私は、紅茶を読みながら本を読んでいた。
ここのところ謎収集が忙しくてなかなか暇がなかったから、読みたい本が溜まってしまった。だが、今日は休み。本屋で目についた本を片っ端から買い込んできて、日当たりのいいところで読むという贅沢な時間を過ごそうと思う。
一冊読み終えて、読み終えた本の山に積んだところで、シンディが帰ってきた。
「ただいまライナー君。随分買い込んできたねえ」
「ここのところ謎収集が忙しくて買えなかったのが溜まってるんだ」
「ふうん。ところでさ……」
そこで言葉を切ると、シンディは私と机の上の間で視線を行き来させた。
「…………ライナー君。私がキッチンに置いてたおやつ、食べたね?」
「なっ……! 何を言っているんだ? 食べてないぞ?」
図星だった。机の上こそすでに片づけてしまったが、私はさっきまで、キッチンにあったスコーンを食べていた。
「そこまで露骨に慌てなくてもいいのに。今更取り繕っても、食べた事実はなくならないよ?」
「ぐっ、なぜ分かった! しっかり偽装したのに……」
「私のおやつ食べといて、勝手なこと言うなあ」
「うう。それにしても、どうしてキッチンも見てないのに、俺がスコーンを食べたと分かったんだ?」
「…………」
「シンディ?」
「…………」
「YESかNOで答えられる質問になら答えてくれますか?」
「…………………………………………YES」
※ストーリー仕立てになっておりますが、この問題はウミガメのスープ問題です。「キッチンも見ていないのに、「ライナーがスコーンを食べてしまった」とシンディが分かった理由」をお解きください。
【参加ルール】ライナー君になりきって質問してください。シンディになりきって回答します。(お遊び要素なので、難しければ普通に質問してくださって結構です。また、あくまでウミガメですので、回答者(なりきりシンディ)は解決に必要な情報をすべて把握していますし、質問はYESかNOで答えられるものだけができます。ライナー君に周囲の観察や探索をさせることはできません)
【ウミガメ】
スコーンではなく、ショートケーキでも成立しますか?
Yes. ショートケーキでも成立するよ。
シンディは、僕の見た目から、スコーンを食べたと判断したのかい? [編集済]
YesNo. ライナー君を見て判断したけど、“見た目”とはちょっと違うかも。 [良い質問]
俺以外の誰かが食べた可能性は考えていたかい? [編集済]
No. 誰かが食べた、じゃなくて、ライナー君が食べた、と思ったんだ。
今僕が飲んでいる紅茶は重要かな? [編集済]
Yes! 紅茶はとても重要だよ! よく気付いたね! [良い質問]
シンディ、ゴミ箱の中をあさったのかい?
No. ゴミ箱は関係しない。
シンディ、君が最初に『おやつ』としか言わなかったのは重要かい?
No. ちょっとカマをかけてみただけ。重要ではないよ。
カマをかけたんじゃなく本当に分かったのか?
Yes. 推理力を働かせてみた結果だよ。 [良い質問]
も、もしやカマかけだったのか?
No. ちゃんと推理したから、根拠はあるよ。 [編集済]
シンディが机の上と私の顔の間とで視線を行き来させたのは、机の上に、私がスコーンを食べた痕跡が残っていたからかい?
No. 机の上には、何の痕跡も残っていなかった。だけど…… [良い質問]
君は、当てずっぽうに言ってみただけかい?
No. 推理したんだってば!
シンディが、私がスコーンを食べたと判断したタイミングは、私がいた部屋に入ってきた後かい?
Yes. 部屋に入って、ライナー君を見た時だよ。 [良い質問]
飲み物単品の時はコーヒー党だと気づかれていたのか?(プロフィールより) [編集済]
Yes. だって君、初めて会った時(イラストde講座参照)に言ってたじゃない。 [良い質問]
俺がいつもはミルクティーにしているのに、今日はストレートティーにしていたから、かな?甘いモノを食べたばかりだとミルクティーはちょっとね。 [編集済]
No. でも、いつもと比べるっいうてのは良い発想だ。 [良い質問]
4 紅茶に食べかすが浮いてい・・・?
No. ライナー君、意地きたなーい。
4より。私(ライナー)が飲んでいた紅茶は、砂糖もミルクも入っていない、ストレートティーかい?
