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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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午後3時の頭脳戦(問題ページ

る晴れた日の昼下がり。
私は、紅茶を読みながら本を読んでいた。
ここのところ謎収集が忙しくてなかなか暇がなかったから、読みたい本が溜まってしまった。だが、今日は休み。本屋で目についた本を片っ端から買い込んできて、日当たりのいいところで読むという贅沢な時間を過ごそうと思う。
一冊読み終えて、読み終えた本の山に積んだところで、シンディが帰ってきた。
「ただいまライナー君。随分買い込んできたねえ」
「ここのところ謎収集が忙しくて買えなかったのが溜まってるんだ」
「ふうん。ところでさ……」
そこで言葉を切ると、シンディは私と机の上の間で視線を行き来させた。
「…………ライナー君。私がキッチンに置いてたおやつ、食べたね?」
「なっ……! 何を言っているんだ? 食べてないぞ?」
図星だった。机の上こそすでに片づけてしまったが、私はさっきまで、キッチンにあったスコーンを食べていた。
「そこまで露骨に慌てなくてもいいのに。今更取り繕っても、食べた事実はなくならないよ?」
「ぐっ、なぜ分かった! しっかり偽装したのに……」
「私のおやつ食べといて、勝手なこと言うなあ」
「うう。それにしても、どうしてキッチンも見てないのに、俺がスコーンを食べたと分かったんだ?」
「…………」
「シンディ?」
「…………」
「YESかNOで答えられる質問になら答えてくれますか?」
「…………………………………………YES」

※ストーリー仕立てになっておりますが、この問題はウミガメのスープ問題です。「キッチンも見ていないのに、「ライナーがスコーンを食べてしまった」とシンディが分かった理由」をお解きください。
【参加ルール】ライナー君になりきって質問してください。シンディになりきって回答します。(お遊び要素なので、難しければ普通に質問してくださって結構です。また、あくまでウミガメですので、回答者(なりきりシンディ)は解決に必要な情報をすべて把握していますし、質問はYESかNOで答えられるものだけができます。ライナー君に周囲の観察や探索をさせることはできません)
16年03月19日 21:00
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]



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なるほど、そういうことだったのか……」
「そう。まず私が注目したのは、ライナー君が飲んでいるもの。君は、初めて会った時にも言っていたけど(イラストde講座参照)、コーヒー党だ。それだというのに、なぜか今日は紅茶を飲んでいる。この不自然さを見て私は、ライナー君がお菓子を食べてたんじゃないかと思った。ライナー君、ケーキを食べる時は結構紅茶も飲んでるからね。で、そこで私は、キッチンにとっておいたスコーンのことを思い出した。スコーンを食べるなら、当然コーヒーよりも紅茶を一緒に飲むでしょ? ただし、それだけなら、まだライナー君が私のスコーンを食べてしまったという結論を出すにはまだ弱い。机の上に食べたものの痕跡が残っていない以上、自分で買ってきたケーキか何かを食べて、それに合わせて紅茶を入れた可能性も否定しきれないから。
そこで今度目を付けるべきは、その本の山だ。2つの山があって、高い方は表紙を表に、低い方は裏表紙を表にしている。ってことは、ライナー君は、読み終えた本を片づけずにもう一つの山に置いている、と考えられる。こんなずぼらなライナー君だもの、もしライナー君自身が買ってきたケーキを食べていたのなら、紅茶も飲み終えてないし、本も読み終えてない状態で、食べ終えたケーキのお皿だけを片づけるとは考えにくい。なのに、片づけているのは……」
「食べたという事実を隠蔽しなければならないものを食べたから」
「そうそうライナー君、やればできるじゃない! ご褒美に、代わりのスコーンをクララさんに焼いてもらってくることでこの件は手打ちにしてあげよう」
「えっ、あのスコーン、クララさんが焼いたものだったのか?」
「そうなんだよ。すごく美味しかったでしょ? あの人めったにやる気を出さないから、すごく貴重だったのに」
シンディは、口をすぼめて文句を言ってきた。普段は澄ましている癖に、ここぞという時だけこういう子供っぽい仕草をして見せるのだからあざとい。
「うっ……」
「じゃ、行ってらっしゃーい。この本は私が代わりに読んでおいてあげよう」
「それはまだ読んでいない分……」
「文句があるならさっさと頼んできてよね。私、スコーンすごく楽しみにしてたんだから」
追い払われるようにして部屋を出ると、私はメイドのクララさんの元へ急いだ。彼女の性格を考えると、スコーンの代償に何問難問を解かされるか分からない。
今日も、謎からは逃れられなさそうだ。

※ラスト登場した、メイドのクララさんは、天童魔子さんの「不定期連載ラテシンストーリー」シリーズからお借りしたキャラクターです。天童魔子さん、ご許可ありがとうございます。
総合点:2票  納得感:2票  


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納得感部門かもめの水平さん
投票一覧
「安楽椅子探偵の推理っぷりは一見すると水平思考的に見えますが、実はとてもロジカルな思考の元に推理を行っています。水平思考と密接的な論理思考の妙をご覧あれ」
2016年03月20日09時
納得感部門tsuna
投票一覧
「ホームズの人物観察のようです」
2016年03月20日00時

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