動画内など、他所でラテシンの問題を扱う(転載など)際について
ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
いらっしゃいませ。ゲスト様 ログイン 新規登録
項目についての説明はラテシンwiki

悲しい話(問題ページ

幸せな話しか書きたくない」と言っていた彼女が、初めて悲しい話を書いたので、私は喜んだ。
なぜ?
15年06月27日 10:46
【ウミガメのスープ】 [芳香]



解説を見る
誌のペンフレンド募集ページで知り合った私と彼女は、もう長いこと文通をしている。
彼女は手紙でいつも楽しく、幸せで、面白い話をしてくれる。私はたまに愚痴ったり、悲しい話も書いてしまうから、彼女の姿勢に憧れながらもどこかさみしさを感じていた。

「あなたって、悲しい話しないね」

あるとき、そう訊ねてみた。彼女の返事はこうだった。

「あたしはあなたへの手紙で、幸せな話しか書きたくないの。あなたがしてくれるのはいいんだけど」

性格かなあ、と思いつつ、それから私はあまり気にしないことにした。理不尽な寂寥を封じ込めて。

そんな彼女が、今回初めて、昔あったつらく悲しいことを書いてくれた。
いつもの軽快な語り口ではなく、とても慎重に紡がれたその手紙を読んで私は当然悲しくなったが、それよりもっと嬉しかった。やっと、私にも悲しさを分けてくれたんだ、と思ったから。


要約 文通相手である彼女に、悲しいことも打ち明けてくれるほど心をゆるされたのだと感じたから。
総合点:2票  伏線・洗練さ:1票  物語:1票  


最初最後
伏線・洗練さ部門ゴトーレーベル
投票一覧
「作者としては小品かもしれないが、それでもこれほどふくよかな世界がある。簡単に書いているようでいて、ここまで簡潔達意の解説文はなかなか書けないものだ。人の悲しさと幸せが心に残る問題。」
2017年06月11日03時
物語部門春雨
投票一覧
「ささやかに見えて奥深い物語。更に謎と納得を見出すのはお見事。」
2017年09月05日17時

最初最後