関係なし。 どれも美味しいよね。
紅茶のカップを見て判断したのかい?
No. 紅茶のカップには、特に手がかりは見当たらなかったな。
俺が聞くのも変な話だけど、この紅茶はストレートかい?
関係なし。 ストレートみたいだけど、砂糖が入ってるかどうかは知らなーい。
この紅茶もしやスコーンの隣にあったスコーン特製紅茶だっったりするかい? [編集済]
関係なし。重要なのは、 紅茶だけじゃないよ。
…シンディぼくは鏡を見たほうがいい?
関係なし。別に、好きにしたらいいんじゃない。
僕がコーヒーを飲んでいたとしても成立しますか? [編集済]
No! 私は、そこに違和感を覚えたんだ! [良い質問]
それともスコーンを食べている間にこの紅茶が冷えてしまったからかな?
No. 冷めちゃったなら、私の分も一緒に淹れ直してくれる?
本は関係しているのかい?
Yes. その本を見て、ライナー君の性格を推理したんだ。 [良い質問]
机と私の間にスコーンをたべた証拠でもあったかい?
No. 決定的な証拠はないね。君の隠蔽も捨てたものじゃないみたいだ。
コーヒー党がわざわざ紅茶を飲むのは食べ物に合わせるため。紅茶に合うものといえばスコーンか。
Yes! わざわざ紅茶を飲んでたから、怪しいと思ったんだ。 [良い質問]
ううむ、スコーンには紅茶がよく合うからな。それでばれたか。
Yes. うん。それで疑いを掛けたんだ。 [良い質問]
僕は普段ならコーヒー党なのにわざわざ今は紅茶を飲んでおり、ということは、紅茶に合う様なお菓子を食べていたに違いないという推理かな?
Yes. 私の考えはまさにその通り。紅茶に合うようなお菓子を食べたんだろうって思ったよ。 [良い質問]
だからわざわざメモにキャラクター紹介があったのか……!
Yes. 気付いてくれてありがとう。その通り、ライナー君の好みを把握して貰うためだよ。
ただ、まだこれだけじゃ、ライナー君がスコーンを食べたと断定するには、ちょっと足りない。ライナー君が出掛けることは知ってたから、そこで何か買ってきた可能性も捨て切れなかったんだ。
さあ、後半戦突入だ!
スコーン大図鑑を読んでいたかい?
No. ライナー君、そんなの買ってきてたの?
もしかして私が今読んでいるのは飲み物を取り扱った本かな?
関係なし。 どんな本を読んでいるのかは重要ではないよ。 [良い質問]
そのすこーんが何味かは重要なのかな? [編集済]
No. 何味でも大丈夫。確か……プレーン、紅茶、チョコチップ……
水平思考の本が関係しているのか?
No. どんな本を読んでいても成立するよ。
栞は重要だろうか?
No. 栞は重要ではないね。でも、ライナー君が本を「どう読んでいるか」は重要だ。 [良い質問]
22より。僕が本を大量に買っているのを見て、僕が、お菓子を買うのにお金を回すくらいならそのお金で本を買う性格だと思って、外でお菓子を買ってきた可能性を捨てたのかい?
No. 今回の推理の根拠は違うけど、そういう考え方もあったね。ライナー君の癖に、やるじゃないか。え? 入れ知恵?
26普段コーヒーを飲んでいる僕がわざわざ紅茶を飲んでいる、ということは僕は紅茶にあう食べ物を食べているということになるつまりこの家にある紅茶に合う食べ物つまりしんでぃのスコーンを食べたということかい?
YesNo. 思考の前半はそうなんだけど、ライナー君、甘いものを食べる時は結構紅茶も飲むから、そこまで断定できる自信は無かったよ。
僕はレシピを読んでいたかい? [編集済]
読んでいた本は重要じゃないよ。
推理小説で頭を使うと甘いものが食べたくなるのは重要かな?
No. その甘いものの中でも、わざわざ「私がキッチンに取っておいたスコーン」を食べてしまった、と判断したんだ。 [良い質問]
その推理はこの本が以前から積読してあったものだとしても成立するものかい?
