一
際大きな黒い傘を持ち、たたずむ少女。空を見上げ、不安そうな顔を見せる。
突如、降り出す雨。雨に打たれながら走る少女。何故か傘は使おうとしない。
結局、一度も使う事が無いまま、少女は死んでしまった。
一体何故?
【植野さんとのコラボ問題】
【挿絵・タイトル先行問題。挿絵・タイトル:植野さん】
13年02月04日 22:23
【ウミガメのスープ】
[Taka]
解説を見る
こ
こは小さな田舎町。そこに母と二人暮らしの少女がいた。身寄りは母しかいなかったが、少女は楽しく暮らしていた。
しかしある日、母が原因不明の病に侵される。こんな小さな町の医者では手におえず、都会の病院にかかるお金もない。少女は必死で調べ、万能薬とも言われるキノコがあることを知る。
病気の母の為、万病に効くと言われるキノコを探しに山へ入った少女。探せど探せど、キノコは見つからず、どんどん山の奥へ入っていった。
山をどれだけ歩いたかも覚えていない。何日たったのかも。そんなことなどどうでもいいくらい少女は必死だった。大好きな母の為、キノコを見つけないといけない。その気持ちでいっぱいだった。
すると少女の目の前に一際大きな黒い傘のキノコが。少女は本で見た通りの大きな黒い傘のキノコを手に取ると、今までの緊張が解けたかのように、立ち尽くした。そして、すぐに我に帰る。
ここ、どこ?
もちろん帰り道などわかるはずもなく、方向すらもわからない。少女はとりあえず空を見上げ、北極星を目指し進む。そこに母がいる事を信じながら。
帰り道の途中、突然の雨。手元にはキノコしか無い為、雨に打たれながら走る。中々、止まない雨に身体を震わせながら山を駆け抜ける。
しかし、何日も何も食べずにキノコを探し続けていた少女も、もう限界だった。雨で足元がゆるんでいる。それに足を滑らせ転倒した。
もう立ち上がる元気もない。身体中、泥まみれになりながらも大事そうにキノコを守る。食べたら少しはお腹も満たされるだろう。しかし、これだけは・・これだけは・・
お母さん・・ごめんね。お薬・・・持っていけなかった。
泥まみれの地面に横たわり、雨の音に母への想いをかき消されながら、少女は静かに目を閉じた。
総合点:1票 伏線・洗練さ:1票
伏線・洗練さ部門ぽんぽこぺん【
投票一覧】
「こんな風に傘を使うなんて、思ってもみませんでした。凄まじい先入観。そして、物悲しくも素敵なストーリー。」
2015年04月22日23時