだったジグゾーパズルに凹凸を付ける操作」であると思う。
ジグゾーパズルは真四角なピースでも成立する。むしろ難度は高い。
しかしながら、凹凸があるピースを採用する方が絶対に面白いと思う。
歪な凹凸がバシッとハマった時の快感は正方形の比ではないだろう。
これはこのレベルの整合性の取り方は素人には難しいと思うけれど、心掛けだけなら真似できそうだね。
問題の骨格ができたら解答の行動から連想し、
ポテチを追加し、ピースの凹凸を増やそう。
[16年09月21日 16:49]
#9【ポテチ】
---
『ポテチ水上の後悔』(のりっこ。さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/22563
[問題文]
ポテトチップスを使った一発ギャグが大ヒットし、一世を風靡したコメディアン・ポテチ水上。
ある日、ポテチを食べ過ぎた水上は男を笑わせた事を後悔した。
一体なぜ?
[解説]
喉が渇いて自動販売機でジュースを買おうとしたのに、
さっき折り畳み遊びをして野口英世を笑わせた千円札しか持っておらず、
お札投入口に受け入れて貰えずに何度も戻ってきたからだ。
-----
一つ一つの要素の絡み方が凄いを通り越して美しいレベル。
騙しの基本構造としては「ポテトチップスを使った一発ギャグが大ヒット」を「問題設定の基本要素」と思わせて、これを、「ポテチを食べ過ぎた水上は男を笑わせた」のベールに使っている。
面白いのは
『一発ギャグが大ヒットし、一世を風靡したコメディアン・水上。
ある日、水上は男を笑わせた事を後悔した。
一体なぜ?』
で問題が成立するところである。
ここに、トリックの「自販機でジュースを買おうとしている」から、「ジュースを飲みたい」→「喉が乾いてる」→「ポテトチップを食った」の連想で、
「ポテトチップを使った一発ギャグ」「ポテチを食べ過ぎた水上」を状況問題文に同時にはめ込む事で、
チャームと納得感の倍増に成功している。
思うにこの操作は「正方形のピースだったジグゾーパズルに凹凸を付ける操作」であると思う。
ジグゾーパズルは真四角なピースでも成立する。むしろ難度は高い。
しかしながら、凹凸があるピースを採用する方が絶対に面白いと思う。
歪な凹凸がバシッとハマった時の快感は正方形の比ではないだろう。
これはこのレベルの整合性の取り方は素人には難しいと思うけれど、心掛けだけなら真似できそうだね。
問題の骨格ができたら解答の行動から連想し、
ポテチを追加し、ピースの凹凸を増やそう。
[16年09月21日 16:49]
[293827]SoMR[100問出題]
#8【あるある×あるある】
-----
『魔法の言葉』(牛削りさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/11942
[問題文]
ニンジンだけ食べ残したお皿……。
それを机の上に置いたまま、浮かぬ表情のユイナちゃん。
もう長いこと、黙って座っている。
(あーあ、みんな遊びに行ってるのにな……)
しかし彼女にある一言を掛けてあげると、途端に、ニンジンをペロリと平らげてしまった。
何これ、魔法?
どんな言葉を掛けたの?
[解説]
友人たちは皆、推薦やAO入試で早々に進学を決め、 残りの高校生活をエンジョイしている。グループの中で遊んでいられないのは、難関大進学を希望したユイナだけであった。
彼女はここのところ毎晩、高校帰りに ファミレスに寄り、受験勉強に勤しんでいる。 長居するために、注文した料理は少しだけ残しておく。
鶏肉が残ることもあれば、ニンジンが残ることもある。
切り上げの合図は、店員のこの一言だ。
「お客様、間も無く閉店の時間でございますが……」
途端に、煩わしい勉強道具を片付け、、 大好物のニンジンを口いっぱいに頬張るユイナであった。
-----
二つの「あるある」が絶妙に組み合わさって激烈な化学反応を起こしている。
あるある①…「子供はニンジン嫌い」
あるある②…「ファミレスで作業する時、皿を片付けられないようにちょっとだけ残しておく」
これらが奇跡みたいにガチャンと組み合わさったものがこの問題。
やはりあるあるの刷り込み力は凄くて、
問題文の「絵本的文体」を見た時に「あるある①」の情景がバチッと脳にハマってしまう。
そこから抜け出すために、質問、を使ってくという感じ。
問題文→解説の文体の変化も見事。
あるあるネタから問題を作るのは何度もやっているが、二つ掛け合わせたことは無いので、やってみたいな〜。
[16年09月14日 22:34]
#8【あるある×あるある】
-----
『魔法の言葉』(牛削りさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/11942
[問題文]
ニンジンだけ食べ残したお皿……。
それを机の上に置いたまま、浮かぬ表情のユイナちゃん。
もう長いこと、黙って座っている。
(あーあ、みんな遊びに行ってるのにな……)
しかし彼女にある一言を掛けてあげると、途端に、ニンジンをペロリと平らげてしまった。
何これ、魔法?
どんな言葉を掛けたの?
