試験中、自分の解答の解答欄が5問目以降すべてずれているのに気付いた村木は、安堵した。
どういうことだろうか?
15年10月05日 21:49
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[牛削り]
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前日の詰め込みのおかげで、問題はすらすら解けた。
村木は試験時間を半分以上も残したまま、最後の問題にたどり着いた。
ところがそこで、彼はある失敗に気付く。
解答欄がない。
直前の問題で最後の解答欄を使ってしまっており、最後の問題の答えを書き込む欄が残されていなかったのである。
──どこかで解答欄を1つ間違えたんだ。
村木は絶望した。このままでは間違いなく落第だ。
頭をかきむしった彼は、しかしすんでのところで、落ち着きを取り戻した。
──見直しをしよう。まだ終わっちゃいない。
村木は1問目から答えを確かめていく。
ない、ない。解答欄はすべて埋まっているように見える。
最後まで確認して、もう一度1問目に戻る。
時間は刻一刻と減っていく。焦る村木。
今度は目を皿のように見開き、舐めるように1問1問確認する。
そしてついにそれを発見した。村木は思わず叫びそうになった。
──あった、5問目が空欄になっている!
時計を確認する。まだ時間は20分以上残っている。
大丈夫、落ち着いて直せば挽回できる。
解答欄のずれが5問目以降だということに気付いた村木は、安堵した。
消しゴムと鉛筆をフル稼働させ、ずれを修正していく。
すべての作業が終了したとき、顔を上げると、時間はあと5分残されていた。
精根尽きた村木はため息をつき、机に突っ伏した。
戦士はしばし安息の夢を見る。
総合点:2票 納得感:1票 伏線・洗練さ:1票
納得感部門アアア【
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「安堵する前に、絶望しているのか。 たしかにこれなら安堵します。」
2016年08月25日21時
伏線・洗練さ部門tosh【
投票一覧】
「この問題文は解決へ至るために必要な情報が過不足なくフェアに組み込まれている。しかしながら、参加者たちは知らず知らずのうちに先入観の虜になってしまうのだ。 その鮮やかな問題文の構成に一票。」
2016年08月25日02時