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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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【のりっこ。からの挑戦状】『引き分けジャンケン』(問題ページ

の名はのりっこ。
日々、水平思考問題を考えている、言わば一種の変人だ。
まぁ、そんな事はさておき、
今日も良きアイディア降臨を願い目論みながら、
気分転換も兼ねて近くの公園を散歩していた。

そんな折、とある男女を見かけた。
女が少し離れた場所に移動したので、
俺は男に声をかけた。
水平思考問題のアイディアがいつ、どんな形で脳内に降り注いでくれるのかはわからないが、
こういったアクションを起こす事で何かキッカケが掴めるかもしれないからだ。

俺は男と同じベンチに座り、
何気ない会話をする中で、
一緒にいた女についての情報も少しだけ聞き出した。
まぁキャラを簡単に言えば、
シャイでおとなしめ、
それと絵を描くのも好きらしい。
現にベンチの端の、さっき女が座っていた場所にスケッチブックが置いてある。



…その瞬間、俺の脳内に
ラテラル・イマジネーションが舞い降りてきた。



俺は男にこう言った。

『今からかなり怪しい変な言動をしますけど、
気にしないでくださ…
いや、まぁ気にしないでって言う方が難しいですけど…w、
とにかく俺の趣味である
【水平思考】っていうものをお見せします。』

俺は男の了承を得て女のスケッチブックの一面を使わせてもらい、
【テレパシー・ジャンケンへの誘導挑発】を書いた。

訳の解らない不気味な言葉を書く俺を不審な表情で見る男に、
俺は言った。



『今から心と心のやり取り、
つまりテレパシーを使って
ジャンケンをします。
俺は何も喋らないし、
身動き1つしません。

俺は心の中で【パー】を出します。

いいですか、
俺は心の中で【パー】を出します。』



そして俺は男に、
少し離れた場所にいる女を呼んでスケッチブックに書いた俺からの言葉を見せる様に依頼した。

俺と男が座っているベンチから女の居る場所まではそれなりの距離があり、
俺と男の会話が女に聴こえる距離ではない。
男は大きな声で女を呼び、
やって来た女に『この人からだよ。』と言ってスケッチブックを見せた。





『お前と勝負し、俺は迷い無く勝つ。
一発勝負で試すか?』

『危機一髪…お前な、捕まえ技は卑怯な手段…
掴んで殺す気か?』





女はこれを見て初対面の俺に向かってパーを出し、
『あいこ』と言った。



驚きの表情を浮かべる男に俺は、

『心のジャンケン、引き分けでしたね^^
迷い無く勝てると思ったのになぁ…^^』

と微笑んだ。



一体何が起きたか解りますか?

水平思考を用いて状況を推理してみてください。

14年03月16日 08:00
【ウミガメのスープ】【批評OK】 [のりっこ。]



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は俺に尋ねた。

『な、なんで愛子がジャンケンしたんだ!?
あんたが実際にパーを出した訳じゃないだろ!?
なんでだ!?
どうなってるんだ!?』

俺は答えた。

『そもそも愛子ちゃんはパーなんか出してませんよw

“5さい”っていう意味のパーなんです。

愛子ちゃんっていう名前も、年齢も、
会話の中でお父さんが教えてくれたから、
“これは使えるな”って思ったんです^^』

男『で、でも…名前も年齢も、
愛子にはいつ質問したんだ!?
あんた、愛子と何も会話してないじゃないか!』

俺は愛子ちゃんの頭を撫で、
スケッチブックをもう一度貸してもらった。

『しっかり会話しましたよ。
俺の質問に愛子ちゃんはきちんと応えてくれました^^』

男は反論する。

『…そもそも愛子はまだ5才だから漢字すら読めないんだよ?』

俺は言う。

『平仮名は読めますか?』

『ああ…平仮名なら…』

『俺が書いた不気味な文章、
愛子ちゃん本人の身になって読んでみてください。』

俺は男にスケッチブックを渡した。



『……………ああっ……………!!!!!』



『愛子ちゃんが何を読んだか、お気付きですか?