[解説]
友人たちは皆、推薦やAO入試で早々に進学を決め、 残りの高校生活をエンジョイしている。グループの中で遊んでいられないのは、難関大進学を希望したユイナだけであった。
彼女はここのところ毎晩、高校帰りに ファミレスに寄り、受験勉強に勤しんでいる。 長居するために、注文した料理は少しだけ残しておく。
鶏肉が残ることもあれば、ニンジンが残ることもある。
切り上げの合図は、店員のこの一言だ。
「お客様、間も無く閉店の時間でございますが……」
途端に、煩わしい勉強道具を片付け、、 大好物のニンジンを口いっぱいに頬張るユイナであった。
-----
二つの「あるある」が絶妙に組み合わさって激烈な化学反応を起こしている。
あるある①…「子供はニンジン嫌い」
あるある②…「ファミレスで作業する時、皿を片付けられないようにちょっとだけ残しておく」
これらが奇跡みたいにガチャンと組み合わさったものがこの問題。
やはりあるあるの刷り込み力は凄くて、
問題文の「絵本的文体」を見た時に「あるある①」の情景がバチッと脳にハマってしまう。
そこから抜け出すために、質問、を使ってくという感じ。
問題文→解説の文体の変化も見事。
あるあるネタから問題を作るのは何度もやっているが、二つ掛け合わせたことは無いので、やってみたいな〜。
[16年09月14日 22:34]
[293662]SoMR[100問出題]
>>ゴトーさん
イヤイヤ、ゴトーさんの言葉での納得感の講義が投稿されるまでの海賊版程度のものだと思って頂ければ。
お気遣いありがとうございます。
壺、おお、まさにこの問題は、
その連想させる人物像の誘導が良いところですよね〜。
これ、「富豪」じゃなくて「男A」だったらクオリティが何段階も違ってくると思います。
加えて壺のオカルト要素へのミスリード、問題文全体の雰囲気作りと、ゴトーさんの文章力ありきの問題とも言えますね。
[16年09月13日 19:57]
>>ゴトーさん
イヤイヤ、ゴトーさんの言葉での納得感の講義が投稿されるまでの海賊版程度のものだと思って頂ければ。
お気遣いありがとうございます。
壺、おお、まさにこの問題は、
その連想させる人物像の誘導が良いところですよね〜。
これ、「富豪」じゃなくて「男A」だったらクオリティが何段階も違ってくると思います。
加えて壺のオカルト要素へのミスリード、問題文全体の雰囲気作りと、ゴトーさんの文章力ありきの問題とも言えますね。
[16年09月13日 19:57]
ゴトーレーベル[軍曹]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年09月13日 01:34]
[16年09月13日 01:34]
[293612]ゴトーレーベル[軍曹]
また、#4の拙作『壺』で提唱されておられる
【その設定を聞いて一番最初に誰でも想像する「人物像」】
という概念。
普通の人だったら、有名なウミガメにある「機長や外科医が母親だった」などのように、性別/年齢/職業/障碍の有無等を誤認させる、くらいで発想は止まるでしょう。
しかしSoMRさんはもう少し視野を広げて捉えておられる様子。
それもまた、SoMRさん独自の、得がたい視点であると思います。
[16年09月13日 01:32]
また、#4の拙作『壺』で提唱されておられる
【その設定を聞いて一番最初に誰でも想像する「人物像」】
という概念。
普通の人だったら、有名なウミガメにある「機長や外科医が母親だった」などのように、性別/年齢/職業/障碍の有無等を誤認させる、くらいで発想は止まるでしょう。
しかしSoMRさんはもう少し視野を広げて捉えておられる様子。
それもまた、SoMRさん独自の、得がたい視点であると思います。
[16年09月13日 01:32]
[293611]ゴトーレーベル[軍曹]
#1の件、お気遣いいただきまして恐縮。ちなみに一応申し上げておきますが、私は別に気を悪くしているわけではないので念のため。
ただ、SoMRさんが言及しておられる立派な概念は決して私が提唱したものではなく、発見の栄誉はSoMRさんが受け取るべきである、ということが申し上げたかっただけです。
[16年09月13日 01:30]
#1の件、お気遣いいただきまして恐縮。ちなみに一応申し上げておきますが、私は別に気を悪くしているわけではないので念のため。
ただ、SoMRさんが言及しておられる立派な概念は決して私が提唱したものではなく、発見の栄誉はSoMRさんが受け取るべきである、ということが申し上げたかっただけです。
[16年09月13日 01:30]
ゴトーレーベル[軍曹]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年09月13日 01:24]
ウミガメのスープを一つください。[16年09月13日 01:24]
[293524]SoMR[100問出題]
#7【問題設定とベール】
チャットルーム「新講義:問題文の構成要素」(ルームキー:牛を削る)で書いたもの。
-----
『秘密の暴露』(蓮華さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/23139
[問題文]
カメオはここ最近で頻繁に発生している連続強盗事件の犯人です。
ある日、ブログで犯人しか知りえない情報をうっかり漏らしてしまいました。
当然、そのブログを見て警察がカメオのもとへやってきます。
しかしながら、警察はカメオを逮捕するために来たのではないのです。
一体どういうこと?
[解説]
カメオはその事件の犯人であり、なおかつ捜査関係者だったのです。
「おい、捜査情報を許可なく漏らすな」
「すみません…」
「まったく、犯人が見つかった時に特定する秘密の情報として使えなくなるかもしれないんだぞ。記事消して、始末書書いておけ」
「すみません…」
-----
ミソは「犯人が捜査関係者」の隠し方が上手い所。
問題文一行目で「カメオは犯人です」という問題設定の文章と思わされる文が。実はコレが罠で、コッソリと読者の脳に「カメオは警察ではない」という間違った事実を植え付けて洗脳している。
さらには厳密には「カメオ」=「警察」ではないというのもタチが悪い罠。つまり「カメオ」は「警察」だが、「すべての警察」は「カメオ」ではないからである。
つまり、問題文後半に「カメオ」ではない「警察」も登場するのだ。
これによって一行目で刷り込まれる「カメオは警察ではない」は無意識のうちにその認識が強められる事になる。
隠したい部分がある時は、「問題文の状況設定に必要なだけのなんでもない文章ですよ〜」感を出しながら、堂々とミスリードを刷り込もう。
[16年09月12日 14:37]
#7【問題設定とベール】
チャットルーム「新講義:問題文の構成要素」(ルームキー:牛を削る)で書いたもの。
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『秘密の暴露』(蓮華さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/23139
[問題文]
カメオはここ最近で頻繁に発生している連続強盗事件の犯人です。
ある日、ブログで犯人しか知りえない情報をうっかり漏らしてしまいました。
当然、そのブログを見て警察がカメオのもとへやってきます。
しかしながら、警察はカメオを逮捕するために来たのではないのです。
一体どういうこと?
