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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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隣人のほほえみ(問題ページ

の知り合いに、不思議な人がいるんです。プラモやパズルの好きな、おとなしい男です。


ご家族もいない一人暮らしで、お寂しいのではないかと時々遊びにいくのですが、
その人のお家にお邪魔した時、同じビデオの同じシーンを何度も何度も見ていたんですよ。凄く熱心に。
相当そこが好きなのかな・・・・・・でも何の変哲も無い内容だったと思いますけどね。家族がティータイムを楽しんでいたような。


あと・・・彼はよく山手線で寝過ごすみたいなんですよ。でもそれに懲りて居眠りに気をつける様子もなく、
席に座ってしばらくすると目を閉じて、また同じ失敗をするんです。
私が見かけたときは困った様子もなく、何故かほほえんでいました。

他の人からもそういう話を聞きました。待ち合わせに遅刻したりはなさらないので別段困らないのですが、奇妙ですよね?
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彼の不思議な行動は、全て同じ理由からきている。その理由とは何か。
※「私」の素性は答に関係ありません。
11年02月25日 00:08
【ウミガメのスープ】 [笹アイス]



解説を見る
彼は死んだ家族の復活を願っていた。時間の逆流、壊れたものの再生・復活を想起させるものに心がひかれたから」

彼は子供の頃、旅先で家族とともに悪漢に襲われ、両親を殺された。
その地は厳寒の冬山で、折からの天候のために悪漢達・彼・幼い妹は遭難してしまった。
食料が尽きていき、悪漢達は妹を連れて行ってしまう。そのなかの一人の男が彼にスープを持ってきてくれた。
空腹で衰弱した彼はその正体に気づかぬ振りをして、自らをも欺き、スープを飲んだ。
彼は救出されたが、その辛い記憶は残った。彼は鍋の中で見つけた小さな骨だけを持ち帰った。
彼はビデオを見る。コーヒーカップが落ちて割れるシーンを何度も何度も巻き戻して。

粉々の破片がぴょんと飛び上がってカップになりテーブルの上に載るさまは快いものだった。
彼は渋谷から環状線に乗った。新宿・・・高田馬場・・・池袋・・・

家は遠く過ぎ去ってしまった。なんとはなしに不安を覚えた彼は、目を閉じる。すっかり眠り込んで目を覚ますと、恵比寿だ。
“Next station is Shibuya.”アナウンスを聞いて彼は嬉しそうだった。
彼はこれからも同じことをするのだろう。

いつか宇宙が逆流して、小さな骨が妹になることを夢想しながら
総合点:1票  物語:1票  


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物語部門なさ
投票一覧
「問題文の段階で物語が出来上がっていて、その共通点を探索するという面白い趣向の問題。解説も泣かせに来てますね。こういう解説が笹アイスさんの真骨頂だと思います。」
2015年02月10日01時

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