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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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カルタじゃないんだから(問題ページ

事な大事な携帯を道路に向かって投げる男。

彼は一体何をしているのだろうか?
13年11月26日 22:16
【ウミガメのスープ】【批評OK】 [水上]



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る日、田中が山路を運転していると、ポケットに入っている携帯が鳴り出した。
田中は運転をしながらポケットから携帯を取り出そうとしていると、
ハンドル操作を誤り、ガードレールを突き破って、谷底へと落ちてしまった。

・・・

車は変形してグシャグシャになってしまったものの、田中は奇跡的に一命を取り留めた。
何とかして車から抜け出し、周りを見渡すと自分が落ちてきた崖の後ろ側は深い森。
崖はかなり急で高さもあるのでまず登れそうにもない。
しかし下手に森の中に踏み入って迷子にでもなれば命の危険も伴うだろう。

田中はふと事故の原因となった着信を思い出した。

(そうだ。携帯電話があるじゃないか。まずは助けを呼ぼう)

そう考えて携帯のディスプレイを見た田中は絶望した。

(圏外…)

田中は携帯を見ながら周りをうろちょろ歩き回り、電波のある場所を探したが見つからない。

(道路を走っていた時に着信があったということは、上の方には電波があるんだ)

田中は必死に腕を伸ばし、携帯を空にかざしてみるも電波はこない。

しばらく考えてこんだ後、田中はSOSの文面をメールで作成し、
メール送信のボタンを押して、上の道路に向かって投げた。

空中で電波を拾いメールが送信されないかを試したのだ。

もちろん命綱である大事な大事な携帯なので、自分の手元に戻るように真上に投げる。

そして戻ってきた携帯のディスプレイに表示された送信失敗の文字を見てため息をつく。

田中は諦めずに何度も何度も携帯を空に向かって投げ続けた。



「あれ、都会で流行ってんのかな」
偶然近くを通りがかったおっさんがそんな田中を見つめていたが、
しばらくすると飽きて帰っていった。

この森はそんなに険しくはなく、山菜を拾いによく地元の人が入ってくるのだった。


そんなことを知る由もない田中は68回目の投擲で肩を脱臼した。
総合点:8票  チャーム:1票  納得感:4票  トリック:1票  物語:1票  言葉遊び:1票  


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チャーム部門みたらし
投票一覧
「挿絵の力も相まって、とても魅力的で、謎めいた問題文。そしてその問題文を越える解説の衝撃度。どちらも圧巻です」
2015年10月05日15時
納得感部門フィーカス
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「同じ場面に遭遇したら絶対やっているだろう、そんなことが容易に想像できる説得力があります。短い問題文で別解が作れそうですが、この解説を越える別解は容易にはできないでしょう。」
2015年12月21日10時
納得感部門菜連
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「深い納得感を得られる一品です。」
2015年08月08日18時
納得感部門ドタオング
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「これはもう本当に面白い。」
2015年08月06日06時
納得感部門春雨
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「絶対騙されて、絶対納得します。」
2015年08月02日22時
トリック部門tsuna
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「叙述は下手をすると叙述を解いたらそれがFAとなってしまいますが、この問題はトリックを解いた先がスタートラインとなっているのでヒラメキだけでは解けず、質問者の水平思考が問われる非常に重厚な問題だと思います」
2015年07月08日23時
物語部門フィーカス
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「読んでいる人は笑っているだろうけれど、やっている本人は必死。簡潔な解説が書けるのに、参加者が想像した以上の物語が待っている。ラテシンがエンターテイメントの場である以上、問題が終わった後にはきちんと楽しめる解説が必要なのだと実感する問題でした。」
2015年12月21日10時
言葉遊び部門春雨
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「無駄が無い。」
2015年08月02日22時

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