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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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Let's play riddles 3(問題ページ

人の男が昼食を取りながら、なぞなぞをしていた。

A「話すのが大好きな道具はなんだ?」

Bがそれに答えると、Aは他の答えだと言って、説明を始めた。
それを聞いたBは、Aに対して恐怖した。
そして、AはBに自分を殺せと言った。

話すのが大好きな道具はなんだ?
12年11月11日 17:06
【ウミガメのスープ】 [(棒)]



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性二人が、昼食を食べながら話していた。共に還暦間近の独り者。

その一人、Aには妹がいた。情緒不安定で家族と仲が悪く、まだ幼い内に自殺してしまった。
その原因は「ある男から長期間に渡り、乱暴を受け続けていたこと」だった。
彼女の死から既に四十年以上が経った今になって、Aは妹のためにできることを見つけたという。

A「妹のために、できること。なんだと思う?」
B「まさか、後を追うとか言わないよな?」
A「後追いにしては、時間差が過ぎるな」
B「じゃあどうするつもりなんだ?」
A「男に会う」
B「復讐するつもりか!?」
A「そうだな・・・でも、傷付けたりはしない」
B「話し合いでもするのか?」
A「・・・三つ目のなぞなぞだ。『話すのが大好きな道具はなんだ?』」
B「シャベルだろ。で、お前の答えは?」

A「『本』だよ」
B「まぁ、色々な内容が書かれてるし、擬人法で言えば御喋り好きなのかねぇ。道具って感じはしないが」
A「そうじゃないよ」
B「じゃあ、日記のことか?」
A「それも違う。お前の家になぞなぞの本があったって言ってたよな?」
B「ああ。誰のかわからないが、子供向けのなぞなぞ本があった」
A「それ、俺の妹の本だ。俺が出してきた問題も、その本に載ってたやつだよ」
B「え?」
A「妹、なぞなぞ好きだったんだよ。だから、遺品に本が無いことはすぐ気が付いた。お前の家に行ったとき、本を見つけてずっと引っかかってた」
B「そんなの、ただの忘れ物だろ!?」
A「お前、妹が死んですぐ引っ越しただろ?親に泣きついたか?金持ちのボンボンってのは、便利な親がいて羨ましいな」
B「何言ってるんだよ」
A「顔変えたんだよ。高校出てすぐ、働きながらお前の素性調べてやっと見つけたよ。退職金で引っ越して、やっと会えた」
B「お前・・・」
A「俺はお前がしたことを全て知っている。妹にしたこと全て知っている。突き落とした時は、どんな気分だった?」
B「やめてくれ」
A「このマンションの全員に話して回ろうか?」
B「やめてくれ!もう昔のことだろ!魔が差したんだ!死ぬなんて思ってなかったんだよ!
  誰かに告げ口しそうだったから、脅かそうとしただけなんだよ!」

A「・・・さっき、『本』って答えだと道具って感じがしない、って言ったな?」
B「は?・・・え?なんだよ?」
A「道具で合ってるよ。お前の口を割らせるのに、役に立った。カマ掛けたんだよ」
B「お前・・・これが、復讐か?」
A「そうだな。お前の過去を知っている人間が、すぐ近くにいる。俺はお前を殺したりしないが、余生を安穏と過ごせると思うなよ?」
B「何をするつもりだ?」
A「何もしない。ただ、永遠に許さない。恨み続ける。憎み続ける。お前のすぐ近くで、お前をにらみ続ける。それだけだ」

沈黙の中、Aだけが昼食を食べ終わった。部屋を出ていくAは最後にこう言った。

A「怖いなら、俺を殺せ。お前はどうせ苦しみ続けるんだからな。俺は構わないぞ?」

Bは沈黙したまま、食べかけの昼食を見つめていた。


総合点:1票  物語:1票  


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物語部門緋色
投票一覧
「こちらは三部作なので1から順に目を通してほしいと思う。他に例を見ない問題構成がまず目を引く。気がついたらその世界観に引きづり込まれてしまうだろう。読後の余韻に浸って頂きたい。」
2016年08月31日08時

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