カメオの体調が悪いと知っているのに、カメオにかくれんぼを強要するカメコ。
一体どうして?
17年10月11日 19:02
【ウミガメのスープ】
[赤土]
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おうちで猫のカメオを飼っている小学校二年生のカメコちゃん。
しかし最近、カメオはどうも元気が無く、それに、なんだか狭い所に隠れたがる様なのです。
不思議に思ったカメコちゃんは、友達のウミオくんに相談してみました。すると、
「えー、カメコ知らねえの?猫は、人の見てない所で死のうとするんだよ。だからお前んちの猫、もうすぐじゅみょうだよ!」
その言葉にひどくショックを受けたカメコちゃん。カメオが死んでしまうなんて、信じられません。
しかし、彼女は気付きます。人の見ていない所で死ぬ。ならば、常に人に見られていれば…?
それからというもの、学校が終わった後、カメコちゃんは急いで家に帰ります。前までは一緒に帰っていたウミオくんも置いてけぼりです。
そして今日も、押入れ、靴箱、ベッドの下、テレビの後ろもチェックして、おめあての小さな猫を見つけます。
「カメオ、みーつけた!」
カメオの迷惑そうな顔も構わず、カメコちゃんは、カメオがどこに隠れても必ず探し出します。
だから、まだ、一緒に居てね。
総合点:2票 伏線・洗練さ:1票 物語:1票
伏線・洗練さ部門からす山【
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「実はカメオは人間ではないというベールをうまく覆い隠す本文、「かくれんぼ」「強要」と言い回し。切ない解説。そしてまた問題文を読み直して、どちらにもかなり力が入っているのを感じます。見事な完成度。」
2017年10月12日23時
物語部門からす山【
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「とても切ない、別れの物語です。大人だって、親しい誰かと別れることに平常心ではいられない。子供ならなおさらでしょう。しかしカメコは、カメオがもうすぐ死んでしまうかもしれないという事実から目をそらさずしっかり受け止めて、少しでも長くカメオと一緒にいようと、出来ることをしようとします。その健気さに、強く胸を打たれることでしょう。」
2017年10月12日22時