あのね、ゆりりだよ(◕ ◡ ◕*)
ゆりり、おともだちだいすき、お人形もだいすき。
でもいちばんすきなのはお絵かき、お絵かきがいちばんだいすきなの。
でもね、ママはいつも『おべんきょうしなさい』ばっかり言うんだよ。
今日もゆりりのおへやに来て『遊んでるならおやつ抜きよ!』って言ながら、
ゆりりの手からクレヨンを取りあげちゃったの。
『ごめんなさい、いまからおべんきょするよ』
でも画用紙にかいたおやさいを見たママは急にやさしくなって、
続きをかいてってゆりりにクレヨンをかえしてくれたの。
あれれ、どして? どしてかな(◕ ◡ ◕*)?
17年10月27日 23:33
【ウミガメのスープ】
[ゆりり]
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【これ短いの】
夕食の買い物リストを書き終えたママはおやつを持ってゆりりの部屋に行った。
画用紙に向かってる姿を見てまたお絵描きしているのかとクレヨンを取り上げたが、
そこには幾つかの野菜の名前が書かれており、ママのリストを真似したと言う。
これって透視?驚いたママはリストの続きを書くようにとゆりりにクレヨンを返した。
【こっち超長いの】
『今日はパパ遅くなるし、ゆりりと2人だからシチューとサラダでいいわね』
シチューのジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、カボチャ。
サラダのトマト、レタス、キュウリ、それから…とお買い物リストを書いたゆりりママ。
おやつを持って部屋に行くと、ゆりりはまた画用紙に向かいクレヨンを持っている。
遊んでばかりとクレヨンを取り上げたが、よく見ると書かれていたのは絵ではなかった。
『あら?何これ、ジャガイモ、ニンジン…玉ねぎ??』
『ん、今かきたい絵がうかばなかったからママのマネしたの』
『マネしたって、向こうで書いてたものを? え、まさか…これって透視?!』
『とーし?何それおいしいの? ゆりり今からおべんきょするよ、だからおやつを…』
『お勉強はいいからその続きを書いてみて!他にもお野菜書いてたでしょ?』
スラスラと続きを書くゆりりを見たママは
『ゆりり、すごいじゃない!パパも驚くわよ! ほら、もうちょっとやってみましょ☆』
それからママは離れた所で何度も色んな文字を書き、ゆりりは全てを透視した。
その夜遅くに帰ったパパを、大興奮のママと眠そうなゆりりが待っていた。
「パパ、ゆりりったらすごいのよ!ほら、ゆりり何でもいいから書いてみて☆」
「透視なんてほんとなのか? じゃあもし出来たらパパ何でも買ってやるよ!」
「なんでも?ほんとにほんと?やくそくだよ!!!」
眠気も吹っ飛んだゆりりは、画用紙に向かいゆっくりと何か書き始めた。
「できたー!これね、パパのポケットに入ってるの(◕ ◡ ◕*)」
ゆりりが見せた画用紙には『亀子、一番好きだよ』の文字と沢山のハートマーク。
「………パパ?」
「あ、いやママ、これは、その……」
ママはパパのポケットから素早くスマホを取り出した。
パパと亀子のLINEを読み終えると
「さぁ、もう寝る時間よ」とゆりりを部屋に連れて行った。
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みんな、ゆりりだよ。
んん、どうしたんだろ、ママが急に怖い顔になってお部屋に連れてこられちゃった。
なんかね、向こうからママの大きな声とお皿の割れる音がきこえてくるの。
むずかしい字だったから、ゆりりまちがえちゃったのかな。
まちがえてかいたから、ママ怒ってるのかな。
パパが何度もごめんなさいしてるの。
ゆりりの代わりにあやまってくれてるんだね。
よし! ゆりり明日からはいっぱい字のおべんきょして、
パパが毎日誰になにをかいてるのか、ぜーんぶママに教えてあげることにする!
そしたらパパもママも、きっとすごーく喜ぶよ。
ね、ゆりりえらい? えらいでしょ?(◕ ◡ ◕*)テヘッ☆
総合点:1票 物語:1票
物語部門オットセイ三世【
投票一覧】
「最初から最後まで、ゆりりさんの世界に引き込まれます。というか、スルリと引き摺りこまれます。問題文を二度見したくなる解説です。」
2017年10月28日14時