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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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大金持ちの娘(問題ページ

金持ちの夫婦がいました。

夫婦は事故死し、一人娘が残されました。
娘は夫婦が死んでから、ある手術を受けました。
しばらくしたある日、彼女は、医者を殺しました。

なぜ殺した? 真相は?
13年06月20日 17:37
【ウミガメのスープ】 [ととろ]



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るところに、大金持ちの夫婦がいました。

彼らの一人娘の顔には、生まれつき、とても大きく醜いアザがありました。
娘はそれを気に病んで、小さな頃から学校にも行かず、外にも出かけず、
ただ家に引きこもって暮らしていたのです。

ある日、突然の事故死で両親が亡くなり天涯孤独となって、
ますます塞ぎこむ娘に、娘を世話していた召使いが勧めます。

「いつまでも家に閉じこもっていては、天国の旦那さまと奥さまも悲しみますわ。
どうしてもお顔のアザが気になるのなら、私が良いお医者さまを紹介しますから、
アザを消す手術を受けてはいかが?」

確かに、このまま一生家に閉じこもっていても、天国の両親が悲しむだけかもしれない。
納得した娘は、召使いが紹介してくれた、顔の傷を消す手術をしてくれるという医者のところへ行きます。
麻酔をかけられ、意識を失う瞬間に娘は召使いの声を聞きます。

「ねえ、お嬢様と私、背格好がとても似ていると思いません?
あなたは家に引きこもっていたから、あなたの性格や声を知っている人はほとんどいないわ。
顔だって、あなたは、ほとんど顔を見せないように隠していたものね。
あなたのことを一番よく知っているのは、ずっとあなたを世話してきた私よ。
あなたによく似た、アザのない顔に整形してもらえば、私があなたになりすますことなんて簡単ね。
安心して、あなたのご両親の遺産……いいえ、“私の両親”の遺産は、
全部わたしが有効に使ってあげるから!」

そうして大金持ちの娘は殺され、ひっそりと山に埋められました。
一方で召使いは医者に整形をしてもらい、大金持ちの娘になりすまし、屋敷に戻って人生を謳歌します。

ところがある日、娘の殺人と彼女の整形に協力した医者がこっそりと彼女を訪ねてきて言います。

「あの後考えたんだけどさ、あんな危ない橋を渡ったのに、
俺の取りぶんが、どうにも少ない気がするんだよなあ」

彼女は、このまま医者を生かしていては
自分は一生、強請られ続けるだけだと気づきます。

「そうね、あなたにはお世話になったから、もう少し支払うことにするわ。
鉛の弾丸を数発、それでいいかしら?」

そう言って彼女は素早く机の中から拳銃を取り出し、医者に向けました。

そして銃声。

こうして彼女を悩ますものはいなくなり、彼女はこれからも「大金持ちの娘」として幸せな人生を過ごすことになりました。
総合点:1票  物語:1票  


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物語部門とかげ
投票一覧
「一見無駄にも思える問題文の要素が、実は物語のポイントになっています。真相にゾクっとしました。」
2015年04月28日18時

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