その日、雲一つない絶好のデート日和であった。
女は男に愛を囁いた。
男は驚き、女の方を見ると女もなにやら驚いた顔をしている。
それを見た男は少し残念そうな顔をした。
一体何故。
14年02月17日 23:00
【ウミガメのスープ】
[ジェミ]
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今日は仲のいいあの子の誕生日!
お互い天体観測が好きで、
彼女を誘って二人で冬の夜空を見に行くことにした。
…できれば告白したい。
そんな下心も携えて。
持ってきたブルーシートの上に彼女と二人で寝そべる。
2月の夜はやはり寒い…
二人揃って寝袋にくるまる姿は蛹みたいだ。
そんなことを思いながら俺は笑った。
やはり冬の夜空は澄んでいていい。
お互い無言になってからどれくらい経っただろう。
ふいに彼女の口から「好きだよ」と言葉が漏れた。
突然のことに驚き彼女の方に顔を向ける。
すると彼女はそんな僕を尻目に「あ!!」と驚いた顔で空をみつめている。
どうやら流れ星が流れたらしい。
急いで夜空に視線を戻すがもちろんそこには星が散りばめられた暗闇が広がるだけ。
見逃してしまった…
こんな時期に流れるなんて珍しいのに。…見たかったな。
むすっとした顔で彼女を見返す。
彼女は申し訳なさそうにはにかんでいる。
…その顔をされると何も言えなくなる…
本当こいつには敵いそうもない。まあいいさ。またそのうち流れるだろう。
なんせこれから時間はたっぷりあるんだ。
「それよりさ、牛丼、食いに行こうぜ。」できるだけ嬉しさが彼女に伝わらないように返して視線を戻す。
「ええ。・・・吉野家ね」
俺は少し呆れた。
「おいおい・・・すき家だろ。」
「ふふ・・・吉野家一択でしょう?」
「馬鹿なこと言うなって・・・すき家以外ないだろ。」
「」
「」
「」
「」
流れ星「なか卯はどうですかーーーーー(ドーーーーーン!!!!!!!!
もうじき春がくる。
蛹は蝶へと生まれかわるのだろう。
総合点:1票 その他:1票
その他部門牛削り【
投票一覧】
「この臨機応変さといったら! 捨て身のギャグが感動を呼ぶ刹那的傑作。」
2015年01月13日20時