[解説]
カメオはその事件の犯人であり、なおかつ捜査関係者だったのです。
「おい、捜査情報を許可なく漏らすな」
「すみません…」
「まったく、犯人が見つかった時に特定する秘密の情報として使えなくなるかもしれないんだぞ。記事消して、始末書書いておけ」
「すみません…」
-----
ミソは「犯人が捜査関係者」の隠し方が上手い所。
問題文一行目で「カメオは犯人です」という問題設定の文章と思わされる文が。実はコレが罠で、コッソリと読者の脳に「カメオは警察ではない」という間違った事実を植え付けて洗脳している。
さらには厳密には「カメオ」=「警察」ではないというのもタチが悪い罠。つまり「カメオ」は「警察」だが、「すべての警察」は「カメオ」ではないからである。
つまり、問題文後半に「カメオ」ではない「警察」も登場するのだ。
これによって一行目で刷り込まれる「カメオは警察ではない」は無意識のうちにその認識が強められる事になる。
隠したい部分がある時は、「問題文の状況設定に必要なだけのなんでもない文章ですよ〜」感を出しながら、堂々とミスリードを刷り込もう。
[16年09月12日 14:37]
[293453]SoMR[100問出題]
ゴトーさん、書き込みをありがとうございます。
ぎゃー、これはすみません、そうですね、私が考えた事とゴトーさんの発言との境目が大分曖昧になってしまっていました。無責任に書いてしまいましたが、私の愚考がゴトーさんの主張のようになってしまうと大変マズいですね、すぐに修正してゴトーさんの発言と判別できるようにします。あれはゴトーさんの教えを自分なりに納得がいく形で理解しようと努めた結果おかしな表現になってしまった具合です。
(これに関しては私の理解力と表現力のせいなので申し訳ないとしか言いようがないです。)
ふと、孔子の場合は子路が優秀で安心だったろうなあと思いました。
是非ともゴトーさんの、納得感に関する考察を見たいと思います。
[16年09月12日 00:46]
ゴトーさん、書き込みをありがとうございます。
ぎゃー、これはすみません、そうですね、私が考えた事とゴトーさんの発言との境目が大分曖昧になってしまっていました。無責任に書いてしまいましたが、私の愚考がゴトーさんの主張のようになってしまうと大変マズいですね、すぐに修正してゴトーさんの発言と判別できるようにします。あれはゴトーさんの教えを自分なりに納得がいく形で理解しようと努めた結果おかしな表現になってしまった具合です。
(これに関しては私の理解力と表現力のせいなので申し訳ないとしか言いようがないです。)
ふと、孔子の場合は子路が優秀で安心だったろうなあと思いました。
是非ともゴトーさんの、納得感に関する考察を見たいと思います。
[16年09月12日 00:46]
ゴトーレーベル[軍曹]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年09月12日 00:28]
[16年09月12日 00:28]
[293451]ゴトーレーベル[軍曹]
SoMRさんの問題制作に対する真摯さがにじみ出ている良ルームですね。
ところで#1で私が「皆の脳内抽象人物の行動可能性を問題文で制御せよ」などと超リッパなことを言っているように書かれていますが、それはちょっと違いますw>広く世間に向けて訂正
上記は私が言った言葉に触発され、SoMRさんが独自に考察された内容です。お間違いなきよう>広く世間に向けて
このSPの際の納得感論議についてはまた私のルームでも書こうと思っています>SoMRさん
おそらく、大きくSoMRさんとは表現が異なることになると思います。
それは個性の違いというものでしょうね。
[16年09月12日 00:27]
SoMRさんの問題制作に対する真摯さがにじみ出ている良ルームですね。
ところで#1で私が「皆の脳内抽象人物の行動可能性を問題文で制御せよ」などと超リッパなことを言っているように書かれていますが、それはちょっと違いますw>広く世間に向けて訂正
上記は私が言った言葉に触発され、SoMRさんが独自に考察された内容です。お間違いなきよう>広く世間に向けて
このSPの際の納得感論議についてはまた私のルームでも書こうと思っています>SoMRさん
おそらく、大きくSoMRさんとは表現が異なることになると思います。
それは個性の違いというものでしょうね。
[16年09月12日 00:27]
ゴトーレーベル[軍曹]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年09月12日 00:23]
ウミガメのスープを一つください。[16年09月12日 00:23]
[293344]SoMR[100問出題]
#6【トリックが描写する物語】
----
『大切なひと』(牛削りさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/25833
[問題文]
自分のシャツの袖口を掴んだリュウヤは、母の身体の衰えに気付いた。
上記事象は、今が夏だからこそ成立したのだが、さて一体どういうことだろう?
[解説]
急に泣き出した母。
夏季休暇を実家で過ごし、東京に戻ろうとした玄関先でのことであった。
「ごめんね、最近涙腺が緩くてね」
そう言いながら、なおも涙を流し続ける母。
その震える肩を見て、俺は一歩進み出た。
そして、両手を母の背中に回した。
手のひらは、反対の腕の、半袖シャツの袖口を掴んだ。
自分の両手の作る小さな輪。そこにすっぽり収まる母の胴。
母の身体は、こんなにも小さかったのか。
こんなにも小さい身体で、ずっと俺を守ってくれていたのか。
いつしかその優しさが当たり前になっていた。
感謝しているつもりが、全然足りていなかった。
「母さん、俺は、幸せだよ」
そう言うのが精一杯だった。
これからは俺が母を守ろう。
遅まきながら、強く強く、そう思った。
【要約解説】
母の身体を抱きしめたリュウヤ。
背中に回した手のひらが半袖の反対側の袖口を掴めるほど、老いた母の身体は小さかった。
これはリュウヤが着ていたのが長袖ではなく半袖だからこそ成立した事象である。
----
問題のトリックそのものが物語の描写を強めている例。
例えばもし小説やドラマのワンシーンにこの話のシーンを入れるとしたら、
「抱きしめたらシャツの袖口を掴んでしまった」という表現は「母の衰え」を生々しく感じさせる斬新で効果的な表現になるだろう。
その部分を謎にして、ウミガメのスープにしているのがこの問題。
もし映画なら、袖口を掴んでいるところをアップで撮って、その後、主人公の表情、そしてさらにより強く抱きしめる、という感じになるかな。
「小説や映画の中での表現の理由は問題にできそう。」
そう考えると映画監督はこのタイプのウミガメ問題を沢山作れそう。
[16年09月11日 13:17]
#6【トリックが描写する物語】
----
『大切なひと』(牛削りさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/25833
[問題文]
自分のシャツの袖口を掴んだリュウヤは、母の身体の衰えに気付いた。
上記事象は、今が夏だからこそ成立したのだが、さて一体どういうことだろう?
