動画内など、他所でラテシンの問題を扱う(転載など)際について
ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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カラオケボックス

作成者:SNC
部屋名:カラオケボックス
ルームキー:10分前に電話が鳴る
#big5#※注意※#/big5#
このチャットルームは、ツキノワグマさん、ししゃもさん、インパラさん、オコジョさんのみ利用できます。

それ以外の方は#red#立ち入り厳禁#/red#ですのでよろしくお願いします。

この部屋は、猛者のスープの問題を制作するためにあります。
目的がそれであれば、何をしても構いません。
問題制作の時間を、どうぞごゆるりとご堪能下さいませ。

改めましてラテシンチーム対抗戦~最強のスープはどれだ~にご参加アリガトウございます

つきましてはこの先のルールの補足についてご説明させていただきます
名前は匿名のまま、お伝えしましたが、チーム内では明かしても構いません
ですが、チーム外に明かすのはお止めください

この部屋を利用して問題を作成し、終了後公開をお許しいただければ、他の方の勉強にもなると思うので、ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます

何かご質問があれば忌憚なくどうぞ

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EN3:ツキノワグマ
あっさりした問題文であるにも関わらず過不足無くクルーが含まれ、盲点を突いたトリックを解き明かしたのちには、そのトリック自身を核とした豊かな物語が待っている問題を作りたいです。
せっかくこんな豪華な企画に参加するからには、とばかりに2に自分の理想とする問題像を叩きつけました! どんなチームで問題を作れるのか、今からとても楽しみにしています。最高のスープ目指して知恵を絞ります!

EN7:ししゃも
シンプルなことばかり考えてるのでたまには難しいことを考えてみたいです。
他人の芸風をパクるのが得意です。頑張ります。

EN19:インパラ
納得感重視で、問題→解説の衝撃の強いもの。
ネタの用意は何点かございます。

EN43:オコジョ
 日頃は見落としがちなことを意外な角度から切り込んだ問題、
 あるいは心に温かいものが残る問題を作ってみたいです
 なかなか思うような問題が作れませんが、1人ではなく仲間とならやれる!
 力を合わせて良い問題を作れるように頑張ります!


****************************

①インパラ「生まれなければ良かった」(287680)
②インパラ「断末魔モンスター」(287682)
③ししゃも「恋の一方通行」(287986)
④ししゃも「屋上の抜け殻」(288118)
⑤ツキノワ「コールドスリープ少女」(288144)
⑥ツキノワ「減刑と殺意」(288144)
⑦ツキノワ「ダイイングメッセージ」(288144)
⑧ツキノワ「浪人ピアス」(288144)
⑨ししゃも「読めないと食えない」(289188)
⑩ししゃも「サンタなんて居ない」(289376)
⑪ツキノワ「密室でバラバラ」(290067)
⑫ツキノワ「凶器は花」(290067)
⑬ツキノワ「窃盗メイド」(290067)
⑭ツキノワ「両手用グローブ」(290067)
⑮ツキノワ「毒対策大皿」(290067)
⑯ツキノワ「電車の上に乗る」(290067)
⑰ツキノワ「扉とスイッチ」(290067)
⑱ツキノワ「足の指紋」(290067)
⑲ツキノワ「靴を落とさないシンデレラ」(290067)
⑳オコジョ「かわいい子」(290186)

問題文
私は、私の夫を殺した男を殺してやりたいほどに憎んでいます。
けれど今は、男の命を助けてしまったことに誇りを感じています。
なぜ?


#b#要約解説#/b#
男は、夫と同時に別の人物にも危害を加えていた。
医者である『私』が手術でその別の人物の命を救ったことで男の罪状が軽くなり、
判決に影響を与え求刑の死刑ではなく無期懲役になった。
『私』が別の人物を治療したことにより、男の命をも救った、と言える。
しかし、『私』は医者として当然の行いをしたまでであり、別の人物を救ったことを誇りに思っている。



#b#解説#/b#
あの日見た夫の亡骸は、これまで医師の仕事で散々見てきたはずのそれとは、まったく重ならなかった。
自分のことを気丈な方だと思っていたけれど、ただの思い込みだったらしい。
霊安室にいた刑事が何やら言っていた言葉は、何ひとつ頭に入らなかった。

どうにか葬儀は済ませたものの、私は夫の死を受け入れきれていなかった。
コーヒーは未だに二人分淹れてしまうし、墓参りにも行っていなければ、まだ位牌に手を合わせてさえいない。
でも、今日は、夫を殺した男の裁判だ。
そろそろ区切りを付けなければ、きっと私はいつまでも彼を弔えない。
その思いだけで、私は今どうにか傍聴席に座っていた。

被告人が入廷し、淡々と手続きが進められていく。
民家に強盗目的で侵入した被告人が、住人の女性と、電気工事に来ていた私の夫を刺したという事件。
検察に罪状を告げられると、被告人は全ての犯行をあっさり認めた。
私の夫は死んだが、 彼が死の直前にした救急への通報のおかげで、女性は一命を取り留めた。
そう説明した後、検察官は被害者二人の受傷箇所を図で示した。
その図を見た瞬間、私の鼓動は速まった。
女性のものとして示された特徴的な受傷箇所に、はっきり見覚えがあったからだ。
以前担当したある手術の患者の負っていた怪我と、全く同じだった。
その手術の直後に夫の亡骸と対面したせいか、いやに生々しく記憶に焼き付いている。
……どうりで、彼女が今こんなところにいて、被告人に鋭い視線を向けている訳だ。
左隣に座る女性にちらりと視線をやった私は、深く頷くとまた裁判に集中し直した。

やがて弁護側の立証が始まると、弁護士がこんなことを言った。
「被害者二名の受傷箇所に致命傷となり得るものはありません。
現に、被害者のうち一名は命を取り留めています。
これは、被告人は被害者の動きを止めたかっただけで、
強い殺意による行為ではないことを証明しています」
ふざけるな。
彼女が死ななかったのは、今ここで被告人に鋭い視線を向けているのは、
夫の通報が早く、私が手を尽くしたからだ。
断じて、殺意の強さは関係ない。
あの男の罪は、そんなことで軽くなっていいものじゃない。

