完遂直前といったところで完全犯罪が崩れたおかげで殺人の罪で捕まった私。
法に照らし合わせての裁きの結果は死刑。
だが別にこれで全てた終わったというわけではない。
次の裁きを前にして私は
【無罪にすることだってできるはずだ】
そう自信を深めていた。
なぜ?
15年02月11日 18:13
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[Ratter]
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完全犯罪。
もしあれが完遂されていたらおそらくはこうなっていただろう
「私」は「奴」に殺され
「奴」がその犯人であるという犯行動機や凶器などの証拠などはなにもなくアリバイ作りもバッチリ
おそらく、「奴」が犯人であるということを知りえるのは殺された「私」だけ
こうして、「奴」は疑われることすらなく「私」を殺しえていただろう。
が、実際はこうなった
完全犯罪完成直前、「私」を殺そうとした「奴」を私は返り討ちにした。
・・・が「完全犯罪」は完成直前まで行われていたのだった・・
そう、「奴」が「私」を殺す動機やその方法は見事に消しされてていて・・
残った事実は、客観的に見れば
「私」が「奴」を殺した
ということだけ。
こうして私は殺人犯としてつかまり、
「完全犯罪」が「完遂直前」であったせいで、
「奴」が「私」を殺そうとしていたということは証明できず
「私」の【正当防衛である】
という主張は認められず、私には死刑判決がくだされた。
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数年後、控訴審、上告審ともに判決は覆らず死刑執行がなされた。
・・・・・・
??「ほほぅ・・無罪を主張するとな?」
私「はい」
??「ふむ。死者の行ってきたことを全て把握しているという、この【閻魔】の前でか?」
私「はい」
閻魔「仕方ないのぉ。ではおヌシのやってきたことを確認するとするかの」
・・・
閻魔「ふむ。やはり殺人をしておるのじゃ。では地獄行k」
私「お待ちください!!」
・・そう、ここは地獄と天国の分かれ道、閻魔大王の法廷である。
私「閻魔様は、死者の行ってきたことを全てお見通しとか?」
閻魔「そうじゃが・・何じゃ?」
私「で・・では、先にこちらに来た【奴】の行ったこともご存知かと!?」
閻魔「あーー・あの不完全完全犯罪をやった奴のターゲットはオヌシじゃったか・・」
私「はい!」
閻魔「では、正当防衛ということで無罪とするかのぉ。天国へ行ってよし!」
こうして私は死後、やっと無罪を勝ち取ったのだった。
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私「ところで・・閻魔様ってあんな、金髪小五ロリみたいな見た目だったんだなぁ・・」
そんな感想を残しつつわたしは天国へと登っていった。
終わり。
総合点:1票 トリック:1票
トリック部門のりっこ。【
投票一覧】
「上手いなぁ…とにかく“上手い”!!! らたさんの問題構成力には、 毎度の様に深く感心及び納得させられます。 とにかく“頭が良い”事は勿論、 参加者を魅了するチャーム。 練り込まれた深いトリック。 納得の解説。 どれを取っても実に素晴らしいです!!!!!」
2015年02月13日16時