Yes. それだと、なおのことライナー君の性格が分かりやすくなるね☆ そう、ライナー君は…… [良い質問]
僕は本を机に置きながら読んでいたかい?
Yes. 机の上を見るに、読んでは積むことを繰り返してたんでしょ? 私なら、そんなことせずに1冊ずつ本棚から出すよ。 [編集済] [良い質問]
僕は寝転びながら本を読んでたかな?
No. わーお、ライナー君ずぼらー。
スコーンの屑がかからないように、寝転がるようにして本を読んでいたせいなのか?
No. どう読んでたのかは知らないや。
そういえば本を汚さないように片手で読んでいたかな?
No. でも、それは他のお菓子でも同じじゃない?
僕はよく推理小説のトリックを現実で試していたかい?
関係なし。こないだ密室殺人を解決した時にはものすごい能書き垂れてたけど。
この問題で重要になる俺の性格は一言で表せば「几帳面」であっているだろうか。
No! 真逆だね! [良い質問]
38君ならそんなことせずに本を読んだら戻していたかい?
Yes. 私は「几帳面」だからね。 [良い質問]
自分で言うのもなんだけど、僕は活字が苦手な子かい?
No. 本は結構好きな方だと思うよ。
38より。僕が1冊ずつ本棚から出さずに何冊も本を積みっぱなしにしておく様な「面倒臭がり」な性格であることを考慮して、わざわざおやつを買ってきたりしないと思ったのかな?
前半はYes! ライナー君は「面倒くさがり」だから、あることをしないって思ったんだ。ただ、おやつを買ってくることじゃない。その後の話。 [良い質問]
スコーンが殺害トリックに用いられていますか?
No. えーと、ライナー君。誰か殺しちゃったなら、大人しく自首しなよ?
お腹が空いたのでそこに出してあるものを食べちゃいますか?
No. さすがにライナー君もそこまで意地汚くは……ないよね?
ライナーは本を読んでいる振りをしましたか?
No. ちゃんと読んでたと思うよ。でも、だったらなおさら、「あること」は面倒くさくなるよね。 [良い質問]
スコーンはお皿に載せてフォークも用意されていて…つまり自分では何も準備しなくても食べられる状態だったからかな?
No. でも、スコーンを食べるには、それを用意しなきゃいけないよね。そして、机の上からなくすためには、それを片づける必要もあるんだ。でも…… [良い質問]
手を洗うか、洗わないかかい?
No. それは見た目じゃ分からないからなあ。
キッチンにはスコーン以外の物も置いてありましたか?
関係なし。他にもあったかも知れないけど、私がとっておいたおやつは、スコーンだけさ。
46より。僕は、わざわざ自分で紅茶を淹れたということでいいのかな?
Yes. そこまでは一応やったみたい。でも、面倒くさがりなら、キッチンと部屋との往復回数は、できるだけ少なくしたいんじゃないかな。 [良い質問]
紅茶をかき混ぜるのにどうしてスプーンを使わなかったのかな?
関係なし。さあ……ストレートティーだったのかも。
めんどくさがりなのに、もともと机の上にあったコップなどまで片付けられているのがおかしいと思ったのかい?
Yes! 面倒くさがりのライナー君が、紅茶も本も残っているのに、食べた食器を片付けたのが不自然だと思ったんだ! [正解]
スコーンなら紅茶のスプーンで飲めるから証拠も消しやすい。それに、スプーンで食べるから本が汚れることもないということかい?
No. 面倒くさがったのはそっちじゃなくて……
50僕は手でスコーンを食べていたかい?
No. 別に、手を汚すのを嫌がって手袋とかしていた訳ではないよ。
他に誰かいませんでしたか?
No. 問題を解くに当たって、重要なのは私とライナーだけ。
53より。僕のティーカップに紅茶のティーバックが入れっぱなしになっているのに、お菓子を食べたことによるゴミがなかったから、食べてもゴミが出ないお菓子を食べたと思ったのない?
No. でも、お菓子を食べた痕跡が残っていなかった、ことは重要だよ。 [良い質問]
スコーンの受け皿を用意せずに部屋で食べたので、机の上にぼろぼろこぼれた。それを隠蔽するためにやたらと机が綺麗になっていたのかい?
