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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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雄は等手町町長の息子。

父親の優しさと気品、祖父の勇気と行動力、曾祖父の正義感と不屈の精神を受け継いだ
未来の名君である。

先々代町長であるカメオの曾祖父もまた名君であった。
町には曾祖父の石像が建てられており、足元にはその偉業が刻まれた石碑がある。
ある日、亀雄はその石碑を粉々に打ち砕いた。

何故?
17年09月06日 18:33
【ウミガメのスープ】【批評OK】 [生姜蜂蜜漬け]



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40年前。等手町はとても貧しかった。
町民のほとんどが、とある工場で働き生計を立てていた。

他に目ぼしい産業がないことに付け込み、工場長は、命の危険を伴う作業、時間外労働、最低賃金を下回る給料と、
非道な状況で町民を酷使していた。

虐げられていた町民のために立ち上がったのが、亀雄の曾祖父である。
調査団を立ち上げ、裁判を起こした。工場側の嫌がらせにも屈せず、長い長い戦いの末、不正を暴き勝訴したのだ。
記念に町には曾祖父の石像が建てられ、足元の石碑には、非道に耐え勝利を掴み取るまでの経緯が刻まれた。

曾祖父が亡くなった後も、町の人々は互いに助け合いながら平和に暮らしていた。

ただし、ある一族を除いて。

工場長の親族が、等手町にまだ残っていたのだ。いや、残らざるを得なかったという方が正しい。
工場長が払った莫大な損害賠償は、40年経った今も親族の暮らしを圧迫し、
何より、町民の怒りは未だ強く、彼らが平穏に暮らすことを許さなかった。

海子は、工場長の曾孫で、そんな暮らしに不満も言わず、家族を支え健気に生きてきた。
「それだけ悪いことをしてきたんだから」「私だけ逃げるわけにはいかないよ」そう口癖のように話す海子。
海子の人柄をよく知っていた亀雄は、彼女が町民に苛められていることが我慢できなかった。

そして彼は立ち上がる。かつての曾祖父さながらに。

石碑を――刻まれた曾祖父の偉業と工場長の悪行を、彼は粉々に打ち砕いた。

「曾爺さんはとても立派な人だった。僕は今でも尊敬している。それはずっと変わりない。
 でも、彼をたたえるために海子があんな目に会うなら、もうこんなものはいらない!!
 海子をいじめる奴は僕が許さない! 誰だろうと相手になってやる!!」

それ以来、海子の一族への苛めはなくなった。
最初は亀雄の後ろ盾があってこそだったが、海子自身と接していくうちに、町民も少しずつその人柄に目を向けるようになっていく。
やがて町は、親族とも和解し、本当の意味での平和を手に入れた。

海子は今、亀雄と共に学校に通っている。
並んで帰り路を歩く二人を、曾祖父の像はどこか誇らしげに見守っていた。
総合点:1票  物語:1票  


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物語部門かぼちゃグランド
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「曾祖父の立派な業績と、だからこその亀雄の勇気に感動。元ネタが存在しますが、正義の陰にある人間の負の側面を別視点から表現し直し、優しい話に仕上げた構成が見事だと思いました。」
2017年10月19日12時

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