[解説]
急に泣き出した母。
夏季休暇を実家で過ごし、東京に戻ろうとした玄関先でのことであった。
「ごめんね、最近涙腺が緩くてね」
そう言いながら、なおも涙を流し続ける母。
その震える肩を見て、俺は一歩進み出た。
そして、両手を母の背中に回した。
手のひらは、反対の腕の、半袖シャツの袖口を掴んだ。
自分の両手の作る小さな輪。そこにすっぽり収まる母の胴。
母の身体は、こんなにも小さかったのか。
こんなにも小さい身体で、ずっと俺を守ってくれていたのか。
いつしかその優しさが当たり前になっていた。
感謝しているつもりが、全然足りていなかった。
「母さん、俺は、幸せだよ」
そう言うのが精一杯だった。
これからは俺が母を守ろう。
遅まきながら、強く強く、そう思った。
【要約解説】
母の身体を抱きしめたリュウヤ。
背中に回した手のひらが半袖の反対側の袖口を掴めるほど、老いた母の身体は小さかった。
これはリュウヤが着ていたのが長袖ではなく半袖だからこそ成立した事象である。
----
問題のトリックそのものが物語の描写を強めている例。
例えばもし小説やドラマのワンシーンにこの話のシーンを入れるとしたら、
「抱きしめたらシャツの袖口を掴んでしまった」という表現は「母の衰え」を生々しく感じさせる斬新で効果的な表現になるだろう。
その部分を謎にして、ウミガメのスープにしているのがこの問題。
もし映画なら、袖口を掴んでいるところをアップで撮って、その後、主人公の表情、そしてさらにより強く抱きしめる、という感じになるかな。
「小説や映画の中での表現の理由は問題にできそう。」
そう考えると映画監督はこのタイプのウミガメ問題を沢山作れそう。
[16年09月11日 13:17]
[293177]SoMR[100問出題]
#5【tsunaさんの濡れて参ろう】
#4の壺に関連して。
---
『濡れて参ろう』(tsunaさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/24269
[問題文]
雨が降っているが男は鞄の中に入っている折りたたみ傘を取り出し差そうとしない
このままでは濡れてしまうというのに・・・
一体何故男は折り畳み傘を使わないのだろうか?
[解説]
鞄の中に傘が入っていることをすっかり忘れているから
----
これも壺と仕組みは同じで「傘を持っているけどささない人」のテンプレートを想像してしまうと、なかなか迷路から抜け出せない。
そのままじりじり「傘を持っているけどささない人の『気持ち』」を考えてしまう。
常識すぎる前提(この場合は、傘を持っている人は持っていることを知っている)はトラップに使える。
[16年09月10日 01:08]
#5【tsunaさんの濡れて参ろう】
#4の壺に関連して。
---
『濡れて参ろう』(tsunaさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/24269
[問題文]
雨が降っているが男は鞄の中に入っている折りたたみ傘を取り出し差そうとしない
このままでは濡れてしまうというのに・・・
一体何故男は折り畳み傘を使わないのだろうか?
[解説]
鞄の中に傘が入っていることをすっかり忘れているから
----
これも壺と仕組みは同じで「傘を持っているけどささない人」のテンプレートを想像してしまうと、なかなか迷路から抜け出せない。
そのままじりじり「傘を持っているけどささない人の『気持ち』」を考えてしまう。
常識すぎる前提(この場合は、傘を持っている人は持っていることを知っている)はトラップに使える。
[16年09月10日 01:08]
[293176]SoMR[100問出題]
#4【ゴトーさんの壺】
---
『壺』(ゴトーレーベルさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/18911
[問題文]
美術骨董のコレクターとして有名な富豪。
彼が所有しているなかでも名品のひとつ、歴史に名を残す名工の作になる壺。
作られた直後に名工が領主の不興を買い、斬首に処せられたという伝説がまとわれた壺。
この壺。富豪に対して友人知人はたびたび「見たい」と言う。
しかし富豪は、そう言われても決して壺を見せることはない。
どういうわけだろうか。
[解説]
その壺は作られてすぐに歴史の表舞台から消え、
文献におおまかな特徴が伝えられるだけで、
実在にすら疑念が持たれている幻の壺だったのだ。
壺は紆余曲折を経て富豪の手に渡ったのだが、富豪も売り手の骨董商も、
出来がいい名品と思うだけで、それが幻の壺とは知らなかったのである。
だから、富豪は友人と今日もこんな話をする。
友人「その壺が本当にあるなら、一度でいいから見たいもんだね」
富豪「まったくだ。美術愛好家の夢だな」
と。
----
肝は「コレクターは壺の価値を知っていない訳がない」という点である。
問題文をはじめに聞いた時は「コレクターが壺を見せない」状況を色々考える事になり、「コレクター」に関する自分の知識を総動員する事になる。
すぐに「偽物と本物を見分けられる」「壺に詳しい」といった人物像を描いていくわけだが、それ自身が罠となっている。
その設定を聞いて一番最初に誰でも想像する「人物像」は罠に使えそうだ。
[16年09月10日 01:08]
#4【ゴトーさんの壺】
---
『壺』(ゴトーレーベルさん)
http://sui-hei.net/mondai/show/18911
[問題文]
美術骨董のコレクターとして有名な富豪。
彼が所有しているなかでも名品のひとつ、歴史に名を残す名工の作になる壺。
作られた直後に名工が領主の不興を買い、斬首に処せられたという伝説がまとわれた壺。
この壺。富豪に対して友人知人はたびたび「見たい」と言う。
しかし富豪は、そう言われても決して壺を見せることはない。
どういうわけだろうか。
[解説]
その壺は作られてすぐに歴史の表舞台から消え、
文献におおまかな特徴が伝えられるだけで、
実在にすら疑念が持たれている幻の壺だったのだ。
壺は紆余曲折を経て富豪の手に渡ったのだが、富豪も売り手の骨董商も、
出来がいい名品と思うだけで、それが幻の壺とは知らなかったのである。
だから、富豪は友人と今日もこんな話をする。
友人「その壺が本当にあるなら、一度でいいから見たいもんだね」
富豪「まったくだ。美術愛好家の夢だな」
と。
----
肝は「コレクターは壺の価値を知っていない訳がない」という点である。
問題文をはじめに聞いた時は「コレクターが壺を見せない」状況を色々考える事になり、「コレクター」に関する自分の知識を総動員する事になる。
すぐに「偽物と本物を見分けられる」「壺に詳しい」といった人物像を描いていくわけだが、それ自身が罠となっている。
その設定を聞いて一番最初に誰でも想像する「人物像」は罠に使えそうだ。
[16年09月10日 01:08]
[293175]SoMR[100問出題]
#3【のりっこ。さんのトリック→問題への昇華技術について】
-----
【「●●」】(のりっこ。さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/12425
[問題文]
ワライダケタベ太が地面に触れている面積を7〜8割程度に減らしてみてください。
声を掛けられるのは私かワライダケタベ太のみ。
私は基本的にYESかNOで回答します。
[解説]
私が飼っている犬のワライダケタベ太は4本の脚で地面に立っていたが、
プエさんによる『お手!』の指示で前脚の片方をプエさんの掌に乗せた。
ワライダケタベ太が地面に触れている面積を約75%に減らしたプエさん、
お見事でした!^^
----
【ほらぁ!】(のりっこ。さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/15802
(この問題は実際の問題ページでの質疑応答がミソ)
[問題文]
日本人形の髪が伸びると歯もよく見えるという。
一体なぜ?
