亀朗は山登りの魔力に魅せられていました。
もちろん、死にかけるような経験をしたこともありましたが、山登りを楽しみにしていました。
ある日、亀朗は幾度も失敗している世界最高難度の山に挑戦しました。
「絶対帰ってくる!」とニコニコ笑顔で言い残し出発しました。
天候にも恵まれ、無事に登頂しきった亀朗の顔はがっかりした顔をしていました。
なぜ
15年07月29日 07:41
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[TTR]
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【要約】
亀朗は過去に同じ山で吹雪に巻き込まれ、パートナーと遭難しました。
その時、生き延びるためにパートナーを食しました。
あまりにも空腹だったため、人肉がおいしいと感じてしまい、食人に目覚めてしまいました。
ある日、亀朗は別のパートナーと共に登山しましたが、無事登頂。
人肉を食べられなかった亀朗はがっかりしたのでした。
~以下おまけです。お時間のある方お読みくださいませ~
亀朗は過去にパートナーといくつかの山を制覇してきました。
とある山で、吹雪に巻き込まれ山小屋に何日も閉じ込められる事がありました。
とうに食料は尽き、死を覚悟していました。
パートナーが先に力尽き、亀朗が残されました。
亀朗は生きて帰るために、パートナーの体をナイフで捌き、食し生き延びました。
それから数日。天候も回復し、救助隊が来たことにより、亀朗は生還しました。
さて、その後、同じ世界最高難度の山に挑むことになった亀朗。
その日は天候にも恵まれ、順調に登頂することができました。
亀朗ががっかりした顔をしているのを見て、パートナーの亀太は不思議に思っていました。
帰り道の山小屋にて、登頂が終わったことによるお祝いを二人でささやかながら行っていました。
ですが、亀朗が浮かない顔をしているのを見て亀太は聞きました。
「どうした。なんだか浮かない顔しているが」
「いやな。昔の事故の事を思い出していてな」
「あーあの閉じ込められた時のことか。大変だったな……まだ、パートナーの遺体見つかっていないんだろ」
「ああ……まあ、当たり前なんだろうがな」
亀太はその言葉に違和感を感じながらも曖昧に頷きました。
亀朗がうつむいていたので、亀太も何も言わず火を眺めていました。
急に亀朗が立ち上がったかと思うと、亀太に登山ナイフを突き立てました。
亀朗はそのままめった刺しにすると、亀太は息を引き取りました。
「へっ、なんで今回は吹雪にならなんだかなぁ。予定と違うが、ごちそうにありつけそうだ」
そういうと亀朗は亀太を捌き始めました。
「あの時の肉の味が忘れられなくてよ。ずっと楽しみにしてたんだ。」
そうつぶやくと、亀朗は亀太だった物を食し始めました。
「なあ、亀美。お前も一人じゃ寂しいよな。今日からこいつも一緒だぞ」
そういうと、亀朗は床板を開け、地面を掘りそこに亀太だった骨を埋めました。
その後、亀朗は無事に下山。
亀太は途中で滑落して死亡したと報告しました。
亀朗はまた新しい登山を行うようです。
亀朗「お、そこのあんた。一緒に山に登らないか?オレが天国のような風景を見せてやるぞ」
総合点:1票 物語:1票
物語部門とかげ【
投票一覧】
「山登りをした主人公が、天候に恵まれ、登頂にも成功したのに、がっかりするのはなぜ? 問題文と解説で、ストーリーの雰囲気がガラリと変わる、魅力的な物語です。」
2015年10月17日11時