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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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ウミガメの子はウミガメ(問題ページ

がおもむろに【子供のDNA検査をしよう】そんなことを言ってきた。

どうやら、過去のワイドショーネタを紹介して過去を振り返るような番組を見ていて不安になったようだ。
夫の子であることに自信があった私は、なんやかんやと理由をつけて

夫の提案を却下したのだった。

なぜ?
16年04月01日 00:34
【ウミガメのスープ】【批評OK】 [Ratter]



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の人生は順風満帆といえるものではなかった。

何故かと言うと、私は子供の頃から不美人・・いや、不細工を絵に描いたような顔立ちをしていたからだ。

太っているであるとかであれば、努力で覆すことはできるかもしれない。

が・・化粧などではごまかしきれないこの顔、これは自分ではどうにもできない。
そう考えていた。

さらには、高校の卒業が迫ってきた頃、家が全焼し両親が他界してしまった。
身寄りの無かった私は、少しだけ降りた保険金を手に一人で生活していくため
地元を離れ、仕事の多い都会へと上京したのだった。

そんな時、初めて「美容整形」というものを知った。
これならば自力で自分のこの不幸を取り払うことが出来る!
幸いなことに、ここは私の過去を知る人はいない。

そうした希望を得た私は転々と職を変え、馬車馬のように働いた。
そして手にした賃金は全て整形に費やしてきた。

数年後、私は誰もが振り向く美人と言えるまでに変身を遂げていた。

そして、今の夫にプロポーズをされた。
「君の見た目が気に入った」
普通に考えれば最低のプロポーズの言葉だが、
私にとっては自分の努力の結果を認めてくれたようにおもえたのだ。


そして、娘が生まれた。


数年は幸せだった。
が・・私は段々と恐怖にさいなまれるようになった。

娘が、成長するほど過去の私にそっくりになっていくのだ
まるで、自分が捨て去った過去を突きつけてくるかのように。

「・・・しかし不思議なものだね。君と僕の子供でも・・その・・こういう顔になることもあるもんなのか・・」

夫もそんなことを言うようになった。
幸いなことに唯一の身内だった両親はすでに他界しており、家も全焼したため写真は一枚も残っていない
【私の家系の特徴が強く出ている】とは考えていないようだった。

そんなある日、
夫がおもむろに【子供のDNA検査をしよう】そんなことを言ってきた。

浮気を疑われたのかとも思ったが
どうやら、過去のワイドショーネタを紹介して過去を振り返るような番組を見ていて不安になったようだ。
TVでは過去にあった【新生児取り違え事件】のネタが流れていた。

夫の子であることには自信がある。なにせ私は夫以外の男性を知らない。
つまり100%私達二人の子としての判定結果が出る。
私が整形していることに気づくきっかけを与えてしまうかもしれない。
そうなれば私の顔だけを気に入っているあの人のことだ、離婚すら言い出すかもしれない。

少ない可能性であるかもしれないが・・疑いの矛先をこちらに向けさせるべきではない。
そう考えた私は

「・・別にいいじゃない。これまで、育ててきたんだもの、もしそんなことがあったとしてもあの子は私達の子よ。
そんなことを伝えたら・・あの子が可哀想じゃない」

などと、なんやかんやと理由をつけて
夫の提案を却下したのだった。

疑いの目を、私ではなくあの子に背負って行ってもらうために。
総合点:1票  伏線・洗練さ:1票  


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伏線・洗練さ部門春雨
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ネタバレコメントを見る
「問題の言い回しが巧く、また解説一文の「そうである事」でなく「そうであるかもしれない事」を利用する事が水平思考的で素晴らしいです。」
2016年07月26日20時

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