その後検察官は、一件の強盗致死と二件の強盗致傷を罪名として挙げ、死刑を求刑した。
判決の言い渡しは二週間後。
遠い。
すぐにでも判決を出して、そのまま首を吊らせてやりたいくらいなのに。
そう思ったけれど、人一人死に追いやる判決を出すのにそれだけの時間を要することは、
頭では理解できたから、その日は大人しく家に帰った。
そこからの二週間は、思っていたよりずっと早く過ぎた。
あの男を私自身の手で殺してやりたい、そんな衝動がよぎることこそあったけれど、
ほとんどの時間は仕事に追われていたからだろう。

そして、判決の日。
被害者の女性は、また私の左隣に座っていた。
「主文。被告人を、無期懲役に処す」
聞こえた主文に、痺れた頭が煮立ったように熱くなった。
無期懲役? そんなこと許されるのか。
「被告人には強い殺意がなかったことを考慮し……」
強い殺意がないなら、どうして夫は死んでいるのだ。
一人は死ななかったけれど、一人は死んでいるのに。もういないのに。
涙が膝に落ちた時、弁護士の言葉がこだました。

――現に、被害者の一名は命を取り留めています――

私があの時彼女を治したから、無期懲役になったとでも言うのか。
もし彼女を見捨てていれば、死刑判決が出たとでも言うのか。
私の、せいで、あの男は、死を免れた、のか?
その考えが浮かんだ途端、私のすぐ隣で判決に怒りを湛えている女性が疎ましく見えてきた。
彼女さえ、いなければ?

くらくらした頭のまま裁判所を出ると、門の前に誰かを待つ父娘を見つけた。
私が外に出たとき、父娘の女の子の方が笑顔で手を振った。
自分に手を振られたのかと思い面食らったが、よく見ると私の後ろで、さっきまで私の左隣に座っていた女性が小さく手を振っていた。
どうやら、彼女の夫と娘らしい。
女性が門の方へ向かうと、女の子が駆け寄って抱きついた。
夫らしき男性が、女の子の頭を撫でて悲しげに笑った。
女性が何やら話すと、男性は女性を抱きしめて背中を撫でた。
……いい家族だ。
あの父娘から笑顔を奪わなくて良かった。
犯人への憎悪は驚くほどに薄れ、そんな温かい気持ちだけが心を満たした。
そう、私はあの光景のために医者になったのだ。
彼女を救えたことが誇らしくなった私は、下を向いていた顔を上げた。
あなた、見ててね。私、これからも救い続けるわ。

****************************
できることならば、今日という日が永遠に来なければいいと思っていた。

案内された場所には、木製の立派な椅子が席が置かれていた。
どうやら、本日行われる裁判をここで見ろ、という意味らしい。
私はどのような立場の人間なのだろう。
関係者なのか、被害者の親族なのか、それともあるいは……。

私は、子供を殺された。
殺されてしまったジロウは、私が言うのもなんだが、とても優秀な子供だった。
品行方正、成績優秀。
高齢で出産したため必要以上に可愛く思え、甘やかせて育てたかったが、私は自分を律してジロウを厳しく躾けた。
なぜなら、私自身、両親にそう育てられたからだ。
幼いころから分刻みでスケジュールを管理され、両手では数えきれない習い事を学ばされた。
当時は息の詰まる思いをして反発もしたが、今では両親の教育に感謝している。
だって、私はこんな立派な人間に成長することが出来たのだから。

だから私も両親からされたように、ジロウに厳しく接した。
同世代の子供と遊ぶ時間を削り、余計な娯楽を排除して、義務教育が始まる前に机に座らせた。
それは、凡人ならばすぐに逃げ出す環境だ。
むしろ、私の息子ならば耐えられるはずだ、これに耐えられないなら私の息子ではない、という気持ちでジロウと向き合った。
結果、ジロウは私の期待に沿おうと頑張ってくれた。
将来が、とても楽しみな息子だった。
それなのに……。
私は、犯人を絶対に許さないだろう。

裁判が始まると、犯人の男が入廷した。
男は私の視線に気が付くと、嫌らしい笑みを浮かべて可笑しそうに肩を揺らした。
その瞬間、怒りのあまり眼の前の景色が真っ赤に染まったような気がした。
私はなんとか自制してその場から一歩も動かなかった。
よく、飛び出して犯人の首を締めなかったなと自分で自分を褒めてあげたい。
いくら仇を目の前にしても感情的に動いてはいけない。
私は必死に自分をなだめた。
特に、今日はその理由が強かった。
なぜなら、今日はジロウを殺された事件の裁判ではなく、別の事件の裁判だったからだ。

犯人である男は複数の人間を死傷させた。
その中にジロウが含まれてしまっているわけだが、今日の裁判はジロウの裁判ではない。
なのに、何故私がここにいるのか。
それは、私の職業が医者で、男に殺されかけていた原告の命を、私が手術で救ったからだ。

最初に手術室で瀕死の原告を見たとき、私はひどく動揺した。
なぜなら、原告の傷が、既に殺されてしまっていたジロウとまったく同じものだったからだ。
数日前、警察署の霊安室で見たジロウは、アニメに出てくるチーズみたいに体中デコボコになっていた。
医療用メスを何年も扱い、様々な傷口を見てきた私には断言できた。
原告を傷つけた人物は、ジロウを殺した人物と同一人物であると。
ということは……。

ええい考えるな私! 今は目の前の人間を助けることに集中するんだ!
私は心の中で自分を叱咤した。
ここで余計なことを考える私は、両親によって厳格に育てられた私ではない、と思ったからだ。

手術には長い時間を要した。
途中、助手に汗を拭いてもらって少し落ち着けた私は、また余計なことを考え始めた。

犯人を殺す、殺してやりたい。
もし犯人が目の前にいたら、このメスで喉をかっ切ってやりたい。
手術を行いながら、私はそんな愚考をした。

……いや、待てよ。
医者だからこそ、私にしか出来ない復讐の仕方があった。
仮にここで患者が死んでしまえば、犯人の男は二人以上殺したということになる。
そうすれば今よりも罪が重くなり、極刑が望めるかもしれない。
そうだ、わざと失敗して……。

