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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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炎と遺書と相談相手(問題ページ


燥したクリスマスの夜、閑静な住宅街の片隅で火災が起きた。
女性の一人暮らしに似合いそうなかわいらしいアパートの2階の一室が全焼したのだ。

鎮火された部屋からは一つの焼死体が発見された。
身元も間もなく判明し、警察はMixyのアカウントに遺書とみられる書き込みがあったことから、自殺と判断した。

その火事を119番に通報した男は、警察の質問にこう答えた。
「相談すら受けていなかったので、詳しいことはわかりません。私が通報した頃にはもう既に天井にまで燃え広がっていました。」


事件の真相を暴いてください。
12年12月11日 22:12
【ウミガメのスープ】 [ikoano]



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リスマスのイルミネーションが煌々と輝く夜の街。
男は長引いた仕事を何とか終わらせ、彼女の家に急いでいた。
片手には不機嫌になっているであろう彼女をなだめるためのケーキを抱えている。
ドアの前に立ち、呼び鈴を鳴らす。だが、反応がない。
「・・・?」
不思議に思った男はドアノブに手をかける。鍵はかかっていなかった。

ゆっくりとドアを開けて、中を覗き込む。
暗闇に目が慣れるまでに時間がかかったが、その後目の当たりにした状況を理解するにはさらに時間がかかった。
乱れた服のまま彼女が倒れている。その向こうには、見知らぬ男が同じように倒れていた。
地面が真紅に染まっている。
慌てて彼女に駆け寄った。息はあった。ひとまずほっとする。
そばにあった折りたたみ椅子が目に入った。一目見てそれが凶器になったのだとわかった。
倒れていた男の方は、息をしていなかった。

そういえば、最近彼女がストーカーがいるとか言っていたような・・・
後悔と自己嫌悪の渦に飲み込まれそうになるのを必死にこらえながら、男は彼女が殺人者にならない方法を考えた。
ふと、男のケータイが目に入る。ブラウザを開きブックマークを探すと、すぐにmixyが見つかった。
そのままログインし、こう書き込んだ。

「好きな女を道連れに死ぬことにした。」

ケータイはそのまま放置し、部屋に火をつけた。心の中で彼女に謝りながら。
死んだストーカーと気を失った彼女。
そんな異常な光景すら煙で覆おうとしている炎を、男はじっと見つめていた。
舞い散る火の粉で火傷をしようが気にも留めなかった。
「・・・ごめんな。」
天井まで燃え広がるのを確認し、彼女を抱えて外を目指す。
幸いなことに外には誰もいない。
安全なところに彼女を置いて、彼は消防に電話をかけた。


後日、新聞の3面記事にこの事件が載った。
「ストーカー、無理心中を図ろうとするも失敗」
「ある女性につきまとう男が、クリスマスに女性宅に侵入、乱暴した後放火した。だが、女性と交際していた男性がちょうど女性宅を訪れ、燃え広がる前に女性を救出することに成功。加害者の男はその火事により、焼死した―――」
総合点:1票  物語:1票  


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物語部門なさ
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「真相を暴くという趣旨の問題なのでチャームはそれほど強くはないのですが、その真相に思わず鳥肌が立ちます。徐々に真相を解き明かしてゆく、ウミガメならではの醍醐味を存分に味わえる問題だと思います。」
2015年04月29日00時

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