ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました。
しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼びました。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」
男は勘定を済ませ、帰宅した。
その後、男は自殺した。
何故でしょう?
15年01月23日 22:07
【ウミガメのスープ】
[えねこー☆]
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むかしむかし
あるところに、スープの大好きな男がいました。
彼は浜辺で子供にいじめられている海亀を助け、お礼にと亀の背中に乗せられて深海の城、竜宮城へ行きました。
竜宮城ではとても美しい乙姫と出逢い、魚たちの舞や豪華な料理でもてなされました。そこでの時間は素晴らしいものでした。いつしか男と乙姫は恋に落ち、結婚して幸せに暮らそうと誓いました。
しかしやはり男にも心残りがありました。地上の親や友人のことです。
そして男は、一旦地上へ戻して欲しいと頼み、ウミガメの背中にのって帰りました。
地上でのやることを済ませ、竜宮城に戻ろうとした時、男はふと地上のご飯を最後に食べておこうと思い立ち、よく行っていた近くの海の見えるレストランへいきました。
男は食事を堪能しました。そしてシメに大好物、ウミガメのスープを注文しました。
しかしよく考えると、この辺りではウミガメは捕れないはずです。男はどうせ輸入したような不味いウミガメだと思いました。
しかし運ばれてきたスープを一口飲むと、男は驚愕しました。
取れ立てのウミガメの味がするのです。
男は偽物の別の食材を使っているのかと予想し、シェフに聞いてみました。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」
「本当にウミガメなのですか?間違いないですか?」
「はい、たまたま先程この近くで捕れたウミガメですが、何か?」
男は全てを悟りました。このウミガメは竜宮城のウミガメだ、と。
男は手紙を海に沈めたり、他のウミガメを探したりしましたが空しいばかりで帰る手段は見つかりません。
男は数日後、乙姫を裏切ってしまった絶望から自殺したのでした。
☆要約解説☆
男は、竜宮城に戻らなければならないのに、移動手段であるウミガメが殺されてしまい戻れなくなって絶望した。
総合点:1票 トリック:1票
トリック部門とかげ【
投票一覧】
「本歌取りの中でも、クルーを上手く生かした別解。この発想はありませんでした。」
2015年02月11日13時