[解説]
鏡の前で発音してみてください。
『日本人形の髪ーーーーー』と。
----
のりっこ。さんはトリックが斬新なのはもちろん、
それを問題として製品版にする技術が凄まじい。
上記二つを取っても、例えトリックが思いついても
「ワライダケタベ太」「日本人形」は思いつかない。
それで問題全体の完成度が数倍アップしている。
きっとのりっこ。さんはトリックを思いついてからそれで満足せずにもう一度水平思考をしているからだと思われる。
思考回路を妄想すると、
犬の方に質問が来たらどのように回答するか?→「ワンワン?」しかしこれだと一瞬でバレるからダメ→「ハッハッハ」→「ハッハッハ」(笑っている)→ワライダケタベ太爆誕。
という感じだろうか。
とにかく、トリックを思いついたらそこで満足しないでさらに異なる次元への連想を繋げていくと、魅力が高い問題に変身するかもしれない。
[16年09月10日 01:07]
#3【のりっこ。さんのトリック→問題への昇華技術について】
-----
【「●●」】(のりっこ。さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/12425
[問題文]
ワライダケタベ太が地面に触れている面積を7〜8割程度に減らしてみてください。
声を掛けられるのは私かワライダケタベ太のみ。
私は基本的にYESかNOで回答します。
[解説]
私が飼っている犬のワライダケタベ太は4本の脚で地面に立っていたが、
プエさんによる『お手!』の指示で前脚の片方をプエさんの掌に乗せた。
ワライダケタベ太が地面に触れている面積を約75%に減らしたプエさん、
お見事でした!^^
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【ほらぁ!】(のりっこ。さん)
http://sui-hei.net/mondai/show/15802
(この問題は実際の問題ページでの質疑応答がミソ)
[問題文]
日本人形の髪が伸びると歯もよく見えるという。
一体なぜ?
[解説]
鏡の前で発音してみてください。
『日本人形の髪ーーーーー』と。
----
のりっこ。さんはトリックが斬新なのはもちろん、
それを問題として製品版にする技術が凄まじい。
上記二つを取っても、例えトリックが思いついても
「ワライダケタベ太」「日本人形」は思いつかない。
それで問題全体の完成度が数倍アップしている。
きっとのりっこ。さんはトリックを思いついてからそれで満足せずにもう一度水平思考をしているからだと思われる。
思考回路を妄想すると、
犬の方に質問が来たらどのように回答するか?→「ワンワン?」しかしこれだと一瞬でバレるからダメ→「ハッハッハ」→「ハッハッハ」(笑っている)→ワライダケタベ太爆誕。
という感じだろうか。
とにかく、トリックを思いついたらそこで満足しないでさらに異なる次元への連想を繋げていくと、魅力が高い問題に変身するかもしれない。
[16年09月10日 01:07]
[293174]SoMR[100問出題]
#2【ゴトーさんのSPで知るチャームの重要性】
(これは「あるあるからダシをとる」に書いたものの再掲。)
----
「カメアン・ザ・ベスト」 http://sui-hei.net/mondai/show/25632
[問題文]
カメアンは自分で作詞作曲した歌をCDに録音し、聴かないとぶん殴るぞ、と言ってカメ太とカメスネにプレゼントした。
後日、ちゃんと聴いているか気になったカメアンは二人のパソコンを強引に奪い、音楽プレーヤーソフトを見た。
すると、カメ太の再生回数はカメスネの半分以下だった。
それを確認するやいなや、カメアンはカメスネをボコボコにぶん殴った。
なぜだろう?
[解答]
カメアン「ちゃんと俺様の曲を聴いてなかったらぶん殴るぞ…カチカチ」
【カメ太の再生回数】
アルバム名:カメアン・ザ・ベスト
1.あの鐘を鳴らすカメ 9回
2.ハイウェイ・タートル 11回
3.ワルツフォータートル 21回
4.真夏の亀 13回
5.さざんかの亀 8回
6.ペイントタートルブラック 10回
(以下略)
カメアン「ほう、なかなか熱心に聞いているみたいじゃないか。おお、ワルツフォータートルを気に入ったようだな。お前なかなか音楽を分かってるじゃないか。」
カメ太「エヘヘ」
カメスネ「なんだいカメ太、それだけしか聞いてないのか。カメアン、僕のを見てくれよ。」
【カメスネの再生回数】
アルバム名:カメアン・ザ・ベスト
1.あの鐘を鳴らすカメ 30回
2.ハイウェイ・タートル 30回
3.ワルツフォータートル 30回
4.真夏の亀 30回
5.さざんかの亀 30回
6.ペイントタートルブラック 30回
(以下略)
カメアン「お前ー!!真面目に聴いてたらCD通して再生回数が均一になる訳ないだろー!!絶対ちゃんと聞いてないなー!!CDを垂れ流して聞き流してただけだろ!!!」
カメスネ「ひいいー」
ドカバキボコボコ
要約:カメ太の再生回数は曲によってまちまちであった。つまり気に入った曲は何度も繰り返して聞く等して真面目に曲を聞いていた表れであるとカメアンは判断した。
他方、カメスネの方は合計再生回数は多かったが、どの曲も均一の再生回数だった。
「何度も聞いたよ」と言いたいが為に、CDを聴いてないのに流し続けていたからそうなったとカメアンは判断し、ぶん殴った。
-----
この問題はゴトーさんにSPをお願いしました。
SPの感想は「スゲェ」の一言。
趣味で作ったハンドメイド品が、自信を持って出荷できる製品レベルになった、というイメージ。
僕の初めの案のクオリティの酷さと完成品との差が面白いので以下にそれを:
-----
~SP依頼した時に同封したもの~
[問題文]
カメアンは自分で作詞作曲した歌を吹き込んだアルバムCDを、ちゃんと聴けよ、とカメ太にプレゼントした。
後日、ちゃんと聴いているか気になったカメアンはカメ太のパソコンを強引に奪い、音楽プレーヤーソフトを見ると、
極端に再生回数が少ない曲を見つけた。
その曲はオーケストラ曲のように再生時間が長い曲というわけでもなかった。
カメアンはカメ太が自分のアルバムをじっくり聴いてくれているなとカメ太を褒めた。
なぜだろう?