馬鹿な! 何を考えている私! 
今、私がするべきことは犯人を貶めることではない。
目の前の患者を、助けることだ。

何度か愚かな考えをしてしまったが、私はなんとか職務を全うすることができた。
これも、両親のおかげだ。
両親の厳しい教育があったからこそ、私は間違いを犯さずに済んだ。
やはり、両親は間違っていなかったのだ。
そして、私の教育も。

裁判の途中、私にも発言する機会が与えられた。
検察から手術中に気づいたことを言ってほしい、と頼まれたのだ。
私が自己紹介すると、場が少しざわついた。
おそらく、私のような立場の人間が発言するのは珍しいことなのだろう。
注目されるならば好都合だ。
私はありったけの言葉を駆使して犯人の残虐性、異常性を主張した。
私の発言が終わると、すぐに判決が下された。
判決は有罪で、有限の懲役刑というもだった。

「そんな馬鹿な!」

公衆の面前であることを忘れて、私は大いに取り乱した。
複数の人間を死傷させた男は、極刑になると信じていたからだ。

「落ち着いてください、お母さん」

検察官と弁護人が私を両脇から抑えた。
私は不自由になった両腕のことなど忘れて、必死に裁判官に訴えた。
死刑にして下さい、と。
しかし、裁判官は槌を勢いよく叩くと、無慈悲な声で私に言った。

「犯人は過酷な環境で生活していたため人格に異常をきたしてしまいました。それは情状酌量の余地があり、また更生の可能性があるかもしれません」

ふざけるな! そんなの関係あるか! 私はありったけの正論を裁判官にぶつけたが、判決は覆らなかった。

やはり、原告を死なせておくべきだったか……。
一瞬、そんな後悔をしてしまったが、そんなの言語道断だ。
そんなことをしてしまうと、両親に会わせる顔がない。
私はこれからもたくさんの人々を助け続けなければならない、両親の教育が正しかったと証明するために。
私が医者として正しければ、両親の教育を肯定出来るはずだ。
その代償が、ジロウを殺した男の減刑だったとしても、それは仕方のないことだ。

閉廷後、外に出るため私は犯人の男の傍を通った。

「死刑に出来なくて残念だったね、母さん」

「話しかけるなタロウ。家から逃げたお前は私の息子なんかじゃない」

久しぶりに男と話をしても、私の正義は揺らがなかった。
私はこれからも人間を助け続けるだろう、両親に育てられて自分に誇りを抱きながら。

現在 春雨さん 黒井由紀さん ちくわさんさん エリムさん が入室してます。(4人)
【総発言数:658】
[293429]エリム[★上等兵]
ところで20日は平日なので、私の動ける時間は非常に不規則になるのですが、回答役はどなたかお願いできるでしょうか?
[16年09月11日 23:00]
[293428]エリム[★上等兵]
重大事件の裁判って、確か何回か法廷が開かれるはずだったと思われ・・・。
前半と後半で別の日の設定の方がいいかもしれません。
法科じゃないのでそこまで詳しくないのですが。
[16年09月11日 22:59]
[293427]エリム[★上等兵]
おおう、「温かいもの」の回収ありがとうございます。
このトリック推した時点で放棄するつもりだった要素なのに、気を遣って頂いてありがたやです。
ラストが問題文の「誇りに思っています」を回収していているのですね。
[16年09月11日 22:56]
[293343]黒井由紀
うっかり創作意欲が湧いて解説を書いてしまったので、一応載せておきます。エリムさんの292887をベースに、シンプルに(それでも1500文字以上ありますが)まとめました。要約解説のエッセンスとなる文言を盛り込み、エリムさん(オコジョさん)の言われていた「温かいものが残る」ことを意識しています。

あの日見た夫の亡骸は、これまで仕事で散々見てきたはずのそれとは、どうしても重ならなかった。気丈な方だと自負していたけれど、そんなものはただの思い込みだったと実感させられるばかりだ。救急車が到着した時には既に絶命していた、と霊安室にいた刑事が言っていた気がするけれど、手術を終えてきたばかりの私にはそれ以上の話を聞き取る力はなかった。

