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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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【ラテクエ78リサイクル】星に願いを(問題ページ

れ星に願い事をしたら叶ったが「こんなことなら願い事なんてするんじゃなかった」と彼女は言った。
何故だろうか。

ラテクエ78、くまのこさんの作品です^^
17年07月25日 23:45
【ウミガメのスープ】【批評OK】 [ノックスR]



解説を見る
料通信アプリ『LI█E』修復プログラム起動

対象アカウント:リナ
20██/█/█
.2█:██〜のデータを復元します・・・


復元中・・・


復元中・・・


復元中・・・


███████████ 100%
残り時間 00:00




データの一部の復元に成功しました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

【Time:20██/█/█】

Amanda:ハロー、ハロー。


リナ:え・・・? どちら様・・・?

リナ:あ、こういうのって無視したほうがいいんだっけ

Amanda:よろしければ、お話し相手になってくれませんか?








Amanda:あの……お願いです。ほんの少しでいいから






リナ:どちらさまですか?

Amanda:アマンダといいます。応えてくれてありがとう。

リナ:なーんか怪しいなあ。私、こーいうの使ったばかりだからよく知らないけど、これ。迷惑LINAってやつ?


Amanda:迷惑……ごめんなさい。そんなつもりはなかったのです。ただ、お話ししたくて……


リナ:んー。じゃあ、実際に会ったり、壷を買ったりはしないからね。それでいいなら、少しだけなら。

Amanda:私、アヤシクナイヨ……

リナ:うわ、文字からして怪しいw


Amanda:ごめんなさい、ちょっとふざけちゃった……嬉しくて。貴女の事は、リナって呼べばいいですか?

リナ:いいよー。じゃあ、私はアマンダって呼ぶね。


【以下、データ破損】

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【Time:20██/█/1█】


リナ:今更だけどさ、アマンダって、外人さん?


Amanda:ううん。日本生まれ。


リナ:おおー。そうなんだ。まあ、日本語上手いしね。

リナ:っていうか、私より上手いかも・・・

Amanda:そんなことないよ。そんな、遜ることないって

リナ:うがー!読めねーっつーの!イヤミか!w

Amanda:うふふ。

【以下、データ破損】

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【Time:20██/█/1█】

リナ:そういえばさ、アマンダ。

Amanda:なに?

リナ:どうして、私にメッセージを送ったの?もしかして、どこかで会ったことあったり?


Amanda:ううん。偶然なの。私、友達がいなくて……でも、友達が欲しくて……

Amanda:このアプリで誰かとお話ししようと思ったの。それで、偶然、リナのアカウントを見つけたから。


リナ:ふーん。友達が出来ないような性格には見えないんだけどね〜

Amanda:そんなことない。リナが優しいからよ。私、あなたとお話しできて本当に楽しいし、嬉しい。



リナ:あらま、それは光栄




リナ:・・・・・・まあ


Amanda:?



リナ:私も、あなたと話せて、まあ悪くないっつーか、




リナ:楽しいけどね


Amanda:リナ……ありがとう

リナ:まあでも。最初はめっちゃ怪しかったけどね!


Amanda:アッ、アヤシクナイモン!

リナ:だからそれやめろwww


リナ:ねえ、アマ██

Amanda:な███か█


リナ:今█、ど██で███い?

Amanda:そ████

【以下、データ破損】

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【Time:20██/█/2█】

Amanda:ねえ、リナ

リナ:どうしたの?


Amanda:この間は、ごめんなさい



リナ:ああ、いいってー!実際には会わないって言ったの元々私の方からだし

Amanda:ごめんなさい

リナ:はいはい、謝るのは中止!全く、アマンダは何かあるとすぐ謝るんだから

Amanda:リナ……


リナ:ん?

Amanda:そこで「中止」というのは、言葉の意味的に少しおかしい気がします。

リナ:やかましい、謝れ!

Amanda:うふふ


【途中、データ破損】


█manda:……ねえ、リナ


リナ:ん?




Amanda:もし……もしも、ですが

リナ:うん


Amanda:友達が何かの危機に陥った時、リナはどこまでのことが出来ますか?




Amanda:リナ?




リナ:ああ、ごめん。なんか予想してない質問だったからさ

リナ:うーん、そだねー


リナ:どこまで、かあ。友達一人一人、何でも、ってわけにはいかないかもねー


Amanda:そうですか……


リナ:でもね、私の意見なんか参考にならないってw
リナ:こういうのって、人によって変わるもんでしょ?

リナ:その人のために、どこまでしてあげたいか。




リナ:少なくとも、私はリナのためだったら、出来る限りのことはしてあげたいな


Amanda:!


リナ:うっわ!って私、何言ってんだ!?恥っず!めっちゃ恥っず!!


リナ:今の忘れて!ってか忘れろ!今すぐ記憶から抹消するんだ!!