[解説]
カメアン「ちゃんと俺様の曲を聴いてなかったらぶん殴るぞ…カチカチ」
アルバム名:カメアンザ・ベスト
1.あの鐘を鳴らすカメ 15回
2.ハイウェイ・タートル 14回
3.ワルツフォータートル 14回
4.真夏の亀 5回
5.さざんかの亀 14回
(以下略)
カメアン「ふむ…ちゃんとパソコンにアルバムを取りこんではいるようだし、なかなか聴いてるみたいだな、……これだけ5回だと!?」
カメ太「ひい!」
カメアン「…お前!このや…そうか!…ちゃんとアルバム通してじっくり聴いてくれてるのか!
CDが出来上がってから気付いたんだが真夏の亀は曲が終わってからの無音の時間が長くなってしまったんだ。
このアルバムを俺の顔色うかがって形式的に流して聞いてたら再生回数は均等になるはずだからな。
この曲だけ5回ってことは真夏の亀の曲が終わると早く次を聴きたくて無音時間をスキップしたって事だな?
つまりお前はながら聴きじゃなくてこのアルバムを聴くという時間を何度も作ったというワケだ。
こっ…心の友よー!!!」
カメ太「フへへ」
※後日談:同様にCDを貰ったカメスネは再生回数を水増しして全て均等に100回を超えさせていたら殴られた。
要約:プレゼントしたアルバム曲の一曲は曲が終わった後の無音時間が長かった。
他の曲の再生回数が概ね均一でその一曲だけ再生回数が少ないということはアルバムを頭から通して聴いてその一曲の無音時間をスキップしていたと推察でき、
つまりCDを流し聴きしていなかったと判断し、カメアンはカメ太を褒めた。
-----
完成品との違いの核は「カメスネ」を問題文に登場させて、カメタの再生回数とカメスネの再生回数比較、をメインに持ってきているところ。
これによって問題文にも無理がなくなる、チャームは倍増、
さらに「無音時間があった」という最もギャップがあったパーツを完全カットすることが出来たというデカ過ぎるオマケ付き。
自分1人では絶対にここを修正する発想に至らなかった。
恥ずかしながら告白すると、極端に言うならばこの問題以前は、問題のトリックと物語のパワー≒問題の質、ぐらいに考えており、問題文の手入れをすることにそこまで重要性を漠然としか認識していなかった。
ところが、元々の問題文とSP後の問題文を比較した時のクオリティ差は一目瞭然、階級が違うと言ってもいい。
元の問題文は当然自分で考えた物だから良くわかる。
問題文の手入れをしてチャームを上げようとする行為が、問題全体に整体マッサージをかける行為になり、
全体としてのビルドアップを図っているのだという事をこの問題を通して初めて学んだ。
あとは、チャームを上げる行為って結構自分のセンスを撒き散らすことができて、単純に楽しい。
結論、チャームは問題の質を高める意味で重要なのはもちろん、問題を洗練させる事にも繋がっていて、超重要。
[16年09月10日 01:07]
#2【ゴトーさんのSPで知るチャームの重要性】
(これは「あるあるからダシをとる」に書いたものの再掲。)
----
「カメアン・ザ・ベスト」 http://sui-hei.net/mondai/show/25632
[問題文]
カメアンは自分で作詞作曲した歌をCDに録音し、聴かないとぶん殴るぞ、と言ってカメ太とカメスネにプレゼントした。
後日、ちゃんと聴いているか気になったカメアンは二人のパソコンを強引に奪い、音楽プレーヤーソフトを見た。
すると、カメ太の再生回数はカメスネの半分以下だった。
それを確認するやいなや、カメアンはカメスネをボコボコにぶん殴った。
なぜだろう?
[解答]
カメアン「ちゃんと俺様の曲を聴いてなかったらぶん殴るぞ…カチカチ」
【カメ太の再生回数】
アルバム名:カメアン・ザ・ベスト
1.あの鐘を鳴らすカメ 9回
2.ハイウェイ・タートル 11回
3.ワルツフォータートル 21回
4.真夏の亀 13回
5.さざんかの亀 8回
6.ペイントタートルブラック 10回
(以下略)
カメアン「ほう、なかなか熱心に聞いているみたいじゃないか。おお、ワルツフォータートルを気に入ったようだな。お前なかなか音楽を分かってるじゃないか。」
カメ太「エヘヘ」
カメスネ「なんだいカメ太、それだけしか聞いてないのか。カメアン、僕のを見てくれよ。」
【カメスネの再生回数】
アルバム名:カメアン・ザ・ベスト
1.あの鐘を鳴らすカメ 30回
2.ハイウェイ・タートル 30回
3.ワルツフォータートル 30回
4.真夏の亀 30回
5.さざんかの亀 30回
6.ペイントタートルブラック 30回
(以下略)
カメアン「お前ー!!真面目に聴いてたらCD通して再生回数が均一になる訳ないだろー!!絶対ちゃんと聞いてないなー!!CDを垂れ流して聞き流してただけだろ!!!」
カメスネ「ひいいー」
ドカバキボコボコ
要約:カメ太の再生回数は曲によってまちまちであった。つまり気に入った曲は何度も繰り返して聞く等して真面目に曲を聞いていた表れであるとカメアンは判断した。
他方、カメスネの方は合計再生回数は多かったが、どの曲も均一の再生回数だった。
「何度も聞いたよ」と言いたいが為に、CDを聴いてないのに流し続けていたからそうなったとカメアンは判断し、ぶん殴った。
-----
この問題はゴトーさんにSPをお願いしました。
SPの感想は「スゲェ」の一言。
趣味で作ったハンドメイド品が、自信を持って出荷できる製品レベルになった、というイメージ。
僕の初めの案のクオリティの酷さと完成品との差が面白いので以下にそれを:
-----
~SP依頼した時に同封したもの~
[問題文]
カメアンは自分で作詞作曲した歌を吹き込んだアルバムCDを、ちゃんと聴けよ、とカメ太にプレゼントした。
後日、ちゃんと聴いているか気になったカメアンはカメ太のパソコンを強引に奪い、音楽プレーヤーソフトを見ると、
極端に再生回数が少ない曲を見つけた。
その曲はオーケストラ曲のように再生時間が長い曲というわけでもなかった。
カメアンはカメ太が自分のアルバムをじっくり聴いてくれているなとカメ太を褒めた。
なぜだろう?