どうにか葬儀は済ませたものの、私は夫の死を受け入れきれていなかった。コーヒーは未だに二人分淹れてしまうし、納骨以来一度も墓参りに行っていないどころか位牌に手を合わせることさえしていなかった。でも、今日は、夫を殺した男の裁判だ。そろそろ区切りを付けなければ、きっと私はいつまでも彼を弔えない。その思いだけで、私は今どうにか傍聴席に座っている。
被告人が入廷し、淡々と手続きが進められていく。高級住宅街に建つ家に強盗目的で侵入した被告人が、その家に住んでいた女性、そして電気工事に来ていた私の夫を刺したという事件で、被告人はあっさりと全ての犯行を認めた。
私の夫は死んだが、 彼が死の直前にした救急への通報のおかげで、女性は一命を取り留めた。そう説明した後、検察官は被害者二人の受傷箇所を図で示した。その図を見た瞬間、私の鼓動は速まった。女性のものとして示された特徴的な受傷箇所は、以前担当したある手術の患者のそれと全く同じだった。その手術を行った直後に夫の亡骸と対面したせいか、異常なまでに生々しく記憶に焼き付いている。
……どうりで、彼女が今こんなところにいて、被告人に鋭い視線を向けている訳だ。
左隣に座る女性にちらりと視線をやった私は、深く頷くとまた裁判に集中し直した。やがて弁護側の立証が始まると、弁護士がこんなことを言った。
「被害者二名の受傷箇所に致命傷となり得るものはありません。現に、被害者のうち一名は命を取り留めています。これは、被告人は被害者の動きを止めたかっただけで、強い殺意による行為ではないことを証明しています」
ふざけるな。彼女が死ななかったのは、今ここで被告人に鋭い視線を向けているのは、夫の通報が早く、私が手を尽くしたからだ。断じて、殺意の強さは関係ない。あの男の罪は、そんなことで軽くなっていいものじゃない。
その後検察官は、一件の強盗殺人と二件の強盗殺人未遂を罪名として挙げ、死刑を求刑した。
判決の言い渡しは一時間後。私は呆然としたまま判決を待った。たった一時間だというのに、あの男が首を吊るイメージが何度も脳裏をよぎり、頭が痺れた。そう、あんな屑には死刑判決のみが相応しい。この法治国家では不可能だけれど、可能ならば私自身の手で殺してやりたいほど、怒りも憎しみも振り切れている。
「主文。被告人を、無期懲役に処す」
聞こえた主文に、痺れた頭が煮立ったように熱くなった。
無期懲役? そんなこと許されるのか。
「被告人には強い殺意がなかったことを考慮し……」
強い殺意がないなら、どうして夫は死んでいるのだ。一人は死ななかったけれど、一人は死んでいるのに。もういないのに。
涙が膝に落ちた時、弁護士の言葉がこだました。ーー現に、被害者の一名は命を取り留めていますーー
私があの時彼女を治したから、無期懲役になったとでも言うのか。もし彼女を見捨てていれば、死刑判決が出たとでも言うのか。私の、せいで、あの男は、死を免れた、のか?
その考えが浮かんだ途端、私のすぐ隣で判決に怒りを湛えている女性の存在が疎ましく見えてきた。彼女さえ、いなければ?
法廷から追い出されて、怪しい足取りで裁判所を出ると、門の辺りで誰かを待つ父娘がいた。私が外に出ると、父娘の女の子の方が笑顔で手を振った。自分に手を振られたのかと思い、面食らって後ろを振り向くと、さっきまで私の左隣に座っていた女性が小さく手を振っていた。どうやら、彼女の夫と娘らしい。
女性が門の方へ向かうと、女の子が駆け寄って抱きついた。夫らしき男性が、女の子の頭を撫でて悲しげに笑った。女性が何やら話すと、男性は女性を抱きしめて背中を撫でた。……いい家族だ。
あの父娘から笑顔を奪わなくて良かった。犯人への憎悪は驚くほどに薄れ、そんな温かい気持ちだけが心を満たした。そう、私はあの光景のために医者になったのだ。彼女を救えたことが誇らしくなった私は、下を向いていた顔を上げた。
あなた、見ててね。私、これからも救い続けるわ。
[16年09月11日 13:03]
[293325]エリム[★上等兵]
書くのお任せして意見ばっかりですみません・・・。
でも、息子トリックはここでサブで使うには勿体ないと思うのですよね・・・。
あまり多くのトリックを並べてしまうと、インパクトが相殺されてしまう気がして。
[16年09月11日 01:33]
[293323]エリム[★上等兵]
あと、解説のみに出て来るインパクトある設定を盛り込むのは、正直申し上げて反対です。
肝心の「問題のトリック」が弱まってしまうので。
今回の解説だと、「犯人がもう1人の息子」を何故問題要素に入れ込まないのかと、私が質問者なら疑問に思います。

これはこれで面白いトリックなのですが、今回の問題に関しては「主人公の抱える矛盾」が目立つようにした方がいいのではないかなと思います。
[16年09月11日 01:32]
[293322]エリム[★上等兵]
んんんんんん・・・とりあえず気付いた点。
「原告」は民事裁判にしかいません。
[16年09月11日 01:30]
[293178]ちくわさん
おお、事務局だスゲー。
壮大ななんかが動いてるって感じだ……。

扨。
一応、解説書いてみましたが……、すみません、問題文とかFA条件とかよりも解説文を優先させるという自分の悪癖出まくりです。
設定まで変えちゃってます(殺されたのが夫ではなく子供とか)。
折角書いてみたので、部屋の説明のところに貼っておきます。

まあ、出来はアレなのですが……。
[16年09月10日 01:16]
公認イベント事務局さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年09月10日 00:56]
[293160]公認イベント事務局
お疲れ様です。事務局のものです。
締め切りの20日まであと10日ですが、如何でしょうか?
付きましては20日に向けて2つのお願いがあります。

同じ問題でも個人によって回答は変わってきてしまうので(AさんはYES BさんはYESNOのように)
全員で同じアカウントで回答して、微妙な齟齬が出ないようにする為に【当日出題する代表者を決めて】事務局の方にミニメをください。
その方に出題用のアカウントを20日出題日決定とともにお知らせいたします。
もちろん、相談しながら回答もOKですので、代表者のみが出題の責任を負うというわけではありません。

20日に21日以降の出題順を決定したいので、出題日に希望があれば今のうちに【事務局の方へ希望日時(またはこの日だけはダメと言う日)をこちらも事務局の方にミニメ】をくだされば最大限善処いたします。
要望がなければ、いつでもOKであるという解釈をさせて頂きます。

それではよろしくお願いいたします。
[16年09月10日 00:56]
公認イベント事務局さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年09月10日 00:56]
[293099]ちくわさん
駄目だ! 小細工したくてしょうがねえ!
[16年09月09日 22:15]
[293030]ちくわさん
シフト変更により、今週は金月休みの土日出勤になったちくわです。
というわけで、今日なにか思いつければなあと思っているのですが、とりあえず、逆転裁判3をプレイしときます。
[16年09月09日 11:03]
[292913]エリム[★上等兵]
逆転裁判は日本の法廷制度と違うところが多過ぎるから、あんまり参考にしたらアカンw
[16年09月08日 00:11]
[292896]ちくわさん
この流れだと、主人公を正義感の強い模範的な感じにした方が良いですかね? 文章もあまり小細工せず。

とか言いつつ、小細工を弄したい自分がいる。
[16年09月07日 23:05]
[292891]ちくわさん
裁判知識が『逆転裁判』しか……。
[16年09月07日 23:00]
[292889]エリム[★上等兵]
連投すみませぬ
[16年09月07日 22:51]
[292888]エリム[★上等兵]
夫のことを考えると、遺族なので傍聴席にいた方がいいかな

傍聴席で判決待機→被害者数の確認→手術回想→極刑回避で愕然→医師としての誇り

こんな感じ?
身近に犯人がいた!も捨てがたいものがあるんですが
[16年09月07日 22:50]
[292887]エリム[★上等兵]
夫のことを考えると、遺族なので傍聴席にいた方がいいかな

