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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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項目についての説明はラテシンwiki

当たり前マジック(問題ページ

場が暗くなると、一条のスポットライトが男を照らした。
シルクハットの前側のつばを持ち、目深に被っているせいで、表情は読めない。
男は、シルクハットから透明な何かを取り出して見せると、観客の一人に手渡した。
観客は、折り畳まれていたそれを広げ、熱心に確認した。種も仕掛けもないビーチボールのようだ。
男がジェスチャーで促し、それに応えるように観客がビーチボールを膨らませた。
観客が膨らませたボールを返すと、男は空中でそっと、ボールから手を離した。
ボールは、一直線に床へと吸い込まれていく。
「ボールが落ちたぞ!!」
観客は驚きにどよめき、その後男に喝采を送った。
どうしてこんなことになるのだろう?
17年10月06日 14:28
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]



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は30XX年、イプシロン宇宙ステーションの中の球形シアターにて。
ミスター卯弾の十八番「落ちるビーチボール」に観客たちは熱狂した。
完全に無重力状態の中、種も仕掛けもないビーチボールが床へと落ちる。
言葉にしてしまえばただそれだけだが、生で目にすると驚きはひとしおだ。
ビーチボールはただのビニールだし、中の気体は観客の息。糸も見当たらないし、磁力や風があるわけでもないのに、それでも床へと落ちる不思議さは、他では類を見ない。
特に、生まれてこの方無重力、という世代にはぜひ見てほしい。
       (「月刊マジック」30XX年5月号より)
総合点:2票  納得感:1票  トリック:1票  


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納得感部門からす山
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「逆に、私たちが無重力でボールが床に落ちない様子を見たら、無重力の知識があっても、その光景に喝采を送ってしまうでしょう。それと逆の状況と考えればとても納得です。まして、彼らは本来無重力であるはずの状況。地球上でボールが宙に浮くのを見せられているようなものです。問題文になんら不思議な要素がなさげなところからのこの解説だというのも、納得感を上げています。」
2017年10月06日20時
トリック部門からす山
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「見事な発想、トリックです。非現実要素が分かればそれほどベールは厚くないかもしれませんが、トリックの難しさよりも美しさが見事だと思いました。」
2017年10月06日20時

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