友人からお饅頭を頂いたので、ずぼらな茂吉は干しっぱなしだった洗濯物を畳むことにした。
どういうことだろう?
15年05月17日 00:45
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[牛削り]
解説を見る
ずぼらな茂吉には嫁がいる。ずぼらなのに嫁がいる。
嫁は主婦トモとアウトレットに行くとかで、今日は一日家にいない。
「あんたどうせ家いるんでしょ? 洗濯物畳んどいてね」
そう言われたが、やる気が起きない。
アニメを見ながら鼻くそをほじるばかりの茂吉。
そこへ、来客があった。開けてみると、旧友の佐助だった。
「近くにきたからさ。……ってお前、パジャマかよ。相変わらずだな」
「まあいいから上がれよ。ウーロン茶を出そう」
居間に座って、昔話で盛り上がった。
30分ほどして、新幹線の時間だと言って佐助は席を立った。
「そうだこれ、お土産。地元のカルキ饅頭だ。うまいぞ。嫁と食え」
見送った後、茂吉はしまったなと思った。
ここいらでは買えない箱入りの饅頭が部屋にあれば、誰かを上げたことがばれてしまう。
だとしたら、この部屋干しの洗濯物をそのままにしてはまずい。
嫁はこう言うだろう。
「あんた、あたしのパンツが干してある部屋に人を上げたの!?」
嫁の鬼と化した顔を思い浮かべ、茂吉はしぶしぶ、洗濯物に手を伸ばした。
──俺のとそう変わらねーじゃん……。
嫁の迷彩柄のトランクス(LL)を手に取りながら、茂吉は不満気にそう呟いた。
【要約解説】
箱入りの饅頭は、嫁のいぬ間に人を部屋に上げた証拠になる。
部屋干しの洗濯物がそのままだと、自分の下着がその人に見られたと思って嫁が怒るだろうから、仕方なく取り込んだ。
総合点:2票 納得感:2票
納得感部門letitia【
投票一覧】
「二つの「原因と結果」が絡み合う精巧な問題ですが、事象はシンプルで余計な複雑さはありません。「原因と結果」を結ぶのは、登場人物の感情ですが、とても自然で誰もが納得出来るものです。「ずぼらな茂吉」という日本昔話のような表現も、先入観に一役買っています。」
2015年12月21日13時
納得感部門のりっこ。【
投票一覧】
「牛ちゃんらしい、ハイレベルな問題構築力! 水平思考問題とはまさにこういう事なのだと納得させられる良問です!!!」
2015年05月17日19時