傍聴席で判決待機→被害者数の確認→手術回想→極刑回避で愕然→医師としての誇り

こんな感じ?
身近に犯人がいた!も捨てがたいものがあるんですが
[16年09月07日 22:50]
[292886]ちくわさん
時間軸を移すとなるとどのような順序になる感じですかね?
文章で書くとなると

報道を見る→手術で患者助ける(回想)→裁判の結果確認→男の死刑回避で愕然

というような流れがザックリと浮かんだのですが。
[16年09月07日 22:48]
[292883]エリム[★上等兵]
「誇り」を解説に用いるなら、黒井由紀さん御提案の「患者は主人公とは面識のない第三者」の方がしっくりくる感じがします。
そして時間軸を移すアイデアは浮かびませんでした、かなり納得感が上がりそうな気がします!
[16年09月07日 22:09]
エリム[★上等兵]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年09月07日 22:07]
[292881]黒井由紀
291937の「助けてしまったことに誇りを感じています」なら、積極的さと消極的さがいいバランスを取っている気がします。裁判の判決が出た後に問題文の時刻を移せば、死刑を回避したことを確定させられるので、「助けてしまった」のアンフェア感が少しは薄らぐでしょうか? その場合はむしろ、報道で得た情報から「自分が以前救った患者は、夫を殺した男の被害者だったのか(つまり、この男が死刑を回避した理由の一端は私にあるのだ)」と悟る展開もアリかもしれません。
[16年09月07日 21:53]
[292480]春雨[豪傑]
>ブクマ内臓

なるほど
内臓だからという訳ではないですけど
私の好みをプロファイリングしたいならブクマ見たらいいよ(
初期と好み変わってる可能性はあるけど
[16年09月05日 21:04]
[292474]ちくわさん
ネ〇ロで思いだしたけれど、今回の看護師ってまんま竹田刑事じゃん。
うん、まあ、パクったわけではなくて、カブっただけだしね、よくあるよくある。
ちくわさん、どんま~い。
[16年09月05日 20:42]
ちくわさんさんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年09月05日 20:40]
エリム[★上等兵]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年09月05日 08:02]
[291981]エリム[★上等兵]
看護師の説明の描写を一部、いっそ後ろに回すのもありかも。
犯人と気付いた瞬間に「サポートしてくれていた、実はその意図は・・・」みたいな。
[16年09月05日 07:58]
[291980]エリム[★上等兵]
最後の主人公の叫びで、刑事犯人と思っていたので、(一体誰の話だ?)と看護師の存在を思い出すのに時間かかっちゃって。
[16年09月05日 07:56]
[291979]エリム[★上等兵]
刑事犯人は、私も引っ張られたんですよね。
その上で、看護師犯人の判明時に、意識が一旦戻ってしまったので、逆にない方がいいのかなと。
[16年09月05日 07:56]
[291978]エリム[★上等兵]
退室忘れて寝落ちってました(汗)。
[16年09月05日 07:54]
ししゃもさんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年09月05日 01:17]
[291953]ししゃも
キャラがブレブレ中のししゃもです。
次からは「広島出身のネカマという設定」でいこうと思っています。

自分、ブクマしないですね~。その理由は、見られたら恥かしいからです。
昔、某松井優征がネ〇ロのオマケコメントで、「自分の携帯音楽プレイヤーを人に手渡すのは避けたいです 内臓を覗かれてるようで…」と書いていました。
当時はなんのこっちゃと思ったのですが、今ならスゴクその気持ちが分かります。
某松井にとっての音楽プレイヤーが自分にとってブクマなのです。

なんでしょう。
とにかく恥ずかしいのです。
それこそ内臓見られているみたいで。
その内この恥ずかしさを克服できるかもしれませんが、今はまだムリっぽいです。

一応、入れてもらってばかり悪いな~とは思っているのですが……。
[16年09月05日 01:16]
[291944]ししゃも
シュタッ!
[16年09月05日 01:05]
ししゃもさんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年09月05日 01:04]
ちくわさんさんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年09月05日 01:04]
[291937]ちくわさん
問題文、能動的過ぎるならこんなのはどうでしょう。

Q私は、私の夫を殺した男を殺してやりたいほどに憎んでいます。
けれど今は、男を助けてしまったことに誇りを感じています。
なぜ?


解説からの逆輸入的な?
うーん、チャームどうだろう。
[16年09月05日 01:00]
[291925]ちくわさん
さて。
エリムさん、削る箇所どうもです。
自分もその辺は色々悩んでました。

というのも、書いてる途中、「これ、犯人は看護師一択じゃね?」と思ったのです。
鋭い人なら半分くらい読んだら看護師が犯人だとバレる気がしたので、急遽、最後ら辺で刑事との絡みを長めにしてみました。
一瞬でも、刑事が犯人かなって思えてもらえればラッキーくらいの気持ちで。
でも、やっぱりあそこは足踏みするところじゃないですね。
最後はスッ、ドン! の短いリズムで行きたいと思います。
なので今は、刑事を若干キャラ変えて中盤辺りでもう少し動かしてみようかなと思っています。。

エリムズブートキャンプはホンマ優秀やで~。
[16年09月05日 00:52]
[291924]ちくわさん
ふいー。
やっぱり風呂上がりのコーラはやめられねえぜ。

あっ。
どうも、ちくわです。
エリムさんも自分の質問答えてもらって感謝です。
[16年09月05日 00:48]
[291916]春雨[豪傑]
落ちます。

個人的都合で申し訳ないですが6日から何日かレスポンスが悪くなるかもしれません。
(たぶん大丈夫だと思いますが念のため。)
[16年09月05日 00:16]
[291914]春雨[豪傑]
個人的には情景描写というか、は有っても良いと思うけどね

解説は要約でまとめ、解説文は小説のように的な
[16年09月05日 00:12]
[291913]エリム[★上等兵]
「主人公の行動が犯人に有利に働く」点を明確にするには、主人公の揺らぎを描くのは良い方法だと思いました。
[16年09月05日 00:11]
[291912]エリム[★上等兵]
うお、春雨さんまだいらっしゃった!
[16年09月05日 00:10]
[291911]エリム[★上等兵]
んー、後は「煙草、吸いたい」の台詞も削るかなぁ・・・。
とにかく、描写の軽重でトリックの衝撃を厚くしたいので、削げるところは削ぎたいかも。
[16年09月05日 00:09]
[291910]春雨[豪傑]
>子供だと迷う余地が

