動画内など、他所でラテシンの問題を扱う(転載など)際について
ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
いらっしゃいませ。ゲスト様 ログイン 新規登録
項目についての説明はラテシンwiki

悪魔、お売りします。(問題ページ

ある男に、不思議な商談を持ちかけられた。

「【悪魔の小瓶】というアイテムです。
ええ、中に封じ込められた悪魔がアナタの願いを叶えてくれるというとてもとても便利なものです。
まあ、他人に直接害を及ぼす願いは叶えることができないという制限はありますが・・

ああ、あと、使う上で少しばかしルールが有るのですが・・

ルール1.買い取ってから24時間以内に願いを言わなければ アナタは死ぬ。
ルール2.願いを言ってから24時間以内に、自分が買い取った価格よりも安く他人に売りさばかねば アナタは死ぬ。
     ただし、無料やマイナスの価格での譲渡は禁止。
ルール3.上記のルールを変更する願いは叶えることができない。

以上です。

さて・・現在の価格は【2円】ですが・・

お買い上げいただけますか?」

そこまで聞いたオレは更に2~3確認をし・・結局
その悪魔の小瓶とやらを買うことにした。

さて、
オレの願いはなんだと思う?

*******
テストプレイ協力:牛削りさん
16年02月15日 22:56
【ウミガメのスープ】【批評OK】 [Ratter]



解説を見る
ある男を殺す。いや、どうしても助からないという絶望を与えたうえで殺したい。
そんなことを考えた俺。

だが、残念ながら俺にはやつを殺せるだけの金も力も権力もない。
そんな俺が頼ったのはオカルトだった。

「どんな願いも叶えるアイテムが有る」そんな噂を聞き訪れた博物館
(http://sui-hei.net/mondai/show/10295)
だが、そこにあったのはかの有名な【猿の手】だった。

猿の手はねじ曲がった形で望みを叶えてくれるシロモノだ。流石にそんなものに頼る訳にはいかない。
そう落胆していた俺に館長と思しき男が話しかけてきた。

「ヒヒッ、お悩みのようで?ふむ、猿の手にご執心なことから推測いたすますに・・
なにか叶えたい願い事がおありかと?」
「・・・」
「ええ、そんなアナタに良いアイテムがございます」
「!?」

「これなんですがね・・」

<冒頭に戻る>

とりあえず疑問に浮かんだことを聞いてみる
「取引は日本円以外の・・例えばジンバブエドルとかでやってもいいのか?」
「クーリングオフは出来るのか?」
「次のやつに売るときに嘘をついていいのか?」
答えはいずれもNoだそうだ。

つまり、次は1円で売るしかなく、1円で買ったやつは次に売るあては存在し得ない。

そこまでわかった俺は【悪魔の小瓶】とやらを買い取ることにした。
買取価格は2円。


さて、もしこれで【やつを苦しませてから殺せ】と願ってしまえば、次の誰かには1円で売らねばならない・・
もちろん、次のやつは更に安く売らねばならないが、日本には現在1円以下の貨幣は存在しない
買うわけがない。
そもそも【他人に直接害を及ぼす願いには使えない】のだ。

では何故俺がこれを買い取ったかというと次の願いを叶えるためだ。

【奴にこの「悪魔の小瓶」を1円で買い取らせたい】

これならば、タダの商取引を叶える願いだ。他人に直接害を及ぼす願いにはならない。

こうして奴は、「悪魔の小瓶」を最低価格である1円で買取る事になり、迫り来る死の恐怖に怯えながら死んできましたとさ。
めでたしめでたし というわけだ。





「オヤ、小瓶の所有者が移りましたか。フフ・・この手のアイテムは
1円で買ったら誰にももう売れないことは明白ですからねぇ。
通常は、最低でも2円で価格低下は止まるものなのですが・・1円まで行きましたか。
これでまた1品、珍しい状態のアイテムを収蔵できるというものです。」
総合点:8票  チャーム:3票  納得感:1票  トリック:1票  物語:3票  


最初最後
チャーム部門蓮華
投票一覧
「2円、というのが問題のクルーかつチャームになっています。解答を成り立たせるためだけなら何円で売っていても良いのです。しかし、価格2円のとき、次は1円で売らなければならず、手放すことが出来ないと分かっていて1円で買う人などいないはず。考えれば考えるほど「なぜ?」という魅力があり、そして最後に強い納得・スッキリ感が得られます。」
2016年05月15日10時
チャーム部門牛削り
投票一覧
「なんでも願いを叶えてくれるが、買取価格より安く他人に売らなければ自分が死んでしまう壺。これの買取価格が2円の時、買うべきか。この有名なパズルの答えは、明白に「NO」だと決まっている。しかし当問題では、主人公は熟慮の上、買うことに決めたという。一体どのような企みがあれば、買うという決断を合理化できるのだろう。突きつけられた矛盾への挑戦に、謎好きの食指が暴れまわる。」
2016年02月22日21時
チャーム部門tsuna
投票一覧
「まず、奇妙な道具が面白そう。そして、そのアイテムのルールを読んで、これは絶対に何かあると思わせてくれる問題文だと思います。」
2016年02月15日23時
納得感部門tsuna
投票一覧
「売ることが不可能と思う呪われたアイテムを買う行動がシニカルです」
2016年02月15日23時
トリック部門tsuna
投票一覧
「非常に機転が利いています」
2016年02月15日23時
物語部門
投票一覧
「回答を読むと、これしかないよね……ってなります。納得感そして物語的にも好きな作品です!!」
2017年10月28日09時
物語部門牛削り
投票一覧
「論理パズル上では打開不可能とされる状況を一変させる、奇跡のような一手がそこにあった。解説だけでも、発想の転換に富んだ素晴らしいミステリの傑作である。」
2016年02月26日15時
物語部門tsuna
投票一覧
「質疑応答を読まなくても楽しめます」
2016年02月15日23時

最初最後