Amanda:記録しました


リナ:てめ、コノヤロー!

Amanda:うふふ。じゃあ、さっきのお願いを聞く代わりに、私のお願いを聞いてくれますか?


リナ:いくらだい?

Amanda:お金じゃありませんよ、もう……あの。私。リナに実際に会わないかと言われてすごい嬉しかったんです。



Amanda:会いたくないわけじゃないんです。でも、会えない……

Amanda:だから、私と会いたいと、星にお願いをしてくれますか?


リナ:え? 星?

Amanda:流れ星に、三回お願いすれば、願いが叶うと聞きました。



リナ:あーなるほど。いや、でも流れ星なんて滅多に見れないよ〜。それに、流れ星って一瞬で、三回言えるかなあ・・・・・



Amanda:それなら、大丈夫。2█日……つまり明日の、██:██:██の時に、█████座の方に、流れ星が落ちます。3秒ほど、落ちるらしいです。それなら、可能と思わない?



リナ:へー、それって、マジ?

Amanda:ふふ、ええ。マジです。大マジです。私、都合が悪くてその時星を見れないので、代わりにお願いできますか?


リナ:明日のその時間は暇だし、任せてーー!


Amanda:よかった。よろ█く、お██します。

【以下、データ破損】

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【Time:20██/█/2█】


【前半、データ破損】

リナ:おおー! 流れた! ほんとに流れたよ!

リナ:結構大きい流れ星だったなあ。

リナ:でもね、ふふーん。なんとっ!三回言えたよ〜

リナ:でも、めっちゃ恥ずかしかったんだけど!ww


リナ:アマンダ?

リナ:おーい



【アカウント:リナにメッセージが一通届きました】


【復元終了】

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【追加資料】
以下は最新式AI、「Amanda」が対象に送ったと思われる手紙を一部復元した物である。なお、受取人は上記「リナ」と思われるが、「リナ」というアカウントは無数にあること(そのうち、約██%はAmandaが作ったダミーであると思われる)。Amandaが彼女(彼?)への通信の記録一切を破棄したこと(復元できたのは上記の一部のデータのみで特に身元が分かりそうなものは徹底して消滅していた)、そもそもAmanda本体が消失したこと、厳重なプロテクトのもと彼女と通信を行っていたことが明らかとなっており、未だ「リナ」の身元の捜索および「Amanda」の機密保持に関する記憶処理は困難となっている。現在、「Amanda」管理者の██に聞き取りを行っているが、新しい手がかりは得られていない。


〜〜〜〜〜〜〜〜


リナへ。

このメッセージは、時間差でリナがあの流れ星を見た後に送られるようになっています。
リナ。流れ星見てくれた? 曇ってて見れなかったら最悪なんだけど、計算上大丈夫なはずだと出たから、見れたと信じています。

リナ。突然、こんな形でメッセージを送ってごめんね。リナには、私の秘密を知ってほしいです。本当はいけないことなんだけど。だから、秘密ね。誰にも言わないで。
私は、実は人間ではありません。██████の元、██の技術を応用して作られた、高性能のAI……人工知能なの。
そして、私が作られた目的は、地球に接近してくる小惑星の、破壊。この小惑星はこのままだと████に地球に衝突して【データ削除済み】。
私の任務はそれを止めるために、その小惑星へ孔を堀り、内部から吹き飛ばすというものでした。


あなたが見た、あの流れ星。

それが、その小惑星。そして、私です。

えへへ、私、きれいでしたか? もしそう思ってくれていたら嬉しいな。私の方からも、リナのこと、見つけられるかな。見つけられるよね、きっと。

リナ。そしたら、私たち、初めて「出会えた」と言えるのかな。
リナが私に会いたいと言ってくれて、本当に嬉しかった。私も、初めて貴女とお話ししたときから。本当に会いたかった。
だから、もう怖くない。だって、願いが叶うんだもの。

だから。だから、ね。このお願いはもうこれでおしまい。もう私と会いたいとか願っちゃだめだよ。二回も同じお願いが叶うなんて、贅沢だもの。だけどその代わり、違うお願いならいっぱいしてもいいよ。



今まで本当にありがとう。そしてさようなら。
私の、最初で最期のかけがえのない人。



ーーAmanda.






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

Amandaに感情プログラムを導入したのは失敗であると同時に、成功であるともいえる。
確かに彼女の「恐怖心」は情報漏洩をもたらした。しかしそれと同時にその恐怖心によって、我々は心から彼女に敬意の念を抱くことが出来るだろう。
ーーーーーDr.████
総合点:1票  物語:1票  


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物語部門しゃっくり2
投票一覧
「ラテクエ問題文決定戦でのリサイクル作品でしたが、ここまで悲しく、重厚的で、良い作品はないでしょう。本文製作者も、もちろん我々参加者もこの結末は予想出来ないし、この発想は見事だったと言えるでしょう。」
2017年09月17日15時

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