たし蟹
[16年09月05日 00:08]
[291909]エリム[★上等兵]
ちくわさんの新解説、偽名云々のところは削った方がいいかなーと。
本来の要素のインパクトが薄れるので、いきなり「動機説明+写真」に行ってしまっても良いのではと。

あと、主人公が「復讐に揺らぐ」のであれば、瀕死の被害者は親友のままの方がいいですね。
子供だと迷う余地がなくなるので。
[16年09月05日 00:08]
[291908]エリム[★上等兵]
本文と解説が定まってから、相応しいタイトルと要約を考えましょう。
[16年09月05日 00:05]
[291907]エリム[★上等兵]
ちなみに、自分のお気に入りは「ぬくもりが欲しくて」(http://sui-hei.net/mondai/show/20321)です。
何せ、この問題のために2000円以上を投資しましたから!(爆)
[16年09月05日 00:04]
[291906]エリム[★上等兵]
春雨さんの「助ける」へのモヤモヤ感、すごく理解できました、すっきりです!
主人公が「犯人が救われるように行動している」というのが問題のミソなので、上手く表現したいですね。
上記の「救われるように行動している」だと、ちょっとくどいかな・・・。
主人公の能動的な行動の結果が犯人に有利に働くということは明記したいですけど。
[16年09月05日 00:02]
エリム[★上等兵]さんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年09月04日 23:59]
[291897]春雨[豪傑]
どんどんページ長くしていこうぜ!(
[16年09月04日 23:27]
[291896]春雨[豪傑]
そいえばししゃもちゃんはブクマは入れないのです?
[16年09月04日 23:26]
[291895]春雨[豪傑]
要約やらタイトルやらは全部決まった後で良いんじゃないかなー
[16年09月04日 23:26]
[291877]ちくわさん
おっと黒井さんからも書きこみが。

お気に入り問題どうもです。
自薦問題見ながら、お二方の性格のプロファイリング楽しみます!

色々気になることがあるのですがとりあえず一つだけ。
解説文書くたびに書きこんでいたらこのページがメチャクチャ長くなりそうなので、今度から改稿したら部屋の説明文に貼っておきます。

では、今宵も走りながら色々考えてきます!
[16年09月04日 22:04]
[291876]ちくわさん
「先生急患です!」

「……ええ」

看護師から声をかけられて私は火をつけたばかりの煙草を揉み消した。
少しだけ勿体ないと思ったが、それ以上に、自分でなければ救うことのできない命があることに誇りを感じる。

準備を済ませ、急いで手術室へと向かった。
最近働き詰めで疲れていたが、手術に対する自信は揺らがなかった。
私は今までどのような時だろうと、自分の持てる力を全て発揮して人命を救ってきた。
しかし、手術室の前で担架に乗せられている人物を見て、私は狼狽した。

「……カ、カメコ?」

そこに乗せられていたのは、親友のカメコだった。
何故? どうして? 疑問がいくつも浮かんできたが、当然その答えは分からない。
ただ、私は瀕死になっている知人を見て、流石に気分が悪くなった。

「先生?」

気が付けば、私を呼びに来た看護師が隣で不安そうな表情を浮かべていた。
動揺している私の表情が珍しいからか、目を大きく開いて覗きこんでいる。
この看護師はこの間入ったばかりの新人なのに、よく頑張ってくれていた。
私より背が低く華奢なのに、どこのそんな体力があるのだろうかと不思議に思うくらいに働き、私をサポートしてくれていた。
看護師にこのような顔を見せてはならない、私は医師なのだから。

「大丈夫、必ず助けるから」

看護師だけではなく自分自身に言い聞かせるように言うと、私は手術室へと入った。

今までたくさんの手術をこなし、何人もの命を救ってきた私だったが、手術を始めても動揺は治まらなかった。
いや、むしろ激しくなった。
なぜなら、親友の負傷の仕方が、先日殺されてしまった私の夫とまったく同じだったからだ。

そう、私の夫は殺された。
深夜に路上で襲われ、全身を刃物で刺されたのだ。
警察署の霊安室で対面した夫は、アニメに出てくるチーズみたいに体中デコボコになっていた。
犯人はまだ捕まっていないが、幸い目撃者がいたらしく、犯人である男の逮捕は時間の問題だと刑事が言っていた。

今、目の前に夫と同じ傷を負わされたカメコが瀕死の状態でいる。
私は改めてその傷口を観察した。
医療用メスを何年も扱い、様々な傷口を見てきたから断言できる。
この傷は、夫を殺した人物でないとつけられない。
ということは……。

ええい考えるな私! 今はカメコを助けることに集中するんだ!
私は今までどのような時だろうと職務を全うしてきた。
夫を殺されてしまったあの日だって、私はここで心を押し殺して人命を救ってきたではないか!

助手に汗を拭いてもらうと、少し落ち着くことが出来た。
すると頭は自然に、目撃されたという男について考え始める。

殺す、殺してやりたい。
夫だけではなく、どうしてカメコまでこのような目に合わせるのか。
もし犯人が目の前にいたら、このメスで喉をかっ切ってやりたい。
手術を行いながら、私はそんな想像をした。

しかし、悲しいかな。
医師である私の両手は、人を殺すためでなく、人を救うためにあった。

……いや、待てよ。
医師だからこそ、私にしか出来ない復讐の仕方があった。
仮にここでカメコが死んでしまえば、犯人の男は二人殺したということになる。
そうすれば今よりも罪が重くなり、極刑が望めるかもしれない。
そうだ、わざと失敗して……。

