ハルは生物係に決められてからというもの毎日クラスで飼っている金魚の世話を欠かさない。
ある日、ずっと世話して来た大事な金魚達が一匹残らずナツによって殺されるのを目の前で見たハルは、
ナツのことが大好きになった。
どういうことだろう?
15年04月29日 12:32
【ウミガメのスープ】
[さるぼぼ]
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最下段に簡易解説あります。
舞台はかもめ第三小学校。
2年生のハルは午後の授業中にどうしてもおしっこがしたくなった。
(休憩の時、ナツと夢中になって遊んじゃった…)
引っ込み思案なハルはトイレに立つ為に授業を止めて手を挙げる事が出来ずにいた。
運悪くその時の授業はマシンガントークで有名な和田先生。
これでもかこれでもかと喋り続けている。
(うう…だめぇ…我慢出来ない…)
…とうとうハルはおもらしをしてしまう。
椅子からぽたぽたと水滴がしたたってゆき、無垢の木の床にじわじわと染みが出来つつあった。
(皆にばれちゃう…)
黒く染みた床とは対照的にハルの顔は明らかにピンクに染まっていた。
「あんた、何私の大事なシャーペンパクってんの!!!?」
その時突然ナツが怒鳴った。
(…ぇ? …ナツのシャーペンて…)
ハルが手に持っているのは間違いなく自分のシャーペンだ。
確かにナツのやつみたいに新品で流行のアニメキャラが描かれた可愛い柄に憧れてはいたけれど…
「こっそり盗むなんて許せない!!!」
ナツは自分の机の隣の共用棚に置かれている金魚鉢を掴むや否や、中の水ごとハルの顔にぶっかけた。
大切にしていた金魚達が、黒く染まった床に叩き付けられて散らばって、びちびちと跳ねた。
ハルは何が起こったのか、全く分からない。
「どうした〜!まあまあ、二人とも。落ち着いて、うん、江崎、そんなに怒るなよ〜ほら〜鉢を〜放せ〜」
トークに横槍を入れられた和田先生が困ったように二人に駆け寄って、怒り狂うナツをなだめて何とか椅子に座らせて、全身びしょぬれのハルに保健室で体を拭くように言いつけて、
それから鉢に水を入れて金魚を元に戻したけれど、結局金魚は全て死んだ。
保健室で体を拭きながら、ハルはナツの思いに気付き、一生ナツとは親友でいよう。と思った。
簡易解説
授業中、金魚鉢の水を全身に浴びせておもらしを誤摩化してくれた、友人の激しめな行動が嬉しかった為。
総合点:1票 納得感:1票
納得感部門牛削り【
投票一覧】
「有名なエピソードをうまく解説に織り込むことで、誰もが納得できる作りになっています。金魚に目を向けさせるミスディレクションもさすがです。」
2015年04月29日12時