[解説]
カメアン「ちゃんと俺様の曲を聴いてなかったらぶん殴るぞ…カチカチ」
アルバム名:カメアンザ・ベスト
1.あの鐘を鳴らすカメ 15回
2.ハイウェイ・タートル 14回
3.ワルツフォータートル 14回
4.真夏の亀 5回
5.さざんかの亀 14回
(以下略)
カメアン「ふむ…ちゃんとパソコンにアルバムを取りこんではいるようだし、なかなか聴いてるみたいだな、……これだけ5回だと!?」
カメ太「ひい!」
カメアン「…お前!このや…そうか!…ちゃんとアルバム通してじっくり聴いてくれてるのか!
CDが出来上がってから気付いたんだが真夏の亀は曲が終わってからの無音の時間が長くなってしまったんだ。
このアルバムを俺の顔色うかがって形式的に流して聞いてたら再生回数は均等になるはずだからな。
この曲だけ5回ってことは真夏の亀の曲が終わると早く次を聴きたくて無音時間をスキップしたって事だな?
つまりお前はながら聴きじゃなくてこのアルバムを聴くという時間を何度も作ったというワケだ。
こっ…心の友よー!!!」
カメ太「フへへ」
※後日談:同様にCDを貰ったカメスネは再生回数を水増しして全て均等に100回を超えさせていたら殴られた。
要約:プレゼントしたアルバム曲の一曲は曲が終わった後の無音時間が長かった。
他の曲の再生回数が概ね均一でその一曲だけ再生回数が少ないということはアルバムを頭から通して聴いてその一曲の無音時間をスキップしていたと推察でき、
つまりCDを流し聴きしていなかったと判断し、カメアンはカメ太を褒めた。
-----
完成品との違いの核は「カメスネ」を問題文に登場させて、カメタの再生回数とカメスネの再生回数比較、をメインに持ってきているところ。
これによって問題文にも無理がなくなる、チャームは倍増、
さらに「無音時間があった」という最もギャップがあったパーツを完全カットすることが出来たというデカ過ぎるオマケ付き。
自分1人では絶対にここを修正する発想に至らなかった。
恥ずかしながら告白すると、極端に言うならばこの問題以前は、問題のトリックと物語のパワー≒問題の質、ぐらいに考えており、問題文の手入れをすることにそこまで重要性を漠然としか認識していなかった。
ところが、元々の問題文とSP後の問題文を比較した時のクオリティ差は一目瞭然、階級が違うと言ってもいい。
元の問題文は当然自分で考えた物だから良くわかる。
問題文の手入れをしてチャームを上げようとする行為が、問題全体に整体マッサージをかける行為になり、
全体としてのビルドアップを図っているのだという事をこの問題を通して初めて学んだ。
あとは、チャームを上げる行為って結構自分のセンスを撒き散らすことができて、単純に楽しい。
結論、チャームは問題の質を高める意味で重要なのはもちろん、問題を洗練させる事にも繋がっていて、超重要。
[16年09月10日 01:07]
[293173]SoMR[100問出題]
#1【ゴトーさんとのミニメで考えた事の覚え書き】
※これはゴトーさんの教えを僕自身が納得できる形で曲解に曲解を加えて理解しようと努めた結果の考察なので、ゴトーさんのしたかった主張とは大いに異なっている可能性があります。(私の理解力不足と言語化能力不足のせいゆえご勘弁を。)
以前ゴトーさんに「サイコパス問題」のSPをお願いした時があった。
内容は、いつの日か手直しして出題する可能性があるので言えないのだが、
「ある人が常軌を逸した思考をして、常軌を逸した行動をする」事を当てる問題だった。
僕は答えを聞いた時にゾッとするウミガメ問題に憧れていたのでウキウキしてゴトーさんの返事を待つもあまり反応がよろしくない。
結論から言うとこの問題は没になってしまった。
ガッカリする僕にゴトーさんはこのように説明してくれた。
「「異常な考え方そのものが正解のキー要素」なのであれば、それを先に明示すべき」
しばらく何の事か理解出来なかったが、
数分考えて脳に電流が走る。
なるほど!その理解を以下に書く。
---以下はゴトーさんの教えに触発された私の愚考---←キリトリセン
端的に言って、
「良いウミガメ問題は『思い付かなかった!』ではなく、『気付けなかった!』という感想を抱かせる」
である!