馬鹿な! 何を考えている私! 
今、私がするべきことは犯人を貶めることではない。
親友であるカメコを、助けることだ。

「……ふう」

手術を始めてから数時間後、私は手術室から出た。

「先生」

新人の看護師が声をかけてきた。

「大丈夫成功したよ」

何時間も心配し続けていたせいか、看護師の顔は覇気がなかった。
成功の報告をすることで、その顔が少しでも晴れればいいと思った。

手術の緊張から解き放たれた私は、呆けている頭で考えた。
これで憎き犯人の罪を軽くしてしまったわけだが、もちろんそれは喜ばしいことだ。
だって、親友であるカメコの命を救うことが出来たのだから。
それは、医師にとっても最上の喜びだった。

「……煙草、吸いたい」

心身ともに弛緩しきった私は唐突に口元が寂しくなった。
自室に戻り煙草を吸おうとしたけれど、どうやら手術前に吸いかけたのが最後の一本だったらしい。

「仕方ない」

手術後で精も根も尽き果てていた私だったが、煙草への誘惑は断ち切りがたく、勤務明けの看護師が帰宅するのに合わせて、病院から少し離れた自動販売機へと向かった。

「お疲れ様です、先生」

煙草を購入していると、声をかけられた。
顔に覚えがある、たしか、警察署で事件の説明をしてくれた刑事だ。

「喜んでください、犯人が分かりました」

「ああ、そうですか」

刑事は怪訝な顔をした。
どうやら犯人が分かったというのに、あまり喜ばなかった私の態度に疑問を抱いたらしい。

「すみません、術後なもので」

そう言うと刑事は、ああ、と納得していた。

「お疲れのところ申し訳ありませんが、少々聞きたいことがありまして。お時間よろしいですか?」

私が弱弱しく頷くと、刑事は礼を言って懐から手帳を取りだした。

「実は、以前から問題行動を繰り返していて注目していた人物がいましてね。そいつの特徴が今回の目撃情報と合致しました。こいつが犯人で間違いないでしょう。この名前に心当たりはありませんか?」

刑事は手帳に書かれている人物名と住所を読み上げた。
しかし、それは私の知らない情報だった。

「おや、おかしいですね」

刑事が疑わしそうに私を見つめる。

「なんですか」

まるで犯人でも見るような視線に、思わず口調が強くなってしまった。

「あ、いえ。すみません。ちょっとこちらの予想が外れてしまったもので、つい」

気まずさを紛らわすためなのか、刑事は手帳を見つめ捜査の成果を読み上げ始めた。

「色々と聞きこみしたのですが、どうやら昔から犯人は歪んだ加虐趣味を持っていたようです。当時の同級生から話を聞けば聞くほどこちらの気分が悪くなりましたよ。なんでも、相手のことが気になればなるほどその人の苦しむ顔が近くで見たいんだ、と周囲に漏らしていたそうです。だから、先生の身近にいると思ったのですが……。ひょっとしたら偽名を使っているかもしれませんね。ああ、そうだ。さっき写真を手に入れたのだった。この顔に見覚えはありませんか?」

「……あああぁぁ!」

私は買ったばかりの煙草を握り潰して、膝から崩れ落ちた。
どうして、さっき一緒に病院を出た彼がつまらなそうな顔をしていたのか、その理由が分かった。

彼は、カメコが死んだ時の苦痛に歪む私の顔を、間近で見てみたいと思っていたのだ。
[16年09月04日 21:58]
[291875]ちくわさん
>一番のお気に入り問題

春雨さん、どもです。
自身が出題した問題でのお気に入りを聞けば、その人の技術的なものではなく、もうちょっと内面的なものが分かるかなあという好奇心からの質問でした。
なので、お気軽に答えてもらえれば大感謝です。

あと、昨日ご指摘を受けた部分を踏まえて解説書き直してみました。
やっぱ、ちょっと時間を置かないとダメですね。
どうにも主観的になり過ぎて、客観性が分からなくなってしまいます。
ひょっとしたら改悪になっているのでは、と不安なのでご意見お待ちしております。
[16年09月04日 21:56]
[291874]黒井由紀
>運動頑張ってるのに痩せない
マジレスすると、コーラが良くないと思います。50グラム分以上の砂糖が入っていますから。

>好きな問題
これが一番、というのはあまりないです。全部それなりに愛着はありますが、印象の強い問題は直したいものの方が多いので……。
強いて挙げるなら、
呪術は用法・容量を守って正しくお使いください http://sui-hei.net/mondai/show/22103
午後3時の頭脳戦 http://sui-hei.net/mondai/show/22202
謎解きはランチの間に http://sui-hei.net/mondai/show/22403
辺りでしょうか。「呪術は用法・用量を守って正しくお使いください」は、小学生の恋愛模様が可愛らしく描けた(と思う)ことと、誘導が苦手な自分としては珍しくちゃんと誘導できたことが、気に入っている理由です。「午後3時の頭脳戦」「謎解きはランチの間に」はライナーとシンディが出てくる問題だったので、解説を書くのが楽しくてたまらなかった記憶があります。現在のバージョンでも十分長い問題文ですが、初期案だと茶番がもっと多く、収拾のつかないことになっていたほどです。

>「助ける」について
なるほど、強い能動! それで自分のモヤモヤは正体が判明した気がします。
犯人の刑が軽くなることは大事な人が助かることに付随した事象なので、私は消極的に犯人の刑が軽くな「ってもいい」と考えているけれど、そこを積極的に犯人の刑が軽くな「ればいい」と考えているように見せかけるところがポイントだったのですね。消極的に思っていても、積極的に思っていても使える表現を探すのがカギでしょうか……?

