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転がる大岩を避け、そこかしこから湧き続ける蛇や蜘蛛や百足を退け、人ひとりやっと通れるような狭い通路を抜けて、ぼろぼろになりながらもたどり着いたそこは、どうやら小さな部屋になっているようだった。
薄暗い中でかろうじて見えたランタンに、つま先立ちでマッチの火を灯すと、部屋中が美しい輝きを放ちだした。
部屋中に散らばる貴金属たちが反射した光を、宝石が色とりどりに拡散して、まるで夢のような光景であった。
それを見た私は、財布を持ってくるべきだった、と後悔した。
ここに何かがあるということは知っていたから、ここにあるすべてのお宝を十分詰められる大きさの袋を持ってきていたし、いざとなれば服のポケットにだって入れられるというのに、一体なぜだろうか?
薄暗い中でかろうじて見えたランタンに、つま先立ちでマッチの火を灯すと、部屋中が美しい輝きを放ちだした。
部屋中に散らばる貴金属たちが反射した光を、宝石が色とりどりに拡散して、まるで夢のような光景であった。
それを見た私は、財布を持ってくるべきだった、と後悔した。
ここに何かがあるということは知っていたから、ここにあるすべてのお宝を十分詰められる大きさの袋を持ってきていたし、いざとなれば服のポケットにだって入れられるというのに、一体なぜだろうか?
16年01月16日 11:37
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]
総合点:1票 伏線・洗練さ:1票
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伏線・洗練さ部門なさ
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「細かな描写の中に用意されている小さな抜け穴。真相はまさに針の穴に糸を通しているような、そんな感覚です。堅実な描写の黒井さんならではの美しい問題だと思います。」
2016年01月17日12時
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