あの丘の上で…
姫君はある物が見たかったが、とうとう見ることができなかった。
その代わり彼女がソレを作り出し、家来を喜ばせた。
どういう状況か?
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…一緒に花火が見たかった。
僕にはお姫さまがいる。
その子は生まれながらにして僕を家来にさせる才能があった。
彼女は自分で歩かない。いつも車の付いた椅子を僕に押させている。
僕は彼女に命令されなくてもついつい押してしまう。
彼女の明るい笑顔は、僕を奴隷にしてしまうんだ。
彼女は毎年楽しみにしていることがある。
家族と一緒に、星の綺麗な丘で花火大会をみることだ。
毎年彼女は僕にそのことを自慢してくるのだ。かわいい。
しかし今年は家族の都合でそれをみることができなくなった。
彼女は泣いて僕に電話をしてきた。
僕は飛ぶような速さで彼女の元に向かった。
彼女の沈んだ泣き顔は、僕を奴隷にしてしまった。
そんな顔は似合わない。その顔を明るくするのが家来の仕事だ。
有無を言わさず連れ出した。無理矢理自転者の後ろに乗せた。
アップテンポの曲をipodにかける。
鍵を外し、思いっきり重いペダルを踏みしめる。
走る、走る、走る。人通りの多い街中をすり抜けながら走る。
登る、登る、登る。キツイ山道を彼女の強い腕力を感じて登る。
ドーン、ドーン、ドーン。必死の真上に花火はあがる。
ようやくついた丘の上。すでに静寂に満ちた闇の中。
間に合わなかったと謝る僕に、彼女は褒美の口づけをくれた。
僕の顔面に花火が咲いた。ボッ
総合点:1票 物語:1票
物語部門天童 魔子【
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「じつは誰もが知っているゲームが元ネタなのです。(前はそれを暗示する挿絵がありましたのです)」
2017年03月19日11時