>「男」「人物」について
犯人が逮捕されていない段階で犯人が男であると断定するのが難しいなら、「人物」に変えることも可能というだけの話なので、解説にそういう意図があったなら、「男」のままの方がドラマチックで良いと思います。

あと、ちくわさんさんの解説は長めなので、この長さで行くなら簡易解説か要約解説が必要だと思います。問題文次第で文章が変わりそうなので、の最終稿が決定したら書いてみますね。
[16年09月04日 21:54]
[291823]春雨[豪傑]
>一番のお気に入り問題

マジレスすると全部それぞれ何らか気に入ってます(


まあそれだけどアレなので厳選すると、

ネタも進行も気に入ってるのは
「胸が騒いでしまう帰り道」http://sui-hei.net/mondai/show/23694
扉ですけどね。
自分で自分にブクマ入れてます。

進行は微妙かなー、と思いつつネタは気に入ってるのは
「あなたはコルロフォビア」http://sui-hei.net/mondai/show/21122
「蕎麦粉8、小麦粉2、お水を加えてこねましょう」http://sui-hei.net/mondai/show/20696
瞬殺気味。
別に瞬殺が悪という訳ではないけどFA条件や問題文などもう少し練れたかなという所。


あとはまあ、それなりに評価貰ってるやつも普通に気に入ってますよ(
[16年09月04日 19:45]
[291819]春雨[豪傑]
>「助ける」について

言語化しがたいもやっと感があるので何とも言えねーです(
強いて言うなら「助ける」という語句に強い能動を感じるので
結果的に「助かる」のを「Xを助ける」と言うかな?という感じだろうか

からの前述ですが
「殺せる(死に至らしめる)選択肢が有ったが、選ばずに」「助ける方を選んだ」
うーむ、という


>291753
>・弁護士がその男を弁護して死刑回避させる
>・医者の私が手術を成功させる(患者を生かす)ことで、確実にその男の刑が軽くなる(被害者が一人だけで、その人物の生死のみが重要な場合など)
>は、それぞれ「助ける」という語が妥当だと思いますか?[2016年09月04日00時55分]

上はまあ助けてるかなあ
下は、(別の論点かもですが)「手術を成功させる(患者を生かす)こと」が「助ける」というワードにふさわしくて
その男云々が霞むなあ、うーん
[16年09月04日 19:37]
[291778]ちくわさん
ちなみに自分は、「オオカミ男の受難」という問題がお気に入りです。
基本、出題が怖くて仕方ないのですが、この問題だけは質疑解答が楽しくできました。
ウミガメ問題としては「?」な問題ですが、「ああ、俺は今下らないことに全力をかけている」と思うとニヤニヤが止まりませんでした。
ただ、納得度の低い問題だと自覚しているので、参加してくださった皆さんには悪いなあと思っています。

さて、猛者の問題練る前に遊んでこよー。
[16年09月04日 11:26]
[291777]ちくわさん
あっ、そうだ。
名無し解禁したら聞いてみたいことがあったんだ。

皆さん、自分自身で出題した問題の中で、一番のお気に入り問題ってなんですか? プロフィールにザックリ書かれている方もいらっしゃいましたが、改めて聞いてみたいです。
良問とか評価が高かったとかではなく、個人的な主観で「これが好き」って問題を聞いてみたいです。
[16年09月04日 11:20]
[291768]ちくわさん
よし、今日は頑張った、俺。
あとはドラクエ6でもやって寝よう。
[16年09月04日 02:39]
[291767]ちくわさん
一応、問題文が「男」、解説の途中までが「看護師」という表現で、「犯人」≠「看護師」というミスリードを狙ってみました(個人的に、看護師は男性よりも女性を連想させる言葉だと思っている)。
しかし、「人物」の方が、解説出たときのインパクトが大きいと言うのなら、そちらでもOKです。
この辺は趣向の問題だと思うので自分はなんともです。

そして、「助ける」は本当にビミョーなラインだと思います。
自分が質問者として参加した場合、ギリギリ不満を抱かないレベルでもっと上手い言い回しはあるのではないか、と感想を抱きそうです。

あと、新しいタイトル考えなくちゃですね。
「減刑と殺意」はちょっとヒント過ぎると思います。
語感は凄く好きなんですけど。
[16年09月04日 02:38]
[291766]ちくわさん
ふいー、風呂上がりの一杯(コーラ)は格別だぜ。
……それにしても、こんなに運動頑張ってるのになんで痩せないんだろう?
[16年09月04日 02:22]
ちくわさんさんが入室しました。
ウミガメのスープを一つください。[16年09月04日 02:20]
[291753]黒井由紀
問題文の「男」を「人物」に変えますか? 犯人が「男」でなければならない理由は無いので、変更しても構わないかと。

「助ける」は難しいですね。ただ、「助ける」という言葉のどこが問題となっているか、今ひとつ掴みかねていますので、質問します。
・弁護士がその男を弁護して死刑回避させる
・医者の私が手術を成功させる(患者を生かす)ことで、確実にその男の刑が軽くなる(被害者が一人だけで、その人物の生死のみが重要な場合など)
は、それぞれ「助ける」という語が妥当だと思いますか?
[16年09月04日 00:55]
エリム[★上等兵]さんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年09月03日 23:59]
[291733]エリム[★上等兵]
日付変わるんで、私もそろそろ落ちますね。
改めて、よろしくお願いします、頑張りましょう!
[16年09月03日 23:59]
[291732]エリム[★上等兵]
夜中にすごいなー。
[16年09月03日 23:58]
[291731]エリム[★上等兵]
トレーニングお疲れ様です。
[16年09月03日 23:58]
[291730]春雨[豪傑]
中心でけえな!
[16年09月03日 23:52]
ちくわさんさんは勘定を済ませ、帰宅した。
[16年09月03日 23:51]
[291728]ちくわさん
黒井さんと春雨さんとエリムさんがこのチームの中心人物なので、がんばってください。
特に、インパラさんには期待してますよ!
[16年09月03日 23:51]
[291727]春雨[豪傑]
いってらっさい
[16年09月03日 23:50]
[291726]ちくわさん
やはり運動しかないのか……。

というわけで、こんな時間ですが日課である筋トレとジョギング行ってきます。
[16年09月03日 23:49]
[291725]春雨[豪傑]
やんややんや
[16年09月03日 23:48]
[291724]春雨[豪傑]
賑やかし役がんばります。
[16年09月03日 23:48]
[291721]エリム[★上等兵]
贅肉を削る方法なら私が知りたいですわw
[16年09月03日 23:46]
[291720]ちくわさん
この腹に溜まった贅肉を削ってほしいんやで……。
[16年09月03日 23:45]
[291718]エリム[★上等兵]
長いのから削るのは割と楽なので、必要な要素は盛り込んでしまいましょう。
正直、削る作業は割と得意なんですけど、それくらいしか役に立ちそうにないんやで・・・
[16年09月03日 23:45]