仕事帰りに立ち寄った店で男がウミガメのスープを注文した。
運ばれてきたスープを一口食べたところで手を止め、シェフを呼んだ。
「すみません、これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい、間違いありません。」
この後いくつかの質問をした後、男は会計を済ませ帰宅した。
一年後、男は自殺した。
なぜ?
17年07月29日 20:45
【ウミガメのスープ】
[二世者]
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男は週刊誌の記者だった。
ある町で、連続行方不明事件について調べていた男は、昼食を取るためにレストランへ入ったが、その店では巷で人気のウミガメのスープが提供されていた。味しだいではいい記事になると思い、男はウミガメのスープを注文した。
注文されたスープを一口飲んでみると、とても深い味わいだった。男自身はウミガメのスープを食べるのは初めてであったが、これは間違いなくレベルの高い部類であると思い、シェフを呼んでいくつかのか質問をした。
「すみません、これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい、間違いありません。」
「このスープは具材がウミガメ肉しかないようですが、なにかこだわりが?」
「えぇ、うちはスープに自信があるため、具材は無駄なものはいれないんですよ。」
「へぇ、スープに自信が……一体どんな秘密が??」
「そこは企業秘密となっております。ご容赦ください。」
「いやいや、素晴らしいスープでした。満足です。」
その後男は会計を済ませ帰宅し、スープのことを記事にした。
男の予感は的中、その記事が話題になり、レストランは一躍人気店となった。そして、空前絶後の人気店となったレストランの美味しさの秘密は、あらゆるマスコミが求める情報となった。
そして、ついにその秘密が判明した。
"ウミガメのスープで人気レストラン、おぞましき美味の秘密!"
そのレストランが連続行方不明事件の黒幕であり、ウミガメのスープの出汁を誘拐してきた人の骨で取っていたことがスクープされたのだ。
男はそれを知った瞬間、深く絶望した。自分が人骨のスープを飲んだこと、そしてそれを週刊誌にして広めてしまったこと。罪悪感に耐えれずに、男は自殺してしまった。
<要約解説>
男は週刊誌の記者で、人骨のスープを食し、広めてしまったことを知って自殺した。
総合点:2票 チャーム:1票 伏線・洗練さ:1票
チャーム部門からす山【
投票一覧】
「本家のオマージュですが、一年後に自殺するという妙な状況が加わっており、それがかなりのチャームになっていると思われます。」
2017年10月23日21時
伏線・洗練さ部門からす山【
投票一覧】
「物凄くよく練られた問題です。一年後という年月の理由がよく分かります。このような綿密な解説を初出題から出せるとは。このあと投稿されなくなってしまったのが残念です。(以下、きわめて私事ですが、私の作品の「いつか夢見た称号」に出てくる要素は、何となくいつまでも頭に残っていたこの作品のタイトルの「三ツ星」が一つの元でした。ふと思い出して、投票しました)」
2017年10月23日21時