元祖ウミガメのスープの面白いのは誰に出しても「うわーなるほど怖い!!」という感想を貰うばかりで、
「遭難したなんか分かるわけないじゃん」という感想は聞いたことがない。
その事をこのサイトでは「納得感」という言葉で表しているわけだが…
ウミガメのスープの問題文を聞いた時、どの人も頭の中に「ウェイターに質問した後自殺する人物」を想像する。
この人物の行動、性格、職業…の範囲というのは有限個リストアップ出来るものでなく、
無限の行動可能性を持つ人物である。
無限だけれど、抽象的にそういう物体の存在を考える事は出来る。
だけれど、問題を解く時にはその人物の可能性を一個一個有限の範囲で可能性を考えていかないといけない。で、結局のところ元祖ウミガメのスープに納得する、というのは皆の頭の中のコイツが「過去にカニバった事を知り自殺する」可能性を秘めている、という事である。
つまり皆の頭に住んだコイツの行動可能性の網にその答えは引っかかっているが、
人間は有限個づつしか考えられないからその事に「気付けなかった」、である
ここで上述したサイコパス問題を考えよう。
「常軌を逸した思考」とはby definitionで「多くの人にとってのその抽象人物の行動可能性に入っていない」である。
脳内に住まわせたその人物の行動範囲の外にあるのだから、答えを聞くと感想としては「思い付かなかった」となってしまう。
これはまさしく「納得感が無い」であろう。
つまりは
「皆の脳内抽象人物の行動可能性を問題文で制御せよ」
という事である。
問題文で「この人物はこういう行動をする可能性がある」と宣言しておく事で(これは具体的に堂々と書くという訳ではなく、後で問題文を読んだ時に「ああ、この人物の行動可能性はここで示唆していたのか」と思わせるようなものである)、
答えの行動を各々設定した行動範囲の網(これは解答が出た直後に設定し直される可能性もある)に引っかからせる。
そうすると「思い付かなかった」から「気付けなかった」になり、
したがって「納得感のある」問題となるわけである。
僕としてはこれはウミガメ問題においてかなり一般的に成り立つ良問条件であると思う。
「気づけなかった」というのは脳にビビビッと電流が走る気持ちの良いものなのだろう。
夢の話がつまらないのもこれで説明できると思う。
相手が設定をいくらでもいじれるので脳内人物の行動可能性が一切設定できない。
だから、夢でどんなにキテレツな現象が起きようとも「気づけなかった」とはならない。
という事で、ウミガメ問題作成の座右にこの言葉を置いておきたい。
「思い付かなかった、でなく気付けなかった」
9/11追記:何かやっぱりうまく説明できてない気もしてきた。こう、理解に近づいてきているとは思っているが、どうも表現ができない。ううむ。ゴトーさん、申し訳ないです。
[16年09月10日 01:05]
#1【ゴトーさんとのミニメで考えた事の覚え書き】
※これはゴトーさんの教えを僕自身が納得できる形で曲解に曲解を加えて理解しようと努めた結果の考察なので、ゴトーさんのしたかった主張とは大いに異なっている可能性があります。(私の理解力不足と言語化能力不足のせいゆえご勘弁を。)
以前ゴトーさんに「サイコパス問題」のSPをお願いした時があった。
内容は、いつの日か手直しして出題する可能性があるので言えないのだが、
「ある人が常軌を逸した思考をして、常軌を逸した行動をする」事を当てる問題だった。
僕は答えを聞いた時にゾッとするウミガメ問題に憧れていたのでウキウキしてゴトーさんの返事を待つもあまり反応がよろしくない。
結論から言うとこの問題は没になってしまった。
ガッカリする僕にゴトーさんはこのように説明してくれた。
「「異常な考え方そのものが正解のキー要素」なのであれば、それを先に明示すべき」
しばらく何の事か理解出来なかったが、
数分考えて脳に電流が走る。
なるほど!その理解を以下に書く。
---以下はゴトーさんの教えに触発された私の愚考---←キリトリセン
端的に言って、
「良いウミガメ問題は『思い付かなかった!』ではなく、『気付けなかった!』という感想を抱かせる」
である!
元祖ウミガメのスープの面白いのは誰に出しても「うわーなるほど怖い!!」という感想を貰うばかりで、
「遭難したなんか分かるわけないじゃん」という感想は聞いたことがない。
その事をこのサイトでは「納得感」という言葉で表しているわけだが…
ウミガメのスープの問題文を聞いた時、どの人も頭の中に「ウェイターに質問した後自殺する人物」を想像する。
この人物の行動、性格、職業…の範囲というのは有限個リストアップ出来るものでなく、
無限の行動可能性を持つ人物である。
無限だけれど、抽象的にそういう物体の存在を考える事は出来る。
だけれど、問題を解く時にはその人物の可能性を一個一個有限の範囲で可能性を考えていかないといけない。で、結局のところ元祖ウミガメのスープに納得する、というのは皆の頭の中のコイツが「過去にカニバった事を知り自殺する」可能性を秘めている、という事である。
つまり皆の頭に住んだコイツの行動可能性の網にその答えは引っかかっているが、
人間は有限個づつしか考えられないからその事に「気付けなかった」、である
ここで上述したサイコパス問題を考えよう。
「常軌を逸した思考」とはby definitionで「多くの人にとってのその抽象人物の行動可能性に入っていない」である。
脳内に住まわせたその人物の行動範囲の外にあるのだから、答えを聞くと感想としては「思い付かなかった」となってしまう。
これはまさしく「納得感が無い」であろう。
つまりは
「皆の脳内抽象人物の行動可能性を問題文で制御せよ」
という事である。
問題文で「この人物はこういう行動をする可能性がある」と宣言しておく事で(これは具体的に堂々と書くという訳ではなく、後で問題文を読んだ時に「ああ、この人物の行動可能性はここで示唆していたのか」と思わせるようなものである)、
答えの行動を各々設定した行動範囲の網(これは解答が出た直後に設定し直される可能性もある)に引っかからせる。
そうすると「思い付かなかった」から「気付けなかった」になり、
したがって「納得感のある」問題となるわけである。
僕としてはこれはウミガメ問題においてかなり一般的に成り立つ良問条件であると思う。
「気づけなかった」というのは脳にビビビッと電流が走る気持ちの良いものなのだろう。
夢の話がつまらないのもこれで説明できると思う。
相手が設定をいくらでもいじれるので脳内人物の行動可能性が一切設定できない。
だから、夢でどんなにキテレツな現象が起きようとも「気づけなかった」とはならない。
という事で、ウミガメ問題作成の座右にこの言葉を置いておきたい。
「思い付かなかった、でなく気付けなかった」
9/11追記:何かやっぱりうまく説明できてない気もしてきた。こう、理解に近づいてきているとは思っているが、どうも表現ができない。ううむ。ゴトーさん、申し訳ないです。
[16年09月10日 01:05]
SoMR[100問出題]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年09月10日 01:04]
ウミガメのスープを一つください。[16年09月10日 01:04]