Yes. 机の上に、何かを食べた痕跡が全く残っていないことが不思議だったんだ。それで、ライナー君が「食べたことを隠蔽したかったんじゃないか」と考えたのさ。 [正解]
台所で、スコーンをぱくり・・・・ 見ていたのか・・・・
No. 見てない見てない。私は今ここに来たばっかりだよ。
スコーンを喰えば皿までの精神で隠ぺいに勤しみましたか?
……ライナー君、皆さんにとんでもない奴だと思われてるんだね。
「そう。まず私が注目したのは、ライナー君が飲んでいるもの。君は、初めて会った時にも言っていたけど(イラストde講座参照)、コーヒー党だ。それだというのに、なぜか今日は紅茶を飲んでいる。この不自然さを見て私は、ライナー君がお菓子を食べてたんじゃないかと思った。ライナー君、ケーキを食べる時は結構紅茶も飲んでるからね。で、そこで私は、キッチンにとっておいたスコーンのことを思い出した。スコーンを食べるなら、当然コーヒーよりも紅茶を一緒に飲むでしょ? ただし、それだけなら、まだライナー君が私のスコーンを食べてしまったという結論を出すにはまだ弱い。机の上に食べたものの痕跡が残っていない以上、自分で買ってきたケーキか何かを食べて、それに合わせて紅茶を入れた可能性も否定しきれないから。
そこで今度目を付けるべきは、その本の山だ。2つの山があって、高い方は表紙を表に、低い方は裏表紙を表にしている。ってことは、ライナー君は、読み終えた本を片づけずにもう一つの山に置いている、と考えられる。こんなずぼらなライナー君だもの、もしライナー君自身が買ってきたケーキを食べていたのなら、紅茶も飲み終えてないし、本も読み終えてない状態で、食べ終えたケーキのお皿だけを片づけるとは考えにくい。なのに、片づけているのは……」
「食べたという事実を隠蔽しなければならないものを食べたから」
「そうそうライナー君、やればできるじゃない! ご褒美に、代わりのスコーンをクララさんに焼いてもらってくることでこの件は手打ちにしてあげよう」
「えっ、あのスコーン、クララさんが焼いたものだったのか?」
「そうなんだよ。すごく美味しかったでしょ? あの人めったにやる気を出さないから、すごく貴重だったのに」
シンディは、口をすぼめて文句を言ってきた。普段は澄ましている癖に、ここぞという時だけこういう子供っぽい仕草をして見せるのだからあざとい。
「うっ……」
「じゃ、行ってらっしゃーい。この本は私が代わりに読んでおいてあげよう」
「それはまだ読んでいない分……」
「文句があるならさっさと頼んできてよね。私、スコーンすごく楽しみにしてたんだから」
追い払われるようにして部屋を出ると、私はメイドのクララさんの元へ急いだ。彼女の性格を考えると、スコーンの代償に何問難問を解かされるか分からない。
今日も、謎からは逃れられなさそうだ。
※ラスト登場した、メイドのクララさんは、天童魔子さんの「不定期連載ラテシンストーリー」シリーズからお借りしたキャラクターです。天童魔子さん、ご許可ありがとうございます。
ライナー・テンニース(Reiner Tonnies) 21歳
探偵。ウミガメのスープについては初心者。
好きなものは論理的思考とコーヒー。苦手なものはねずみ。
シンディ(Cindy) 年齢不詳
館「ラテシン」への案内人。水平思考と垂直思考の両方に堪能で、ライナーに色々と教えたり、からかったりする。
好きなものは謎と不可解な現象。本名・年齢・性別は秘密。
クララ(多分Clara) 年齢不詳
館「ラテシン」のメイド。だけど天性のサボり魔。だけど至極優秀。
本人はサボりつつも、他人を動かすのが得意なのでスープの男に雇われている。
黒髪ロングの、日本人形のような美人。
※クララさんは、天童魔子さんの「不定期連載ラテシンストーリー」シリーズからお借りしたキャラクターです。もっとクララさんの活躍をご覧になりたい方は、タグ「ラテシンストーリー」からどうぞ。
「Goodスープ認定」はスープ全体の質の評価として良いものだった場合に押してください。(進行は評価に含まれません)
ブックマークシステムと基本構造は同じですが、ブックマークは「基準が自由」なのに対しGoodは「基準が決められている」と認識してください。