これが、僕が思う【水平思考】の1つです。

例えば、“漢字を含め、あらゆる言語を学んできた大人に読めず、
ひらがなしか読めない子供には簡単に読める”
ものもあるんです。
可笑しいでしょう?
可笑しいものなんです、
そして“面白い”んですよ、
水平思考って。^^』



俺はまた、俺自身が書いた
訳の解らない文章を見た。



『お前と勝負し、俺は迷い無く勝つ。
一発勝負で試すか?』

『危機一髪…お前な、捕まえ技は卑怯な手段…
掴んで殺す気か?』



そして今回、
初対面なのにも関わらず、
突然の俺の質問に快く応えてくれた5才の愛子ちゃんに
改めてもう一度、俺からの質問を今度は声に出して読んでもらった。

シャイでおとなしめの愛子ちゃんは照れながらも、
俺の質問を読んでくれた。





『お と  し  は い く つ
    で すか?』

『     お な  まえ は  な
 んで す か?』





5才の愛子ちゃん、
そしてお父さん、
出演ありがとうございました!!!!!^^

総合点:16票  チャーム:2票  納得感:1票  トリック:4票  伏線・洗練さ:2票  物語:1票  言葉遊び:1票  斬新さ:4票  その他:1票  


最初最後
チャーム部門からす山
投票一覧
「長めの文章ですが、水平思考関連の話を全体に含ませて飽きさせず、特に終盤の妙な2文で、はてと思わせ、そして最後の結末に「え?どういうこと?」と手品を見せられたような気分になります。構成や内容の斬新さも含めて、ひきつけるチャーム抜群です。」
2017年10月07日23時
チャーム部門牛削り
投票一覧
「問われている謎は、主人公が行ったテレパシーのような奇術の解明という、申し分のない興味深さ。重要なのは、問題文が長く、かなり綿密に設定されていることを伺わせる点である。謎は、単に不可思議なだけでは足りない。そこにスカッとする真相が用意されていると予感できなければ、高いチャームにはなり得ない。当問題は、出題者が実績のある名出題者である点を差し引いても、問題文だけで不可思議を示し合理的な解説を予感させる、チャームの王道を行く作品である。」
2015年12月29日12時
納得感部門からす山
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「詳細な説明に、納得感を禁じえません。すべての謎が、解説でするりと解決されます。」
2017年10月08日00時
トリック部門からす山
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「ラテラル・イマジネーションが舞い降りるきっかけとして、直前に子供の名前と年齢を聞き出していることが自然に隠されているトリックが見事です。というかそれがあったからイマジネーションに至ったということですね。もちろんその年齢から、漢字は読めないのだというトリックも見事。というか問題文からは、「女」が子供であることすら想像させていませんね。長いとはいえトリックだらけなのが読み直してみて凄く分かります。」
2017年10月08日00時
トリック部門手弁当
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「すばらしいトリックなんですが、これを無理なく問題文に仕上げていくのは難儀です。のりっこ。さんは見事にこの難題を解決しています。」
2016年02月12日12時
トリック部門からてちょっぷ
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「これは水平思考。普通に、いつも通り考えていたのでは解けません。」
2015年12月09日16時
トリック部門牛削り
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「クイズとしての完成度は多分プロ作家含めても日本一レベルでしょう。ものすごい手間掛かっただろうな……。」
2015年01月13日19時
伏線・洗練さ部門からす山
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「斬新な構成ながら、それでいてこの完成度。相当練りこみ、時間をかけて作ったのでしょう。雰囲気はほのぼのながらも、相当な苦心のあとが透けて見える良問です。」
2017年10月08日00時
伏線・洗練さ部門牛削り
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「問題文は長いですが、その全てに意味があります。巧みに構成された謎の文には無駄やこじつけは一切なく、解説への繋がりも非常に論理的。まさしく「完成された」美しい問題と言えるでしょう。」
2015年08月17日20時
物語部門からす山
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「物語としても、どこか可愛らしくて、ほのぼのしている感じがいいと思います。解説は。問題は問題で、何やら挑戦的で何らかの背景を感じさせる、そこはかとない物語感が漂っていなくもないです。」
2017年10月08日00時
言葉遊び部門からす山
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「愛子とあいこの言葉遊び、単純だけど、なかなか組み込めるものではないし、それをここまで自然に、綺麗に溶け込ませたのりっこ。さんの手腕が見事です。」
2017年10月08日00時
斬新さ部門からす山
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「あまりに斬新な構成、展開、トリック、結末。ウミガメの新しい境地を垣間見た思いです。」
2017年10月07日23時
斬新さ部門蓮華
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「このトリックを思いついたのりっこ。さんの日常生活を覗いてみたいです。斬新さにおいてラテシンを代表する一作になりえます。私はまだまだ水平思考できていないのだと思い知らされます。」
2016年05月28日22時
斬新さ部門ツォン
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「嫉妬すら覚える斬新さです。」
2015年12月10日20時
斬新さ部門牛削り
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「こんな切り口の問題は他に見たことがありません。斬新さ、で真っ先に思いつくのがこの問題です。」
2015年01月13日19時
その他部門からす山
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「いろんな要素が詰まった、とても不思議な問題ですね。その他にも投票します。全8部門すべてに投票してしまう作品は、後にも先にもさすがにこれっきりかもしれません。」
2017年10月08日00時

最初最後